8月7日からの教養講座は「東条英機伝」

2023.08.06 お知らせ

8月は慰霊の月です。6日の広島原爆忌、9日の長崎原爆忌、15日の終戦記念日と続きます。「日本はなぜ戦争を始め、なぜ敗れたのか。将来どうすべきか」。日本人として必須の教養だといえます。開戦時の首相だった東条英機の一生を通じて考えてみます。

東条は陸軍軍人の父を持ち、陸軍幼年学校から大学校までずっと陸軍の学校に通います。一生懸命働く能吏で、陸軍大臣に就任して陸軍の利害を強硬に代弁しました。陸軍を抑えきれなくなった宮中や政治家は「東条なら陸軍を抑えられるのではないか」と考え、本人も意図しなかった首相に就任しました。

東条は昭和天皇の非戦の意向に触れ、戦争回避に動きますが、自分があおったナショナリズムの逆流に飲み込まれます。サイパン陥落で首相の座を追われ、戦後は絞首刑になります。この過程をみると、将来に生かすべき多くの教訓があります。参考文献は、古川隆久・日大教授著「日本史リブレット人100 東条英機」(山川出版社)です。