悪い習慣(2023年4月3~7日)
*** きょうの教養 (悪い習慣①他人と比較)
今週は「捨てるべき40の悪い習慣」という本から紹介します。著者は米国公認会計士でコンサルタントの午堂登紀雄さん。自己啓発書の一種ですが、サラリーマンの悩みに答えています。どう思うかは皆さん次第ですが。
「他人との比較意識を捨てる」 ▼捨てられない人は「無駄なエネルギーを大量消費する」 ▼捨てられた人は「自分が幸せになるための行動に集中できる」
「あの人は高級外車を買った」「お隣さんは海外旅行に出かけた」と他人と比較ばかりして心が穏やかでなくなる人がいる。言いようのない敗北感や挫折感に襲われる人もいる。焦ったりイライラしたり、不愉快になったり落ち込んだりという無駄なエネルギーを大量消費することになる。それでは前向きなモチベーションや行動は生まれず、時に人の足を引っ張ることになる。
どうすればいいのか。一つの方法は、自分の価値観と判断を尊重することだ。自分自身の幸せの基準という「軸」が必要になる。自分は何に幸福感を覚えるのか。軸が強いほど、他人の状態を「自分の価値観とは違う人」とスルーできる。
私は成功の条件として「自由」を目指している。経済的、時間的、精神的、人間関係、場所の自由だ。だから、他人が高級車を持つことは自分の自由とは関係ない。自分より自由な人を見ればうらやましくなるが、「どうやっているのだろう」と調べる。これはプラスの影響になる。
*** きょうの教養 (悪い習慣②忙しいの口癖)
「忙しいを捨てる」 ▼捨てられない人は「環境の変化に気づかない」 ▼捨てられる人は「俯瞰力と業務処理力が高まる」
「忙しい」という人はたいてい見栄っ張りだ。遅れた言い訳で「ちょっと忙しくて」という人が信用を失うのは、「自分に夢中で、相手はどうでもいい」という自己中心的な気持ちを見透かされるからだ。
つまり、「忙しい」は自信のなさ、見栄にすがりつく自己中心的な発想を露呈する恥ずかしいセリフだ。「忙しい」と言ってあわただしい気分になると、社会や業界全体というマクロから、自分の回りの取引や家族のミクロまで、変化に気がつかなくなる。
常に「まだヒマだ」言い聞かせよう。二つの効果がある。一つは自分への言い訳を排除し、「この分量をどうやったらうまくこなせるか」という発想になる。優先順位を考えて、やれる方法を探すようになる。もう一つは、脳の思考領域に余裕ができる。「あれもこれも」という心理的パニック状態から、一歩引いて冷静になることができる。自分で仕事をコントロールしている感覚を持てるようになる。周りからは安定感のある人間とみられる。
「忙しい、忙しい」とバタバタしている人より、「僕がやりますよ」という人の方が「デキる」と感じられる。結果として、上司や部下から頼られるようになる。
*** きょうの教養 (悪い習慣③友達とつるむ)
「友達を捨てる」 ▼捨てられない人は「突き抜けた結果が出せない」 ▼捨てられる人は「自分を成長させる人と出会える」
ビジネスで成功している人の中には「友達は少ない」という人が少なくない。根底にある強烈な目的達成意識が、ただの友達を必要としない理由があるようだ。周りのオーナー経営者の多くは、学生時代の同級生とは疎遠だという。古い友人との話題は昔話で、興味はないようだ。旧交を温めることは悪いことではないが、頻繁につるんでいると、同じ昔話の繰り返しで、何ら生産性がない時間になる。
愚痴を聞いてくれる友人は貴重だ、という意見があるが、それは自らの感情をコントロールできず、自分のガス抜きをできない人、一人で問題解決できない人だ。逆境やストレスに弱く、自分で自尊心を維持できない人だ。しかし、結果を出す人は、愚痴を聞いてもらう必要がない。思い通りにならなくても、次の策を考え実行することの方が、優先順位が高い。
「経営者が孤独」と言われるのは、自分で考え決断するからだ。その強さが、自己責任としてすべて引き受け、目的を達成しようとする原動力になる。成功している社長ほど、一人で考える時間を確保する。一人でいればこそ、自己を内省し、次の動き方や戦略を組み立てることができる。
*** きょうの教養 (悪い習慣④否定語)
「否定語を捨てる」 ▼捨てられない人は「優秀な人が遠ざかり、そうでない人が寄りつく」 ▼捨てられた人は「目的達成を助けるポジティブ思考が身につく」
「自分には無理」「リスクが高すぎる」「やっても無駄」「くだらない」。こういう言葉が口癖になっている人がいるが、今すぐ「否定語」はやめよう。引け上げてくれる人や助けてくれる人を遠ざけるからだ。否定語ばかりの人を助けよう、支援しよう、新しいビジネスを持ちかけようという人はいないでしょう。
「無理」「無駄」と思った瞬間に、脳はそれ以上深く考えることを止めてしまう。どんなに可能性があっても課題を解決する方法を探さなくなる。
例えば海外移住を考えてみよう。無理だと思えば、考えることを止めてしまう。しかし、ネットで「国名+不動産」を検索すれば、たいていの国に不動産業を営んでいる日本人はいる。ビザや教育環境も同じようにわかる。求人サイトを見れば日系企業の現地法人に就職することもできる。
自らの脳をフル回転し、情報を探し、可能性を論理的に詰めていく。そうすれば達成を阻害する要因が明確になり、それを排除するアイデアも思いつく。否定語は自らの可能性を摘んでしまう恐ろしい言葉だ。
*** きょうの教養 (悪い習慣⑤人脈作り)
「人脈づくりを捨てる」 ▼捨てられない人は「結局、人脈ができない」 ▼捨てられた人は「必要な人脈が自然にできる」
人脈が重要なことは言うまでもない。仕事もチャンスも人がもたらしてくれるからだ。異業種交流会もたくさん開かれているが、人脈作りためだけに時間とお金をかける必要はない。
私もかつて、無理に人間関係をつくろうとしたが、次第に疎遠になった。その後、自分の仕事がうまくいくと、付き合いは自然に広がった。目の前のことに必死で取り組んでいれば、必要な人や情報は舞い込んでくる。中途半端では、誘いは来ないが、ある世界でインパクトを与える実績があれば、相手もメリットを感じる。
他人が「知り合いになりたい」と感じ、具体的なメリットを感じるような実績がまず必要なのだ。人脈をつくるには、いったん「人脈づくり」を捨てて目の前の仕事に取り組み、成果を出すことだ。
サラリーマンなら、社外人脈ではなく、社内人脈を大切にした方がいい。他部門との信頼関係があれば多少無茶な案件でも受けてくれる。上司が自分を応援してくれなければ、自分の企画は通りにくい。実績を上げ続ければ、名前は社外にも広がり、人の輪は増えていく。