朝小コラム「天声こども語」と楽しく苦闘

2023.06.16コラム

朝日小学生新聞の1面に「天声こども語」というコラムがある。朝日新聞1面の「天声人語」にならった欄で、複数の元朝日新聞記者が執筆している。私も今年4月から書くことになり、日曜日と月曜日を担当している。「どんなコラムを書いたら小学生に読まれるだろうか」。楽しくも苦闘の日々である。

子どもに読んでもらうには、中途半端に知っていることは危なくて書けない。本質をわかったうえで、やさしく書く。これが結構難しい。大人向けなら多少の変化球も含め、幅を持って書いても許される。子ども向けは「きれいな球筋の直球」を投げないといけない感覚だ。

小学生の知識はどこまであるのか? 歴史をどこまで知っているのか? 時事ニュースに関心はあるのだろうか。考え出すときりがない。自分なりに書いて、スタッフにゆだねるしかない。

たまには自分のことも書く。朝日小学生新聞には孫らに定期購読をプレゼントをするサービスがある。札幌に住む孫が小学校3年生になったので、ちょうどいいとばかり申し込んだ。毎日、音読しているらしい。一方、私は4月から「大学」に入学した。そんなことに触れながら、学び続けることの大切さを5月1日付で書いた。以下に再録する。ちょっと数字が多いかな。

筆者は先月、「大学」に入学しました。大学を名乗っていますが、民間企業が開講した5か月コースです。日本人の寿命がのびて、今は人生100年時代。それにふさわしい生き方を学んでいます▼昔は人生80年。20歳前後まで学校に行き、60歳まで働き、あとは年金で暮らせばよかったのです。今は80歳まで働かないと生活が難しい、新しい社会に慣れるため学び続けなければならない、「ライフシフト」の時代だ、と言われています▼皆さんが大人になるころには、一生学び続けることが当たり前になっているはずです。学ぶといっても、暗記だけではありません。知識や教養を生かして、自分の頭で考えることがますます大切です▼筆者には遠くに住む小学校3年生の孫がいます。「学び続ける人になって欲しい」と朝日小学生新聞を先月からプレゼントしています。「毎日読んでいるかな?」「まだ難しいかな」。