8月28~9月1日(教養講座:谷沢永一の実践人間学)
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***デイ・ウォッチ(25~27日)
◎公明 山口代表 中国訪問を延期 中国側 “適切なタイミングではない” | NHK | 中国 福島県沖のトリチウム“全地点で検出下限の濃度下回る”環境省 | NHK | 福島第一原発 処理水 処理水放出【27日の国内外の動き】福島で国際電話の着信相次ぐ | NHK | 福島第一原発 処理水 →福島第一原発の影響は続く。というか、これから何が起きるか想定できないと考えた方がいいようだ。政府の対中姿勢がモノトーンで気にかかる。
◎世界の防衛大手、アジア統括機能を日本移転 英BAEなど – 日本経済新聞 (nikkei.com) →欧米の軍需産業がアジアの拠点を日本に移す。アイゼンハワー米大統領が退任演説で産軍複合体に警鐘を鳴らしたのは有名だが、防衛費増の日本は蜜の味がするのだろう。くみしやすい政治家や官僚に接近して危機をあおり、武器を売り込むマーケティングを展開するはずだ。監視が必要だ。
◎岸田首相、バスケW杯を観戦 沖縄:時事ドットコム (jiji.com) 岸田首相、再建中の首里城を視察 観光テーマに車座対話:時事ドットコム (jiji.com) →岸田首相は沖縄を訪問し、バスケットボールの試合や首里城を視察したが、焦点の辺野古や玉城知事は素通り。「ていねいに」が口癖だが、沖縄も福島も言葉と行動がどうも軽い。「魂を込めて沖縄と向き合った」と評される故野中広務氏らと比べられる。
◎初の全線新設、LRTが開業 構想から30年「ライトレール」―工業団地結ぶ14.6キロ・宇都宮:時事ドットコム (jiji.com) →宇都宮市の注目される挑戦。成功の指標は何だろうか。事業費は当初予定を上回った。黒字転換はいつできるのだろうか。赤字でも沿線が活性化すれば、成功ということもできる。重要業績評価指標(KPI)について、地元のコンセンサスが必要だろう。
◎陸上世界選手権 やり投げ北口榛花が金メダル パリ五輪内定 | NHK | 陸上競技 →日本女性選手としては、五輪と世界陸上のフィールド種目で初の金メダル。北海道旭川市出身で、地元の進学校・旭川東高校から日大に進んだ。男子のフィールド種目金メダルは、三段跳びの織田幹雄、南部忠平、田島直人、ハンマー投げの室伏広治の4人。日本人として知っておきたいニュース。
*** 「今日の名言」
◎稲盛和夫①(京セラ創業者。昨年8月24日、90歳で死去)
「誰もが、宇宙のため地球のために必要だから生まれてきた。世のため人のためにあなたの存在が必要だった。従って世のため人のために尽くすのが人生の目的なんだ」 「才能を自分のものにするのは、神の摂理に反する。与えられた才能は社会の為に使わなければならない。才能を私物化してはいけない」 「すべて人生は心に描いた通りになる。どのような厳しい状況に置かれようと、否定的なことを心に浮かべるべきではない。まじめに前向きに努力していけば決して悪いことがあろうはずがないと確信して、常に堂々と明るく進まなければならない」 「素直な心、熱意、努力といった言葉は、あまりに素朴で原始的であるため、誰も気に留めない。しかし、そういう単純な原理こそが人生を決めていくポイントなのだ」 「常に明るさを失わず努力する人には、神はちゃんと未来を準備してくれる」 「自分の運命は自分で管理しろ。でないと、あなたは誰かに自分の運命を決められてしまう」 「誰にも負けない努力を続けない限り、大きな成果は期待できない」 「
人生とはその『今日一日』の積み重ね、『いま』の連続にほかならない」 「人間の進歩は、素直であるかないかで決まる。自分の非を認めて学ぶ素直な心がないと人間の進歩はない」 「もうダメだというときが仕事の始まり」 「他人に良かれと動き、仲間のために汗をかくとき、売上は爆発的に伸びる」 「世の中に失敗はない。チャレンジしているうちは、失敗はない。諦めた時が失敗である。現在の能力でできる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられない」 「経営とは、人として正しい生き方を貫くこと」 「不運なら、運不運を忘れるほど、仕事に熱中してみよ」 「会社に『不燃性』の人は要らない。勝手に燃えてくれる『自燃性』であってほしい。少なくとも私が近づくと燃える『可燃性』でなければならない」 「状況の奴隷になってしまうと、状況が悪いことを理解し、自分の夢が非現実的であったという結論を出すだけになってしまう。だが、強い願望を持っている人は、問題を解決するために創意工夫と努力を始め、目的に到達するまで決してあきらめない」(明日に続く)
*** きょうの教養 (谷沢永一の実践人間学①)
今週は谷沢永一の著書「実践 人間学」(2000年、講談社)から紹介します。谷沢は1929年に大阪市に生まれ、関西大学文学部を卒業し、関西大学の教授を務めました。専攻は日本近代文学、書誌学で、社会評論でも活躍しました。10代で共産党に入党しましたが、大学時代に転向しました。大阪人らしいユーモアを交えた本音の人間観察や毒舌が独特で、保守の論客としても知られました。2011年、81歳で死去。好き嫌いはあるかもしれませんが、味わってみて下さい。
◎自己愛
人間は自己愛そのものである。自己愛から偽善も虚栄もすべて表出する。人間即自己愛であると理解できれば、他人の嫉妬も貪欲も許せるようになる。自らの犠牲や虚栄を知れば、相手も同じように偽善や虚栄を持っていることに気づく。全て強烈な自己愛から生じる産物であると理解すれば、人をむやみやたらに非難中傷する事も少なくなる。そして自分自身が非難中傷されても相手を許せる気持ちが生まれる。
人間が生きて行く上では、他人に良い感情を持つことも、悪い感情を持つこともある。結局は自分が一番可愛いから、好悪の感情が出てしまうのは当然のことだ。しかし、自分を大事にできれば、自分と同じくらいの自己愛を持っている人間も同様に大切していくことができる。自己愛を知ることは人間を尊重することであり、人間関係を円滑に運ぶ基である。自己愛から発する人間のさまざまな感情・欲望を理解し、人間とは何かを知り自分自身を知ろう。
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HPにアップしました→ 芥川賞「ハンチバック」の衝撃とモヤモヤ – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)
***デイ・ウォッチ(28日)
◎そごう・西武労組 ストライキを通知へ | NHK | 小売業 →実施は31日、百貨店のストはほぼ60年ぶりという。ここまでこじれた原因は信頼関係の欠如で、問題は経営側の対応にあるだろう。企業の売買は、経営側から見れば「ポートフォリオの最適化」の言葉で正当化されるが、現場には常に生身の人間がいる。そこを忘れてはいけない。中興の祖・鈴木敏文氏ならどう言うだろうか。
◎嫌がらせ電話、中国に抗議 処理水絡み、正確な発信要求―政府:時事ドットコム (jiji.com) 西村経済産業相 福島の水産物試食 安全性やおいしさをアピール | NHK | 福島第一原発 処理水 →対中関係は重層的に対処する必要がある。嫌がらせ電話で一部メディアは反中感情をあおり気味だが、中国から見れば日米のハイテク製品の輸出規制に対する仕返しという意味もある。経済低迷で不満を持つ国民が日本をはけ口にしている面もありそうだ。日本は中国のインバウンド客を歓迎するが、それ以外は嫌中に傾く。処理水に伴う禁輸問題はWTOに提訴した上で、日中関係全体は冷静に管理したい。福島産品の消費は一時のパフォーマンスではなく、国会、官庁、東京電力の食堂でずっと福島産品を提供したらどうだろう。中国はじめ海外への説得材料にしたい。
◎子会社ユニクロ社長に塚越氏 柳井氏はCEOに―ファーストリテ:時事ドットコム (jiji.com) →ユニクロ新社長は内部昇格の44歳。カリスマ経営者の最大リスクは後継者。ユニクロもかつて外部から社長や候補者を招いたが、眼鏡にかなわないなどで失敗した。永守氏が君臨するニデック(旧日本電産)も同様。経営というよりカリスマの心理学に関わるようだ。
◎NTT法見直し 総務省の審議会で議論始まる | NHK | 通信 →30年前に旧郵政省とNTTを担当していたが、当時からの懸案。両者の関係は悪く、総務省になった今も同様だろう。NTT株売却益で防衛費をまかなったり、経済安保を考慮したり、非経済的な要因もからむ。常に政治案件となることがNTTの最大リスクだ。
◎小中の授業時間一斉点検へ サポート人材配置促進―教員長時間勤務見直しで提言・中教審部会:時事ドットコム (jiji.com) →教師を取り巻く環境は危機的状況という。民間企業なら早く有効な手を打っているはずだが、政治や保護者ら多くの利害関係者がからみ、文科省や教育委員会は事なかれ傾向が目立つ。日本の資源は「人」で、教育が重要だということを思い返したい。
*** 「今日の名言」
◎稲盛和夫②(京セラ創業者。昨年8月24日、90歳で死去)
「20代や30代のときには、どんなことでもいいからとことん突き詰めて究めることが大切。一つのことに精魂を打ち込み、どんなことでもいいから確信となる何かを得ることです」 「JALの再建で、私はあらゆる機会を通じて教育に全力を尽くしました。それが功を奏し、全社員が経営者意識を持って仕事に取り組んでいます。『リーダーが私利私欲に走らず、利他の心で判断すること。要は人間として正しくあることを、経営でも考えなくてはいけませんよ』と話すことから始めました」 「すべての判断の基準を『人間として何が正しいか』ということに置く。経営における判断は、世間でいう筋の通ったもの、つまり『原理原則』に基づいたものでなければならない。常々、利己ではなく『利他』が重要だといっています」 「できない理由を並べ立てる人がいる。これでは新しい事業を達成することはできない。何もないことを前提として、目標を達成するために必要な人材や設備、技術をどう調達するかを考えなくてはならない。どんな仕事でも喜んで引き受けてほしい。やりたくない仕事も、意に沿わない仕事も、あなたを磨き強くする力を秘めているからだ」 「一つのことに打ち込み、それを究めることによって、人生の真理を見出し、森羅万象を理解することができる」 「今の日本はあまりにも平穏で、安逸をむさぼっている。もうちょっと根性入れて仕事をせんかと思う。些細なことでも社会に貢献したらどうですか、と言いたいですね」 「人々を幸福にすることを働く目的にしている限り、現状に満足することはありえない。『世のため人のためになること』を成すのが、人間として最高の行為であり、自分の人生はそのためにあるのだと信じて生きてきたつもりです。それが私のいう『大義』です。事業の展開を図るときも、つねにこれをベースにして考えてきましたので、大義は私にとって非常に大切な言葉です」
*** きょうの教養 (谷沢永一の実践人間学②)
◎偽善・偽悪 人間は己を実態以上に見せたがる存在だ。人並みの能力や品性しかもっていないのに、他人より優れた能力や高い品性を保持しているかのように思わせたがる。こうした気持ちが偽善ということに他ならない。すべての人間は偽善家である。そのためにいろいろな工夫や策略を練るのは仕方がない。
大阪では偽善を「ええカッコしい」という。自分を高く売りつけようとするのは、ほとんど個人差がない。みんながやっていることなのである。自分の寸法通りに生きている人間はいない。どこかでいいところを見せようとする。ただし偽善の度が過ぎると、他人に嫌がられる。高く売りつけようとしたのが、逆効果となってマイナスになる。偽善も程度の問題だ。
一方、偽悪というのは強がりのことだ。自分を実態以上に強く見せることにほかならない。ヤクザの世界の振る舞いだ。ヤクザの世界は偽悪の芸を見せ合うことで成り立っている。要するに他人を怖がらせることで飯を食う。イヌは喧嘩相手に毛を逆立てて牙をむくが、その人間版が偽悪に他ならない。人間は相手に怖がられるのが非常に楽しいという本性を持っている。 あいつ怒らせたら怖いで何をするかわからんぞ、という状況を作った時の自己満足は何とも言えないものなのである。
ただし偽悪もすぎると逆効果になる。一般の社会では度が過ぎるとひんしゅくを買う。それでも偽悪は一つの快楽だから、ひんしゅくを買う人間が跡を断たない。戦国時代の武将は皆、偽悪になることで自らの地位を築いた。とりわけ天下にその名を轟かせた名将はすべて偽悪の塊まりだった。偽善も偽悪も受け止め方は時代とともに変わる。人間の生き方そのものだから、必ずしも悪いものではない。時代に適した程よい偽善や疑惑をわきまえていればよいのである。
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***デイ・ウォッチ(29日)
◎ジャニーズ前社長の性加害を認定 外部専門家の特別チーム | NHK | ニュース深掘り 〈独占〉ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長(57)が退任へ「人前に出られるような状態ではない」《60年続いたファミリービジネスの終焉》 (msn.com)→29日午後の記者会見は、民放のワイドショーやニュースの時間と重なり、延々と生中継された。被害者数百人と広範に認定し、社長の辞任を要求。性被害問題の歴史で画期となるだろう。事務所は近く会見するというが、被害補償も求められ存続が危ぶまれる事態。文春オンラインは「社長退任へ」と流している。メディアにも重い教訓だ。
◎トヨタ、国内全工場が停止 30日生産再開―システム更新で不具合発生か:時事ドットコム (jiji.com) →去年3月に子会社がサイバー攻撃を受けたが、今回は部品発注のシステム更新に伴う不具合のようだ。大規模なデジタル化は、効率化に役立つ一方、トラブルがあると影響が広範囲に及ぶのが欠点。当初、復旧見通しは不明だったが、けさから順次復旧する。
◎損保ジャパン社長 ビッグモーターとの取り引き再開促す発言 | NHK | 自動車 損保ジャパン ビッグモーター問題 親会社から判断妥当か指摘 | NHK | 自動車→損保ジャパンとビッグモーターの深い関係がさらに明らかになった。社長が取引再開を発言すると、多くは社長に同調したという。どの会社にもありそうな風景。トップの影響力は絶大だ。
◎NHKネット配信「必須業務」 総務省有識者会議が報告書:時事ドットコム (jiji.com) 総務省作業部会 報告書“NHK 番組などネット提供 必須業務に” | NHK | 総務省→NHKはネット業務の強化をずっと要望していたが、「必須業務」と位置付けたうえで、スマホなどの利用者から料金を取る方向だ。民放・新聞が反対して議論は迷走気味だが、メディアが当事者で双方の情報に利害がからみ、一般にはよくわかりにくい。上記は時事とNHKのニュース。
*** 「今日の名言」
◎フリードリッヒ・ニーチェ(ドイツの哲学者。1900年8月25日が命日)
「世界には、君以外にだれも歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのかと問うてはならない。ひたすら進むのだ」 「高く登ろうと思うなら、自分の脚を使うことだ。高い所へは、他人によって運ばれてはならない。人の背中や頭に乗ってはならない」 「あなたが出会う最悪の敵は、常にあなた自身だ」 「軽蔑すべき者を敵として選ぶな。汝の敵について誇りを感じる必要がある」 「一日一日を始める最良の方法は、目覚めたとき、今日は少なくとも一人の人間に一つの喜びを与えることができないだろうかと、考えることだ」 「あなたにとってもっとも人間的なこと。それは、だれにも恥ずかしい思いをさせないことだ」 「私はあなたに助言する。友よ、人を懲らしめたいという強い衝動を持つ者を信用するな!」 「過去が現在に影響を与えるように、未来も現在に影響を与えている」 「孤独を味わうことで、人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。いずれにせよ、人格が磨かれる」 「孤独な者よ、君は創造者の道を行く」 「君の魂の中にある英雄を投げ捨ててはいけない」 「世論と共に考えるような人は、自分で目隠しをし、自分で耳に栓をしているのと同じだ」 「忘却は、よりよき前進を生む」 「昼の光に、夜の闇の深さが分かるものか」
*** きょうの教養 (谷沢永一の実践人間学③)
◎自尊心・プライド プライドはエネルギーだ。自尊心は事を起こす元気の源泉である。人が仕事に邁進できるのは、「自分はこれだけの能力があるんだ」という気持ちを持っているからこそ可能となる。子供が勉強するのも「やればできるんだ」という気持ちがあればこそ机に向かうのである。
プライドがなく、自分は何の能力もないと思い込んでいる人は、はなっから仕事をする気が起こらない。「学校の勉強なんかついていけない」と頭から投げている子どもは、ますます勉強嫌いになるのと同じことだろう。人をしてとにかく生かしている大きな動力がプライドや自尊心なのである。プライドや自尊心は、自己愛が少し水増しされた精神行為と言える。だが、自己愛が純粋に自分のことだけに集中するのに反して、プライドや自尊心は他人をおとしめるという働きをもつ。自己愛が他人に向かって発射された時に、プライドや自尊心が生まれるのである。
自尊心は「俺が偉いのだ」と思うだけではすまない。「俺は偉いのだ。あいつはダメなんだ」というふうに必ず他人をおとしめることで自らの自尊心を盛り立てていく。自尊心は他人に対して一種攻撃的な要素を持たざるを得ない。他人を軽蔑し人格をおとしめ、その値打ちを軽く評価する。プライドや自尊心のない人間はいない。自らのエネルギーの源泉であると同時に他人をおとしめる。程よく持つことが大切なのだが、より大きなプライドや自尊心を持てるならば、より素晴らしいことをなすのも可能となる。
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***デイ・ウォッチ(30日)
◎西武池袋、あすスト 終日臨時休業―セブン、9月1日売却へ:時事ドットコム (jiji.com) →西武池袋店できょう、ストが決行される。経営側にすれば「売った後は知らないよ」となるが、労組が雇用で不安を持つのは当然。売却されれば、外資の厳しいリストラは必至だ。雇用のメドをつけて売るべきだろう。経営には義理と人情も必要だ。セブンは今の経営陣なら今後、厳しくなるだろう→日経電子版は今朝、「売却後も雇用維持」と流している。 セブン、そごう・西武売却後も雇用維持 グループ配転も – 日本経済新聞 (nikkei.com)
◎ガソリン価格175円水準に抑制 岸田文雄首相、補助金延長を表明 – 日本経済新聞 (nikkei.com) ガソリン価格185.6円、最高値更新 円安・補助金縮小で – 日本経済新聞 (nikkei.com) →首相がガソリン補助を明言した日に最高値を更新。1リットル10円の補助金になる。電気・ガス代の補助金も延長される見通しで、バラマキの「麻薬」になっている。生活弱者の生活安定は必要だが、本音は選挙目当て。
◎中国禁輸「WTOで対応」 松野官房長官:時事ドットコム (jiji.com) 「WTO提訴」求める声相次ぐ 中国の禁輸措置で―自民:時事ドットコム (jiji.com) →WTOは貿易トラブルを解決するサービス機関だ。問題があると考えれば、気軽に提訴して議論で争えばいい。日本政府は、WTO提訴という旗を立てながら、表と裏で重層的な対応を模索すべきだ。
◎SBI証券と楽天証券、日本株の売買手数料ゼロに 9月から – 日本経済新聞 (nikkei.com) →アメリカでは一足先に無料になっている。NISAで資金を取り込もうという狙い。信用取引の金利収入などで収益を補うという。
*** 「今日の名言」
◎ジェームズ・ワット(英国の発明家。1819年8月25日が命日)
「人生を恐れるな。人生は生きる価値があると信じなさい。そうすれば、君の信念が現実に変わることに役立つだろう」 「あらゆる時代を通じて最大の発見は、人間は自分の態度を変えることで、自分の人生を変えることができるということだ」 「自らの行動が違いを生むと信じて、そのように振る舞うことだ」 「我々人間は、海に浮かぶ島のようなもので、表面では離れているように見えるが、深い海底ではつながっているのだ」 「私はこの機械(蒸気機関)以外に何も考えられない」 「機械技術の分野にいちばん必要なのは、挫折の歴史である。私はヘマな失敗例を集めた書物がほしい」 「企業は失敗する。企業は死ぬ。企業は忘れられる。だが、革命が死ぬことはない。であれば、企業ではなく、革命を始めたほうがよい」 「真実が公になる前に、嘘が世界中を駆け巡る」 「彼らは、良くない新聞を発行するために良い樹木を伐採している」 「(白人による)恥さらしの所業は続くだろう。そしていつの日か、我々がガラガラヘビを扱うのと同じ程度には、アメリカインディアンを気遣う思いやりが生まれるだろう」
*** きょうの教養 (谷沢永一の実践人間学④)
◎私利私欲 人間は私利私欲の塊だ。私利私欲のない人間はいない。私利私欲があるからこそ生きていける。私利私欲の強い人間は人を使うことができる。他人をして仕事をさせることができる。「5000万円の利益が欲しければ、高級外車20台の販売契約を結んでこい」。安易な仕事ではないが、高級外車を売るため高額所得者の自宅を回って販売に勤める。仕事を命じた者と仕事を命じられた者は、互いの私利私欲を媒介に人間関係が形成されていく。販売契約を結んだ数が増えるに従い、信頼関係も深まっていく。固い絆のビジネスパートナーとなれるのも私利私欲が動因なのである。
世間が持て余すのは私利私欲のない人間だ。自らの欲がないから仕事をしない。個人的な願望もない。何をもって関係を結べば良いのか皆目わからない。わからないからいつまでたっても関係を結ぶ糸口が見つからない。つまり付き合いようがないというわけだ。
私利私欲のない人間ばかりだと人間関係は希薄になる。社会は沈滞し、活力が失われ衰亡していく。一方、私利私欲の強い人間がいればいるほど、なんとか利益をあげ欲望を満たそうとする。自分ひとりの知恵と力はたかが知れているから、周りの人間の知恵と力を頼みとする。自らの人間関係やネットワークを積極的に構築し、大きな利益を確保しようと進める。世の中の経済や社会は、そうした関係の中で運営されているが、世間がうまく回っていくためには私利私欲が不可欠なのである。
ただし、私利私欲を実現させるには、それなりの方法や手続き、テクニックを要する。何でも勝手にやって良いというわけではない。「あれはえげつない。あれはやりすぎだ」と他人から思われるようなやり方は許されない。そんなふうに言われない一歩手前で止めておくことが肝要だ。一歩手前で止めておけば、周囲の人との関係もうまく収まってくれるのである。私利私欲はきちんとした努力と手続きを踏めば、至極まっとうな人間の生き方だ。人間の生命力だといってよい。その生命力に従って生きていくのは当然のことだろう。
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***デイ・ウォッチ(31日)
◎そごう・西武労組ストライキ実施 西武池袋本店 セブン&アイ売却決議 | NHK 「労使協調」に変化の時 資本の論理とデジタル化が促す – 日本経済新聞 (nikkei.com) →西武池袋店でストを決行し、セブン&アイは売却を決めた。買収した米国のファンドは「雇用維持に極力努力」というが、今後は不明だ。過度な政治傾斜もあって労組の影響力は落ちていたが、行き過ぎをチェックする役割は重要だ。日経編集委員が、ストが今後のセブンに重荷になる可能性を書いている。労使関係のあり方に一石を投じる大きな事件といえるだろう。
◎自民安倍派、新体制発足 「幹事会」15人、派内なお不満:時事ドットコム (jiji.com)→15人の集団指導体制とは何だろう。森元首相の影響力が増して森派になっているようだ。次の内閣改造で成果がなければ、分裂の可能性もありそうだ。誰を抜擢して、誰を干すか、岸田首相が安倍派の命運を握る構図になっている。
◎【動画】関東大震災 東京で甚大な被害 100年前の写真と現在を比較 | NHK | 地震 →きょうは関東大震災から100年。NHKが当時と今を動画で比較している。震源は諸説あると初めて知った。東京や東京湾ではなく、相模湾の中央、西部、神奈川県西部、山梨県河口湖付近などという。相模地震がふさわしそうだ。家屋全壊は神奈川県が多いが、死者は焼死者が多い東京都が7万人で、神奈川県の倍以上だった。
◎米テスラを当局が捜査 会社資金、不適切使用か―報道:時事ドットコム (jiji.com) →注目の経営者だけに背景も含めて今後が注目される。
◎13年ぶりの「スーパーブルームーン」観測 | NHK | 宇宙 →あまり聞いたことはありませんが、昨夜は「スーパーブルームーン」だったようです。
*** 「今日の名言」
◎ダグラス・マッカーサー(連合国軍最高司令官。1945年8月30日、厚木基地に降り立ち、日本を6年間統治)
「天皇が命乞いをするためにやって来たと思った。ところが、天皇の口から語られた言葉は『私は国民が戦争遂行にあたって行ったすべての決定と行動に対する全責任を負う者として、私自身をあなたの代表する諸国の裁決にゆだねるためお訪ねした』というものだった。私は大きい感動にゆすぶられた。この勇気に満ちた態度は、私の骨の髄までも揺り動かした」 「科学、美術、宗教、文化などの発展の観点からみて、アングロサクソン民族が45歳の壮年に達しているとすれば、ドイツ人はそれとほぼ同年齢である。しかし、日本人はまだ児童の時代で、12歳の少年である。ドイツ人が現代の道徳や国際道義を守るのを怠けたのは、それを意図的にやったのであり、無知のためではない。ドイツが犯した失敗は、日本人の失敗とは趣を異にする。日本人はドイツ人と違う。日本人は新しいモデル、新しい考え方を受け入れることができる。日本に基本的概念を植え付けることは可能である」 「我々が過去百年間に太平洋で犯した最大の政治的過誤は、共産主義者達が中国において強大な勢力に成長するのを黙認してしまったことにある」 「朝鮮戦争で30発から50発の原子爆弾を満州の頚状部に投下すれば、10日以内に勝利できる。そうすれば、少なくとも60年間は北から朝鮮を侵攻する余地がなくなる=原爆使用に積極的とみられ、トルーマン大統領に解任されたとされる=」 「老兵は死なず、ただ消え去るのみ」
*** きょうの教養 (谷沢永一の実践人間学⑤)
◎嫉妬 嫉妬は大きく二つに分けられる。一つは男女関係の嫉妬、性的な嫉妬だ。もう一つは性別を問わず同僚が同僚に嫉妬する、業績や地位などに対する嫉妬だ。どちらの嫉妬がきついかといえば、むろん後者である。
あらゆる人間は世の中のほとんどの他人を嫉妬している。嫉妬したことのない人間というのはおそらく見つけることができない。嫉妬は人間の本性なのである。嫉妬について松下電器の創業者松下幸之助は面白いことを言っている。「嫉妬は太陽と地球の天地運行の原理のようなものだ。嫉妬が気に食わないからといって世の中から嫉妬はなくせない。我々人間は万有引力のおかげで地球上に生を営める。同じよう人間は嫉妬という感情生活の中で生きている。嫉妬をなくすなどというのは不可能なのである」。
幸之助が偉いのはこう喝破したうえで次のようにアドバイスしているからだ。「嫉妬を焼くという。やきもちを焼くという。しかしカリカリに焼いてしまうとお互いの人間関係が滅茶苦茶に壊れてしまう。きつね色にほんのり焼くのが大切なのである。きつね色の嫉妬は互いを励まし競い切磋琢磨し合うことで成長のテコとなる」
我々は嫉妬を受ける側に回ることもある。自分の働きや業績、つまり値打ちがあまり高くないのに世間から分不相応に持ち上げられると必ず嫉妬される。中途半端にしか実績を積み重ねていないからだ。あまりにも素晴らしい業績を上げ、ノーベル賞でも取れば嫉妬されることなどない。「あいつは特別や。別格や。別格官幣社や」と思われるくらい高いところへ到達すれば、嫉妬されない。本来、嫉妬は醜いものではない。人間である限り、必ず持っている本性だ。自らの嫉妬も他人の嫉妬も、上手く活用さえすれば能力を高め、より豊かな人間関係を作ることができるのである。