4月17~21日(教養講座:SDGs産業)

2023.04.21メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年4月17日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(14~16日)

首相演説会場で爆発物 岸田氏は無事、警察官1人軽傷―投げ込んだ24歳男逮捕・和歌山:時事ドットコム (jiji.com) 首相、男を取り押さえた男性漁師らにお礼の電話(産経新聞) – Yahoo!ニュース https://mainichi.jp/articles/20230416/k00/00m/040/127000c →再び選挙中のテロ。動機が焦点だが、容疑者は「弁護士が来てから話す」といい、具体的な何かがありそうだ。漁師が勇敢に犯人を取り押さえる場面が目を引いた。現地は中世に水軍や地侍・傭兵で名をはせた「雑賀衆(さいかしゅう)」の拠点。岸田首相がお礼の電話をしたという。風土に根差したかのような反射神経で被害拡大を防いだともいえ、「歴史的場面」となった。

88市長選で25人が無投票当選(共同通信) – Yahoo!ニュース →統一地方選の後半戦が始まったが、市長選は無投票当選も多い。低投票率とともに政治に対する熱量の低さが目立つ。

最後の3基停止、脱原発完了 与党内にも温存論、残る火種―ドイツ:時事ドットコム (jiji.com) →海外で脱原発の動きがあると、日本のエネルギー事情との違いを強調する声が多く出るが、最大の違いは政治的意思だろう。自民党政権も電力会社も原発をやめる気がないので、再生可能エネルギーの普及も遅い。両者の緊張関係もないので、電力会社の不祥事ばかりが多くなる。

洞窟実験500日の女性、地上に 「出たくなかった」―スペイン:時事ドットコム (jiji.com)  →人類にとっての大実験。「毎日何をしていたの?」「朝と夜をどう区別したの?」「眠れたの?」。いろいろ質問したくなります。

*** 「社会人キーワード」

◎オープンイノベーション  他者の技術を活用しながらイノベーションを図る方法。かつては自社内だけのクローズなイノベーションが主流だったが、顧客ニーズの多様化や製品サイクルの短期化などで、自社だけで開発することが難しくなった。オープンの概念は二つある。狭義のオープンは、新製品や新技術の開発の際、社内外のアイデアを広く結集する方法だ。産学連携プロジェクトや大企業がベンチャー企業と協業するなどがある。プロクター&ギャンブル社が有名だ。もう一つは出口に関わるもので、開発した製品や技術を市場に出す際、社外ルートを活用して成果を他社に売却するなどのやり方だ。オープンイノベーションでは、社外の技術や組織を目利きする能力も問われる。やみくもに連携するのではなく、自社の事業にマッチする判断や投資が必要になる。

*** きょうの教養 (SDGs産業①キーワード)

今週はSDGs9番目の目標である「産業と技術革新の基盤をつくろう」を特集する。これまで「ジェンダー平等」や「貧困」という社会問題を取り上げてきたが、今回はやや経済色の強いテーマだ。

具体的な目標は「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的(インクルーシブ)かつ持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る」となっている。耳慣れない言葉があるかもしれないが、カタカナで書いた言葉は、重要なキーワードだ。

この目標が掲げられた背景として、①水道やガス、電気などインフラ整備が不十分②インターネットにアクセスできない人が多数いる③多様な社会課題に対応するにはイノベーションが重要、と指摘できる。

インフラ整備で重要な点は、途上国では生活に必要な基本的施設を整備し、経済成長につなげることが優先される。世界中で自然災害が増えていることから、最近では強靭なインフラに対する関心が高まっている。台風や津波、洪水などに耐えられるインフラが必要になっている。

そのために必要なことがイノベーション=技術革新だ。特にエネルギー分野では、地球温暖化を防ぐために化石燃料からの脱却が大きなテーマで、再生エネルギーに関するイノベーションが期待されている。安全性に懸念がある原子力発電所からの脱却も同様だ。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年4月18日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(17日)

経産省、関電など5社に業務改善命令 顧客情報の不正閲覧:時事ドットコム (jiji.com) →不祥事が続く電力業界。一方で値上げ申請が出ているが、利用者としては割り切れない思い。電力会社の体質改善が急務だが、長年の慣習や風土は簡単には変わらない。競争環境をレベルアップする政府の打ち手が必要だろう。

日韓、5年ぶり安保対話 北朝鮮対応など協議:時事ドットコム (jiji.com) →日韓は本来なら、緊密な連携が求められるが、やっと5年ぶりに対話が再開した。東アジアの安定には欠かせない。過去を忘れず、未来をつくれるか。

麻生氏、岸田首相の指導力「安倍氏以上」:時事ドットコム (jiji.com)  岸田内閣支持率が45.3%に上昇 ANN世論調査(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース →襲撃犯の動機はまだ不明だが、23日の国政5補選を控え、岸田首相に追い風が吹く。麻生氏は「指導力は安倍氏以上」。防衛や原発など意見が二分するテーマについて、国民的議論の前にぶち上げる手法を評価しているようだ。

猿橋賞に武蔵野美大の宮原教授 太陽活動の研究で業績:時事ドットコム (jiji.com) →女性研究者に贈る賞。宮原さんは、埼玉生まれ、長崎育ち、名古屋大院卒で、地球変動や宇宙、太陽を研究する。美術大教授での受賞が面白い。

*** 「社会人キーワード」

◎IoT   モノのインターネット(Internet of Things)。2014年ごろから使われ始めたが、言葉自体は英国の技術者ケビン・アシュトンによって1999年に提唱された。「偏在」を意味し一時流行した「ユビキタス」に近い概念である。インターネットはかつてパソコンやタブレットなど特定の情報機器とつながっているだけだったが、センサーを活用してあらゆるものと接続できるようになった。目的は二つあり、まず情報収集に使う。家電などにセンサーを埋め込んで一人暮らしのお年寄りの動きを把握したり、トイレの事故や犯罪を追跡したりできる。建設機械にセンサーをつけたコマツが有名だ。もう一つの目的は制御で、エアコンや電気のスイッチの切り替えなどに応用できる。ビッグデータの解析と組み合わせれば、より高度な機能も追求できる。

*** きょうの教養 (SDGs産業②日本のインフラ)

2回目は日本のインフラについて考える。日本は世界でもインフラ整備が進んだ国だ。日本のように水道の水を飲める国は世界で少ない。水道の普及率は100%近い。昔から水を確保するために努力を重ね、水道技術が進歩してきた。下水道の普及率は79.3%(2019年)で、5人のうち4人が利用できる。自治体によって差はあるので、解消が課題だ。

電気やガス、通信などその他インフラも整備が進んでいる。今後は災害対策、老朽化に伴う修繕、人口減社会を迎えて抜本的なインフラ見直しが必要になる。日本はこうした課題の先進国なので、知見は世界最先端といえる。

問われているのは、技術力をさらに磨き、途上国のインフラ整備に役立てることだ。日本の産業界は情報技術で出遅れが目立ち、製造業で日米摩擦を起こした時のような競争力はない。しかし、インフラは各種技術を組み合わせる側面があり、日本の技術力を生かせる余地は大きい。日本で実践したインフラ整備を途上国に伝えることはできる。

今後は、資源をより効率的に使う技術や、少ない人員で大きな成果を生み出すシステムなどのイノベーションが求められている。IoTやAIを活用するため、データサイエンティストらの育成が急務。政府は2021年に「科学技術・イノベーション基本計画」を決め、研究開発投資を5年間で政府30兆円、官民合わせて120兆円を目指すとした。SDGsの視点からも期待されている。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年4月19日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(18日)

統一教会と国葬で「既存政治家」批判、銃撃事件契機に持論先鋭化か 首相襲撃容疑者 – 産経ニュース (sankei.com)→首相襲撃犯の背景が明らかになった。立候補できる年齢が高いという不満や旧統一教会、安倍元首相の国葬決定などに言及し、漠然と広がる政治への不満がある。暴力が許されないのは当然で、幼稚で短絡的な行為だが、こうした空気にどう向き合うかも社会の課題だ。

中国がNYに「秘密警察署」設置、男2人を米連邦地検が逮捕…反体制派の市民監視が任務 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →米中間の火種がまた増えた。民主活動家の監視容疑というが、中国が自由を取り締まろうとする限り、世界からの信頼は得られない。日本など各国に拠点があるというが、実態ははっきりしない。

EV税優遇、米車のみ 日産「リーフ」は対象外(時事通信) – Yahoo!ニュース →米国政府のEV戦略が明らかになった。「アメリカファースト」だが、日本など他国がどう反応するか、米国がどう応じるか。有望な成長分野では、自由競争より経済ナショナリズムがますます強まっている。

マスク氏、新AI開発を表明 「チャットGPT」に対抗:時事ドットコム (jiji.com)  ヘイト疑いに閲覧注意表示 「検閲」批判に代替策―ツイッター:時事ドットコム (jiji.com) →AIに慎重姿勢だったマスク氏が、AI会社をつくった。良心の結果か、単なるビジネスか。ツイッターでも新しい動き。マスク氏の真意はいつも読めない。天才か、変人かの人物評価と通じる。

町村長の半数超が無投票当選、町村議選の定数割れ増加 統一選後半戦(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース →政治への熱量低下は、町村長・議員選挙でも顕著だ。

*** 「社会人キーワード」

◎画像認識  コンピューターに画像を見せて、それが何かを判断させるパターン認識の一種。コンピューターにとって人の顔や動物は明るさや色に関する情報の集まりにすぎない。その情報を解析するため、人間や動物など対象の情報を大量に蓄積し、人工知能(AI)の技術を使う。機械学習やディープラーニングといった新技術を駆使し、精度を向上させている。画像認識の精度が上がれば、小売店でのサービス、施設への入室許可、犯罪捜査などに幅広く活用できる。工場など産業向けでは目に頼っていた不良品の検出をはじめ、かなり広範囲での応用が期待されている。

*** きょうの教養 (SDGs産業③途上国のインフラ)

3回目は途上国のインフラについて考える。2015年の国連資料によると、世界で26億人が安定的な電力供給を受けられず、25億人は基本的な衛生施設を利用できない。8億人が水資源にアクセスできず、10~15億人は信頼できる電話サービスを受けられていない。多くのアフリカ諸国はインフラ未整備で生産性が40%損なわれ、開発途上国の国内で加工される農産物は30%にとどまり、高所得国の98%とは大きな差がある。

インフラは生活に必要な社会インフラと経済活動に必要な経済インフラに分けられる。生存のためには、上下水道、医療、教育関係の施設整備が急務だ。経済インフラでは道路や港湾、エネルギー、通信などが柱となる。「リープフロッグ現象」という言葉がある。電話が普及していなかった途上国で、固定電話より先に携帯電話が「かえる跳び」のように一気に広まった現象をさす。

途上国で最も貧しいのが、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国だ。かつてアジアも同様な状態だったが、1960~90年代に韓国や台湾などから順に急激な成長を遂げた。世界銀行は1993年のレポートで「東アジアの奇跡」と呼んだ。背景には日本経済の躍進や援助もあり、雁が飛ぶように順に伸びていく「雁行型発展」と呼ばれた。次の成長地域としてアフリカ諸国に対する期待は大きくなっている。中国の関与が目立っているが、地域全体の発展につながるかどうかが注目だ。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年4月20日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(19日)

自衛隊機、スーダン派遣へ 邦人60人退避―政府準備:時事ドットコム (jiji.com) →スーダンは民政移管に伴う軍内の主導権争いで内戦状態に陥っている。特産の金を狙ってロシアや民間軍事組織のワグネルが関与しているという見方もある。邦人保護で自衛隊を派遣すれば、2021年のアフガニスタン以来。まだ準備に入った段階で、派遣するかどうかは難しい判断を迫られそうだ。

〈音声入手〉「国交省の人間をまた推薦させて頂きたい」 別法人でも国交省有力OBが“天下り要求” 前理事長は「もうたくさん」(文春オンライン) – Yahoo!ニュース →懲りない国交省OBの天下り要求。文春オンラインが土地情報センターの人事問題を報じた。国交省OBの前理事長さえ、「そんな時代ではない」とOB天下りを断っていたというから尋常ではない。

富裕層の人口、トップはNY 東京2位―英社調査:時事ドットコム (jiji.com) →日本経済は低迷しているが、東京は世界でも金持ちの多い国という。ピンとこない。人口が多いためだろう。

インド人口、今年半ばに中国超えか 14億2800万人と推定―国連調査:時事ドットコム (jiji.com) →インドはグローバルサウスの代表格。一人あたりGDPはまだ貧しいが、経済成長は人口が大きな要素を占めるので、存在感がどんどん高まることは確実だ。民主主義的で、交渉と数学に強い国民性も武器だろう。

*** 「社会人キーワード」

◎プラットフォーム  情報やサービス、商品がやり取りされる場。この場をビジネスの中心に据えている企業を「プラットフォーム企業」といい、「GAFA」と呼ばれる米国のIT大手が代表的だ。特徴は一定の規模(利用者)を超えると、規模の経済性が働き、小さな追加コストで一人勝ちの状態になり、巨大化することだ。通販のアマゾンを例にとれば、利用者が増えることで物を売ろうとしている企業にも物販や情報収集で利益を得られ、一部を再投資してさらに利用者が集まる循環になる。アマゾンは集めたデータを活用し、顧客から生涯にわたる売り上げ(顧客生涯価値=ライフ・タイム・バリュー=LTV)を得ることになる。ITベンチャー企業はプラットフォーム企業に技術を売ってもうけ、プラットフォーム企業はさらに高度化する。しかし、世界中のデータを集めることで、悪用された場合の影響も大きくなる。EUは「一般データ保護規則(GDRP)」を定めて規制を強化し、対決姿勢を強めている。巨大企業をどう規制するかは今後の大きな問題だ。

*** きょうの教養 (SDGs産業④通信・ネット)

4回目は情報化社会で重要な「通信」と「インターネット」について考える。

携帯電話の普及は途上国でも進んでいる。先に紹介した「リープフロッグ」と呼ばれる現象で、インフラ未整備の地域に新しい技術が導入され、一気に浸透することを指す。途上国の生活は以前に比べれば豊かになりつつあるが、ネットにアクセスできない地域は少なくない。ネットにアクセスできる権利を基本的人権とする考えも広まっており、フィンランドやエストニアでは法律で明記されている。

2011年にチュニジアやエジプトなどで起きた民主化運動は「アラブの春」と呼ばれるが、携帯電話やネットの普及を背景に民主化運動が拡大した。ネットへのアクセスは、教育や職業にも深く関係し、格差をもたらしかねない要因になっている。情報格差を拡大しないことは世界的な課題だ。 

最近では「モノのインターネット化」を意味する「インターネット・オブ・シングズ=Iot」が注目されている。パソコンや家電品、いろいろな設備や備品、インフラなどをネットに接続して新たな価値を生む動きだ。ドローンを使った宅配サービスや金融技術を高度化する「フィンテック」と呼ばれる技術も関心を集めている。これまで考えられなかったようなサービスの登場が新しい産業や生活を創造するのは間違いない。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年4月21日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(20日)

学術会議法案、今国会見送り 政府、対立先鋭化を回避―民間法人化含め再検討:時事ドットコム (jiji.com) →学術会議法案はもともと無理筋だった。6人の任命拒否の理由すらはっきり言っていないのに改革だけ進めようというのでは理解を得られない。政権は軍事技術研究への協力が足りないとみているようだが、アカデミズムへの介入には十分納得できる説明が必要だ。岸田政権は矛を収めるのか、再介入を図るのか、見ものだ。学問の自由への介入は戦争への第一歩だったという歴史も忘れてはいけない。

スーダン、交戦終結の見通し立たず 人道状況悪化、各国退避も難航:時事ドットコム (jiji.com) →スーダン情勢は予断を許さない。自衛隊はジブチに輸送機を派遣するが、難しいオペレーションになりそうだ。軍内部の主導権争いとは言え、なぜ人間は殺し合うのだろうか。同じ国民でなぜ憎しみあうのだろうか。

香港人留学生、国安法違反で逮捕 日本での言動に初適用か:時事ドットコム (jiji.com) →中国の国安法は、国内外、だれでも逮捕できるように運用されている。誰もが理解できる公正な法治を確立しない限り、中国は信頼されないと自覚すべきだろう。自由の弾圧は、体制の弱さの証明でもある。

*** 「社会人キーワード」

◎顧客経験価値  商品やサービスの金銭的・物質的な価値ではなく、利用した際の心理的・感情的な価値。顧客体験価値ともいい、「モノ消費からコト消費へ」とも言われる。特に経済が成熟化した先進国では、モノが行き渡ってモノへの欲求は低下し、情緒的な体験の価値を重視する傾向にある。企業は顧客接点での価値を高めることで関係を深めようとする。これを「顧客体験価値マネジメント」という。この分野の第一人者であるコロンビア大ビジネススクール教授のバーンド・シュミット教授は、価値を以下の5タイプに分けている。①感覚的価値(センス)五感を通じて感じる価値。CMや音楽など②情緒的価値(フィーリング)愛着や感情移入。地元スポーツチームなど③創造的・認知的価値(フィール)自分にあっていると考える思考④肉体的・行動的価値(アクト)行動や日常生活で感じる満足⑤関係的価値(リレイト)集団に属している満足。バイククラブなど。これらを商品に応じて効果的かつバランスよく経験してもらうことが重要になる。

*** きょうの教養 (SDGs産業⑤個人ができること)

最後に一人一人ができることを考えたい。SDGsの各目標には「ターゲット」と呼ばれる具体的な行動計画がある。目標9では、持続可能で強いインフラを作る、産業を起こして雇用を生み出す、途上国の小規模事業者のための環境を整える、インフラや産業の持続可能性を高める、研究開発に従事する人を増やして技術力を向上する、などが盛り込まれている。 

SDGsのすべてに共通するが、まずはこうした内容を知り、理解することが大切だ。必要に応じて対話や議論をし、それぞれの思考を深めたい。ターゲットは専門家が議論した結果であり、おおむね望ましい未来を描いている。目標9では、イノベーション、インフラ、インターネットがキーワードになる。

先に紹介した「Iot」「AI」は特に重要だ。人類史上で文字の発明は大きなイノベーションだが、最近の情報技術も文字に匹敵するインパクトがある。新しいインフラは、新しい問題を引き起こすことがあるが、問題を克服して前に進もうという意志と柔軟な対応力が問われる。 

目標9のインフラ整備は、同7の「すべての人が使えるクリーンエネルギー」、同8の「働きがいと経済成長」、同10の「不平等をなくす」、同11の「町づくり」、同12の「エネルギーや資源を大切に使う」など多くの目標達成の助けになる。基盤としてのインフラの重要性がわかる。