冬の研修感想文④ 文章がよくなる喜びを実感
(昨年11月から今年1月まで、東証スタンダード上場企業2社で思考力文章講座を実施しました。受講した方の感想を紹介しています)
3か月の文章研修の感想と今後にどう生かしたいか
学生の時、文芸サークルに所属していた。小説やエッセイ、詩などを書いて持ち寄り、お互いの作品を講評しあった。研修中、このときのことを思い出した。文章の質についての指摘は、学生以来の体験だった。大変ではあったが有意義で、初心を思い出さされる楽しい研修でもあった。
私の行っている仕事は、たくさん文章を書く。特に、多くの関係者の意見を聞き、落とし所を探りながら書くことが多い。その結果、メッセージが分散してしまうことがある。しかし、伝えるためには、目的に対して相応しいメッセージを選ばなくてはならない。そして選ぶためには、広く学び、思考し続けなくてはならない、と研修を通して感じた。
テーマに対して、思うところがたくさんあっても、最も伝えたい部分を定めること。メッセージを定め、伝えるには思考すること。なぜそのメッセージが重要なのか。効果的な表現や構成はなにか。メッセージに説得力を持たせるには、どのような教養や経験が有効か。これらのことを日頃から意識して文章を書くことが大切である。
今回の研修でもう1つ学んだことは、指摘の仕方である。仕事で社内外の文章を校正することが多い。これまでは、誤字脱字や基本的な文章表現への指摘に留まっていた。それは書いた人に対する敬意でもあったのだが、より良くすることからは程遠い態度だった、と今は感じている。
研修では、基本的な指摘とは別に、構成や表現へのアドバイスや、考えると良い視点、もう一歩踏み込んだ論点が提示される。書き直されるのではなく、一歩引いた視点で提案を受ける印象だった。もちろん、こういったことは一朝一夕でできることではない。しかし、自身の視点を提示し、より良い文章のために一緒に考えることはできそうである。
研修を通じ、私の文章はもっと良くなるのだ、という喜びを感じた。そういった意味では、多岐に渡るテーマに頭を悩ませた3ヶ月が終わるのが、すこし名残惜しい。