11月27~12月1日(教養講座:論語)

2023.12.01メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年11月27日号(転送禁止)~~~

HPにアップしました。8~10月に思考力文章講座を集団で受講した2社の報告です。研修の感想文やアンケートを掲載しています → 研修報告 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)  11月27日からの教養講座は「論語」 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

***デイ・ウォッチ(24~26日)

日大学長と副学長辞任へ 混乱回避意向、アメフト薬物問題|47NEWS(よんななニュース) →24日以降の3日間で最も新しいニュース。学長と副学長は辞任に抵抗していたが、さすがに混乱を恐れたようだ。ただ、辞任しても前途は多難。林真理子理事長に求心力があるわけではないが、粘っている。小説の材料になると思っているのは間違いないだろう。

日中韓外相会議 “首脳会議 適切な時期開催へ”作業加速で一致 | NHK | 韓国 →一応いい方向だ。隣国は常に対話が必要だ。上川陽子外相が自民党内で首相候補として注目され始めた。次の総選挙で勝てる顔が見つからない場合、得意の疑似政権交代で乗り切ろうという思惑だ。上川氏は実務能力が高く、芯が強いといわれ、何より「日本初の女性首相」という看板になる。密かな注目点。

戦闘休止3日目入り ハマス、2日連続で人質解放―合意履行は予断許さず:時事ドットコム (jiji.com) →多少遅れ気味だが、人質解放は進んでいる。人質は元気そうで、これまでどこでどう過ごしていたんだろうと思わせる。人質を全員解放すれば、ハマスは交渉材料を失うので、イスラエルの攻撃をどう回避しようと思っているのだろうか。今後の焦点だ。

補正予算案 衆院本会議で可決 自民 公明 維新 国民など賛成 | NHK | 国会 自民と国民 「トリガー条項」凍結解除した場合の課題 意見交換 | NHK | 原油価格 →昔なら野党が予算案に賛成することは考えられなかった。予算案は政府方針そのもので、「賛成するなら与党」が常識だった。国民民主党は「与党がトリガー条項の検討を表明した」としているが、去年に続いて反故にされるのではないか。

サッカーJ1 ヴィッセル神戸が初優勝 創設29年目で頂点に | NHK | サッカーJリーグ →どのチームにも物語がある。練習初日は阪神淡路大震災。タイトルとは無縁だったが、楽天の三木谷氏が支援。パス回しのバルセロナを標榜し、イニエスタらタレントを結集、2019年度に天皇杯獲得。堅守速攻に進化し、イニエスタが引退して今季初優勝。今年はプロ野球もサッカーも関西だった。

高さ日本一 330メートルの超高層ビル 東京 港区に開業 | NHK | 東京都  →麻布台ヒルズが、大阪のあべのハルカスを抜いた。しかし、展望台は64階建ての33・34階と低い。庶民が見られる展望台は、あべのハルカスがまだ日本一だ。麻布台ヒルズは「超」がつく高級ホテルと高級マンションで、ターゲットは世界の富裕層。日本一高い展望台をわざわざつくる動機もないようだ。

*** 「今日の名言」

◎伊集院静(作家。11月24日、死去。73歳)

「幸せだけの人生などない」 「私は知っている、不運な人生などない」 「人間というのは哀しいかな、辛酸を味わう時に真の姿が見えることが多い」 「大切な感情を最初に学べる場所が恋愛」 「世の中の肌触りを覚えるには、理不尽と出逢うのがいい」 「(夏目雅子さんの死後)それからの一年は飲むだけ飲んで、博打を打つだけ打った」 「最愛の人を亡くして絶望の淵にいても、時間はいつかその気持ちを和らげ、新しい光さえ見せてくれる」 「逆境は、自分だけにあるものではないと思うことが大事」 「人間は別れることで何かを得る生き物なのかもしれない」 「無念を抱いて生きている男女は大勢いる」 「苦しいこと、切ないこと、辛いことを経験していなかったら、申し訳ないけど一人前になりませんよ」 「人生を懸命に生き、そこで経験した苦しみや悲惨なものは、たとえ学問や教育を受けておらずとも、家族が生き抜く哲学、歴史観を作る」 「五感で目の前の世界を読み、判断し、何をすべきかを決定していくことだ」 「人から笑われてる人の背中を叩いてあげる気持ちが大事」 「信条や志が欠落した人間は、いざというときに踏ん張れない」 「若い夫婦が子供を連れ、プラットホームに降り立つ。彼等に歩み寄る老夫婦の笑顔には、人間の至福の表情がある」 「親は無条件で己のことよりも子供の幸せを考える。そのことが子供の頃、私にはわからなかった」

*** きょうの教養 (論語①)

今週は「論語」を取り上げる。改めて言うまでもなく、孔子と弟子たちの言葉をまとめた書物で、指導層だけでなく一般の人達の教科書でもあった。儒学の起点だが、日本では江戸時代に一派である朱子学が重用され、体制維持の御用学問ともいわれた。長幼の序を重んじるなど体制維持に都合のいい言説もあるが、人の生き方として大変参考になる。最初の章である「学而」(がくじ)を取り上げる。孔子の言葉には書き下し文と現代語訳、私の独自解説をつけた。弟子の言葉は現代語訳だけとした。参考文献は「論語 増補版」(加地伸行訳、講談社学術文庫、2009年)。

【1】「子曰く、学びてつねに之を習う。また悦ばしからずや。朋遠方より来るあり。また楽しからずや。人知らずして怒らず。また君子ならずや」

◎現代語訳:孔子の教え。たとえ不遇な時であっても、学ぶことを続け、いつでもそれが活用できるように常に復習する。そのようにして自分の身についているのは、なんと愉快ではないか。突然友人が遠いところから私を忘れないで訪ねて来てくれる。懐かしくて心が温かくなるではないか。世間に私の能力を見る目がないとしても、耐えて怒らない。それが教養人というものだ、と。

◎解説:「とも遠方より来たり。また楽しからずや」は知られている一文だが、学び続ける姿勢とセットになっていることが重要ではないか。教養人は孤独というメッセージもあるように思える。

【2】現代語訳:有先生の教え。その人柄が、父母に尽くし兄など年長者を敬うような場合、反逆を好むというような人間は少ない。反逆を好まない人柄であって、にもかかわらず反乱をしたがるというようなことは、絶対にない。教養人は「人間としての根本」の修養に努力する。なぜなら、根本が確立すると、生き方「道」が分かるからだ。父母に尽くし目上を敬うこと、すなわち「孝弟」が、「仁」すなわち人間という生き方の根本なのだ。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年11月28日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(27日)

LINEヤフー、個人情報流出発表 不正アクセスで44万件か – 日本経済新聞 (nikkei.com) →LINEとヤフーは、個人情報の問題が相次いでいる。ヤフーは今年8月、総務省から行政指導を受けた。LINEは2021年に日本の利用者の情報が中国からアクセスできる状態が発覚し、その後も管理の甘さを指摘された例がある。大きな実害はまだ出ていないが、利用客も多く、リスクも大きい。

ネタニヤフ首相 “人質解放のために戦闘休止延長は望ましい” | NHK | イスラエル・パレスチナ イスラエルとハマス 戦闘休止2日間延長で合意 カタール政府 | NHK | イスラエル・パレスチナ →強硬だったネタニヤフ首相が、人質解放に伴う戦闘休止の延長に言及し、2日間延期した。しかし、「ハマスせん滅」も訴えている。本音なのか、ブラフなのか、国内強硬派の懐柔か。共存の知恵はないのだろうか。

日大アメフト部薬物事件 学長と副学長が大学に辞任の意向表明 | NHK | 事件 日大 澤田副学長が林理事長を提訴 「パワハラ受けた」と主張 | NHK 日大アメフト部員、3人目逮捕 違法薬物譲り受け疑い – 日本経済新聞 (nikkei.com) →日大問題を戯画化するのは不適切だが、最近は小説のような動きが続く。検事出身の屈強そうな副学長が、林真理子理事長をパワハラで訴えた。関係者のキャラが立ちすぎている。一方、アメフト部で3人目の逮捕者が出た。泥沼から抜け出す道筋が見えない。

三井住友フィナンシャルグループ 太田純社長が死去 65歳 | NHK | 訃報 →最近では珍しい現職社長の死亡。すい臓がんというから、長い闘病があったと推測される。「カラを、破ろう」と脱銀行を積極的に推進した。「社長職に殉じた」と言えば美談だが、「がんになってまで現職にとどまることが適切か。社長とは何か」という問題も提起している。

金属労協、ベア月1万円以上要求へ 過去最高水準、賃上げ継続狙う―24年春闘:時事ドットコム (jiji.com) →政府の後押しもあって、1998年の7000円を上回る過去最高を要求した。海外の労組は、ストで大幅な賃上げを獲得している。日本経済の沈滞や非正規労働者の増加は、労組が真剣に戦ってこなかったことも一因だろう。労使とも本気の知恵が問われている。

*** 「今日の名言」

◎白洲次郎(実業家。吉田茂首相の側近としてGHQと折衝。1985年11月28日、死去。83歳)

「いま日本でいけないのは、すぐ人の脚をひっぱることだね。これは大変な奴だと思うと脚を引っ張っちゃう。だから日本で何かのトップにゆく奴は、毒にも薬にもならない奴が大部分だよ」 「人に好かれようと思って仕事をするな。むしろ半分の人には嫌われるように積極的に努力しないと良い仕事はできない」 「プリンシプルは何と訳してよいか知らない。原則とでもいうのか。日本もますます国際社会の一員となり、我々もますます外国人との接触が多くなる。西洋人とつき合うには、すべての言動にプリンシプルがはっきりしていることは絶対に必要である」 「我々は戦争に負けたが、奴隷になったのではない」 「今の日本の若い人に一番足りないのは勇気だ。そういう事を言ったら損するってことばかり考えている」 「すべての物事で大事なのはそのこと自体より、それに関わりあって原則だということを忘れてはならない」 「(英語でスピーチしようとした吉田茂首相に対し)対等なのだから、相手国に合わせる必要はない」 「永続性のないようなことはせぬがよい。しても無駄だから」

*** きょうの教養 (論語②=孔子の言葉は本文・現代語訳・解説、弟子の言葉は現代語訳のみ)

【3】「子曰く、巧言令色、すくなし仁」

◎現代語訳:孔子の教え。他人に対して人当たりよく、言葉を巧みに飾り立て、外見を善人らしく装うのは、実は自分のためというのが本心であり、「仁」すなわち他者を愛する気持ちは少ない。

◎解説:知られた一文だ。反対は「剛毅木訥、仁に近い」となる。「口のうまい人間は真心が少なく、朴訥な人こそ信用できる」と言っているようだ。「仁」の漢字は、「人」と「二」からなり、人と人の間に生まれる親愛の心の意味だ。孔子は「仁とは人を愛すること」と言っており、「仁」は重要キーワード。キリスト教も「愛」が中心的な教え。みんな愛が大切といっているのに、世界から対立が消えないのが人類の悲しさだ。

【4】現代語訳:宗先生の教え。私は毎日重ねて反省する。他者のために相談にのりながら、いい加減にしておくようなことはなかったかどうかとか、友人とのつきあいで、ことばと行いとが違っていなかったからどうかとか、まだ十分に身についていないのに他者に与えてしまったかどうかとか、という風にである。

【5】「子曰く、千乗の国を導くには、事を敬して信、用を節して人を愛し、民を使うに時を以てす」

◎現代語訳:孔子の教え。大国の政治を担当するには、次のようなことが必要だ。事務上のことは丁寧に扱って人民を欺くことなく、公の金品は節約を心がけて、人々の心や生活を豊かにし、人民に労役を提供させるときは、農閑期にするように心がける。

◎解説:「どうする家康」でよく出てくる「厭離穢土欣求浄土」(えんりえど・ごんぐじょうど)を思い出させる。「穢れた世を離れ、極楽浄土を求める」という意味で、家康が掲げた旗だ。「民を豊かにする」という政治の要諦は今も昔も変わらないが、なかなか実現しないのも変わらない。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年11月29日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(28日)

日本生命、ニチイ買収 介護最大手、2100億円:時事ドットコム (jiji.com) →異業種の大手企業が、相次いで介護事業に参入している。SOMPO・HD(損保ジャパンなど)、ベネッセHD、学研HDなどだ。日本生命のような巨大企業なら新規分野のイノベーションを期待したいが、実需のある高齢者市場に向かってしまう。団塊の世代が死期を迎えれば、縮小する市場だが。

米ブリンケン国務長官3回目中東訪問へ 人質解放や人道支援協議 | NHK | イスラエル・パレスチナ →アメリカが精力的に動いている。さすがにネタニヤフ政権の強硬姿勢を懸念しているのだろう。バイデン政権の方針は、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」。米軍が駐留・監視するぐらいの取り組みが必要ではないか。

海外での臓器移植あっせんで初判決 懲役8か月の実刑 東京地裁 | NHK | 医療・健康 →臓器移植を希望する人には切実で、悪質性が高いとはいえない。判決は国内移植との公平性をあげたが、移植手術が遅れている国内の現状こそ問題ではないだろうか。「あっせん」の定義もはっきりしない。司法が判断するより、政治・行政が取り組むべき問題だろう。

ネットひぼう中傷 自民調査会 来年の通常国会での法改正も視野に検討 | NHK | IT・ネット →ネットの誹謗中傷は社会問題になっている。すでに総務省の有識者会議も検討しており、注目だ。表現の自由に配慮しながら、迅速に対応できるサービス的な対策が必要だ。

国の基金、2割が「数値目標なし」残高5兆円規模、成果の検証難しく:朝日新聞デジタル (asahi.com) →朝日新聞がこのところ、乱立する国の基金のずさんな運用について、調査報道を続けている。いい報道だ。有料記事だが、紹介しておく。

*** 「今日の名言」

◎親鸞(浄土真宗の宗祖。1262年11月28日、死去。89歳)

「善人ですら極楽浄土へ行くことができるのだから、まして悪人が行けるのは当然のことである」 「一人でいて悲しいときは二人でいると思いなさい。二人いても悲しいときは、三人いると思いなさい」 「自分の命は今日限りであると毎日思い、時々は今が最後の瞬間であると思うべきである。明日があると思っていると、桜の花が今晩じゅうにはかなく散ってしまうように、機会を失うものだ」 「非人(乞食など下層階級の人)を差別する者こそが、真の意味での非人である」 「我欲に囚われてばかりで、仏さまのような智慧と慈悲をそなえた眼(まなこ)は私たちにはないけれど、心配しなくていい。我執に満ちた私と気づいたとき、苦海の闇で惑う私たちを阿弥陀さまの願いの船が必ず乗せて浄土へ導いてくださる。まるで暗闇にともる灯台のあかりのように」 「人の命は短く、もろい」 「煩悩という色眼鏡をかけて物事を見ている私たちは、阿弥陀如来の救いのお働きに気付くことができないが、救おうとしてくださる広大な慈悲は怠ることなく、この私にも向けられている」 「どのような悪人でも、念仏だけで往生できる」 「ただ念仏のみが、真実の言葉である」

*** きょうの教養 (論語③=孔子の言葉は本文・現代語訳・解説、弟子の言葉は現代語訳のみ)

【6】「子曰く、弟子入りてはすなわち孝、出でてはすなわち悌たれ。謹みて信、ひろく衆を愛して仁にちかづけ。行いて余力あらば、すなわち以て文を学べ」

◎現代語訳:孔子の教え。青少年は家庭生活にあっては「孝」を行い、社会生活にあっては目上の人に従え。常に言行を謹み、言行を一致させ、世人を愛することに努め、他者を愛するあり方に近づけ。それらを行って、なおまだ余裕があるならば、古典を学ぶことだ。

◎解説:「入りてはすなわち孝、出てはすなわち悌(てい)」は知られた一文。目上の人に従えというあたりが、体制維持とも評されるところだろう。立派な目上なら当然従うが、そうでない時にどうすればいいのだろうか。孔子が生きたのは紀元前551ころ~479とされているが、ここに出てくる古典とは何だろうか。調べたら、五経のうちの「詩経」や「書経」という。

【7】現代語訳:子夏の言葉。夫婦は互いに相手の良い所を見出してゆくことが第一であり、容姿などは二の次だ。父母にお仕えする時は、自分にできる限りを尽く、主君にお仕えする時はまごころを尽くし、友人と交わる時は言葉と行動が一致するよう信義を守る。そういう人柄であれば、たとえその人が「いや、自分のようなものはまだまだです」と言ったとしても、私は十分に教養人であると考える

~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年11月30日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(29日)

オスプレイ墜落情報 アメリカ軍所属 3人発見か 1人死亡 屋久島沖 | NHK →かつて「未亡人製造機(ウィドーメーカー)」呼ばれるほど事故の多かったオスプレイ。最近は他機種と差はないという指摘もあるが、国内では初めての死者が出た。自衛隊の配備では賛否両論もあっただけに事故原因が当面の焦点だ。

冬季五輪 2030年フランス 2034年アメリカ 一本化決定 札幌消滅 | NHK | オリンピック・パラリンピック →札幌冬季五輪は開催不能の見通しだ。当初、2030年の開催を目指していたが、東京五輪汚職で34年以降に延期。しかし、IOCは30年と34年の開催地を決め、38年はスイスと優先的に対話を進めると決めた。札幌は地元世論も盛り上がっておらず、招致断念になりそうだ。

日大アメフト部 廃部へ 日本大学フェニックス 優勝21回 薬物事件で | NHK | 事件 →2018年の「悪質タックル」以来、不祥事が絶えない。大学当局の対応のまずさで犠牲になった面もあるが、改革を目指す当局としては座視できず、廃部で止血するしかなかった。学長・副学長が辞任し、外科手術はこれからだが、学部が分散するマンモス大学。当局の求心力が乏しく、前途はなお多難。

日本サッカー協会 次期会長に宮本恒靖氏が就任へ | NHK | サッカー →サッカー協会が世代交代する。宮本氏は元日本代表のキャプテンで、ワールドカップにも出た。Jリーグは、戦後スポーツの世界で最も成功した挑戦の一つ。地域密着でサッカー文化の定着を目標にしたことが功を奏した。世界を知る本格派会長の誕生で、さらなる飛躍に期待がかかる。

《追悼・伊集院静》「今まで明かして来なかった事ですが…」週刊文春に寄せられたユーミンの追悼コメント全文公開 | 週刊文春 電子版 (bunshun.jp) →ユーミンが伊集院静への追悼文を週刊文春に寄せた。電子版が無料で全文を公開。「年に2枚のアルバムと同名のツアーをやれ」と言われた初公開の事実を紹介している。今日発売の週刊文春で「安倍派23億円裏金作り/特捜部が狙う萩生田の舎弟」と報じているが、「舎弟」とされた人物は池田佳隆・元文科副大臣(57)。2012年に愛知3区で初当選した。

*** 「今日の名言」

◎水木しげる(漫画家。2015年11月30日、死去。93歳)

「好きなことに情熱を注いで、人生を生き切ること」 「しないではいられないことをし続けなさい。やりがいや充実感は結局、自分が好きなことの中にしか見つからない」 「成功や栄誉や勝ち負けを目的に事を行ってはいけない」 「打ち込めることを真剣に探そうとすると、真面目な人たちには案外それが見つからないものです。見つけるにはコツがある。簡単なことです。好奇心を大事にすればいい」 「運なんてものはない。あるのは突撃力だけ」 「他人の思惑などに振り回されず、自分のやりたいように生きる。外の世界にいちいち対応せず、自分の世界の流儀でやればいい」 「戦争で片腕を失っても絶望なんてしなかった。だって、生きてるんだから」 「私が漫画で食えるようになったのは40歳を超えてから」 「古今東西のあの世を調べていて、気づいたことがあります。地獄の様子は場所とか民族とかによって様々に異なっていて、迫力と現実感に満ちているのに、天国の方は世界中ほとんど同じだということです。天国には美しい川が流れ、薄物をまとった美女がいて、美味しそうな食べ物が溢れている。環境が悪くなったのに目をつぶれば、まさに長い不況で暗く沈んだいまの日本は、天国じゃないですか。それなのに、現代人たちは悲壮な顔をしてあくせく働いています」

*** きょうの教養 (論語④=孔子の言葉は本文・現代語訳・解説、弟子の言葉は現代語訳のみ)

【8】「子曰く、君子重からざれば、すなわち威あらず。学びてもすなわち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とするなかれ。過ちてはすなわち改むるに憚ることなかれ」

◎現代語訳:孔子の教え。教養人とはこうだ。重厚さすなわち中身の充実、誠実がなければ、人間としての威厳はない。学問をしても堅固ではない。このように質の充実つまりはまごころを核とすることだ。そういう生き方をする自分と異なり、まごころの足りないものを友人とするな。もし自分に過失があれば、まごころに従ってすぐにも改めることだ。

◎解説:最後の一文は、最近よく引用される。過ちを犯しても謝らず、姿勢を正さない政治家や企業経営者に向けられることが多い。人は誰でも間違う。認めたくないこともあるだろうが、素直に謝るしかない。直言できる側近の存在も重要だ。

【11】「子曰く、父在せばその志を観よ。父没すればその行いを観よ。三年父の道改むるなくんば、孝というべし」

◎現代語訳:孔子の教え。父親が在世の時は、父の目指すところを見るのがいい。父親が亡くなれば父の行いを見るのがいい。三年の喪が明けるまで、父が定めた家のあり方はそのままにしておくというのであるならば、孝子ということができる。

◎解説:三年の喪は、三回忌までなので、実質満2年。孔子の時代から守られていた家制度は戦後、はかなく崩壊が続いている。現代は、父の志や行動を観察することはあっても、それを守り続けることに価値があるという感覚は少ないのではないか。この変化をどう解釈したらいいのだろうか。進歩だろうか、退歩だろうか。

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***デイ・ウォッチ(11月30日)

安倍派、裏金1億円超か パー券不記載、立件視野 ノルマ超分、議員に還流 東京地検特捜部:朝日新聞デジタル (asahi.com) https://digital.asahi.com/articles/DA3S15806342.html?ptoken=01HGGX9R316CYJ4ZJF51Z9ZJAP

→「安倍派のパーティー券裏金1億円超か、東京地検特捜部が立件視野」と朝日新聞が1面トップ横カットで報じている。ノルマ超過分を議員にキックバックし、報告書に記載していないという。週刊文春は、萩生田政調会長側近の池田佳隆・元文科副大臣を狙っていると書いている。安倍元首相の後継者が決まらず迷走する安倍派だが、立件されれば影響力の低下は必至で、政界に激震が走る。岸田首相は安倍派の影響力低下を内心ほくそ笑むだろう。安倍派の塩谷座長は30日、キックバックを認める発言を一時していた→自民 安倍派座長の塩谷氏 “派閥議員にパーティー券のノルマ” | NHK | 政治資金 

生活保護訴訟、初の賠償命令 減額は違法、処分取り消し―原告逆転勝訴・名古屋高裁:時事ドットコム (jiji.com) →厚労省の減額算出を厳しく批判した。画期的な判決で、全国29カ所で起こされている他訴訟へも影響しそうだ。最近は経済対策でバラマキが続くが、まずは経済的弱者にこそ手厚い支援が必要だ。底上げが社会を明るくする。

キッシンジャー米元国務長官 死去 米中の国交正常化に寄与 | NHK | 訃報 →ナチスの迫害から逃れるため、ドイツからアメリカに移住したユダヤ人。中国との劇的な国交回復が有名だ。冷徹な現実主義、勢力均衡理論、理想や適正プロセスより結果重視、長期的な視点で手を打つ戦略的な外交が特徴だった。我々が子どもの頃から活躍していたが、100歳の大往生だった。

「日本のブレア」から「言うだけ番長」へ 離党の前原誠司氏、6度目勝負の行方は – 産経ニュース (sankei.com) →なんだかんだといっても最後はまとまる自民党に対し、野党の宿痾である「代表病」がまた発症した。関西選出の議員が加わっており、教育費無償化を掲げる維新の会との合流を模索するようだ。代表選に負けたからといって離党していては、野党はいつまでたってもバラバラだ。

ゼレンスキー大統領「停戦、ロシアの全土撤退が前提」 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →日経新聞がゼレンスキー大統領にインタビューした。全領土奪還を目指すという。停戦は遠い。

楽天・安楽投手を自由契約に 暴言、罰金など10人がパワハラ被害:朝日新聞デジタル (asahi.com) →大人の集団のプロ野球球団で、下半身を露出させるなど子どものような行状。済美高校や上甲監督の教育が悪かったのか、ちやほやされ過ぎたのか。内輪では知られていたはずで、楽天球団の鈍い対応も問われる。成績低迷とも無縁ではないだろう。

*** 「今日の名言」

◎中村天風(思想家。1968年12月1日、死去。92歳)

「今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ」 「運命を好転させるには、いいことだけを絶え間なく心に抱くのだ。悪く悪く考えこまないように」 「まずは人間を創れ、魂を磨け、さすれば幸福は向こうからやってくる」 「悲しいこと、辛いこと、そのほか消極的な出来事があったら、努めて笑うようにしてごらん」 「感謝するに値するものがないのではない。感謝するに値するものを、気がつかないでいるだけだ」 「自分自身を自分自身が磨かない限り、自分というものは本当に偉くならない」 「人の落ち度は、許すより忘れてしまえ」 「いいですか、幸福も健康も成功も、ほかにあるんじゃないですぜ。あなた方自身のなかにあるんだ」 「言葉というものには、強力な暗示力が固有されている。建設的な人生を志す人は、夢にも消極的な言葉を戯れにも口にしてはならない」 「笑いは無上の強壮剤である。開運剤である。笑っているとき、人間は最も強い。笑顔は万言に勝るインターナショナル・サインである」 「恐ろしいと思っているのは、自分の心のほうなんだ」 「どんな名医や名薬といえども、楽しい、面白い、嬉しいというものに勝る効果は絶対にない」 

*** きょうの教養 (論語⑤=孔子の言葉は本文・現代語訳・解説、弟子の言葉は現代語訳のみ)

【14】「子曰く、君子は食に飽くるを求むることなく、居るに安きを求むることなし。事に敏に、言に慎み、有道につきて正す。学を好むというべきのみ」

◎現代語訳:孔子の教え。教養人は腹いっぱいの美食を求めず、豪華で心地よい邸宅に住みたいなどと思わない。なすべき仕事は素早くこなす。しかし、ことばは少なくして出しゃばらない。もし意見があれば、まず優れた人格者(有道)を訪れ、正していただくようにする。こういう人をこそ「好学の士」というのだ。

◎解説:教養人は現代でも、いたずらに美食を求めたり、豪華な家に住みたいと思ったりはしないだろう。ただ意見があれば、有道者に頼らず、自分で言うところが違いだろうか。今は人任せにせず、自己責任で頑張る時代と言える。

【16】「子曰く、人の己を知らざるを憂えず。人を知らざるを憂う」

◎現代語訳:孔子の教え。他者が己の能力・力量を知らないからといって不満を抱くな。自分が他者の能力・力量を知らないことを反省することだ。

◎解説:自分本位で考えるなという教えで、今も通用するだろう。

「論語」は、第20章まである。今回は1章の「学而」を取り上げた。1章は16節あり、孔子の教えは半分の8で、すべて収録した。その他は、弟子の教えの一部を紹介した。20章の最後にある孔子の教えを掲載して終了とする。

【20章・3】「孔子曰く、命を知らざれば、以て君子となるなきなり。礼を知らざれば、以て立つなきなり。言を知らざれば、以て人を知るなきなり。

◎現代語訳:孔子の教え。人間は神秘的な大いなる世界における、ごくごく小さなものであるから、自分に与えられた運命を知らない者は、教養人たりえない。人間は社会生活をしていくのであるから、社会規範を身につけていない者は、人の世に生きてゆくことはできない。人間は言葉を使うのであるから、言葉について理解できない者は、人間を真に理解することはできない。

◎解説:天命と規範と言葉を知る。ごもっともの感。