5月22~26日(教養講座:グルメ風土記)

2023.05.26メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年5月22日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(19~21日)

◎ G7、軍事・財政で支援継続 ゼレンスキー氏対面参加―広島サミット閉幕:時事ドットコム (jiji.com)  米大統領、517億円の追加軍事供与 ゼレンスキー氏と会談(毎日新聞) – Yahoo!ニュース →ゼレンスキー大統領の電撃的な広島訪問がサプライズとなったが、それ以外のビッグニュースは乏しかった。もっとも国際会議は直接取材できず、政府発表の報道が中心にならざるをえない。表に出ていない首脳間の協議が今後どんな形で現れるかが焦点だ。

広島ビジョン「期待外れ」 ICAN暫定事務局長が批判―G7サミット:時事ドットコム (jiji.com) 「逃げるんですか」の声に、首相が記者会見再開 G7サミット(毎日新聞) – Yahoo!ニュース →「核なき世界」への道筋作りは期待外れだった。TBS「サンデーモーニング」にコメンテーターで出演したピースボート共同代表・畠山澄子氏が「被爆者のみなさん期待していたんです。血の通った言葉が最終文書に入るんじゃないかと。ふたを開けたら核兵器廃絶や核兵器禁止条約という言葉もない、被害者援助の話もない。これまでと何も変わらないんです」と涙ぐんで語っていたことが象徴的だ。

【速報】ロシア国防省がウクライナのバフムト制圧を発表 プーチン氏も祝福 タス通信(テレビ朝日系(ANN)) – Yahoo!ニュース ゼレンスキー氏、バフムート陥落を否定 大統領報道官(CNN.co.jp) – Yahoo!ニュース →前線の戦況がよくわからない。元外務省官僚は「停戦交渉は戦況が膠着し、どちらも有利だと思う状況でないと始まらない」と言っていた。停戦はいつか。

「家族で話し合い薬飲んだ」 市川猿之助さんが説明―警視庁:時事ドットコム (jiji.com) →徐々に状況がわかってきたが、決め手を欠く。女性セブン誌のハラスメント報道が引き金になったと思われるが、NHKなど一部大手メディアはまだ報道していない(模様)。どちらを向いて報道するかの問題だ。猿之助の人権も重要だが、視聴者のために可能な範囲で情報を伝える工夫も必要だ。

*** 「社会人キーワード」

◎シェアリングエコノミー  モノやサービスを多くの人々の間でシェア(共有)する経済圏。昔から企業や団体間での大型コンピューターの共有などはあったが、パソコンやスマホの普及で個人同士での共有が可能になった。代表例は、ウーバーのライドシェア、エアビーアンドビーに代表される民泊がある。ITの普及で、多数の人から必要な人同士をマッチングすることが可能になった。レビューやレイティングで評価が可視化され、借り手と貸し手双方のリスクが下がり、質や安心感が向上している。また、モノへの欲求が下がったり、持続社会をつくるために稼働率の低いものを所有することへの抵抗感が強まったり、余った時間を社会貢献に使ったりする意識の変化も背景にある。こうした流れはさらに加速するとみられている。

*** きょうの教養 (グルメ風土記①稲庭うどん)

今週は「グルメ風土記」を特集する。全国チェーンの隆盛で日本各地の特色は薄くなったとはいえ、その土地ならではの料理は多い。背景には独自の自然や歴史がある。「ご当地グルメの地理学」(尾形希莉子、長谷川直子著)を参考に紹介する。

◎稲庭うどん(秋田県) 秋田県湯沢市稲庭の特産。江戸時代に佐藤市兵衛という人が考案した。うどんに必要な3つの材料は、塩、水、小麦。稲庭は山間部だが、雄物川を利用して日本海の塩を入手できた。地元を流れる皆瀬川にきれいな水が流れ、隣町で良質な小麦が獲れた。秋田県ではかつて、稲より寒さに強い小麦の栽培が盛んだった。

通常のうどんよりも細く、コシと弾力が特徴だ。生麺ではなく、一度乾燥させるのが独特。これによってきれいな乳白色にゆであがり、長期保存もできる。温度や湿度によって乾燥時間を調整するのが職人技という。こねる時に油ではなく、でんぷんを使う。麺がくっつくのを防止すると同時に、つるつるしたなめらかな麺になる。

献上品として流通していたので、伝統が受け継がれてきた。今も手作業で生産され、出来上がるまでに3~5日かかるので、高価となっている。最近では稲庭うどんをまねた粗悪品も出回っているため、産地では協同組合を作ってブランドを守っている。

秋田県の郷土料理は自然条件と関係している。内陸部の「いぶりがっこ」は、大根などの農産物をたき火で燻製にして保存食とする。日照時間が短く、冬が長いためだ。県北部では「きりたんぽ鍋」が有名だ。ご飯を棒に巻いて焼いたきりたんぽを、比内地鶏やセリとともに煮て食べる。山仕事をしていた人たちの料理だ。「ハタハタ」も特産。初冬のころ、産卵のため沿岸に集まり、昔は大量に獲れた。すしが有名で、魚醤の「しょっつる」の原料にもなる。

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 ***「デイウオッチ」(22日)

日経平均8日続伸、終値3万1086円 33年ぶり高値 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →なぜか日本株が上がり続けている。8日連騰、33年ぶり高値とバブルをほうふつとさせる。米国の債務問題を嫌う資金流入と説明されるが、日本株だけが突出している。消費へのプラス効果は歓迎したいが、一時のブームか底流に何かあるのか、まだわからない。

対ロシア圧力と距離置いたルラ大統領、ブラジル紙「最も有利な立場守った」と評価 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →広島サミットではグローバルサウスの動向も焦点だった。各国の新聞はG7との連携に一定の評価を与えている。国際秩序に与える影響という点で、広島サミットは大きな画期となった。政治は良くも悪くも陣取り合戦。G7とロシアの間で流動化する各国の動きが気になる。

国産の生成AI開発に「富岳」 基盤技術、今年度にも公表へ―東工大や富士通など:時事ドットコム (jiji.com) →遅ればせながらのニッポン勢の挑戦。高性能の「富岳」が武器。期待はしたいが、どうなるか。

米メタに制裁金1790億円 EU情報保護違反で最高額―アイルランド当局:時事ドットコム (jiji.com) →GAFAや対話型AIに批判的で慎重な欧州ならではの動き。安全保障同様、ここでも日本の立ち位置は米国とほぼ同じ。

*** 「社会人キーワード」

◎データマニング  マイニングは「発掘」の意味で、多くのデータから有益なメッセージを導き出すこと。成功事例としては、米国で野球データを統計的に分析した「セイバーメトリクス」がある。オークランド・アスレチックスが「給料が安くて強い球団にするには?」という疑問から多くの指標を分析。「OPS」という出塁率と長打率の指標が得点能力と関係が深く、OPSが高いのに給料が低い選手が多いことを発見した。該当する選手を集めて強い球団をつくった。小売業界で「ビールと使い捨ておむつは同時に購買されることが多い」と発見した例もある。マーケティングの分野で最も活用されており、損保会社が事故を起こしそうな顧客を避けるやり方もある。データを発見するのはコンピューターだが、方向性の指示を出すのは人間で、人間の知恵や洞察力がデータの質を決める。

*** きょうの教養 (グルメ風土記②崎陽軒のシウマイ)

2回目は「崎陽軒のシウマイ」を紹介する。表記は「シューマイ」ではなく「シウマイ」。これは栃木県出身の初代社長がなまって「シーマイ」と言っていたが、本場の発音に近づけて「シウマイ」にしたという。

崎陽軒は当初、横浜駅構内の売店で普通の弁当を売っていた。東京に近いこともありあまり売れなかったため、中華街のお店で突き出しに出ていたシウマイに目をつけた。1928年のことだ。それ以来、変わらないレシピで提供しているが、おいしさの秘訣は干帆立貝柱という。豚肉とうまくマッチさせることで、冷めてもおいしくなる。醤油をいれるヒョウタンの形をした「ひょうちゃん」も人気。さまざまな表情が描かれているが、箱を開けるまでわからない。

横浜名物になった背景には、中華街の存在が欠かせない。1858年に日米修好通常条約が締結され、付近で開港することになった。東海道が通る神奈川宿が候補になったが、幕府に近いので、少し離れて交通の便が悪い横浜に港を作ることになった。大型船が入りやすい水深の深さも利点だった。

外交人居留地を作ることになり、埋め立てを始めた。西洋人と日本人では言葉が通じないため、西洋の言葉を理解できる華僑を連れてくることになり、日本人とは漢字でやり取りした。英国人らは高台で水はけのよい山手地区に住み、華僑は山下地区に住んだ。風水思想を持つ中国人には方角が重要で、埋め立てて碁盤の目のように整備された山下地区の方がよかった。

神奈川県の特産では、小田原市の「かまぼこ」が有名だ。相模湾で獲れる魚と、酒匂川や早川のミネラルを含んだ水が原材料となった。箱根宿では日持ちがすると人気になり、参勤交代の大名らから好評で、広がった。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年5月24日号(転送禁止)~~~

***「デイウオッチ」(23日)

公金受取口座を誤登録 マイナンバーひも付けミス―デジタル庁、総点検実施:時事ドットコム (jiji.com)  全健保組合に点検要請 マイナ保険証の誤登録問題―厚労省:時事ドットコム (jiji.com) →マイナンバー普及を急ぎ過ぎたツケともいえる。健康保険証や住民票でのミスも明らかになっている。防げる単純ミスか、システムにつきまとう宿命か。ここしばらくの動きがマイナンバーの将来に影響しそうだ。 

「米国防総省で爆発」偽情報拡散 AI時代のリスク浮き彫り:時事ドットコム (jiji.com) →恐れていたAIの危険性。今回は単純な話で、大きな実害はなかったが、ワルイ奴が意図的に複雑なことを仕掛ければ、社会は大混乱する。核が人類を苦しめているように、AIが人類を危機に陥れる可能性を忘れてはならない。

足立区議選で自民「大量落選」は「古い政治への失望」か 変わった勢力図を分析すると (msn.com)  公明の東京28区擁立認めず 自民伝達、駆け引き激化:時事ドットコム (jiji.com) →自民党内で解散風が吹き、公明党との暗闘が始まっている。岸田首相の支持率が広島サミットで上げるとみての自民の強気だが、東京都足立区議選では大量落選の異変が起きた。与党への風当たりは予想以上に厳しいようだ。国会軽視、議論抜きで重大決定を続けてきた政治姿勢へのツケかどうか。国民一人一人の考え方次第だ。

東京メトロの本田会長退任へ 民間人事介入問題で(時事通信) – Yahoo!ニュース →懲りない国交省OBが遅まきながらケジメをつけた。OBの暗躍は、不透明で非効率な事業につながりかねない。「政府の威を借りた言動をしない」「民間人を体育館の裏に連れて行って脅さない」といったシンプルなルールを明確にすべきだ。

*** 「社会人キーワード」

◎暗号通貨  電子システム上の仮想通貨。ビットコイン、リップル、イーサリアム、ポルカドットなど多数ある。中央銀行が発行した通貨ではなく、ブロックチェーンと呼ばれる技術を用いて、個人間で取引の安全性を確保している。分散型台帳という仕組み。取引があった場合、公開されている台帳に記載され、取引を承認している「採掘者」と呼ばれる人が参加する共同体で管理される形になる。先駆けとなったビットコインは、2009年に「サトシ・ナカモト」と呼ばれる匿名者(組織とも言われる)によって提唱された。個人の信頼をベースにした中央集権化しない経済圏=トークンエコノミーとして期待する声がある一方、トラブルがあった場合に解決しにくく、価値が乱高下して決済手段として使いにくい面もある。投機資産にもなっており、国民生活センターへの相談は年間6000件にものぼっている。外貨不足に悩む北朝鮮が、サイバー攻撃で日本から980億円を強奪し、世界被害の3割を占めるという報道もある。

*** きょうの教養 (グルメ風土記③栗きんとん)

◎栗きんとん(岐阜県)  発祥の地は岐阜県中津川市。硬い皮のついた栗をゆで、熱いうちに中身を取り出す。それをつぶして砂糖を加え、布巾で絞って茶巾絞りの形にする。簡素なお菓子で、日持ちがせず、繊細だ。ていねいに裏ごしされているので、滑らかな舌触りが特徴になる。栗は秋に獲れるので、9月から翌年1月にかけての特産品。全国で待ちわびている人も多い。南信州特産の「市田柿」で包んだ栗きんとんもある。地域名産のコラボだ。

中津川で生まれた背景には、自然と歴史が関係している。日本百名山である恵那山のふもとに位置し、山の幸が豊富だ。恵那山から流れるきれいな水があり、寒暖差が大きく果樹の生育に適している。江戸時代から栗を使った料理があり、明治になって砂糖が普及すると栗きんとんが名産になった。

中津川には中山道が通っている。東農(岐阜県東部)随一の宿で、経済や文化の中心地だった。江戸と京都の中間にあり、東西文化の影響を受けながら独自文化が発達し、粋な文人が多くいた。そうした人たちは茶の湯を楽しみ、お茶の味を引き立てるためのお菓子を開発していた。ようかんなど栗を使った料理は多いが、栗きんとんが最も栗の味わいを感じられる。

東農地域では「へぼ料理」もある。「へぼ」はクロスズメバチの幼虫で、甘露煮にしたり、ご飯に炊きこんだり、五平餅につけたりする。山間部なので魚に代わるタンパク源として重宝された。長良川流域ではアユ料理が有名だ。県の魚にも指定されている。長良川は清流で知られ、川底によいコケが育つのでアユが住みやすい。伝統のアユ漁の「鵜飼」が今も残り、塩焼きやなれ寿司、アユご飯などで食べる。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年5月25日号(転送禁止)~~~ 

***「デイウオッチ」(24日)

ホンダ、26年からF1復帰 「脱炭素」で方向性合致―自動車:時事ドットコム (jiji.com) →ホンダがF1に戻ってくる。規則変更で電動化の将来と合致したからという。レース好きは創業者・本田宗一郎以来で、ホンダのDNA。F1がホンダの技術と人を育ててきた。電気自動車でソニーと提携したことに続き、わくわくする動き。

女川原発差し止め認めず 「危険性立証すべき」―仙台地裁:時事ドットコム (jiji.com) →「女川原発の危険性を立証していない」というが、福島第一で立証されたといえないか。事故はそもそも想定外の事態だから、予測は不可能ではないか。原発避難計画は担当者も認める「絵に描いたモチ」。司法の判断放棄、司法消極主義と言わざるを得ない。

公明、東京で自民推薦見送り方針 衆院選、28区で擁立せず:時事ドットコム (jiji.com) →自民と公明の小競り合いは尾を引きそうだ。自民も公明の推薦がなければ苦戦するはず。自公連携は1999年以来だが、公明党はかつて健全野党だった。政権参加に恋々とせず、協議離婚して日本の政治をリセットするのも選択肢だろう。

*** 「社会人キーワード」

◎レイヤー  サービスの階層。主にプラットフォームビジネスで使われる概念で、技術やサ―ビスの進化によってレイヤーができ、特定のレイヤーで影響力を持つことで収益拡大を狙う。携帯電話の時代は、通信回線を持つキャリアが優位だった。しかし、アップルのアイフォンが登場してスマホが主流になると、端末、OS、アプリ市場、課金などのレイヤーが生まれ、アップルが「iOS」というOSや「アップストア」というアプリ市場で断然優位に立った。アプリ作成者は多くのユーザーを持つアップストアに30%の手数料を払って製品を提供している。一方、キャリアの影響力は落ちた。どのレイヤーで、どの企業が主導権を握っているかで、企業の収益力は大きく違ってくる。パソコンのOSも同様で、マイクロソフトの「MS-DOS」が優位になり、ワードやエクセルといった汎用アプリと一体化して、さらに圧倒的な地位を築いた。

*** きょうの教養 (グルメ風土記④京料理)

◎京料理(京都府) 明確な定義はなく、京都独自の食文化を総称する。かつて上流階級が楽しんだ有職料理(ゆうそく・りょうり=平安時代の貴族向けの社交用料理)に始まり、仏教の影響を受けた質素な精進料理、日常的なお惣菜のおばんざいなどがある。

特徴は料理と器で季節感を出すことだ。季節に合った食材と器を使い、一体感を楽しむ。ご飯がメインの一汁三菜が基本で、だしでうま味を引き出す。和食の代表で、2013年に世界無形文化遺産に登録され、国際的に注目されている。

自然条件では、盆地で季節の変化が大きく、宇治川や鴨川の清流の恵みをあげることができる。北側の丹波など自然豊かな地域が周辺にあることも大きい。豊富な地下水を利用して精進料理や豆腐作りが盛んになった。伏見で有名な酒も地下水の恩恵だ。

歴史的には、都が長く置かれたことが大きな影響を与えた。政治、宗教、文化の中心で、公家と仏教の文化が日常に浸透していた。さまざまな人や情報に加え、食材が集まった。北からは北前船で、塩干物、昆布、するめ、貝柱などが運ばれた。琵琶湖の食材も豊富だった。 京料理に欠かせない野菜も他府県から入ってきて、根づいた。伏見とうがらし、聖護院かぶ、九条ネギなどが代表的。千枚漬け、しば漬けなどの漬物も有名だ。

食文化として独特な「川床料理」もある。盆地で夏の暑さが厳しいため、北の貴船地区で始まった。市街地の鴨川でも「納涼床」として夏の風物詩になっている。夏の食べ物としては、内陸部までの輸送に適した魚の「ハモ」が夏の定番だ。北海道から運ばれたニシンを甘辛く煮た「にしんそば」は貴重なたんぱく源だった。丹波地方の「マツタケの土瓶蒸し」は、木材需要を満たすため森林から木が切り出され、はげ山になった土地にアカマツが育ち、マツタケの産地になった歴史がある。「肉じゃが」は舞鶴港にあった海軍が最初に考案したという。

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***「デイウオッチ」(25日)

【速報】男が立てこもり 男女3人死亡 うち2人は警察官 長野県中野市(NBS長野放送) – Yahoo!ニュース 長野・中野市の立てこもり事件、県警が男の身柄を確保 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →のどかな長野県中野市で起きた突然の惨劇。26日午前4時半ころ、警察が犯人の身柄を確保、死者は4人。男は市議会議長の息子という。何らかのトラブルか、動機は何か。

首相公邸で忘年会「適切さを欠く」 岸田首相、長男は処分しない方針(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース [写真](2ページ目)岸田首相一族が首相公邸で大ハシャギ 「階段寝そべり」写真と翔太郎秘書官の「閣僚ひな壇」撮影 | 文春オンライン (bunshun.jp) →個々は軽率でも、重なれば立派な不祥事となる。こうした写真が表面化すること自体、長男が首相秘書官でいることに批判的な人が岸田首相周辺にいることの証明だろう。「李下に冠を正さず」の故事や「やはり野に置けレンゲソウ」のことわざが意味を持ってくる。

記録廃棄、最高裁が責任認め謝罪 調査報告書公表「不適切な対応」(共同通信) – Yahoo!ニュース →誰にでも過ちはあるとはいえ、重大すぎる。現場の意識も低かった。「人を裁く資格があるのか」と言いたくなる。

岸田首相襲撃容疑者、二審も敗訴 公選法巡り国賠請求―大阪高裁:時事ドットコム (jiji.com) →大胆な訴訟を起こしていたが、予想通り負けた。意識は高いが、やり方が幼稚。襲撃の動機がほとんど報道されないのは、どうした事情だろうか。

*** 「社会人キーワード」

◎UIとUX  ユーザー・インターフェース、ユーザー・エクスペリエンスの略。企業のHPやスマホのアプリに関連した用語で、UIは操作性、UXは顧客体験の全体をさす。UIはユーザーが見たり操作したりする画面のデザインが典型で、イラストや写真、文字や全体の配色などがポイントになる。デザイナーに複数案を出してもらい、感性で選ぶ方法が多そうだが、「A/Bテスト」と呼ばれる手法が賢明だ。2種類の画面をユーザーごとに表示し、クリック率や購買率を見極める方法だ。アマゾンの「カートに入れる」という部分を薄いオレンジ色とし、右上に置いたのはこのテストの結果だった。UXはサービス全般の経験で、Eコマースなら配達の正確さや品ぞろえの豊富さなども重要な要素になる。大企業ではUIとUXの連携が取れず、ばらばらになることもある。ブランドの統一感を意識することが重要になる。

*** きょうの教養 (グルメ風土記⑤卓袱料理)

◎卓袱料理(しっぽく・りょうり=長崎県) 日本、中国、オランダの文化が合わさった料理で、「和華蘭料理」(わからん・りょうり)ともいう。和洋中の要素が混じっている。江戸時代、長崎では中国とオランダと貿易をしていたため、中国人から伝わり発達した。

円卓を囲み、好きな小皿を取って食べる。江戸時代の日本には身分制度があり、一人にひとつのお膳が当たり前だったから、斬新なスタイルだった。食事は女将さんの「おひれをどうぞ」の一言で始まる。おひれは、タイが入ったお吸い物で、タイ一匹を使った証として、タイの胸ビレを入れている。

次に刺身やからすみ、ようかんなど冷たいものが出る。続いて暖かいものに移り、てんぷらや「パスティ」と呼ばれるパイ料理がある。次に季節ごとに違う和の料理を盛りあわせた大鉢となり、最後は梅椀というお汁粉で終わる。「卓」はテーブル、「袱」はテーブルクロスを意味する。日本でちゃぶ台を囲んで食事をする風習は、卓袱料理からといわれる。

長崎が戦国時代に開港したのは、キリスト教宣教師がキリシタン大名の大村純忠に要求したのが始まりだった。水深が深く大型船が入りやすい天然の良港で、日本の西側にあるため外国船も寄港しやすかった。貿易が盛んになると、砂糖が大量に輸入された。砂糖を運んだ小倉(北九州市)までの道は「シュガーロード」と呼ばれる。長崎からは砂糖を使ったカステラや金平糖がつくられ、日本全国に広まった。