10月23~27日(教養講座:ユダヤの格言)

2023.10.27メルマガ

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HPにアップしました→ 10月16~20日(教養講座:日本の思想をよむ) – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

10月23日からの教養講座は「ユダヤの格言」 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

***デイ・ウォッチ(20~22日)

衆参補欠選挙 与野党対決の激しい選挙戦 1勝1敗の結果に | NHK | 選挙  →2議席とも自民党だったので、1勝1敗は与党に痛手。岸田首相の支持率は過去最低で、「何をやりたいのかわからない」という声が強まっている。党内に岸田下ろしの動きはなく、野党も弱いので低空飛行が続くが、いずれ大きな転機がありそうだ。

【随時更新】イスラエルは地上作戦を準備 ガザ地区に支援物資も | NHK | イスラエル・パレスチナ →支援物資は届き始めたが、量は不十分で、しっかり配られるかもわからない。一部の人質が解放されたが、イスラエルの地上侵攻による報復方針は変わっていない。

59年ぶり関西対決「阪神なんば線シリーズ」SNSで話題に | NHK | プロ野球 →セとパも優勝チームが順当に勝ち上がった。59年ぶりの関西対決で「すごい」と思ったが、セの在阪球団は6回しか優勝していない阪神しかないので、あまり意味のある記録でもない。日本シリーズは戦力拮抗で7戦までもつれこむのではないか。オリックスの杉本、紅林のけがが心配材料。

立民 菅直人元首相 次期衆院選に立候補しない意向を明らかに | NHK | 選挙 「サンモニ」関口宏さん交代へ 新司会は膳場貴子さん―TBS:時事ドットコム (jiji.com) →一線を潔く退くことは、人として最後の大切な振る舞いだろう。細田前衆議院議長はどう受け止めただろうか。気にするような神経があれば、議員も辞めているか。再入院の情報もある。

塩野七生さんら7人文化勲章 功労者に北大路欣也さんら:時事ドットコム (jiji.com) →作家の塩野七生さん、サッカーの川淵三郎さん、俳優の北大路欣也さん、漫画家の里中満智子さんら一般人でも知っている人も多かった。政府が文化の幅をより広くしようと考えているのなら、いいことだ。

歌舞伎俳優 市川猿之助被告に懲役3年求刑 初公判 東京地裁 | NHK | 歌舞伎 →懲役3年を求刑し、判決で執行猶予がつくかどうかが焦点だ。本人は歌舞伎に復帰したいと述べた。パワハラ・セクハラ報道が自殺のきっかけとしたが、初公判報道を見る限り、パワハラ・セクハラの事実関係や受け止めに関する釈明はない。真相と本音を知りたいところだ。

*** 「今日の名言」

◎やなせたかし(漫画家。2013年10月13日、94歳で死去)

「今日一日生きられたから、明日もなんとか生きてみよう」  「なんとかなるさと辛抱して、とにかく生きていくんだ。人生は捨てたものではない」 「一寸先は光」 「人生は椅子取りゲーム。満員電車に乗り込み、 あきらめて途中下車せずに立ち続けていたら、あるとき目の前の席が空くんです」 「継続は力なりというが、諦めてないで、一つのことを思いを込めてやり続けていると、ちゃんと席が空いて出番がやってくる」 「運をつかむには自分のやりたいことをずっと継続して、やめないこと。自分自身、世に出なくても代表作がなかなか描けなくても、黙々と漫画を描き続けた」 「運にめぐりあいたいなら、なんでも引き受けてみるといい。自分の専門分野以外のことに広く眼を開き、経験したほうがいいのです」 「仕事は人と人の繋がりで来るもの。めぐりあった仕事は誠実にやる」  「平凡なことを何十年も続けていくと、いつの日か遠大な目標も果たされる」 「見る前に跳べ!というのが僕の主義だ」 「恥をかく覚悟でやれば、大抵のことはできる」 「格好悪い正義の味方を描きたい、そんな思いからアンパンマンは世の中に出ていった」 「完全な人なんて一人もいない。欠点がその人の大きな魅力になっていることって、すごく多い」 

*** きょうの教養 (ユダヤの格言①)

今週は「ユダヤの格言99」(滝川義人著、講談社+α新書、2005年)を取り上げる。イスラエルとガザ地区ハマスの対立が深まっている。イスラエルはユダヤ人の国だが、ユダヤ教と長い流浪や迫害の歴史が特徴で、強固な共同体を築いている。ユダヤ人の考え方を知ることは、中東問題を知る手がかりになる。滝川さんは、現地の共同体「キブツ」で2年間生活した後、駐日イスラエル大使館に30年以上勤務した。

◎「一人の母親は百人の教師に勝る」  若い女性がこんな会話を交わすことがある。「うちの3歳の子どもは医師、2歳の子は弁護士です」。親が2~3歳で子どもの職業を決めているのだ。ユダヤ人の母親は、世界に冠たる教育熱心の代名詞である。母親の夢は子どもを医師か弁護士することである。人種に関係なく、実力があればなれる社会的地位の高い職業である。

ヘブライ大学で天才児教育の開発プログラムを担当してきた博士は、教育における母親の役割は極めて重要と述べている。①母親は自分の中に愛を与える無限の力があることを知っている②母親は子どもから返ってくる愛に無上の喜びを感じる③母親は子供を育てる過程で自分も成長する能力を持つ、という。「友達はたくさんできるが、母親は一人しかいない」という格言もあり、母親は子どもにとって唯一の存在である。

ユダヤ人家庭の母親は、日常のしつけやユダヤ教の日常行事を担当する。父親は人生のモデルとして範を垂れるのが伝統的役割分担である。ユダヤ教の聖典である「タルムード」には、子どもを養うにあたって、夫は妻のアドバイスに従わなければならない、その結果、家庭の平和が保たれるという言葉がある。母親の仕事はごく平凡だが、無限の愛をもつ母親には教師が束になっても敵わない力がある。「神は全てのところにいることができないので母親を作った」という格言もある。

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***デイ・ウォッチ(23日)

公取委がグーグルの審査開始 独占禁止法違反の疑い | NHK | IT・ネット →欧州は2018年に審査を始めている。日本の公正取引委員会は、5年遅れでGAFAの一角に切り込む。米国も独禁当局が動いており、IT巨人をめぐる空気は、だんだん変わっていく。

岸田首相が所信表明演説 所得税減税を念頭に具体策検討の意向 | NHK | 国会 →「経済、経済、経済」と連呼したが、補選1勝1敗で自民党内での求心力が落ちている。「解散は遠のいた」と永田町スズメやメディアがまたぞろ騒ぎ出しているが、国民は解散なんて望んでいない。4年間、しっかり必要な政策を実行して欲しい。

日本大学への国の補助金 異例の3年連続全額不交付決定 | NHK | 教育 →かつて年間90億円ほどの補助金があったが、3年連続でゼロの異例の事態。林真理子理事長は「今のままでは補助金がもらえない」と副学長に辞任を迫ったようだが、実現していない。収入も減っているようなので、林理事長は「やーめた。もっとルンルンと生きたい」と投げ出すのではないかという気もしてくる。

臨時国会開会式ミスで宮内庁に謝罪 衆院議長:時事ドットコム (jiji.com) →額賀さん。実害はなく、単純なミスなので騒ぐ話ではないが、2回も練習をしていたという。今回はみんな大目に見るが、似たようなことが再度あると、どうなるか。細田前議長は入院した。細田前衆院議長、再入院へ 地元会合は延期:時事ドットコム (jiji.com)

*** 「今日の名言」

◎日蓮(鎌倉時代の僧。1282年10月13日、60歳で死去)

「冬は必ず春となる。昔から、冬が秋に戻ったためしはない」 「禍(わざわい)は口より出でて、身を滅ぼす」 「命とは、人間にとって最も大切な第一の宝である。一日でもこれを延ばすことができるなら、千万両の金(こがね)より大変な価値がある」 「正月一日は、日の始まりであり、月の始まりであり、年の始まりであり、春の始まりである」 「人に物をほどこせば、我が身のためになる」 「現世の出来事に一喜一憂しがちだが、それよりも、人としての正しい生き方や素直な気持ちを持つことができるよう、常に互いに励まし合いながら、感謝を忘れることなく、後の世の救済を祈ることが重要だ」 「この世に生を受けたものすべてが尊敬をしなければならないものが三つある。主と、師と、親がそれである」 「心の中で父親を軽蔑し、母親を馬鹿にする者は、心の中に地獄があるのだ」 「人の一生とはすべて夢の中のことであるから、明日に期待しないことだ」 「死ぬ瞬間のことを考えれば、やるべきことが見えてくる。まず臨終のことを習い、その後にほかのことを習うべし」

*** きょうの教養 (ユダヤの格言②)

◎「家庭がなければ国滅ぶ」  娘を嫁に出した父親が、新婚家庭を訪れて3人で食事をした。楽しい食事の途中、新婚夫婦が口喧嘩をはじめ、新郎が娘の左頬を叩いた。父親はびっくりしたが、立ち上がると娘の右頬をぴしゃりと叩いた。新郎はてっきり自分がやられると思った。父親は「君は私の娘をぶった。私は君の妻をぶった。これでおあいこだ」と言った。

格言の原意は、家庭生活のないところで国は築けない、である。家庭の崩壊は国家滅亡の前兆と考えている。ユダヤ人社会は家庭生活をとても大切にする。家庭生活が社会の基本であり、生活を通して子どもたちは 社会の慣習伝統だけでなく歴史も学ぶのだ。日本の家庭では両親が子ども達に歴史を教えることは少ないだろう。2000年に及ぶ流浪の中でユダヤ人社会が崩壊しなかったのは、ユダヤ教という芯があり、それを支えるシナゴーグ(ユダヤ教の会堂)と家庭があったからである。ユダヤ教は戒律を守ることが基本であり、戒律は家庭生活に組み込まれている。家庭がしっかりしている点で、ユダヤ人社会が世界で群を抜いている。

家族のサイズは既に紀元1世紀ごろから論じられており、二つの教派がある。子どもの数を男女各一人と主張する教派と、息子2人という教派がある。今日では、男女各一名が最低数という線で落ち着いたようである。中東北アフリカ系で4~5人、欧米系で2~3人といったところである。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年10月25日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(24日)

日本のGDP、ドイツに抜かれ世界4位に IMF予測 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →2000年時点で、日本のGDPはドイツの2.5倍もあった。今と違って当時は円高で、逆転の背景には為替の影響もある。しかし、日本の低迷こそ直視すべきだろう。失敗や同業他社など細かいことばかり気にしてリスクを取らない経営者に第一の責任がある。

公明 山口代表 “所得税の減税 減税額3万円では不十分” | NHK | 税制改正 政府 所得税4万円の定額減税 住民税非課税世帯に7万円給付案も | NHK | 税制改正 →セリのようになった所得減税。物価高で苦しむ人への支援は必要だが、国民の多くが来夏の数万円を心底欲しがっているとは思えない。今の政治家は「国民はカネをやれば喜んで支持する存在」と思っているのではないか。

【24日詳細】ハマス さらに人質2人を解放 死者は7100人超えに | NHK | イスラエル・パレスチナ →人質と人道支援と地上侵攻がリンクしている。ハマスの公開した映像では、イスラエル国籍の高齢の女性人質2人がハマスの隊員と別れる際、握手をして「平和」と言っていた。何を物語るのだろうか。

中国 李尚福国防相を解任 外相に続く閣僚解任 異例の事態に | NHK | 中国 →閣僚が突然いなくなり、ビジネスマンを突然拘束する中国。国防相は装備品購入を巡る疑惑が報じられているが、発表はない。説明責任を求めるのも虚しいが、不透明な闇をなくさない限り、国際的に心から尊敬されることはないだろう。

寒暖差の体調不良 ぜんそくや鼻水 鼻づまりが悪化? | NHK | 医療・健康 気象庁3か月予報 “平年より気温高い 雪は平年並みか少ない” | NHK | 気象 →夏の暑さはこたえたが、最近の寒暖差も咳や鼻水で苦しい。今年は暖冬だという。温かい冬はありがたいが、地球温暖化を考えると、喜べない。はっきりとした四季はもう来ないのだろうか。

*** 「今日の名言」

◎新渡戸稲造(教育者、思想家。1933年10月15日、71歳で死去)

「いかに苦しいことがあっても、ヤケになるのは短慮の極みである。逆境にある人は常に、もう少しだと言って進むといい。やがて必ず前途に光がさしてくる」 「あの黒雲の後ろには、太陽が輝いている」 「急がば回れだ。休むなかれ、急ぐなかれ」 「正しくあれ、恐れるなかれ」 「世の中には、譲っても差し支えないことが多い」 「もっとも勇気ある者は、もっとも心優しい者であり、愛ある者は勇敢である」 「武士道の究極の理想は平和である」 「人を泥棒と呼べば、彼は盗むであろう」 「この世には完全無欠の物もなければ、全然無用の品もない」 「とにかく物事には明暗の両方面がある。私は光明の方面から見たい。そうすれば、おのずから愉快な念が湧いてくる」 「人は誰しもいったん安定した世界に身を置くと、精神もそれにならって俗化し、理想を忘れてだんだん怠惰になっていくようだ。青春時代に描いた夢や理想とは、かけはなれた生活をしながらも、自分を磨こうという気持ちすら忘れ、そのぬるま湯の心地よさにいつしか慣れて、満足に本も読まず、堕落した生活を送るようになっていく」 「真の学問は筆記できるものではない。筆記できる部分はかすである。真の学問は、行と行との間にある」 

*** きょうの教養 (ユダヤの格言③)

◎「国の真の保護者は教師」  教育立国を国是と考える人には容易に理解できる格言である。ユダヤ人社会における教師の役割は、伝統を継承し、時代の先を読んで備え、次の世代へ引き渡していくことだ。ユダヤ教の「ラビ」は「導師」と訳されるが、原意は「私の先生」である。

ラビは神の代理人ではないし、礼拝を司るわけではない。ユダヤ人社会は共同体との契約で働くので、識見や指導力などの能力が直接問われる。彼らは学者であり、教師であり、ユダヤ人社会の伝統継承者である。裕福なユダヤ人は学問を支援し、娘を将来性のある青年ラビと結婚させるのを理想とした。貧しいラビにはどこかの家が割り当てられ、研修期間中その家が食事の面倒をみた。ラビの社会的権威は今も大きい。ナビが存在する限り、ユダヤ人社会は健全である。

普通の世俗派教師も節目ごとに重要な役割を果たしている。ヨーロッパが啓蒙時代をへて近代に突入すると、孤立状態になったユダヤ人社会でも少し遅れて「ハスカラ運動」が起きた。ハスカラは、「知識、教育、学殖」の意味で、世俗の科学、経済、ヨーロッパ言語等の教育を導入する運動だった。保守派の猛烈な反対にめげず教師たちが先導し、社会民主運動に発展させた。音楽家のメンデルスゾーンの祖父はその先駆者の一人だ。ユダヤ人社会が世界的に著名な学者、文化人、芸術家を輩出するようになるのはこの運動後である。

ヘブライ語の復活運動も教師が中心的役割を果たした。言語は民族の心だが、先祖伝来のヘブライ語は、流浪の過程で礼拝用の言葉になり、ユダヤ人は寄留地の言語を日常使っていた。ヘブライ語を復活させた功労者はエフーダという言語学者で、普及させたのは教師である。1910年代、再建ユダヤ人国家の国語めぐる激しい言語論争で勝ち抜いたのが民族派の教師たちで、フランス語やドイツ語を主張する人達に勝った。ユダヤ人は百カ国以上の地に住み、イスラエルに移住してくる。共通の民族言語なしでは国民の一体性は築けなかっただろう。

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***デイ・ウォッチ(25日)

性同一性障害特例法の規定は違憲 手術無しでの性別変更めぐり 最高裁 | NHK | 憲法 →法律の規定を最高裁が違憲と判断するのは戦後12例目。国会は法改正を迫られる。4年前は合憲の判断を下しており、この間の社会の変化を踏まえた。LGBT関連で人権に関わる司法の判断は積極的だ。自民党保守派との考え方の差が大きくなっている。

イスラエルに一時停戦要求 人道支援で国際圧力強まる―子供の死者2300人に・ガザ:時事ドットコム (jiji.com) →地上侵攻を企図するイスラエルに対する国際的な反発が強まっている。ハマスの置かれている状況を考慮すべきと言及したグテーレス国連事務総長に対し、イスラエルの国連大使が「テロ容認だ」と辞任を要求した。事務総長の感覚は当然だと思うが、イスラエルはいきり立っている。

参院本会議 代表質問で自民幹部から首相に異例の苦言 | NHK | 国会 →質問をしたのは世耕議員だが、世間の空気をよく反映している。安倍派なので、派内の空気を踏まえて苦言を呈したのかもしれない。岸田首相は今年3月、福島県で子どもに首相になりたかった理由を聞かれて「日本で一番権限が大きい」と答えた。首相のやりたいことは「首相の座にいることだ」と感じる今日このごろだ。

ジャパンモビリティショーあす開幕 日本各社 次世代EVなど公開 | NHK | 自動車 →東京モーターショーから「ジャパンモビリティショー」に名称変更し、4年ぶりの開催。EVや空飛ぶ自動車などが目玉で、いろいろ報道されるだろう。EVはエンジンではなくモーターを使うので、「モーターショー」の名称はむしろふさわしいと思うが、イメージを変えたいのだろう。

山田文科政務官が辞意 20代女性と不倫報道、改造後初:時事ドットコム (jiji.com) →こうした報道が表面化する場合、共通点がある。冷えた関係に不満を持った当事者が暴露することだ。今回の裏事情の詳細はわからないが、すぐに辞めるということは、相当負い目を感じている証拠だろう。

*** 「今日の名言」

◎魯迅(中国の小説家。1936年10月19日、55歳で死去)

「後ろをふり向く必要はない。あなたの前にはいくらでも道があるのだから」 「決心する限り、奮闘する限り、必ず成功する」 「自己満足しない人間の多くは、永遠に前進し、永遠に希望を持つ」 「青年時代には不満はあっても悲観してはならない。つねに抗戦し、かつ自衛せよ。もしいばらにして踏まねばならぬものなら、もとより踏むのもよいが、踏まずにすむものなら、みだりに踏むべきではない」 「君たちは生命の力にみちあふれている。深林に出会えば開いて平地にすることができる。荒野に出会えば樹木を植えることができる」 「思うに、希望とはもともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えない。それは地上の道のようなものだ。もともと、地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」 「生活がまず一番だ。人は生活しなければならない。愛情はそれにつれて生まれてくるものだ」 「私は沈黙しているとき私は充実を覚える。口を開こうとするとたちまち空虚を感じる」 「心は、外から刺激を受けないと枯死するか、さもなければ萎縮してしまうほかはない」 「自分で盗賊だと名乗るものは用心する必要がない。裏をかえせば善人だから。自分で聖人君子だと名乗るものは用心しなければならぬ。裏をかえせば盗賊だから」

*** きょうの教養 (ユダヤの格言④)

◎「100歳で死に忘れ」  人生はいかなる節目を持つのか。よく知られているのが中国の論語だ。孔子晩年の言葉だが、「15で学に志し、30にして立つ。40で迷わず、50で天命を知る。60で素直に従い、70にして心の思うままに振る舞って道をはずさない」となっている。

ユダヤ人社会には「長老たちの倫理」がある。孔子の時代よりずっと古い頃から、倫理問題の討議が行われ、紀元180年に編纂した。60人以上の賢者の意見を集大成している。「長老たちの倫理」によれば、学問に志すのは孔子より5歳早い。学ぶのは口伝律法の「ミシュナ」で、聖典の中核をなす。これを普通の子どもが10歳から学び始めるのである。孔子のいう不惑、すなわち浩然の気がいっぱいに満ちる年齢はユダヤ人でも40歳である。50歳で孔子は天命を知る境地だが、ユダヤ人も同じ年齢でその境地に達することは面白い。

以下ユダヤ人の人生の節目をみていく。5歳で聖書を学び始め、10歳で学に志し、ミシュナの学習に着手。13歳で成人し、戒律を守る。18歳で結婚、20歳で生計の道を確立する。30歳で活力全身に満ち、40歳で理解の域に達し、50歳で成熟、良き忠言をなす。60歳で老いに向かい、70歳で白髪、80歳で運が良ければさらに長生きする。90歳で年齢の重みで体が曲がり、100歳で死に忘れる。

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***デイ・ウォッチ(26日)

山田政務官辞任、後任に本田顕子氏 女性問題、岸田首相「誠に遺憾」:時事ドットコム (jiji.com) →女性関係で辞めた政務官の後任に、現内閣の副大臣・政務官で初めて女性が就任する。「女性ゼロ」が批判された時、自民党は「適任者がいない」と言っていた。ブラックジョークのような女性登用だ。

イスラエル軍 ガザ地区で地上作戦 首相は米大統領と電話会談 | NHK | イスラエル・パレスチナ →今回の地上作戦は侵攻のための準備で、すぐに撤退したという。国際的に人道支援の圧力が高まっている。米国や国連事務局を中心としたイスラエル説得が焦点だ。G7議長の岸田首相が動いてもいいが、減税で手一杯のようで姿は見えない。

東京 江東区の木村弥生区長 有料広告掲載への関与認める | NHK | 選挙 →それほど悪質とも思えないが、東京地検特捜部が捜査に乗り出し、辞任せざるを得なかったか。地検特捜部は、ネット有料広告の禁止を徹底させるため、一罰百戒を狙ったようだ。

韓国最高裁 大学名誉教授による元慰安婦への名誉棄損 差し戻し | NHK | 韓国 →韓国司法が変わってきたようで、学問の自由を尊重した妥当な判決。親日政権の誕生が背景にありそうだが、司法は本来、独立していなければならない。日本から見れば、韓国司法の「正常化」だが、政権交代があれば、また変わるのかと心配になる。

九電川内原発 運転期間延長の是非問う県民投票条例案 否決 | NHK | 各地の原発 →原発のように意見が分かれる問題は、県民投票で民意を見える化すべきだろう。その過程の議論が将来にも生きるはずだが、自民党は決定権を手放したくない。

*** 「今日の名言」

◎ハーバート・フーバー(1929~33に米大統領=共和党。1964年10月20日、90歳で死去)

「(太平洋戦争の時)もし我々が日本人を挑発しなかったならば、決して日本人から攻撃を受けるようなことはなかったであろう」 「日本というガラガラヘビに、米国がしつこくちょっかいを出した結果、ヘビが咬みついた」 「私は、日本との戦いは狂人(ルーズベルト大統領)が望んだものだと言うと、彼(マッカーサー)はそれに同意した」 「国民も議会も我が国の参戦に強く反対であった。したがって、大勢をひっくり返して参戦を可能にするのは、ドイツあるいは日本による我が国への明白な反米行為だけであった。ワシントンの政権上層部にも同じように考える者がいた。彼らは事態をその方向に進めようとした。つまり、我が国を攻撃させるように仕向けることを狙ったのである」 「日本に対して原爆を使用した事実は、アメリカの理性を混乱させている。原爆使用を正当化しようとする試みは何度もなされた。しかし、軍事関係者も政治家も、戦争を終結させるのに原爆を使用する必要はなかったと述べている」 「F・ルーズベルトが世界のパワーポリティクスにのめり込んだのは、世論の不満をかわすためであったことを歴史がはっきり示している。要するに(政権維持のためなら何をしてもよいという)マキャベリズム的政策だった」 

*** きょうの教養 (ユダヤの格言⑤)

◎「知識は血脈として残る」  ある人が莫大な金を稼いで、巨万の富を蓄えた。それを伝え聞いた賢者が言った。「その人は、蓄えた金を使うための時間も稼いだのかね」と。この格言は中世スペインのユダヤ人思想家で詩人のガビロルの言葉である。

ガビロルは、次のように皮肉なことも述べている。「賢者と金持ちのどちらが偉いかと問われてば、もちろん賢者と答える。しかし賢者の門に集まる金持ちの数より、金持ちの門に集まる賢者の数が多いのはなぜかと聞かれて、賢者は富の価値を知っているが、金持ちは知恵の価値を知らないと答えた」。これは「賢者は富の価値を知り、金持ちは知の喜びを知らず」という格言にもなっている。

さて血脈として残る知恵。ユダヤ人社会では、内容としては「聖書」や「タルムード」などの書の中に蓄えられている。それだけではない。知恵は性向、態度、習性などの社会的要素の中に第2の天性となってしっかりと蓄えられている。

ユダヤ人のアインシュタインはそれを次の三つに集約している。飽くなき知識の追求、正義を求める激しい心、個としての確立欲求。「これがユダヤの伝統に見られる知の特徴であり、私は幸いにしてその伝統を受け継ぐ者の一人であった」とアインシュタインは述べている。知恵も頭の中に潜伏しているだけでは意味がなく、ユダヤの格言は行動の裏付けを求めている。「知恵だけで野菜は買えない」「行動を伴わない知恵は果実の実らない樹木」「言葉で賢くなるな。行動で賢くあれ」。いずれも同じ意味を表している