20日からの教養講座は「SDGs不平等をなくそう」

2023.03.17

20日からの教養講座は、SDGsの「不平等」を取り上げる。10番目の目標で、「人や国の不平等をなくそう」と訴える。まず「不平等」について考えてみたい。以下は1回目の内容。

不平等に近い言葉に「格差」と「差別」がある。格差は客観的な違いを示す中立的な言葉と言える。「差別」は偏見を背景に特定の人を不当に区別することで、否定的なニュアンスがある。差別は国際条約で禁止されている。明確に禁止されていないという意味で、不平等は格差に近い。

国同士では先進国と途上国の間に不平等がある。国内でも年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、貧富などの理由で生まれる不平等がある。どちらもなくそうというのがSDGsの目標だ。

不平等をなくすために重要な言葉が「ソーシャルインクルージョン」だ。日本語では「社会的包摂」といい、誰をも包み込み、追い出したり排除したりしない考え方だ。どんな人も自分の能力を発揮し、活躍する必要がある。そのためには不平等があってはうまくいかない。

不平等をなくす利点が及ぶのは、差別されていたり、困窮していたりする人たちだけではない。社会全体が豊かで健康で文化的な生につながるという視点が必要だ。