12月4~8日(教養講座:日米開戦の書籍)
~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年12月4日号(転送禁止)~~~
HPにアップしました→ 12月4日からの教養講座は「日米開戦の書籍」 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)
***デイ・ウォッチ(1~3日)
◎安倍派10人以上が裏金化か…東京地検は自民数十人から聴取検討、応援検事を集め態勢拡充 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) 二階派もパーティー収入のノルマ超え 不記載の疑い | NHK | 政治資金 →検察は安倍派を中心に立件へ本腰のようだ。政治資金規正法に明確に違反しているのが最大の理由だが、口外することはない2つの背景もありそうだ。第一は、検察人事への政治介入を許さないという断固たる決意。安倍政権は黒川東京高検検事長の定年延長をし、「恣意的だ」と批判された経緯がある。第二は、安倍元首相らが旧統一協会という外国の反日団体と結びついていたことに対する国家権力としての危機感だ。いずれも真っ当な考えだが、検察権力でしか改革できない現実は危うさをはらむ。本来なら民意を代表する「国会」や「選挙」で是正すべき事柄だ。有権者一人一人の意識も問われている。
◎COP28首脳級会合終わる 再生エネ発電容量3倍へ110か国以上誓約 | NHK | COP COP28 米政府 世界の原発の発電容量3倍へ宣言 日本など賛同 | NHK | COP →再エネ3倍は118カ国、原発3倍は22カ国が賛同し、日本はどちらにも加わった。福島第一原発事故という深刻な事態が発生した日本だが、ほとんど惰性で原発を推進している。
◎核兵器禁止条約の締約国会議 核なき世界へ政治宣言採択し閉幕 | NHK | 核兵器禁止条約 →日本から被爆者や市民団体が多数かけつけたが、政府は参加しなかった。ドイツなどNATO加盟国でオブザーバー参加した国もあったのに。我々日本人でさえ、なぜ参加しないのか理由がわからない。アメリカが怒るからだろうか。「被爆国ですから」と言えばいいだけだろう。「オスプレイの飛行停止を」と申し入れてもオスプレイが救難に来る現実。ポチでもたまには吠えるはずだが、日本は「ワン」とも「ノン」とも言わない。
◎筒香嘉智 故郷に自費投じた球場完成で記念式典 和歌山 | NHK | 大リーグ →大谷翔平は全国の小学校にグローブを贈り、筒香は故郷に球場を贈った。一昔前なら考えられなかったことを最近の選手はする。素晴らしいことだ。「カネより将来の子どもたちの役立ちたい」というZ世代からのメッセージだろうか。
*** 「今日の名言」
◎脚本家 山田太一さん死去 「男たちの旅路」「ふぞろいの林檎たち」 | NHK | 訃報 →脚本家。11月29日死去、89歳。
「自分の中の欠点みたいなものは、絶対、財産なんです」 「マイナスの経験をした人は有利です。してない人は、人の気持ちが分からなくなっている」 「生きていくということは限界を受け入れることであり、諦めを知ることでもあると思います。でも、それはネガティブなことではありません」 「いいことには必ず悪いことがくっついてくる。何を選んでも、完璧な幸福というわけにはいかない。幸せいっぱいなんて日は、あんまりないです」 「僕にとって深く他人を教えてくれたのは女性です。男と女の間にはどうにも超えられないものがある。どんなに仲良くしても他者なんだ、ずっと他者なんだということを教えてくれる」 「前に進むことだけが幸福ではない」 「我々が現実を失って見当ちがいのことをして不幸になるということは、結局、自分が何を欲しているのかわからなくなってるということでもあるのでしょうね」 「人間なんてほんとうにどうしようもないものなんだ、という認識が基本になければいけないんだと思います」 「大切なことは、自分が実感できる範囲にまずは目を向けることです。今いる場所、今あるもの、今置かれている状況。出来たら、それらを愛すること」 「若い人たちのなかにオタクと呼ばれている人たちがいます。他の人の目から見れば、くだらないと思えるものをものすごくきめ細かく愛している人たちです。そういう人があちこちにいることは、社会の財産になるような気がします」
*** きょうの教養 (日米開戦の書籍①)
12月8日は1941年の日米開戦から82年になる。今年8月に出版された「昭和史百冊」(平山周吉著、草思社)から、開戦に関わる書籍の書評を選び、紹介する。第二次世界大戦に関する知識は、日本人必須の教養といえる。
◎「日本はなぜ開戦に踏み切ったのか」(森山優、新潮選書、2012年) 300万の国民の生命が失われ、国土は焦土と化し、領土は縮小した。この悲劇の序幕である昭和16年の日米開戦という「国策」は、主役不在のままに進行した。本書を読むと、その虚しさがよぎる。国策の決定者たちは、東條英機を含めて誰も大国アメリカと戦いたくはなかった。それにもかかわらず、全員一致で、粛々と、御前会議での決定はなされた。開戦となれば戦闘の主役になる海軍は、悲観的見通しを持ちながら、避戦を明言できなかった。満州事変長期化という自らの失敗に目をつぶる陸軍は、最大の懸案である中国撤兵を断固拒否して譲らない。近衛文麿は日米トップ会談にはかない希望を託すしかない。東條は小さな忠誠心にこり固まって悪しき小役人根性で形式的論理を振り回すばかり。
事態を開戦へと引っ張っていったのは、別に「悪役商会」といった連中ではなく、主役級の下にいた陸海軍中堅層というエリート集団だった。彼らは受験秀才であるばかりか、筋肉と恫喝力を併せ持った官僚中の官僚だった。著者の森山氏は彼らベスト&ブライテストの証言、日記などを丹念に収集し、時系列に並べて突き合わせてゆく。組織的利害を優先し、数字を操作し、辻褄を合わせ、問題は先送りし、と彼らお得意の手法は存分に駆使される。こうして起案し、調整し、折衝し、上司を納得させた「玉虫色の作文」が国策に仕上がっていく。
「開戦3年目からの見通しがつかない戦争は、どうなるかわからないにもかかわらず選ばれたのではなく、どうなるかわからないからこそ、指導者たちが合意することができたのである」と書く。希望的観測に沿ったいびつな選択であったことが一目瞭然である。国難を引き受ける気概と大局観を持った人材が国家の中枢に不在だった。もう一つの困難な条件が加わる。明治憲法体制では、天皇の下で各機関は横並びであり、首相が大臣を罷免することさえできなかった。制度上の不備を補うのは、元老、藩閥の創業者たちだが、三代目の御代では天皇の遵法精神が際立ってしまった。
~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年12月5日号(転送禁止)~~~
HPのコラムで「天声こども語紀行」を始めました。週2回、朝日小学生新聞の1面コラム「天声こども語」を書いていますが、それを題材に週1回程度、ゆるゆると書きます
→ 【天声こども語紀行①】井伏鱒二の「さよならだけが人生だ」 – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)
***デイ・ウォッチ(4日)
◎自民派閥 政治資金問題 安倍派議員 キックバック数十人規模か | NHK | 政治資金 安倍派 高木氏 “慎重に事実関係確認” 一方“会計関わらず” | NHK | 政治資金 →安倍派のキックバックは数十人という報道の一方、当事者は言葉少ない。13日の臨時国会終了後、検察は一気に動くといわれる。事件が拡大すれば、森首相以来、多くの首相を出した清和会・安倍派の崩壊、場合によっては自民党が分裂し、野党も巻き込んだ大政局・政界再編になる可能性もある。
◎イスラエル、ガザ南部に地上侵攻 「全域で作戦拡大」―民間人の犠牲増に懸念:時事ドットコム (jiji.com) →イスラエルがガザ南部に侵攻したが、イスラエルと言うよりネタニヤフ政権といった方がいい。侵攻の背景には、弱腰と批判されると連立政権が崩壊し、首相を下りれば自らのスキャンダルを追及される恐れがあるからという。ストップ・ネタニヤフで世界は圧力をかけたい。
◎米国の旧統一教会元会長も同席か 岸田氏面会時とみられる写真も [自民]:朝日新聞デジタル (asahi.com) 首相とギングリッチ氏面会「安倍氏が要請」 教団関係者同席問題 [岸田政権] [自民]:朝日新聞デジタル (asahi.com) →岸田首相がギングリッチ元米下院議長や旧統一教会トップと面会し、朝日新聞は写真を掲載。安倍元首相の要請だったという。大阪万博も日本維新の会と安倍元首相の忘年会の話が起点。安倍時代のウミが多方面で一気に出てきている。
◎日大・林理事長が謝罪 会見で改善計画など説明―アメフト部薬物事件:時事ドットコム (jiji.com) →アメフト部の廃部はまだ検討中で、林真理子理事長はやめる気はないと明言した。会見は3時間に及んだ。大学あってのアメフト部であり、数年来の不祥事を考えれば、部員学生への十分なケアを前提に廃部もやむを得ないだろう。今が改革の胸突き八丁か。
◎香港民主活動家の周庭氏「香港には戻らない」現在はカナダ滞在 | NHK | 香港 →香港の雨傘運動のリーダーだった女性が中国を捨てた。未来に希望を求める若者にとって、中国は魅力のない国になっている。
*** 「今日の名言」
◎中村哲(医師。2019年12月4日、アフガニスタンで活動中に銃撃され、死去。73歳)
「大事なのは、与えられた場所でいかに力を尽すか。深く考えないようにしながら、その時、その時の仕事に全力で取り組んでいる」 「絶対に必要なものは多くはない。おそらく変わらずに輝き続けるのは、命への愛惜と自然に対する謙虚さである。その思いを留める限り、恐れるものは何もない」 「やっぱり、目の前で困っている人を見捨てるわけにはいきません」 「一隅を照らす。もはやそれ以外に自分の生きざまも考えられなくなっていた」 「どの場所、どの時代でも、一番大切なのは命です。子どもを亡くした母親の気持ちも世界中同じです。親の気持ちは痛切です。そういう命に対する哀惜、命をいとおしむという気持ちで物事に対処すれば、大体誤らないのではないかと私は思っております」 「地元の人が何を求めているか、そのために何ができるか、生活習慣や文化を含めて理解しないと」 「人として最低限これくらいはしなければということを大事にしていけば、大体誤りはないのではないか」 「我々は、日本政府からは一円の援助も受けていません」 「来る日も来る日も治療していくが、追いつかない」 「道で倒れている人がいたら手を差し伸べる。それは普通のことです」 「信頼関係があること、これが武器よりも一番大切なこと」 「信頼は一朝にして築かれるものではない。利害を超え、忍耐を重ね、裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々の心に触れる。それは、武力以上に強固な安全を提供してくれ、人々を動かすことができる。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのだ」
*** きょうの教養 (日米開戦の書籍②)
◎「経済学者たちの日米開戦――秋丸機関・幻の報告書の謎を解く」(牧野邦昭、新潮選書、2018年) 登場人物たちが所属した通称「秋丸機関」とは、陸軍によるシンクタンクである。著者による「陸軍版満鉄調査部」いう表現は的を射ている。正式名称「陸軍省戦争経済研究班」の名が示すように、日本の戦力を各国戦力と比較し、評価するチームだった。外部から呼ばれた学者たちには有沢広巳(戦後は日本学士院長)、中山伊知郎(戦後は一橋大学長)などがおり、陸軍主計中佐・秋丸次朗は東京帝大経済学部にも学び、満州国の経済建設を進めた軍人だった。
有沢の戦後の証言では「国策に反する」として、報告書はすべて焼却された、となっていた。時間の経過とともに「幻の報告書」は発見される。著者自身も「英米経済抗戦力調査」の一部を古書店で発見し、購入する。報告書はマクロ分析とミクロ分析により、各国の弱点を発見しようとするが、結論は「対英米海戦」が無謀であると示唆される。著者は「南進論」を導き出すためのものだったのではないかと推理する。「秋丸機関の報告書は当時の文脈で言えば、陸軍省軍務局の主張する南進を支持し、北進を批判する材料としての色彩帯びたのである。対米開戦の回避に役立ったとは言えないが、日本がより悲惨な状態になったことは間違いない対英米ソ開戦の回避にも役立ったのかもしれない」と書く。
さらに著者は、戦争論を抑えるために数字や事実を捏造してでも「3年後でもアメリカと勝負ができる国力と戦略を日本が保持できるプラン」を数字を示して明示し、時間稼ぎをしても良かったのではないかとする。「有沢広巳をはじめ多くの優秀な経済学者を動員し、多くの統計を持っていたので、経済学を使ったポジティブなプランをレトリックとして作り上げることができただろう」と指摘する。
~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年12月6日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(5日)
◎「読解力」躍進、日本3位 22年、理数系もトップ水準―コロナ後初、OECD学力調査:時事ドットコム (jiji.com) →読解力は次世代の学力とされている。日本は前回15位だったが、3位に躍進した。その他も上昇した。コロナ禍で外国では休校が多かったが、日本は相対的に少なかったようだ。一喜一憂する必要はないが、人材はニッポン最大の資源。好調を維持したい。
◎<独自>安倍派事務総長の聴取検討 経験者にパーティー券収入不記載確認、東京地検 – 産経ニュース (sankei.com) 安倍派議員秘書らを任意聴取 東京地検特捜部 自民派閥 政治資金問題 | NHK | 政治資金 →東京地検特捜部は本筋を走っている。事実関係はほぼ解明したとみられ、今後は立件の範囲や容疑の理由付けが焦点。政党には国の税金である政党交付金が助成され、庶民はインボイス制度でカネの流れをより詳細に把握される。政治家が特別という理由はない。
◎旧統一教会被害者救済の法案 自民 公明 国民民主の修正案 衆院で可決 | NHK | 旧統一教会 →資産保全をめぐる差は大きかったが、附則に財産保全のあり方の条項を盛り込み、立憲や共産も賛成して可決した。与野党が意見の違いを乗り越えて可決したが、被害者には不満の声も残る。対立だけでなく、意見を調整・修正するのも国会の大きな役割だ。
◎伊藤忠会長、ビッグモーター買収に前向き 審査は徹底 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →中古車業界では買収する動きがなく、伊藤忠が火中の栗を拾う方向だ。最終決定は来年春だが、創業家ははずされている。正常化に向かうかどうか。
◎「道路は人間のもの」ハトをひいて殺したかタクシー運転手逮捕 | NHK | 事件 →「道路は人間のもの」というが、ハトは「空中はハトのもの」と反論するだろう。タクシー運転手はむしゃくしゃする個人的な事情があったかも知れない。だからといってハトを殺してもいいとはならない。警察も逮捕とは、ずいぶん踏み込んだ。
*** 「今日の名言」
◎安保徹(医学博士。免疫力向上でガンにならず、薬は不要と主張した。2016年12月6日、死去。69歳)
「解熱剤、痛み止め、抗がん剤、ステロイド剤…。これらはすべて交感神経を刺激して、血流を止め、体温を下げ、免疫力を低下させます」 「血流が悪くなると、細胞は酸素不足になります。血流が途絶えると、体温が下がってしまいます」 「抗がん剤は、低酸素、低体温、高血糖をもたらします。この3つは発ガンの内部環境そのものです。抗がん剤治療によって、3条件に拍車をかけます。これではガンが治るはずがありません」 「食事の内容や量を変えたり、早寝を心がけたり、運動を始めたり、体を温めたり、ということです。体を温めることによって、ミトコンドリアが活性化します」「免疫力を高めるために一番てっとり早い方法が入浴です。ぬるめの湯にゆったり入るのが効果的です」 「ミトコンドリアは、太陽に当たることによってつくられます。免疫力を上げるためには、日光が不可欠です。一日一時間くらいは屋外で過ごすのがお薦めです」 「有酸素運動は、ミトコンドリアを活性化します。歩くことを習慣にするとよいでしょう」 「腸内環境が悪化すると、免疫の要であるリンパ球が育ちません。腸内環境を良くするためには食事が大切です。腸内環境をよくするように努めれば、がんの進行は大体1~2か月で止まります」
*** きょうの教養 (日米開戦の書籍③)
◎「臨時軍事費特別会計 帝国日本を破滅させた魔性の制度」(鈴木晟、講談社、2013年) 国家の事業で一番の金食い虫は戦争である。日露戦争の時に高橋是清が欧米を回って必死にかき集めた戦費(外債)は8億円だった。日本はお金が続かなくなり、賠償金ゼロでポーツマス条約をロシアと結んだ。そのことを思い出せば昭和12年の満州事変勃発から敗戦までの8年間、よく金が続いたものだと感嘆するが、そのカラクリを解明したのが本書である。
「臨時軍事費特別会計」という名の打ち出の小づちがあった。この制度は、昭和12年9月に議会をあっさりと通る。条文はたったの2条。戦争終了までを一会計年度とするというのがみそである。どんぶり勘定でどんどん金額が膨らみ、決算を先延ばし、大蔵省の主計局が査定しようにも軍事機密だからと詳しい内容は開示されない。国会も非常時ということで、実質審議なしで5日ほどで通過してしまう。使った総額は1700億円。日銀の国債引き受けが8割以上を占める。戦時中のニュースや新聞を見ると、「国債を買いましょう」の広告がやたらと目立つ。国は金集めに血眼だったのだ。
戦争は終わった。たまった国債や借入金は2000億円弱。昭和19年に賀屋興宣蔵相が「国家が破れましては、国債の元利償還などは問題にもならない」と答弁している。その通りになるのである。著者は、外交史研究家で予備校講師だが、本書の中で様々な興味深い数字を表にしている。それらは「加減乗除のみ」でできるという。つまり桁数こそ多いが、小学生でもできてしまう簡単な計算なのだ。「臨時」とか「特別」とかの隠れ蓑を使うやり口なら今でもありそうな現象である。
~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年12月7日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(6日)
◎岸田首相 派閥パーティーの自粛を指示「一致結束して対応」 | NHK | 政治資金 →パーティー券問題で岸田首相がやっと動いたが、どこまで守られるだろうか。「ウミを出す」と積極的に動かない限り、支持率はさらに落ちるだろう。文春オンラインは「安倍派の隠しパーティー券3悪人」として、すでに報じている池田佳孝元文科副大臣(57、愛知3区)に加え、大野泰正参院議員(64、岐阜選出、父は元運輸相、祖父は伴睦氏)、堀井学衆院議員(51、北海道9区、元スピードスケート選手)をあげ、特捜部は事務総長の高木毅国対委員長(67、福井2区)に注目しているという。
◎岸田氏との面談は教団友好団体が「手配」 元米議長が認め、写真提供:朝日新聞デジタル (asahi.com) →朝日新聞がギングリッチ元米下院議長にメール取材したところ、旧統一教会系トップとの面会を認め、写真も提供した。面会仲介も教団系という。岸田首相は「大勢と会ったので覚えていない」というが、大勢とは言えないようだ。「記憶にないが、会っていたようだ。軽率だった」と謝罪した方がいいだろう。
◎【随時更新】イスラエル軍 地上侵攻進める “民間人犠牲やむなし” | NHK | イスラエル・パレスチナ →ネタニヤフ軍はより強硬になっている。ウクライナは米国など西側諸国の支援が細って、劣勢だ。ガザもウクライナも国際的な枠組みが全く機能していない。第一次世界大戦後、国際連盟設立で掲げた国際協調の旗が空洞化し、世界は無法地帯という危うい方向に向かっている。
◎柏崎刈羽原発の運転禁止の命令解除 年内にも最終判断へ | NHK | 各地の原発 →柏崎刈羽原発の手続きはやっと動く。原発の是非を別にして、稼働すれば東電管内の電気料金が安くなる可能性が出てくる。
◎大谷翔平の移籍交渉 ドジャース監督「面談はうまくいった」 | NHK | 大谷翔平 ヤンキース 山本由伸の獲得を熱望「特別な投手になると確信」 | NHK | 大リーグ →ドジャース監督がなぜか大谷翔平との面会を公表した。感触もいいようで、やはり大本命だろう。山本由伸はヤンキースが熱心。東西を代表する大都市の伝統球団で対戦するか。
*** 「今日の名言」
◎ノーム・チョムスキー(米の哲学者、言語学者。1928年12月7日が誕生日、95歳)
「学校とは、教化のための服従を強要するための機関です」 「言葉はハンマーのようなものだ。組み立てにも使えるし、壊すのにも使える」 「国家というものは、必ず市民に嘘をつき、自分たちを守ろうとする。これを克服できるのは市民の力しかない」 「人間は言語によって、有限の脳の中に無限の力を獲得することができるようになった」 「言語は、人間が5~10万年前のある時点で突如、一瞬の間に獲得した生物学的機能だということが判明した」 「希望はないと思うと確実になくなる。自由への衝動と物事を変えるチャンスを感じたら、世界を良くできるかもしれない」 「忘れてならないのは、米国自身が『テロ国家の親玉』だということである」 「新自由主義の市場システムの下では、人類が生き残る可能性はきわめて低い。現在はびこる新自由主義は支配層の自由のため、大衆に不自由を強要する仕組みであり、古典的な自由主義とは似て非なるものである。自由という言葉に騙されてはいけない」 「民衆を受け身で従順にしておく賢い方法は、議論の枠組みを厳しく制限し、その枠組みの中で活発な議論を奨励することだ」 「言論の自由を支持するなら、それはあなたが軽蔑する意見に対してこそ言論の自由を支持するのだということを意味するのである」
*** きょうの教養 (日米開戦の書籍④)
◎「多田駿(はやお)伝 日中平和を模索し続けた陸軍大将の無念」(岩井秀一郎、小学館、2017年) 近年の昭和史物の収穫と言える傑作である。多田駿という名を聞いても多くの人にはピンと来ないだろう。動乱の昭和史にあって、最も重要な役割を果たそうとして阻まれた無念の軍人である。ほとんど資料が残されていないとみられた多田の事蹟を発掘し、遺族の証言を引き出した。徹底的な探索で、その高潔な生涯と思想を丹念に描いている。著者の岩井はまだ30歳の若者であり、会社勤めのかたわらの調査執筆を知ると、瞠目は何重にもなった。
陸軍統帥部の事実上のトップとして、多田は満州事変の拡大を防ぎ、日中平和に持っていこうとした。昭和13年1月のことである。政府は多田の強固な意見を無視し、「国民政府を相手とせず」と声明を出し、中国大陸で泥沼の戦線にはまっていった。翌年8月、多田は陸軍大臣に決まりかけるが、昭和天皇の忌避によりその人事も立ち消えになった。昭和日本の滅亡を救えたかもしれない二度の機会、その幻の主人公が多田である。
軍人として大陸勤務が長く、中国人をよく知り、日本人の傲慢にも注意を怠らなかった。満州事変を企図した石原莞爾の盟友であり、張作霖爆殺の河本大作は義兄であった。誤解を招きやすい人間関係は、マイナスに働いただろう。満州事変不拡大を主張した時には、秩父宮が部下として支えていた。これも結果的にはマイナスだったかもしれない。昭和13年1月の大本営政府連絡会議で、内閣総辞職をちらつかせた米内光政海軍大臣に対し、多田は「明治天皇は『自分に辞職はない』と言った。国家重大の時期に政府辞職とは何ということか」と涙ながらに訴えた。多田はその後、対立した東條英機によって予備役にされた。戦争中、軍務につくことなく、千葉県館山市で自適の生活を送り、昭和23年、胃がんのため自宅で死去した。
~~~ 長谷川塾メルマガ 2023年12月8日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(7日)
◎松野官房長官に裏金1千万円超か パーティー収入還流、政権内に波及:朝日新聞デジタル (asahi.com) →今朝の朝日新聞が1面トップ横カットで報じた。官房長官会見で毎日質問を受けているが、説明を拒んでいる。西村経産相も同じ対応を繰り返している。捜査はいきなり政権中枢に及ぶ可能性が出てきた。きょうは予算委員会で集中審議がある。
◎アメリカ軍 全世界のオスプレイ飛行停止 “機体に問題あった可能性” | NHK | オスプレイ →日本政府がオスプレイの飛行停止を求めたが、なんとオスプレイが屋久島沖に救難活動をしに来た。「飛行停止」の一報を聞いて、「日本政府が頑張った結果か」と思ったが、「機体に問題がある」という米軍独自の判断のようだ。治外法権のような日米地位協定は改め、対等関係にすべきだろう。ドイツは米軍との関係を交渉で変更したという。「ポチ」の日本はせめて、時に言うことを聞かないネコの「ミー」にはなりたい。
◎青葉被告に死刑求刑 検察側「類例なき放火殺人」―弁護側は無罪主張・京アニ公判結審:時事ドットコム (jiji.com) →予想通りの死刑求刑だが、「心神喪失で無罪」という弁護側の主張は違和感が残る。心神喪失であれだけの犯行ができるのだろうか。空前の死者を出して無罪はありえないだろう。精神状態が不安定だったと情状酌量を求めた方が、裁判官の心証もいいはずだ。
◎岸田首相 派閥離脱の意向表明 “離れるのが適切な対応” | NHK | 政治資金 →政治とカネで後手に回る岸田首相。派閥会長にとどまったのは、ライバル林芳正前外相への世代交代を防ぐためと言われていた。次期会長はどうするのだろうか。女性首相候補の上川陽子外相も岸田派だ。
◎岸田首相 “旧統一教会との面会 当時誰かは承知せず 認識は不変” | NHK | 旧統一教会 →岸田首相はかなり頑固なようだ。「記憶はないが、旧統一教会の関係調査を命じた立場を考えると、結果として適切とは言えない。申し訳ない」と言えばいいのだが、プライドもあって謝れないのだろう。不本意でも、謝罪で局面転換するのは政治家の仕事だ。
◎JRA 初の女性調教師が誕生 5回目の試験で合格 | NHK | 競馬 →ジェンダー平等の歯車がまた一つ回った。地方競馬にはすでにいるというので、中央競馬が保守的だったのだろう。どんな人だろう。今後の活躍が楽しみだ。
*** 「今日の名言」
◎落合博満(元プロ野球選手。12月9日は70歳の誕生日)
「いいんじゃない、うんと苦しめば。そんな簡単な世界じゃないよ」 「志の低い人間は、それよりさらに低い実績しか挙げられない」 「野球選手というのは、成績とか、タイトルを幾つ取ったかで評価されるもんじゃない。お金で評価されるんです」 「信じて投げて打たれるのはいい。一番いけないのは、やる前から打たれたらどうしようと考えること」 「どうやってこのチームを強くするしか考えていない。預かった以上は、俺のやり方でやる。周囲の声は、俺には関係ない」 「基本に忠実に、普通のことを普通にさせた。見る方はつまらないかもしれないが、それが上達の一番の近道」 「俺、負けたからっていちいちしょげていないからな」 「しょうがないと思うだけでは、しょうがないだけの選手で終わってしまう」 「精神的なスランプからは、なかなか抜け出すことができない。根本的な原因は、食事や睡眠のような基本的なことにあるのに、それ以外のところから原因を探してしまうんだ」 「働き場を与えれば、人は動く」 「本当にその選手を育てたいと思ったら、この試合はおまえに任せた、と言ってやるのが大切」 「一番ブーイングを受ける場所、一番嫌な役割っていうのは、監督がしなきゃいけない」 「代打で始まった俺の野球人生。最後も代打で終わりたい」
*** きょうの教養 (日米開戦の書籍⑤)
◎「昭和陸軍秘録 軍務局軍事課長の幻の証言」(西浦進、日本経済新聞出版社、2014年) 西浦進は陸軍大佐で終戦を迎え、戦後は防衛庁の初代戦史室長となった。明治34年生まれだから、昭和天皇と同年にあたる。陸軍士官学校では秩父宮が同期だった。西浦には「昭和戦争史の証言 日本陸軍終焉の真実」(日経ビジネス人文庫)という著書もあるが、書く時には筆に抑制がきいてしまう。しゃべりだと座談の味が出て脱線気味となり、陸軍官僚の内実がよくわかる。
陸軍省軍務局という中枢に長く務めた政治官僚で、多くの陸軍軍人に仕え、予算班でお金も扱ったので秘話は多い。「自分で本当の一銭一厘まで出し入れをやったのは、機密費と演習費です。満州事変当時の機密費は全部で14万円だったが、のちには膨大な臨時軍事費で億を超す。東條英機陸相は下に任せず、機密費は絶対に離さなかった」という。西浦は東條が首相兼陸相となった時、陸相秘書官に任命される。
「陸相と首相の兼任は、陸軍の考えではなくて、宮中からの考えではないですか。最初、私なんかも総理大臣が陸軍大臣を兼ねているなんてけしからんという考えだったのですが、陸軍大臣をやめてしまった陸軍大将の総理大臣に陸軍というものは決してつきませんからね」「東条さんは総理大臣兼陸軍大臣で張り切っているのですよ。朝誰も出勤しない時に陸軍省に出勤しているのです。朝7時から7時半ごろにですね」「大臣の議会での演説の草稿とかくると、一応やっぱり秘書官が全部見ます。東條さんは誤読を平気でするので、難しい漢字にはカナをつけたりして、いろいろ裏の努力をします」。聞き取りは、「木戸日記研究会」という東大の教授陣が中心で行われた。西浦が仕えた十数人の陸相のうち、一番聡明だったのは畑俊六だったという。人物の評価はかなりあけすけに話されている。