7月10日からの教養講座は「松下幸之助語録」
2023.07.08
お知らせ
松下幸之助(1894~1989)は、パナソニックの創業者で、「経営の神様」と呼ばれた人です。今の和歌山市に生まれ、父が米相場で破産したため、9歳で火鉢店の丁稚に出され、そこから世界有数の大企業を育てました。
多くの語録が残されていますが、著書「指導者の条件」(1975年)から「すべてを生かす」「先見性」「天地自然の理」「怒りを持つ」「徳性を養う」の5編を紹介します。どれも突飛な内容ではなく、至極常識的なことが書かれています。最近亡くなった稲盛和夫さんの語録も似ています。当たり前のことを当たり前に実行できるかどうか。経営の極意はこのあたりにありそうです。
新人の経済記者時代、東京のホテルで開かれた松下電器産業(当時)のイベントで拝見したことがあります。車イスに乗った品のいい紳士という印象でした。当時の山下俊彦社長に「松下電器という社名は古めかしくないですか。変える考えはありませんか」と聞いたら、「幸之助が生きている間は変えられるわけないやろ、きみ」と言っていました。晩年は政治家らを輩出する松下政経塾を作り、人材育成に注力しました。スケールの大きな経営者でした。