「ライフシフト」の学び
「人生100年時代」という。私は昨年12月に65歳で定年退職した。100歳まであと35年ある。時計を35年戻せば、30歳になる。当時はバリバリの一線記者で、これからどんな経験をするのだろうかと、ワクワクしていた。さて、当時から現在までほどの長い年月をこれからどう生きるか。
英国ロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんらが2016年、「LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」(東洋経済新報社)を出版した時、すぐに読んだ。「人生80年時代は、みんなが教育・仕事・引退の3ステージを一斉行進した。100年時代は、マルチステージになり、自分らしく生き、80歳まで働く必要がある」。そんなメッセージだった。
「ええ!? 80歳まで働くの? 定年後の悠々自適はダメなのか?」と思った。しかし、老後資金や年金、家族や仲間、健康や学びまで広く目配りした本を読んでいると、とてつもない説得力を感じだ。脳は使うほど鍛えられるらしい。それから少し意識が変わり、学びや健康を大切に考えるようになった。
今年1月、長谷川キャリア文章塾を開講して考えた。「もっと学ぼう。知の再武装をしよう」。「再武装」ということは、過去に「武装」していることが前提だが、細かくは問わない。「文章を書くことは考えること。知識や教養が文章と思考を深くする」という塾の基本コンセプトをきわめるため、4月に「ライフシフト大学」に入学した。
正式の「大学」ではなく、民間企業による5か月の教育コースだ。詳しくはこのコラムでもおいおい報告したいが、イノベーションとリーダーシップを合わせた新語「イノベーターシップ」やライフシフトのための実践科目を学ぶ。
人生100年時代を考えれば、当塾の受講生の皆さんも、長く働いて学ぶ必要があるでしょう。大変と思うかもしれませんが、一貫しているのは「自分らしく」です。どうやって楽しく生きていくか。学びながら、自分探しの旅を続けましょう。