８月２８日からの教養講座は「谷沢永一の実践人間学」

関西大学教授だった谷沢永一氏の著書「実践　人間学」（2000年、講談社）から紹介します。大阪人らしいユーモアを交えた人間観察や毒舌が独特です。人間の醜い部分に目を向けながら、現実を直視して論じています。味わってみて下さい。

例えば「嫉妬」。次のように筆を進めます。「嫉妬は大きく二つに分けられる。一つは男女関係の嫉妬、もう一つは同僚の業績や地位などに対する嫉妬だ。どちらの嫉妬がきついかといえば、むろん後者である。 嫉妬は人間の本性なのである」という具合です。

「自己愛」「偽善・偽悪」「自尊心・プライド」「私利私欲」「嫉妬」を取り上げます。人間の心の中ではいろいろな感情が渦巻いています。無理に抑えつけると、別の問題が生まれるかもしれません。人にはなかなか言えない自分の心をどうするか。生きていくうえで、大切な教養でしょう。