12月修了の研修感想文① 基本ルール、知識・教養、生成AI・・・多くの気づき
2024年12月修了 思考力文章講座3ヶ月コース①(東証スタンダード上場企業)
課題「3か月の文章研修の感想と今後にどう生かしたいか」(提出された作文の一部を原則そのまま掲載しています)
◎研修で得た3つの成果 今回この文章講座を通して得られたものは大きく3つある。1つは、基本ルールに即して文章を書くと格段に読みやすくなるという知見を得たこと。2つ目は、自分が文章というものをいかに書けていなかったか、を知るきっかけになったこと。3つ目はChatGPT等の便利なツールを実践的に使用したという経験ができたことである。
1つ目に関して。一番身になった基本ルールは、主に文章を構成する際のものである。一文は短くまとめる、段落は多くもなく少なくもなく適切な量で、といったことだ。このルールを気にせず書いてしまうと読み直した時に支離滅裂な文章になっている。これまではその支離滅裂さに気づくことすらなかったが、それに気づけるようになった。また、長文で書いてしまった場合短文で書き直すが、その際は強制的に文章を俯瞰で読む必要があった。今講座はその俯瞰する能力が自然と鍛えられる構造になっており、自分も上達したと感じている。まだ完璧な文章は書けないが、以前よりノウハウが備わり良くなったと実感している。
2つ目に関して。この3か月講座を受け課題を行う中で、上記のような長文を短文に直す再構築の作業をほぼ毎文行っていた。つまり、基本ルールから外れた支離滅裂な文章しか書いてこなかったということだ。自分の今までの文章がいかに読みづらいものだったか体感し、改善へと繋げる心構えをすることができた。
3つ目に関して。直接ChatGPTを利用し文章を書く回や使用方法について考える回など、AIに触れたり考えたりする機会が多くなった。上手く活用し仕事にも取り入れようと思う良い機会だった。
この講座で得た知識はすでに報告書の作成等で使用している。文章を書くことに慣れたのか、書きやすくなったと強く感じる。報告書以外でも様々な場面で活用し、読みやすく伝わりやすい文章を書くことを目指していく。
◎苦手意識が自信に変わった 3ヶ月の文章研修は、私にとって学びの連続だった。文章を書くことへの苦手意識が、いつの間にか自信へと変わっていった。研修を通して、文章は単に言葉を並べるものではなく、自分の考えを形にし、相手に伝えるための強力なツールだと気づかされた。
最初は戸惑いもあった。初回の添削では修正箇所がいくつもあり、私は驚いた。自分の文章力のなさを認識し、文章表現について深く学ぶ必要があると感じた。
私の文章には「なぜそう思ったのか」や「具体的なエピソード」が不足していることが多く、何度も指摘を受けた。限られた文字数の中で、伝えたい内容を整理し、表現することはとても難しく、特に注意して文章を作成する必要があった。
様々なジャンルの課題作文に挑戦することで大きな学びを得た。過去の体験を思い出したり、ニュースを見返したり、書くたびにいつも発見があった。書きたいと思った内容が、簡潔で明瞭に表現できているか何度も文章を見返し完成させた。この経験はとても貴重なものとなった。
研修では漢字で表現することが必ずしも適切で無いことも知った。これは大きな学びであった。「子供」と「子ども」の違いは特に印象に残っている。「子供」は親に附随しているという意味が含まれるため、「子ども」と表現することが一般的で適切なのだ。
文章はただ自分の考えを羅列するものではない。誰かに読んでもらうことを前提に、相手に分かりやすく、そして共感してもらえるよう書く必要がある。読み手にとって常に新鮮な内容であるべきなのだ。この単純なことに気づいた時、私は文章を書くことの奥深さを改めて感じた。
文章力の向上は仕事だけでなく、私の人生にも良い影響を与えてくれる。人間関係、自己理解、創造性、学習などあらゆる場面で活かされる。文章作成を通して、言葉で表現するだけでなく、思考を深め、自己成長につなげていきたい。
◎知識と教養の不足を痛感 文章を書くことに苦を感じるタイプではなかったが、この3か月は率直に大変だった。ただその中で得た気づきもあり、この機会を提供して頂いた会社と長谷川先生に感謝したい。
この研修でもっとも実感した点は、自らの知識と教養の不足だ。自らの内面を語ればよいテーマは、すらすらと書くことができたが、社会的なテーマとなると時間を要した。最も悩んだテーマは、「これからの時代にあるべき企業人の姿」だ。どこかでうっすらと聞いた知識を頼りに書き進めることしかできず、意見も定まったものにならなかった。ただ、社歴を重ねれば知識が身に着くこともないだろうと考える。今回のような機会を個人的に設けることは難しいが、ニュースを毎日確認する癖はついたので、継続していくつもりだ。
取り組んで面白かったテーマは、「企業はチャットGPTのような生成AIをどう使うべきか」だ。チャットGPTについて聞いたことはあったが、知識は全くなかった。真剣に自社へ取り入れるならと考える中で、本当に取り入れても良いのではと思えるくらい、便利なツールだと知った。チャットGPTに限らず、新しいモノ・技術へ敏感になることが、自分の私生活や仕事につながる可能性を感じた。
文章力を向上させるという目的で取り組んだ研修だったが、知識や教養を身に着けることの大事さに気づかされた研修であった。もちろん文章を作る上で、基本的なルールや構成の重要性も無視はできない。ただ、どれだけ分かりやすい文章であったとしても、中身や伝えたいことが薄いものでは、読み手を惹き付けることはできない。これは文章に限らず、会話にも通じる内容ではないだろうか。
今後も営業として働いていく中で、様々な人と会話し、文章を交わすこともあるだろう。どのようなコミュニケーションを取っても、人を惹き付けるために、日々社会人としての知識や教養を身につけていきたい。
◎情報の詰め込み過ぎに気づいた 私は子どもの頃から文章を書くのが苦手だった。どのように書き始めればよいのか分からないし、組み立て方も自信がなかった。働くようになり、最近は文章を書く機会が多い。苦手意識をなくしたいと思い、文章研修に参加した。
本研修では「一文60字以内」を意識することが求められた。実際に取り組むと、これが予想以上に難しいと感じた。伝えたいことを書いていると、気がつくと60文字を越えている。それを短くすると、接続詞を使ってしまう。接続詞を多用すると、それが文章の冗長さを生んでしまう。接続詞がなくても伝わる場合は省くべきであると学んだ。接続詞を使った文章と使わない文章を比べてみると、接続詞を省いた方がスッキリして読みやすいと感じた。今まで使いすぎていたことに気づき、簡潔さが重要であると実感した。
これまでの自分の文章は、情報を詰め込みすぎていた。そのため、読者にとってわかりにくい内容になっていた。研修では「何を伝えるか」を明確にする重要性を学んだ。不要な情報や装飾を削ることで、伝わりやすい文章が書けるようになってきたと思う。一文一意の原則を意識することも有効であると感じた。
推敲の重要性を再認識したことも大きな成果である。一度書いた文章を見直し、冗長な表現を削ることで質が向上する。このプロセスを繰り返すことで、簡潔で伝わりやすい文章が書けるようになってきたと感じた。
今後は、研修で得た知識を日常業務に生かしたい。メールや報告書では接続詞を減らし、一文を短くすることを徹底する。また、「この情報は本当に必要か」を常に考えながら文章を作成することで、無駄のない内容に仕上げたい。3か月間の文章研修を通じ、自分の課題が明確になった。研修を通じて得た「簡潔さ」と「読者視点」の大切さを胸に刻み、これからも自分の文章スキルを磨いていきたい。
◎「書くことは考えること」に納得 最初に頂いた「文章の極意」という資料の序文に「文を書くことは考えること」とある。まさにその通りだと感じた。
私にとって、文を書くことは思考の整理と論理化だ。作文にあたっては、まずはテーマに対して考えたことを思いつくままに書き出した。その時点では当然まとまりのない文章となる。散らかった思考の中から、論理的な流れを選び出し、ひとつの文章に仕上げていく。
作文を繰り返す中で興味深かったのは、思考は必ずしも論理的ではないという点だ。頭にあることを書き出してみると、感覚的であいまいなことが非常に多かった。完成した文章だけ見れば、論理的な思考にもとづいて書かれたように見える。しかし実際には、非論理的な思考の過程を経て、論理的な構造を作り上げていく作業であった。
生成AIをテーマとして扱ってからは、自分が文章を書く意義を深く考えるようになった。自分の文章を学習させた生成AIにプロンプトを与えれば、別のテーマでも類似の文章が生成可能だ。しかしその文章は、無難な一般論に終始する。講評では「考えや思いに至った経験や背景」について度々指摘を受けた。そこにこそ自分にしか書けない文章の価値がある。一見非合理的に思える感情や個人的な経験も、文章に深みを与える重要な要素なのだと認識した。
今までは、迅速な意思決定や瞬発力を重視しており、頭の中で考えることが多かった。しかし、頭の中だけでは論理的な組み立てが不十分であり、また、その考えも感覚的だ。作文をする中で推敲を重ねるうちに、そうした漠然とした考えが明確になっていくのを感じた。3ヶ月の研修を通して、落ち着いて考えを深めることの大切さを再認識することができた。
一方で、文を書くことには危険性もはらんでいると考える。思考が整理されることで自身の考えが強化され、それに固執してしまいかねない点だ。感覚と論理、どちらも大切にしながら、今後の人生に柔軟に生かしていきたい。