7月10~14日(教養講座:松下幸之助語録)
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***デイ・ウオッチ(8~9日)
◎ウクライナ反攻へてこ入れ 米、苦渋のクラスター弾供与:時事ドットコム (jiji.com) →クラスター爆弾は危険度が高く、日本や欧州が生産・使用を禁じる国際条約に加盟している。米国は加盟していないが、使用を控えてきた。早速、英国などから支持しない発言が出ている。通常兵器が足りず、武器がエスカレートしている。
◎袴田さん再審、有罪立証へ 検察が最終調整、審理長期化も:時事ドットコム (jiji.com) →検察は裁判所による2度の「再審決定=実質無罪の決定」が出ているのに有罪立証するという。誰のため、何のためか。自らのメンツのためとしか思えない。袴田さんへの対応は人権問題である。検察内部に強硬派がいるのだろう。10日に決めるというが、法相による指揮権発動さえ必要ではないか。
◎アゾフ元司令官が帰国 捕虜交換後にトルコ滞在―ウクライナ:時事ドットコム (jiji.com) ウクライナのNATO加盟支持 トルコ大統領、ゼレンスキー氏と会談:時事ドットコム (jiji.com) →トルコのエルドアン大統領がウクライナ寄りで動いている。ロシア離れか、別の思惑か。小麦の輸出問題をめぐってロシアと駆け引きをしているという見方もある。独裁者の本音に関心が集まる。
◎習政権、沖縄知事を厚遇 米軍念頭に関係強化―中国:時事ドットコム (jiji.com) →習主席が微妙なボールを投げている。台湾有事をにらんで、米軍への反発もある沖縄を抱き込み、日本に揺さぶりをかけるという観測もある。習主席は福建省に勤務し、沖縄への知識もある。辺野古基地建設をめぐって岸田政権と対立する玉城知事はどう動くか。岸田首相はどう動くか。
*** 「今日の名言」
◎竹村健一(政治評論家。2019年の7月8日が命日)
「人間は誰だって劣等感を持っている。他人にひけ目を感じる部分を必ず持っている。事実は事実として、はっきりそう認めてしまえばいい。居直るのだ」 「あえて競争しない、という勝ち方もある」 「正直に生きる。ホンネで生きる。これほどラクで、合理的で、楽しい生き方はないと思う」 「リーダーシップはまず、自分自身に発揮せよ」 「人間の大きさはプライドに比例すると思う。小さなことを気にしたり、小さなことで傷ついたりするのは、プライドが低い証拠だ。プライドが低ければ低いほど、世にプライドを傷つける種も多いことになる。たとえば『自分はいかなる場合でも、決して人にバカにされたくない』と考えていたとしても、世にあるかぎり、それは不可能に近い。道を歩いていて、つまずいて転んでも、笑う人は笑うのだ。『そんな連中に笑われたっていい。たかがつまずいただけではないか』。そう思ったとき、プライドはぐんと高くなったことになる。今度他人がつまずくのを見たら、『大丈夫ですか?』と声をかけたい心境にもなろう」 「試験に失敗した。なあに、何度でも受け直せばいい。山は逃げたりはしない。まだほんの登り口にいるわけで、これからが勝負だ。登りはじめてから、少しスピードを上げるか、休憩をとる時間を短縮すればすぐ追いつける。新しいルートを開拓したっていい」
*** きょうの教養 (幸之助語録①)
松下幸之助(1894~1989)は、今のパナソニックの創業者で、「経営の神様」と呼ばれた人です。9歳で火鉢店の丁稚に出され、そこから世界有数の大企業を育てました。晩年は政治家らを輩出する松下政経塾を作り、人材育成に注力しました。多くの語録が残されていますが、著書「指導者の条件」(1975年)から5編紹介します。
◎「すべてを生かす」 戦国時代、大名の家臣に泣き顔のような男がいた。別の家来が「男の顔つきは不吉で見るのも不愉快」といったところ、大名は「もっともだが、法事や弔問の使いにあれほど適任はいない。どんな人でも使い道がある」と答えた。
人間でまったく同じという人はいない。性格、気質、才能、考え方は十人十色だ。従って、あらゆる面で優れた人もいなければ、反対にすべて劣る人もいない。一長一短だ。それぞれの人の持ち味をよく見極めて、その長を取り、短を捨てて全ての人を生かしていくことが、指導者にとってきわめて大事である。
しかし、実際にはそれができにくい。限られた面だけを見て、人の長短を判断し、あれは有能な人材、これは無能の存在といったふうに決めつけてしまいがちである。しかし、戦にしても単に優れた人だけでなく、いろいろな役割が充分に果たされて初めて戦力となるのである。
今日の世界は戦国時代と比較にならないほど複雑多岐にわたっている。それだけ多種多様な人が求められているといえよう。今日の指導者は、いろいろな人を求めることに意を用いなくてはならない。無用な人は、一人もいない。そういう考えに立って、すべての人を生かして行くことが極めて大事だと思う。
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***デイ・ウオッチ(10日)
◎検察、有罪立証方針を表明 「証拠捏造に根拠ない」―袴田さん再審、審理長期化も:時事ドットコム (jiji.com) 袴田さん姉「とんでもない」 蒸し返しと弁護団怒り―検察の有罪立証方針に:時事ドットコム (jiji.com)→袴田さんは浜松市在住だが、私も昨秋まで同市に住んでいた。袴田さんが前かがみになって散歩する姿は見慣れた光景だった。気丈なお姉さんも尊敬されている。検察の言う通り万万が一有罪だったとしても、「長い経過に鑑みて有罪立証しない」と言えば国民は批判しない。検察も行政機関の一つだが、勘違いしていないか。説明の会見もしない。行政機関のメンツより人権が大切だ。
◎各地で土砂崩れ相次ぐ 福岡・佐賀・大分:時事ドットコム (jiji.com) →九州北部で被害が広がっている。猛暑の東京にいると実感しないが、線状降水帯の恐怖は秋まで続く。
◎クラスター弾「非常に効果的」 責任持って不発弾除去―ウクライナ大使:時事ドットコム (jiji.com) ロシアや人口密集地で使わず クラスター弾でウクライナ確約―米高官:時事ドットコム (jiji.com) →危険なクラスター爆弾について、ウクライナは歓迎している。米国はロシアや市街地で使わないようにクギをさしているが、実際の戦闘で守られるかどうか。
◎スウェーデンのNATO加盟、トルコ大統領が容認の意向…実現へ大きく前進 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →トルコのエルドアン大統領が方針を変えた。ウクライナのNATO加盟も支持を表明しており、ロシア離れが鮮明になっている。詳しい意図はまだわからない。
*** 「今日の名言」
◎マハティール・ビン・モハマド(マレーシア元首相。7月10日は97歳の誕生日)
「日本人に欠けているのは自信と愛国心です。愛国心という言葉に過敏になる理由は、私にもわかります。確かに、過去に犯した多くの過ちを認める用意と意思は持たなければならない。しかし、半世紀以上も前の行動に縛られ、恒常的に罪の意識を感じる必要があるのでしょうか?」 「日本が挑戦すべきことは、東アジアにおけるリーダーの役割を果たすことです。日本には経済的な規模があり、富があり、世界水準の技術力がある。世界のリーダーとなるには軍事力も必要だという考え方もあるでしょうが、今日の戦争は、経済的な側面が焦点です」 「重くみなければならないのは、財産をどれくらい持っているかより、精神的にどのような状態におかれているかである」 「私は、できるかぎり青年と対話し、青年と触れ合う機会をもちたいと心がけています。私たちの国を次に引き継いでくれるのは青年たちしかいないからです」 「戦争を撤廃すべきです。戦争を犯罪と見なすべきなのです。長い苦難の道のりです。何十年あるいは何世紀もかかるかもしれません。しかし、私は信じます。その日は 必ず来ると」 「グローバリゼーションによって得をする者は西欧、特に自国のシステムを世界システムに適用しようとしているアメリカの企業家たちであることは明白でしょう」
*** きょうの教養 (幸之助語録②)
◎「先見性」 戦国時代、特に精強を誇ったのが甲斐の武田勢であった。武田信玄の息子勝頼は、長篠の一戦で、織田信長、徳川家康の連合軍に大敗を喫し、それがきっかけとなって滅亡への道をたどるようになってしまう。
長篠の合戦で、信長が用いた作戦は、5000丁もの大量の鉄砲を用意し、間断なく打ち続けるというものであった。勝頼軍は一斉射撃に遭い、ほとんど戦いらしい戦いもしないままに多くの死傷者を出して惨敗してしまったのである。これは、武将の強さではなく、完全に武器の差であろう。結局、「これからは鉄砲の時代だ」ということを察知し、早くから準備していた織田信長の先見性が戦う前から勝利を決定づけていたといえるのではないだろうか。
先見性を持つということは指導者にとってきわめて大切なことだと思う。先見性を持てない人は、指導者としての資格がないと言ってもいいほどである。時代は刻々と移り変わっていく。きのう是とされたことも、きょうは時代遅れだということも少なくない。時代の移りゆく方向を見極め、変わっていく姿を予見しつつ、それに対応する手を打っていくということで、初めて国家の安泰もあり、企業の発展もある。一つの事態に直面して、あわててそれに対する方策を考えることでは、物事は決してうまくいかない。
過去の歴史を見ても、一国が栄えているときは必ずと言っていいほど、その国の指導者の先見性が発揮されているように思われる。今日発展している企業を見ると、やはり経営者が先見性を持って的確に手を打っているようである。
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***デイ・ウオッチ(11日)
◎トイレ使用制限は「不当」 性的少数者の職場環境、初判断―経産省職員の勝訴確定・最高裁:時事ドットコム (jiji.com) →5人の裁判官の全員一致だった。社会のルールを何でも司法に委ねるのは不健全だが、争いのあるものはやむを得ない。LGBT法案審議で、自民党保守派はトイレ使用の問題を指摘していたが、法案反対とは次元が違う問題だ。共生の精神が大切だろう。
◎エンゼルスの大谷「本塁打打ってみたい」 2番指名打者で出場へ―米大リーグ球宴:時事ドットコム (jiji.com) →けさは大リーグのオールスター戦がある。大谷は2番指名打者で、ホームランを狙うという。日本の地上波はきょう午前9時からテレビ朝日系列、BSは午前8時からNHK・BS1で放送する。
◎岸田首相、NATO・EUと連携強化へ 韓国大統領に処理水放出説明―訪欧へ出発:時事ドットコム (jiji.com) →日本がNATOとの連携を強化する。欧州との連携は重要だが、軍事同盟NATOとの関係はプラスとマイナスがあるだろう。岸田政権は、万事なし崩しが目立つが、国会でしっかり真意を説明すべきだろう。NATOは防衛費のGDP2%を決めるという。日本の主体性が重要だ。
◎AI参考に一時保護見送り 4歳女児死亡―三重県:時事ドットコム (jiji.com) →児童虐待でAIを使ったことが裏目に出た。AIは参考にすぎないということを示す事例だが、当事者にとってみれば難しい判断になるだろう。教訓を広く共有したい。
*** 「今日の名言」
◎ヴァーシリー・ゴロヴニーン(ロシアの海軍軍人。1831年7月11日は命日。測量で訪れた千島列島で幕府に捕まって幽閉された。ロシア側が捕らえた高田屋嘉兵衛らと引き換えに解放され、1816年に『日本幽囚記』をまとめ、欧州で読まれた)
「日本人は世界で最も教養のある国民であり、勤勉で万事に長けた国民である」 「日本人は、誰一人として我々に侮辱を加えたり、嘲笑したりする者はなく、みんなおよそ同情のまなざしで見て、なかには心から憐憫の情を浮かべる者もあり、ことに女たちにそれが多かった。我々が喉の渇きを訴えると、先を争って世話しようとした。我々になにかご馳走したいと、護送兵に願い出る者がたくさんいて、酒や菓子や果物その他、何やかやと持ってきてくれた。現在、ヨーロッパの人々から野蛮人と思われている日本人は、こんな感情を持っているのだ」 「日本人は、他国と比較しても、もっとも教育の進んだ国民である。文盲や法律を知らない者がいない」 「日本人は幼いときから、忍耐や質素、礼儀を教え込まれており、何度も日本の礼儀作法を経験する機会があった」 「日本人には剛毅、勇気が欠けている。それは、幕府の長年の政治的統治の結果である」
*** きょうの教養 (幸之助語録③)
◎「天地自然の理」 老子の言葉に「王がよく道を守れば、すべての物事はおのずと上手くいくだろう」という意味のものがあるという。老子の言う「道」とは、「自然の摂理」というか「天地自然の理」といったものだそうだから、要するに指導者が天地自然の理に従った行いをすれば、すべてがうまくいくという意味であろう。
全くその通りだと思う。宇宙に大きな天地自然の理というものが働いており、万物はそれに従って、それぞれの営みをしている。人間もその例外ではない。ただ、人間はほかの万物にはない知恵才覚に恵まれており、それによって優れた文明文化というものを築き上げている。
文明文化というものは、人間が自分の力だけで作り上げたように思いがちだが、実際はそうではない。大自然の中に仕組まれ、存在していたものを見つけ出し、活用したに過ぎないのである。言い換えれば、天地自然の理に従い、これを人間の共同生活の上に具現したものが文明であり、文化なのである。
ところが、人間はそのことを忘れ、すべてを自分の力でやったように考えてしまう。そこから往々にして、小さな人知だけにとらわれて、天地自然の理に反するような考え方や行いをしがちである。人間社会の不幸とか争いといったものは、結局すべてそうしたところから起こると言っていいだろう。だからこそ、お互い人間、特に指導者は天地自然の理というものを知って、これに従うことが大切なのである。
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***デイ・ウオッチ(12日)
◎巨大ITにデジタル課税「25年発効」 OECD、米へ税収集中是正 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →巨大IT企業は、大きな恩恵を及ぼす一方で影響力が大きくなりすぎて、悩ましい存在になっている。生成AIに対する懐疑論も巨大IT企業への不信感がある。欧州は規制派で、米国の対応が焦点だが、日本としても独自の見解を積極的に示す必要がある。
◎北朝鮮、「ICBM級」発射 過去最長74分飛行、北海道沖落下:時事ドットコム (jiji.com) →また北朝鮮のミサイル。過去最長の74分間飛行したという。北朝鮮はもはや相当な水準の核弾頭やミサイルを持っているのだろうか。毎回同じような政府の対応と識者の解説だが、北朝鮮の戦力を政府はどう分析しているか、国民として知りたくなる。
◎ウクライナ加盟、時期明示せず ゼレンスキー氏は不満あらわ―NATO:時事ドットコム (jiji.com) ゼレンスキー氏「会議は成功」 不満から一転:時事ドットコム (jiji.com) →NATOはウクライナの加盟時期を明示せず、ゼレンスキー大統領は不満をぶちまけた。しかし、G7が長期的な支援を表明し、「会議は成功」と評価した。総合的に見れば西側の支援は強化されたといえるだろう。
◎日本人中学に初の支援学級 登校「楽しみ」―シンガポール:時事ドットコム (jiji.com) →海外の日本人学校で初の支援学級という明るいニュース。コストがかかっても「だれ一人取り残さない」という具体的な取り組みが重要だ。
*** 「今日の名言」
◎岩田 聡(任天堂元社長、ゲームクリエイター。2015年7月11日が命日))
「名刺上、私は社長です。頭の中ではゲーム開発者です。でも、心はゲーマーです」 「人が嫌がるかもしれないことや、人が疲れて続けられないような事を、延々と続けられる人、それが天才だ」 「自分は、他の人が喜んでくれるのが嬉しくて仕事をしている」 「私は、ずっと前から自分が誰かと仕事をしたら、次もあいつと仕事をしたいと言わせようというのがモットーだった」 「(株主からリストラを敢行しないのか?との問いに)社員が怯えながら作ったソフトは人の心を動かせない」 「自分が何に向いていて、何をすれば周囲に認めてもらえるかを一生懸命探していれば、必ず仕事のチャンスはくるし、そういう人のところに運も巡ってくるんじゃないか」 「時には踏みならされた道を離れ、新しい道に入ってみる。そこで出会った偶然を活かせば非連続的な変化を起こせる。人と違うことをするのは常にリスクを伴いますが、不可能だと思ったことを可能にできる自信がつけば、みんなが新しい道に進もうとする」 「リスクをとらないところには達成感はない」 「自分たちは異質な商品をつくり、新しい道を探さなくてはならない」
*** きょうの教養 (幸之助語録④)
◎「怒りを持つ」 西ドイツの首相であったアデナウアーが、アメリカのアイゼンハワー大統領に会った時、「怒りを持たなくてはいけない」と言ったというのである。これはいささか奇異な感じがする。怒りを持つ、腹を立てるということは、普通はむしろ好ましくないとされている。できるだけ腹を立てずに円満に人と接し、いわば談笑のうちに事を運ぶ。それが一番望ましいと誰もが考えるだろう。ところが、アデナウアーは「怒りを持て」という。いったいどういうことだろうか?
これは単なる個人的な感情、いわゆる私憤ではないと思う。そうではなく、もっと高い立場に立った怒り、つまり公憤を言っているのであろう。指導者たるものいたずらに私の感情で腹を立てるということは、もちろん好ましくない。しかし、指導者としての公の立場において、何が正しいかを考えた上で、これは許せないということに対しては、大いなる怒りを持たなくてはいけない、と言っているのであろう。
第二次世界大戦でどこよりも徹底的に破壊し尽くされた西ドイツを、世界一と言ってもよい堅実な繁栄国家にまで復興再建させたアデナウアーである。占領下にあった西ドイツが、憲法の制定も教育の改革も受け入れないという確固たる自主独立の方針を貫いた根底には、首相であるアデナウアーのそうした公憤があったのではないかと思う。一国の首相は、首相としての怒りを持たなくてはならないし、会社の社長は社長としての怒りを持たなくては、本当に力強い経営はできないと言ってもいい。
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***デイ・ウオッチ(13日)
◎NATO声明にロシア反発「国境に戦力、逃げ場ない」(産経新聞) – Yahoo!ニュース →NATOの結束強化にロシアが反発を強めている。戦況が劇的に変わらない限り、和平交渉がより困難になっている。戦闘の長期化とエスカレートが懸念される。
◎“防衛増税”は2025年度以降に 実質“先送り”…注目は「決算剰余金」?(TBS NEWS DIG Powered by JNN) – Yahoo!ニュース →防衛増税は2025年度以降に実質先送りされそうだ。岸田政権の弱みは、防衛費増や少子化対策をぶち上げるが、財源が伴っていないこと。財源の裏づけをしてこその政治だが、踏み込まない。打ち上げ花火だけなら野党でもできる。
◎米中外交トップが会談 関係安定目指し対話継続:時事ドットコム (jiji.com) →米中の閣僚交流が活発になっている。両国ともさすがに交流は必要と判断しているようだ。国防当局の会談はまだで、いつ開催できるかが当面の焦点。両国政府とも国民に弱腰だと思われたくない。メンツから実質的な交流に発展できるかが次の焦点になる。
◎高速道路トラック最高速度、引き上げ議論へ 物流24年問題 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →物流の2024年問題はじわじわと社会を変えつつある。トラックの最高速度が引き上げられれば、効率は上がるが、大型事故も増えそうだ。オープンで率直な議論が必要だろう。
◎ハリウッド俳優組合、43年ぶりスト 待遇・AIで交渉決裂 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →AIが一つの焦点。5月から1万人以上の脚本家がストに入っているが、今度は16万人。映画や配信番組、来日イベントにも影響が出そうだという。
*** 「今日の名言」
◎鈴木 大拙(仏教学者、作家。1966年7月12日は命日)
「人間は偉くならなくとも一個の正直な人間となって信用できるものになれば、それで結構だ」 「我々の一生というものは、なにも目を驚かして、偉い者になろうとか、なったとかいうところにあるのでなくして、日々の仕事をやることが一番です」 「真っ黒になって黙々として一日働き、時期が来れば、さよならで消えていく。このような人間を偉い人だと自分はいいたい」 「無心というのは、妄想がないという意味である」 「我々は知性に生きるのではなく、意志に生きるのだ」 「死を恐れるのは、やりたい仕事を持たないからだ。やりがいのある、興味ある仕事に没頭し続ければ死など考えているヒマがない。死が追ってくるより先へ先へと仕事を続ければよいのである」 「原始生活に教えられるところは、必要以外のものは絶対に何も要らないということ、そうしてお互いに共同融通して、私を忘れるというようなところである」 「悲しみのパンを口にすることなくしては、真実の人生を味わうことはできない」 「西洋人は物事を頭で考えて分析・比較・対照するが、東洋人は全体を見て腹で考える」
*** きょうの教養 (幸之助語録⑤)
◎「徳性を養う」 大東亜戦争が終わった時、当時の中国国民党政府の蒋介石主席は、「恨みに報いるに徳を以てする」ということを声明し、日本に対して報復的なことや賠償の要求をしなかった。日本人としては、まことにもって多としなければならないと思う。この言葉は、老子の言葉だという。2500年にわたって、中国では指導者としての一つの心構えとされ、良き伝統となっていたのであろう。
人間が人間を動かすことは、実際はなかなか容易ではない。能力や命令で、あるいは理論で動かすということもできないことではない。「これをやらなければ命を取るぞ」と言われれば、たいていの人は命が欲しいから不承不承でもやることになるだろう。しかし、嫌々やるのでは、何をやっても大きな成果は納められない。やはり武力とか金力とか権力とか、あるいは知力といったものだけに頼っていたのでは、本当に人を動かすことはできない。何といっても根本的に大事なものは、徳をもって、いわゆる心服させることだと思う。
指導者に人から慕われるようなところがあってはじめて、指導者の持つ権力、その他もろもろの力も生きてくる。だから指導者はつとめて自らの徳性を高めなくてはならない。指導者に反対する者、敵対する者もいるだろう。それに対してある種の力を行使することは良いが、それだけに終わっては、それがまた、新たな反抗を生むことになってしまう。力を行使しつつも、そうしたものを自らに同化せしめるような徳性を養うため、常に相手の心情を汲み取ることに努め、自分の心を磨き高めることを怠ってはならないと思う。