10月2日からの教養講座は「河合隼雄の心理療法序説」

2023.09.29 お知らせ

今週は心理学者の河合隼雄氏(1928~2007)が書いた「心理療法序説」(2009、岩波現代文庫)を紹介します。心理療法の名著とされています。心理療法が取り扱うのは「人間の心」です。時に自分でさえよくわからない「心」ですから、柔らかい心で読んで下さい。

河合氏は京都大学理学部を卒業し、ユング心理学を日本に導入した人です。臨床心理士の資格整備にも貢献しました。京都大学教授を務めました。紹介する本は、京都大学を退官するにあたって1992年にまとめたものです。

心理療法と科学性、教育、宗教、文化・社会的要因、技法など幅広く取り上げています。エッセンスを紹介しますが、心理療法は個別性が強くあいまいな部分があり、理論で一刀両断できる分野ではありません。詳しく知りたい人は、ぜひ岩波現代文庫を読んで下さい。