10月30日からの教養講座は「老子」
2023.10.29
お知らせ
老子は、中国の哲学者で、紀元前5~4世紀に存在したと推定されています。実在を疑う説もありますが、中国では最も尊敬されている思想家の一人です。孔子の「論語」が道徳的秩序に基づく人倫の道を説いたのに対し、老子は作為的な道徳や文化を否定し、自然の理に従う生き方を理想としました。
老子から荘子に受け継がれた考え方は、老荘思想と呼ばれます。宇宙の原理を「道」(タオ)と呼び、深遠さが特徴です。道家という学派や道教を形成しました。81章に及ぶ「老子」という著書が残っており、5つの章を紹介します。
訳書はいくつか出ていますが、作家の新井満氏と詩人の加島祥三氏が、独自に訳しています。かなり自由な内容で、2人の個性が強く出て、現代人に自然の道理に沿った生き方を呼びかけてきます。「上善如水」「大道と非道」「知足のすすめ」「和光同塵」「小魚を煮るように」を紹介します。意表をつくような訳を比べながら楽しんでください。