8月21~25日(教養講座:クラシック音楽)

2023.08.25メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年8月21日号(転送禁止)~~~

メルマガ再開にあたり、「ディウオッチ」のニュース選択基準を説明します。①当分の間、焦点・話題になる②秩序・構造の動向に関わる③日本人として知っておきたい―の3点です。

HPにアップしました→ 「君たちはどう生きるか」とフォークナー – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

***デイ・ウォッチ(11~20日)

日米韓、有事に迅速協議 中国念頭に戦略連携―3首脳会談定例化:時事ドットコム (jiji.com)  日韓、インド太平洋戦略の要に 中国見据え同盟網構築―米、3カ国関係の「制度化」重視:時事ドットコム (jiji.com) →バイデン大統領の主導権で「キャンプデービッド原則」を演出した。3カ国の連携は遅すぎたが、焦点は東アジアの緊張緩和につなげられるかどうか。緊張激化では意味がない。

岸田首相 処理水放出開始 “安全性確保など政府全体で確認し判断” | NHK | 福島第一原発 処理水 →安倍・菅政権は原発への対応があいまいで、推進派からは「国はもっと責任感を持つべきだ」と不満の声が上がっていた。岸田政権は原発にはかなり積極的に動いている。焦点は、その結果が何をもたらすか。政治は結果責任だ。中国だけでなく英BBCも「汚染水」といっている。

原発 使用済核燃料の中間貯蔵施設 上関町 中国電力の調査受入れ | NHK | 各地の原発 →財政難を打開したい町長の気持ちはわかるが、公共事業のような外からの発展策は時代遅れで、やがて息切れする。「内発的発展」といわれる地元の資源や人材を起点にした挑戦が地域を元気にする時代だ。町長は「反対が多ければ調査だけ」というが、国は最終処分場にしようと狙うだろう。

ハワイ山火事 死者114人に DNA採取し身元確認作業の加速目指す | NHK | アメリカ →お盆休み中、災害は日本では台風6~7号、海外ではハワイの山火事が関心を集めた。山火事が海外で頻発している。やはり地球は沸騰している。

中国「恒大グループ」米裁判所に破産法適用を申請 巨額の債務 | NHK | 中国 →再建を狙った破産法申請だが、焦点は中国の不動産バブル崩壊の行方。日本のバブル崩壊は当初、「大した影響はない」という楽観的な見方も多かったが、不良債権の闇は深かった。習近平政権のアキレス腱は国内経済。共産党は好調な経済で支持されているので、低成長ならしっぺ返しは大きい。

*** 「今日の名言」

◎川上慶子さん(1985年8月に起きた日航機墜落事故で4人いた生存者の1人。当時12歳)

気がつくと、真っ暗で油臭いにおいがした。子供の泣き声などがザワザワ聞こえていた。手や足を動かしてみると足の下には空間があってブラブラ動かせた。自分の体中を触ってみても、みんな付いており、「生きている」と思った。みんなはどうなったのかと思い、叫ぶと父と咲子が返事した。母は答えなかった。その後、咲子と二人でしゃべった。咲子は「苦しい、苦しい」と言った。「足で踏んでみたら楽になるかもしらんから、やってみ」と言うと、妹の足の音がした。妹はそれでも「苦しい、苦しい。みんな助けに来てくれるのかなあ」と言うので「大丈夫、大丈夫。お父ちゃんもお母ちゃんも死んでしまったみたいだけど、島根に帰ったら、おばあちゃんとお兄ちゃんと四人で頑張って暮らそう」と答えた。突然、咲子がゲボゲボと吐くような声を出し、喋らなくなった。一人になってしまったと思い、その後、朝まで意識が消えたり戻ったりした。暗闇の中、ヘリコプターの音が聞こえてきて、目が覚めた。赤い灯りも見えて、真上まで来て止まって、「あぁ、これで助かるわ」と、みんなで言ってたら、ヘリは引き返した。これで、場所が判ったから、またみんなで、たくさん来てくれると話したけど、それっきり来んようになった。そのうち、みんな話さなくなった。その後、ヘリコプターのパタパタという音で目が覚めた。目の前を覆う部品の間から、二本の木が見え、太陽の光が差し込んできた。生きているんやな、と思った。何とか外に出て見つけてもらおうと思い、努力した。人の気配がして、「生きている人は、手や足を動かして」という声がした。足をバタバタさせると、人が近寄って来た。ぼさぼさの頭、ショートパンツで、勘違いされたらしく、「男の子だ!」と言われた。

*** きょうの教養 (クラシック音楽①)

今週は西洋クラシック音楽を特集します。作曲家や曲名は聞いたことがあるが、結びつかないということも少なくないでしょう。年代順に5人を選び、音楽を聴けるユーチューブのURLも掲載しました。「世界の教養365」(文響社)を参考文献としました。

◎アントニオ・ヴィヴァルディ(1678~1741)

イタリア・ベネチアのバイオリン奏者の子として生まれた。幼い頃から病弱で、1703年に聖職者の道に進んだ。その後すぐ、ベネチアにあった女子孤児院の養老院で、住み込みのバイオリン教師・指揮者・作曲家になった。養老院の少女たちは音楽の厳しい訓練を受け、彼女たちの演奏会はヴィヴァルディのオリジナル楽曲を演奏することも多く、ベネチアの音楽愛好家達から大好評を博した。

驚くほど多作で、生涯に協奏曲を500曲以上も作曲した。現在知られているどの作曲家よりも多い。声楽曲も作っているが、作品の大半は器楽曲で、ヴィヴァルディといえば器楽曲の作曲家として有名だ。協奏曲は表現力が豊かで、繊細な悲しさから威風堂々たる態度まで、さまざまな感情を描き出している。作品の多くが音楽以外を連想させる標題音楽で、ストーリー展開があったり、何らかの感情を喚起したり、季節の移り変わりなど実生活での出来事を連想させた。協奏曲は三つの楽章で構成されることが多い。第一楽章は早いテンポのアレグロ、第二楽章はテンポが緩く、第三楽章はアレグロに戻るが、第一楽章よりさらに躍動感がある。

ヴィヴァルディの楽曲でとりわけ有名なのが「四季」だ。四つの協奏曲からなる親しみやすい曲で、西洋クラシック音楽の楽曲としては昔も今もひときわ人気の高い。四季もそうだが、ヴィヴァルディは数々の作品でソリストの役割を根本から変え、演劇性や装飾性に対する卓越したセンスからソロ・パートをそれまでになく重視した。印象的な主題、野心的なリズム・モチーフ、楽曲の全体的な明快さなどで、バッハや古典派時代の作曲家に多大な影響を与えた。

ヴィヴァルディ『四季』 (ソネット字幕付版) – Bing video

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年8月22日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(21日)

24日にも処理水放出 関係閣僚会議で22日決定―岸田首相、全漁連会長に「国が全責任」:時事ドットコム (jiji.com) →全漁連の坂本会長は「反対であることはいささかも変わらない」としながら、「科学的安全性への理解は深まってきた」と語った。これをもって政府は「一定の理解を得た」として放出に踏み切る。十分すり合わせた結果とみられるが、海外の反対はすでに風評被害の様相だ。

国民民主代表選告示 玉木代表と前原代表代行 活発な論戦展開へ | NHK | 選挙 →2人の路線はかなり違うので、興味深く、影響も大きい。玉木代表は「対決より解決」というが、2大政党による政権交代を指向する小選挙区制では、どうやっても自民党の補完勢力にしかならないだろう。当分の間、焦点・話題になるニュース。

初サンマ、キロ20万円 豊洲市場で最高値:時事ドットコム (jiji.com) →去年は12万円だったサンマが、今年は20万円。いつの間にか高級魚になってしまった。高級魚のウナギはさらに高嶺の花。次はどの魚種が減ってしまのか、本気で心配になる。

DJ SODAさん性被害問題 観客2人が警察署に出頭 任意で捜査へ | NHK | セクハラ問題 →告訴しても捜査は困難と思われたが、出頭で新展開へ。

サニブラウン、男子100で6位 五輪含め日本勢最高位―世界陸上:時事ドットコム (jiji.com) →地味だが、日本人として知っておきたいニュース。五輪・世界選手権の男子100メートルで6位入賞は、1932年ロサンゼルス五輪の吉岡隆徳以来。一定の年代以上には「暁の超特急」のあだ名が懐かしい。2回の決勝進出はサニブラウンが初。

*** 「今日の名言」

◎近藤誠(がん治療に疑問を投げかけた医師。昨年8月13日、73歳で死去)

「がんはタチの良いものとタチの悪いものがある。どこで決まるかというと、臓器への転移があるかないか。1か所に転移があると、ほかに10か所100か所に転移があり、治らない。本物のがんという。たちが良いというのは、臓器への転移がない。転移する力がなければ、ほっといても死なないから、一種のおでき、良性腫瘍。がんもどきという」 「本物のがんだと、手術しても治らない。それどころか、がんが暴れ出して早く死んじゃう可能性が出てくる。だから、検診で早く見つければ良くなるというのはウソなの。医療というのは、とくにがん治療は、患者に本当のことを言わない。これで成り立っている」 「(がんの確定検査は)受けないほうがいい。仮にがんだなんてわかっちゃうと、また悩みだすから。がんもどきの人は、5年でも10年でも生きているから、手術で助かった気がするけども、放っておいても生きているんだ」 「抗がん剤は農薬や毒ガスと同じで、毒性は過酷です。1回で死ぬこともある。きっぱりと拒んでください」 「厚生労働省が推奨するメタボ健診では、肥満度を表す指数であるBMI値が25以上だと肥満と判定され、保健指導の対象となります。しかし、国立がん研究センターの調べによると、日本におけるBMIと総死亡率の関係では男性の総死亡率がいちばん低いのは25~27なのです。逆に、21未満だと総死亡率が極端に高くなっています。つまり、長生きしているのは、やせている人より小太りの人のほうなのです」

*** きょうの教養 (クラシック音楽②)

◎フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)

ウィーンで活躍した優れた宮廷作曲家たちの系譜の中で、ハイドンは古典派で最初の紛れもない寵児だった。オーストリアの小村で職人の息子として貧しい家に生まれたが、音楽の才能は幼い頃から明らかだった。8歳の時、ウィーンの大聖堂の少年聖歌隊になった。

1759年から1761年まで、地位の低い伯爵の宮廷で働いたが、伯爵が破産したため解雇されてしまった。ハイドンの名はかなり知られていたため、ハンガリーの大貴族パウル・アントン・エステルハージ侯爵に雇ってもらうことができた。その後、人生の大半をエステルハージ家で過ごし、毎日8時間を作曲に費やすかたわら、屋敷で毎週オペラと交響曲を複数回上映するなど侯爵家の音楽活動全般を監督した。ただし、使用人部屋に住み、多くの屈辱的な扱いも受けた。

ハイドンが生涯で作った作曲数は驚異的だ。現存しているのは、交響曲が104、弦楽四重奏が「皇帝」など68、ピアノソナタが47、オペラが26 で、これ以外にも失われてしまった作品が何百もある。ハイドンは交響曲の標準的な構成(テンポの異なる3~4の楽章からなり、弦楽器、4~5の管楽器、およびティンパニー)を確立したとされており、この構成をロココ様式のイタリア人作家たちの考え方をもとに発展させた。

弦楽四重奏の形式を近代化したのもハイドンだとされている。四重奏の主旋律を第一ヴァイオリンの独奏にするのではなく、旋律と重要な主題をヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの各パートが交替で演奏するようにした。晩年をロンドンとウィーンを往復しながら過ごした。後世まで残るもっとも成熟した交響曲や弦楽四重奏曲を作曲したのはこの時である。同時代のうちもっとも才能にあふれていた若きモーツァルトと会って、影響を受けている。最後は音楽家生活から退き、77歳の時、ウィーンで亡くなった

弦楽四重奏曲第77番「皇帝」op.76 No.3 より第2楽章 / ハイドン – Bing video

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年8月23日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(22日)

ガソリン価格緩和策を延長へ 首相、与党に検討指示 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →ガソリン補助だけでなく、電気・ガス代補助も延長か。直感的にありがたいと感じるのが庶民感情だが、岸田政権は難問を金で解決する大盤振る舞いやバラマキが続き、不安もぬぐえない。費用対効果に関するエコノミストの冷静な分析を期待したい。

処理水、24日放出開始 岸田首相、風評対策「政府に責任」―中国反発、輸出影響も・東電福島第1原発:時事ドットコム (jiji.com) 「約束破られた」「共存避けられず」 処理水放出日決定―福島の漁業者ら:時事ドットコム (jiji.com) →漁業という循環経済の代表と、放射性物質という循環も分解もしない物質との鋭い文明的な対立。海外の反発は予想以上に強い。水に流れるのか、流れないのか、予断は許さない。

小2女子児童 体育の授業後に倒れ死亡 熱中症か 北海道 伊達 | NHK | 北海道 →北海道で小2が、恐らく熱中症で亡くなった。痛ましい。北海道の小学校にはエアコンがなく、住宅にもほぼない。人間の活動で沸騰している地球が新たな被害を生んでいる。

◎ タイ新首相にセター氏 親軍政党と「大連立」政権―タクシン氏帰国、禁錮8年:時事ドットコム (jiji.com) タクシン元首相が帰国 首相選当日、恩赦期待か―タイ:時事ドットコム (jiji.com) →タイでタクシン派の首相が選出された。タクシン派はかつて軍と対立したが、今度は軍系政党との大連立という。タイの政治は、王室、軍、既得権・エリート層、労働者・農民層らが錯綜し、複雑さを増している。

*** 「今日の名言」

◎山崎正和(劇作家。2020年8月19日が命日)

「1970年代から80年代にかけて産業構造が変わり、人間の生き方や考え方も変わっていく。この本(『柔らかい個人主義の時代』)でそう主張しましたが、大筋は書いた通りになり、嬉しく思っています。本の端緒になったのは、時代の変化でした。洋服の有名ブランドや美容院が人気を集めるようになった。カラオケも流行し始めた。自分を見せる、聞かせるという『自己表現』の欲望に人々が目覚めていったんですね。もう一つ『時間消費』という概念。当時、外食産業やホテル、旅行業者が人気を集めていました。旅行は風光明媚な景勝地に長く滞在し、外食はごちそうを味わって時間をかけて食べることを楽しむ」  「(政治家やマスメディアのポピュリズムについて)第一に、彼らは民衆の感情を刺激し、理性よりも情念に訴えるという形をとり、しかもその情念は、反感あるいは嫉妬という点に絞られ、その対象として敵を必要とする」 「左翼の人たちにとっては、日本国家は憎むべき巨大な権力だったのかもしれない。しかし私から見ると、波間に漂う笹舟のようなもので、一つ間違えると本当にひっくり返る状況に見えていた」 「芝居は金の苦労が7、もめごとの心配が2、残り1割が芸術です」 「死はだれでも孤独だ。どんなに仲がよくても、分け持つことはできない。自分は君たちに何も教えることはないが、死に方を見せてあげることはできる」

*** きょうの教養 (クラシック音楽③)

◎ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)

モーツァルトほどその生涯や音楽が伝説に彩られている作曲家はいない。オーストリアのザルツブルグで、身分の低い宮廷作曲家・音楽教育者の子として生まれ、子ども時代の大半を旅する神童として、ミュンヘン、ウィーン、ロンドン、パリ、ローマなど各国の宮廷を回って過ごした。宮廷では国王や王妃貴族や教皇のために演奏したが、音楽家としての記憶力や腕前を披露する余興に過ぎなかった。

音楽家人生の大半を神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世時代のウィーンで過ごした。転機となった作品が、「後宮からの誘拐」(1782)だ。喜歌劇の一種オペラ・ブッハで、このジャンルはやがてモーツァルトが最も得意とするところとなる。その後もウィーンの有名な台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテと協力して、オペラ「フィガロの結婚」(1786)、「ドン・ジョヴァンニ」(1787)、「コシ・ファン・トッテ」(1790)を次々と発表した。一生のうちに書いた作品数は、交響曲が約40、ピアノ協奏曲が30、バイオリン協奏曲が5で、これ以外にも序曲、四重奏曲、フルート曲などその他様々なアンサンブルが何百曲とある。

モーツァルトは情熱的な男だった。音楽はもちろん、パーティーにも美食や高級ワインにも、ビリヤードや女性や賭け事にものめり込んだ。くめども尽きぬ才能の持ち主だった。残念なことに、彼も彼の移り気な妻コンスタンツェも、金銭にはまったく無頓着だった。生涯最後の10年間に最高傑作のほぼすべてを生み出したにも関わらず、既に多額の借金をしている相手にまた借金を頼まなくてはならないほど困窮していた。まともな食事もとらずに働き詰めの毎日を送った末、おそらくリウマチ熱が原因で、35歳の時に亡くなった。モーツァルトは傲慢で子供じみた天才だったと評価される一方、古典派の時代では間違いなく最高の作曲家だったとも評されている。

一音寺室内合奏団 – 2015 モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 – Bing video

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年8月24日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(23日)

◎速報 北朝鮮が弾道ミサイル発射か 政府、沖縄にJアラート – 日本経済新聞 (nikkei.com)  ロシアで自家用ジェット機墜落 プリゴジン氏、搭乗か – 日本経済新聞 (nikkei.com)

【詳しく】甲子園 慶応 107年ぶり優勝 仙台育英 連覇ならず | NHK | 夏の全国高校野球 →慶応高校の107年ぶりの優勝はギネス記録ではないだろうか。劣勢の下馬評だったが、先頭打者ホームランで勢いがついた。打った丸田選手は、ハンカチ王子以来の評判になりそうだ。ネット裏から左翼までの応援団も力になった。長髪の仙台育英もいいチームで、高校野球新時代を印象づけた。

放出差し止め求め来月提訴へ 福島、漁業関係者ら100人以上―処理水:時事ドットコム (jiji.com) →処理水の波紋は広がっている。英字紙の「処理水」の表現を調べたFBの投稿があった。「Treated Water」は「処理水」のニュアンスに一番近く、ニューヨークタイムズもBBCも見出しはこの表現が多い。本文ではより直接的な表現が出てくる。waste water from ruined nuclear plants(壊れた原発から出た廃棄水)、contaminated water、polluted water(汚染された水)、waste radioactive water、radioactive water(放射性物質汚染の水)など。ワシントンポストの見出しは「Treated Radioactive Water」=「濾過された放射性を帯びた水」で統一している。日本メディアと違って、大なり小なり放射性物質のニュアンスを含む言葉を使っている。

北海道 記録的な暑さで休校相次ぐ あすも熱中症に厳重警戒を | NHK | 熱中症 →札幌で過去最高を記録し、休校も相次ぐ異常事態。エアコンが少なく、猛暑に慣れない地域なので、熱中症リスクが本州など他地域より高いという。地球は沸騰している。

東京音大に爆破予告、大学院生ら逮捕 威力業務妨害容疑、全国で30万件超―警視庁:時事ドットコム (jiji.com) →爆破予告をする人たちは自分たちを「恒心教」と呼んでいる。2014年ころから活動しているが、実態はよくわからない。朝日新聞が23日朝刊で先行して報じたが、同紙記者には「恒心教総本山」を名乗って「社員全てに告ぐ」という脅迫メールが届いている。

*** 「今日の名言」

◎タモリ①(タレント。8月22日は78歳の誕生日)

「座右の銘は現状維持」 「この俺なんか、毎日が上出来」 「向上心なんてなかったですからねぇ。今もないし」 「人生成功せにゃいかん。ナンバー1にならなきゃいかん。それには何歳までにこういうことをやっておかないといかん(笑)。ダメだよ、それじゃあ。苦しくなるから」 「好きな言葉は適当。コツはね、張り切らないこと。頑張ると、疲れる」 「ハングリー精神なんて邪魔。この世界、ハングリー精神じゃダメだと思うんですけどね(笑)。お笑いなんか、人間の精神の余分なところでやってるわけでしょ」 「仕事も何でも反省はしない。反省ばかりしてると馬鹿バカしくて、これから先、やっていけない。過去を振り返らない」 「テレビは基本的にあんまり見ないね」 「俺が自分の番組一切見ないのも、悪いことばっか見えちゃうから。自分の番組見てたら、自分大嫌いになりますよ。自分のこと大嫌いですから」 「(批判は気になりますか?)ものすごく気になります」 「反省と一口に言っても、勝手に自分だけが悪いと思っている場合があるからね」 「他人に期待などしなければ、つまらないことで感情的にならずにすむ。そうすれば人間関係に波風も立たなくなり、円満にだれとでも付き合える」 「目標をもつと、達成できないと嫌だし、達成するためにやりたいことを我慢するなんて馬鹿みたい」 「初対面の人と上手く話す秘訣なんてないんです。心構えとしては、初対面と思わないことじゃないですかねえ。この人はよく知っているんだ、仲良しだと思うことです」 「私のような有段者になると、酒を一滴も飲まずに泥酔状態になれるんだ。」 「子供から大人まで分かるような番組をやろうと思ったことは、一度もない」 「俺のやることに、意味なんかあるわけないだろ!」 「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」 「人間って『自分がいかに下らない人間か』ということを思い知ることで、スーッと楽にもなれるんじゃないかな」(明日に続く)

*** きょうの教養 (クラシック音楽④)

◎フレデリック・ショパン(1810~1849)

ショパンの作品集は、ピアニストなら誰もがマスターしなくてはならない曲ばかりだ。同時代の作曲家のような卓越した壮麗さはないが、繊細さと美しさと味わい深さに満ちている。ショパンはコンサートホールよりも上流階級の客間で好まれた唯一無二の作曲家だった。

1810年、ポーランドのワルシャワ郊外でフランス人の父とポーランド人の母の間に生まれた。父が経営する貴族向け寄宿学校の生徒たちに囲まれて育ち、貴族の子弟たちの態度を多く身につけた。青年期には紳士気取りで、女性っぽいという評判だった。10代の頃からマズルカとボロネーズというポーランドの民族舞踊をもとにした短い曲を作り始め、貴族の居間で演奏してワルシャワの寵児となった。 

1830年、ワルシャワを離れてウィーンへ行き、パリへ移って名声を得た。 パリで大規模なコンサートに挑戦したが、音量と和声と不協和音を繊細かつ微妙に使い分ける作曲スタイルは、コンサート向けではなかった。1835年以降、洗練された上流階級の客間以外でほとんど演奏しなくなった。パリで最大のライバルであるフランツ・リストら芸術家や知識人と親交を深めた。小説家で男装の麗人ジョルジュ・サンドと激しい恋に落ち、1838年から1839年に2人はスペインのマヨルカ島で休暇を過ごしたが、ショパンの持病だった結核が悪化し、1849年に亡くなった。

祖国ポーランドを愛し、ワルシャワを離れる時、ポーランドの土を詰めた銀の壺を持って行った。この壺は民族主義の揺るぎない証として彼とともに埋葬された。民族主義はショパンの生涯を通じて大きなテーマだった。ポーランドの民族舞踊や宮廷舞踊を取り入れた曲が多く、その一つ「軍隊ポロネーズ」こと「ポロネーズ第三番イ長調」は1831年にポーランド民衆がロシア支配を覆そうと蜂起して失敗した事件を記念した曲だ。

ショパン:軍隊ポロネーズ ピアニスト 近藤由貴/Chopin: Military Polonaise Op.40-1 Piano, Yuki Kondo – Bing video

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HPにアップしました→「エンジョイベースボール」と「一球入魂」 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

***デイ・ウォッチ(24日)

処理水、海洋放出開始 東電福島第1原発、廃炉へ節目―完了まで30年、風評対策課題:時事ドットコム (jiji.com)  日本産水産物を全面禁輸 処理水放出に反発―中国:時事ドットコム (jiji.com) →中国が日本産水産物を禁輸する。業界への影響は小さくない。「外交カードに使っている」「非科学的だ」と突き放して済む問題だろうか。中国で環境派が本格的に台頭しているという日経編集委員のコラムがある。放置すれば30年の禁輸となる。重層的な対応が必要だろう→原発処理水放出に反対する中国 知られざる環境保護派の台頭 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

プリゴジン氏が死亡か ロシアでジェット機墜落 暗殺や撃墜の可能性も | NHK | ロシア →プーチン大統領に殺害された可能性が高い。歯向かう人物は殺すという恐ろしい国だが、「プーチンならやるだろう」という我々の感覚麻痺も恐ろしい。

北朝鮮、偵察衛星打ち上げまた失敗 事実上の弾道ミサイル発射―10月の「3回目」表明:時事ドットコム (jiji.com) 記念日前の「成果」ならず 正恩氏の威信傷付く―北朝鮮:時事ドットコム (jiji.com) →金総書記は怒っているのかどうか。首相ら政府関係者が早朝に集まって会議を開き、北朝鮮に抗議する風景が日常になっている。ミサイル慣れしている我々の感覚麻痺も恐ろしい。

大谷翔平 “右ひじじん帯損傷 今季の投手登板なし” 球団発表 | NHK | 大谷翔平 →打者として出場できるなら、すっきりと三冠王を目指すしかない。

*** 「今日の名言」

◎タモリ②(タレント。8月22日は78歳の誕生日)

「日常で一番重要なことを伝えるには低いトーンで小さな声でしゃべる方が伝わる。そうすると相手の注意力が増してくる。大きな声を出せば面白いと思うのは勘違いだ」 「今はね、友達を作ろう、作ろうって言い過ぎるよ。友達なんかいなくていいんだよ」 「やっぱり近道はないよ。真ん中の王道が近道なんだよ」 「男は女から質問されると、解決方法を考えなければいけないと思うんだけど、女はそれをどうでもいいと思ってるんだよね。話すことによって人間関係を確認してるだけなんだよ」 「相手に喋らせるためには、あまり訊いちゃ駄目なんです。訊くと、人は喋らない。まず自分のことか関連することを話す。そうすると『いやいや違いますよ』って感じで話してくれます」 「僕はね、根本は人見知りなんですよ・・・意外と人見知り。毎日苦しいんだよ」 「対談もお断りしているし、講演会もお断りしてる」 「人見知りじゃない奴は面白くない」 「まあ、私も結構活躍してるみたいなんですけども、宇宙から見たらもうどうでもいいですね」 「(自分の人生は)ティッシュみたいな人生」 「(「笑っていいとも」グランドフィナーレで)当時ひねくれていまして、不遜で、生意気で、世の中なめくさっていた。そのくせ何もやったことがなかった。それが亡くなった初代の横澤彪プロデューサーから番組を仰せつかりまして、大体3か月くらいか半年くらいで終わると思っていたら、32年も続きまして」 「視聴者の皆さん方からたくさんの価値をつけていただき、みすぼらしい身に沢山のきれいな衣装を着せていただきました。そして今日ここで皆さんに直接お礼をいう機会をいただけたことを感謝します。32年間ありがとうございました。お世話になりました。いまだに何かをわかったわけでもなく、ただ迷いつつ手探りでやり続けております」 「俺もそろそろいいだろう…。もう疲れたよ」

*** きょうの教養 (クラシック音楽⑤)

◎リヒャルト・ワーグナー(1813~1883)

芸術全体に大きな貢献を残し、総合芸術という概念を主張した。これは音楽、美術、舞踊、演劇、哲学を統合した総合的な芸術作品という考えで、その後、数世代の思想家、芸術家、音楽家たち、エリオット、シェーンベルク、ヘミングウェイ、ピカソらが影響を受けた。

ライプチヒに生まれてライプチヒ大学に進学した。競争心が人一倍強く、自己中心的な性格だった。1833年、兄の世話でヴュルツブルクの合唱指揮者になった。挫折の多かった前半生での数少ない成功の一つとなった。オペラ「リエンティ」、「さまよえるオランダ人」などを書いて、それなりの成功をおさめた。しかし、浪費がひどく、刑務所で過ごしたこともあった。

ドレスデンのザクセン宮廷に移り、「タンホイザー」と「ローエングリン」で才能を開花させた。1849年、革命運動を支援したため逮捕状が出されて国外に逃れ、ワイマールにいたリストが恩赦を得るため尽力した。その後も有名な「ニーベルングの指環」、「トリスタンとイゾルデ」、「ニュルンベルグのマイスタージンガー」などを作曲した。自分はドイツ音楽の精神を体現するものだと自認していた。社会主義者であり、リストともに「未来の音楽」という考えを構築した。ドイツ音楽の優位性を声高に主張し、和声、構造、楽曲で革命的な手法を提唱する理論だった。

ワーグナーほど聴くものを葛藤させる作曲家はいなかった。革命的な才能ゆえに彼の音楽を愛しながら、鼻持ちならない性格に反感を抱く者がいた。楽曲が非常に長く複雑であることを嫌う者も多かった。1876年、自分の作品だけを上演する音楽祭をバイエルン州の街バイロイトで開催。心臓発作のためベネチアで亡くなった。徹底した反ユダヤ主義者で、1850年に刊行した「音楽におけるユダヤ性」で、当時のユダヤ人を攻撃した。その中にはかつて仲の良かった作曲家もいた。ヒトラーはワーグナーのファンで、ナチス政権で利用した。

ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲 – Bing video