1月22~26日(教養講座:本気の文章上達法)

2024.01.26メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2024年1月22日号(転送禁止)~~~

お知らせ→きょうの日経新聞1面に自著「本気の文章上達法を教えます」の広告が出ました。

HPにアップしました→ 地震国のトイレを考える 天声こども語紀行⑧ – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)

***デイ・ウォッチ(19~21日)

自民 麻生派などの対応が焦点 岸田派に続き安倍派・二階派も解散 派閥の政治資金パーティー問題 | NHK | 政治資金 →岸田首相は、岸田派、茂木派、麻生派の3派に支えられてきた。今回は茂木氏と麻生氏と相談せず、岸田派の解消を決めた。世論を強く意識した決断で、両派と距離を取った。岸田首相の特徴は、信義より自らの権限維持を最優先することだ。攻めは弱いが、守りは極めて粘り強く、時に過去と決別して決断する。21日夜には麻生氏と会食し、今後について意見調整したが、きょう以降、自民党内の駆け引きが激しくなりそうで注目。

JAXA 探査機SLIM「月面着陸に成功」太陽電池は機能せず【詳しく】 | NHK | 月面着陸 →久しぶりの明るいニュース。月面着陸は、旧ソ連、米国、中国、インドに次いで5カ国目。月への着陸は火星より難しいとされ、今世紀になって先の5カ国とイスラエルが挑戦し、成功率は40%と高くない。ただ、太陽電池が機能しておらず、調査活動は困難。JAXA所長は「ぎりぎり合格の60点」と渋さも。

東京・八王子市長選 自民・公明推薦の初宿氏が初当選|NHK 首都圏のニュース →八王子市は安倍派幹部・萩生田氏の地元。「萩生田帝国」とも呼ばれ、裏金問題で注目された。出口調査では立憲など推薦の野党系候補が優勢だったが、期日前投票で公明党支持者の投票が多かったとみられ、与党系が勝った。大津市長選でも与党系が勝ち、裏金問題の影響は大きく出ていない。

サッカー 日本がイラクに敗れる アジアカップ1次リーグ第2戦 連勝記録も「10」で止まる | NHK | サッカー →国際試合での敗戦は昨年3月以来。アジアカップで1次リーグの黒星は初という。イラクの気迫に屈した。次のインドネシ戦に勝って決勝リーグに進めば、初戦は韓国が相手になる可能性が高い。森保ジャパンは早くも正念場だ。

長野、大会新で3連覇 最多10度目―全国都道府県男子駅伝:時事ドットコム (jiji.com) →都道府県対抗で地方の中規模県が3連覇もするのは珍しいのではないか。佐久長聖高の現役とOBが活躍した。同校は高校駅伝でも優勝しており、佐久長聖あっての長野県という印象だ。被災した石川県は最下位の47位だったが、大きな拍手が送られた。

*** 「今日の名言」

◎ジョージ・オーウェル(英国の作家。1950年1月21日死去、46歳)

「生きるためにはしばしば戦わなければならないし、戦うためには手を汚さなければならない」 「戦争は悪だが、ときにはもっと大きな悪もある。剣を執る者は剣によって滅びるが、剣を執らない者は業病で滅びる」 「愚かな所業さでさえ、全体主義よりはましである」 「ほぼ確実に我々は全体主義的独裁制の時代に入っていこうとしている。思想の自由はまず初めに死に値する罪であり、やがては無意味な抽象概念になってしまうであろう。自律的な個人はその存在を抹殺されるだろう」 「現代の世界では、インテリと呼べるほどの人間ならだれしも、政治に関心を持たないという意味で政治に関わらないでいることはできない」 「何かが可笑しいのは、既成の秩序をひっくり返す時である。冗談はすべて、ささやかな革命である。ユーモアを一言で定義するなら、権威のある人が鋲の上に尻餅をついたところだと言えばいいだろう」 「自由とは、人の聞きたがらないことを言う権利である」 「左翼の考えの多くは、火が熱いということすら知らない者たちの火遊びのようなものだ」 「よくある修辞や隠喩は使うな。短い語で十分なら長い語は使うな。一語でも削れるなら削れ。外来語や専門語はできるだけ使うな」

*** きょうの教養 (本気の文章上達法①)

「本気の文章上達法を教えます」(セルバ出版)を今月から書店とネットで販売している。長谷川キャリア文章塾のノウハウや考え方を披露したものだが、全部で5章ある。各章のポイントについて、「過剰なネタバレ」にならない範囲で紹介する。スポーツの実技は練習で上達するように、作文もたくさん書くことでうまくなる。 本気の文章上達法を教えます | 長谷川 智 |本 | 通販 | Amazon

◎第1章「プロフェショナルなコミュニケーションのための文章術」

この章はいわば「総論」だ。ノウハウ流行りの世の中だが、物事はまず俯瞰的に見たい。まず生成AIのチャットGPTを使って「文章とは何か」を考察した。生成AIは文章作りに威力を発揮するが、逆にその機能を利用して物事を考えることもできる。

「文章とは何か」「文章の機能」「文章の種類」を順に聞いた。出てくる出てくる、大いに参考になる。ちょっと読んだだけでは、似たような内容に思えるが、よく分析していくと、キーワードが浮かんでくる。このキーワードを意識して書いていけばいいのだ。

「文は人なり」という言葉も考察する。フランスの博物学者ビュフォンの言葉だが、文章は人格に由来し、人格から生まれる独自性が重要といえる。志賀直哉やヘミングウェイの文章を引用しながら考えていく。

「正解主義からの脱却」も訴えた。日本人は受験勉強の悪弊で、何にでも正解があり、探そうとする。しかし、文章に「正解はない」。というより、「たくさんある」。絵は自由に描けばいいように文も自由に書けばいい。正解にこだわる必要はない。一例として、20世紀初頭のモダニズム文学を紹介した。ジェイムズ・ジョイス、ヴァージニア・ウルフらの文章を引用しながら「意識の流れ」と呼ばれる新しい手法を追求した人たちだ。その熱意に触れ、文章は豊かな可能性をはらんでいることを知る。

その延長線上で当塾の2つのステップを解説する。まずは「基本ルールの習得」、次に「知識・教養の蓄積」である。いい文章を書きたいという意欲は、この2つを意識して努力する生き方そのものでもある。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2024年1月23日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(22日)

能登半島地震3週間 健康保つ支援が課題 住宅再建に心配の声も | NHK | 令和6年能登半島地震 →JR七尾線の金沢と七尾間が開通するなど、3週間でやっと復旧への光明も見られるようになった。同じ日本人として、通常の生活さえできない人がいるのは心が痛む。一刻も早い復旧・復興と、将来の教訓になる情報発信を期待したい。

志賀原発 能登 地震で何が?現状は?詳しく 火災や爆発音って…北陸電力の情報発信に大きな課題 | NHK | 各地の原発 志賀原発 完全な復旧には半年以上かかる見通し トラブル続く | NHK | 各地の原発 →志賀原発の影響分析はなお道半ば。情報公開の混乱も課題だ。日本では原発再稼働に関心が集まるが、世界では再生エネルギーが主流で原発はマイナー。原発にこだわる日本の電力会社のモデルも時代遅れという指摘がある。

自民 政治刷新本部 法令違反の派閥に解散や活動休止要求へ | NHK | 政治資金 自民党有志議員 派閥の全廃など求める新たな議員連盟を発足 | NHK | 政治資金 →自民党は派閥解散を打ち出さず、政治資金規正法の改正を重視する方向だ。1990年代には選挙権を持たない企業・団体の献金は政策や社会をゆがめるという根本的な問題提起があったが、自民党に廃止する気はないようだ。国会では企業献金の是非を議論すべきだろう。

松本人志さんが文芸春秋を提訴 「性加害の事実ない」と代理人弁護士:朝日新聞デジタル (asahi.com) →性加害や性的強要はないと提訴したが、ホテルに集められた女性が被害を訴えている段階で、芸能人としてはアウトだろう。「事実無根」と対決姿勢を示した初動もよくない。法的責任以上に社会的責任は大きい。社会の価値観もここ数年で急激に変わった。最低限、謝罪と謹慎だろう。

ハマス、イスラエル奇襲を正当化 人質交渉、数日内に再開か:時事ドットコム (jiji.com) →人質交渉の気運が出てきた。バイデン大統領とネタニヤフ首相がほぼ1ヶ月ぶりに電話会談したというが、アメリカはもっと圧力をかけて2国家共存を実現すべきだろう。人質開放はその糸口、前提になる。

*** 「今日の名言」

◎高田純次(コメディアン、俳優。1月21日は77歳の誕生日)

「ごめんなさいね、いい男で」 「やっぱり人間は難しいことに挑戦したほうがいいよ。俺は嫌だけど」 「毎年目標を聞かれると、ただ生きると答えています。これが僕の哲学、目標ですよね」 「俺は今を大事にしてるから、過去のことも未来のこともまったく考えてないんだ」 「上司は部下に悪口を言われるためにいるんだよ」 「俺はこんなことを言いながら、世の中の人に希望の光を与えてるんだ」 「愛人とベッドと別荘は人が持ってるとうらやましいけど、自分が持つと大変なんだ」 「苦手な人は受け流しちゃうな。だから、ストレスはゼロ」 「俺は寝ている時は、真面目だよ」 「俺が好きな言葉は、木も見ず、森も見ず、だよ」 「僕だって、なぜ自分がちょいと成功しちゃったのかなんてわからない。人並みの努力をしたかといえば、そんなことまったくない。ただ一つ、他人よりも少しだけ楽しく生きようと思っていたかもしれません」 「いいことばかり続くわけがないんだ。言い換えれば、悪いことばかりが続くわけでもないということ」 

*** きょうの教養 (本気の文章上達法②) 本気の文章上達法を教えます | 長谷川 智 |本 | 通販 | Amazon

◎第2章「文章スタイルの基礎知識(初級8か条)」

この章からノウハウに移る。当塾では受講生に「文章の極意」という40ページ程度のテキストを配っている。初級8か条を最初に紹介しているが、本ではそれぞれについて、詳しく解説した。8か条そのものは大げさに言えば「企業秘密」でもあり、すべてをここで紹介するわけにはいかない。文章に関する本はたくさんあり、重なる部分も少なくない。力点をどこに置くかで違いが出る。

当塾が初級編で特に強調しているのが「わかりやすく、簡潔に」である。スッキリとしたスリムな文章は、明確な情報を伝達できる。そのために重要なポイントがある。一例を上げれば、「1文の長さは最大60字」というルールだ。世の中にわかりにくい文章は多くあるが、最大の要因は1文が長く、何を言いたいのか、途中で錯綜することだ。書き慣れない学生や社会人に文を書いてもらうと、多くは長過ぎる。

文が長いと、主語と述語がいくつも出てきたり、言いたいことが3つも4つもあったりする。書いた人にしか意味がわからないことも少なくない。文章は情報や意志の伝達手段なので、相手に通じなければ意味がない。相手の立場に立って書くことが必要になるが、抽象的に指導しても効果は限られる。「1文60字まで」のルールを機械的に適用することで効果が出てくる。短い文章を徹底すると、書き手の中でも物事の考え方に変化が生まれてくる。思考の化学反応といってもいい。おもしろいように文章が上達することも少なくない。

もう1点紹介すると、接続詞はなるべく使わないルールだ。書き手の思考の流れに沿って、「そして」「また」「したがって」「だから」などを使いがちだ。書きたい気持ちはわかるが、多くはなくても意味が通じる。最小限の接続詞は文章を引き締める。接続詞を一切使わないで書く指導を時にするが、意味は十分に通じる。冗長な文章を避ける強力なルールだ。第2章では以上のような8か条の初級ルールを詳しく紹介している。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2024年1月24日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(23日)

東北、上越、北陸新幹線が終日運休 架線トラブル停電、広範囲影響―復旧作業員2人けが・JR東:時事ドットコム (jiji.com) →東日本の交通が終日混乱した。架線が垂れ下がったが、理由ははっきりしない。感電事故もあった。最近では珍しいトラブルだ。24日は朝からほぼ通常通りの運転のようだが、原因究明と再発防止が問われる。

米大統領選 共和党 ニューハンプシャー州の予備選投票始まる | NHK | アメリカ大統領選 →日本からみれば、ヘイリー元国連大使の健闘を期待したいが、難しそうだ。トランプ氏が強い中西部はもともと海外への関心が薄い。自分の生活優先で、世界がどうなるかは考えない。民主党は労組を基盤としたが、今はエリート政党とも見られている。全米のアンチ・エリート層がトランプ支持に結集している。

自民 政治刷新本部の中間とりまとめ あす決定へ | NHK | 政治資金 →派閥はカネと人事から決別し、政策集団にするという方針だ。親分を首相にすることをやめるわけだが、いずれ先祖返りする懸念も強い。政治資金規正法改正では最低限、連座制の導入が必要だ。そもそも与野党が拮抗していれば、こうしたおごりも緩みも生まれなかった。

植田日銀総裁、2%物価「確度高まる」 マイナス金利解除「是非」検討―決定会合、大規模緩和維持:時事ドットコム (jiji.com) →日銀のマイナス金利解除は「4月」の見通しが強まった。過去に早めの解除で景気にマイナスとなり、批判を受けたトラウマがある。市場の催促に押されるムードをつくっているようだ。株高に続いて春闘の大幅を賃上げが確定してから解除するシナリオだ。

安倍元首相銃撃 2回目の「公判前整理手続き」山上被告も初出席 | NHK | 安倍晋三元首相 銃撃 →いつまで公判前手続きをやっているのだろうか。現行犯なので、犯罪自体はシンプルだ。背景に旧統一教会の存在があるが、安倍元首相との関係が公判で語られるのを避けたいのだろうかと忖度してしまう。

*** 「今日の名言」

◎新島襄(同志社大学創設者1890年1月23日死去、46歳)

「我が大学の門戸は広く開け、我が大学の空気は自由なり」 「私の胸中には一点の曇りもない」 「天を怨まず、人をとがめず」 「この世にあっては、目的を持て。その目的のために働こう。目的のない人は、命のない人だ」 「常に誠実、かつ真実であれ。大胆に自信をもって発言、行動せよ」 「諸君の議論に、愛の油を加えよ」 「世の中すべて気魄、仕事にして気魄の強き者が最後の勝利を得るにいたるなり」 「男子たるものは、1度戦って負けてもやめてはならない。2度目、3度目の戦いのあとでもやめてはならない。刀折れ矢尽きてもなお、やめてはならない。骨が砕け、最後の血の一滴まで流して、初めてやめるのだ」 「労働は人生の良薬である。苦難は青年の事業を成すための階段である」 「彼女(妻の新島八重)の見た目は決して美しくはありません。ただ、生き方がハンサムなのです。私にはそれで十分です」 「我が校の門をくぐりたるものは、政治家になるもよし、宗教家になるもよし、実業家になるもよし、教育家になるもよし、文学家になるもよし、少々角あるも可、気骨あるも可。ただ優柔不断にして安逸を貪り、姑息の計を為すが如き軟骨漢には決してならぬこと、これ予の切に望み、ひとえに希うところである」 

*** きょうの教養 (本気の文章上達法③) 本気の文章上達法を教えます | 長谷川 智 |本 | 通販 | Amazon

◎第3章「ビジネス文書の効果的な作成方法」

文章にはいろいろな種類がある。小説やエッセー、コラムもあるが、この本は主に社会人を対象にしている。社会人の書く文書は、広くビジネス文書といえる。凝った表現や華麗な言い回しより、正確な内容が求められている。第3章では特に、日常のビジネス文書、ビジネスメール、ウェブライティングを解説した。

日常のビジネス文書は、目的によって「報告」と「提案」に分かれる。それぞれの注意事項を説明したが、「魂をどれだけ入れるか」という項目を設けた。ビジネス文書と魂の関係は唐突かもしれないが、ビジネスはすべて利益に関係する。利益は簡単に生まれるわけではないので、「魂」が重要になる。日本経済の低迷が続いているが、一因は日本のビジネスパーソンの魂の弱さ、思いの弱さにあると考えている。きれいな戦略や間違いのない計画ばかり追求していないだろうか。これまで中国企業の躍進が目立ったが、中国のビジネスパーソンには、些細なことにこだわらないアニマル・スピリッツが顕著だ。魂を忘れてはならない。

ビジネスメールは、新入社員ら若い人にとって最初の難問である。メールは情報や意志の伝達によってビジネスを前進させる一手段に過ぎないが、手段が目的化することがある。どう書いていいかわからないので、過剰に丁寧になり、メールを書くために多大の時間を使うことになりかねない。ビジネスは本質的なことで努力すべきだが、本末転倒になってしまう。ここでも「ビジネスメール8か条」を示した。一定のルールを前提にし、臨機応変に対応できる社会人になって欲しいという願いを込めた。

ウェブライティングは、主にネット用の文章である。最大の特徴は、「読んでいる人がつまらないと思えば、読むのをやめてしまう」ことにある。その他のビジネス文書は、おおむね読んでくれるが、ネットではそうはいかない。そのためには一定のノウハウがある。文章は短く、魅力的にし、訴求力を意識することである。検索エンジン適正化対策(SEO)もある。基本を解説した。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2024年1月25日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(24日)

名神高速 関ヶ原IC付近の立往生 すべて解消 発生から約19時間 | NHK | 気象 →今年も雪による車両の立ち往生が起きた。しかも大動脈の名神高速。天気予報で事前の準備ができなかったのか。立ち往生のメカニズムを解明すれば、対策はできるように思うが、どうだろうか。19時間で解消したが、前日のJR東日本の新幹線事故に次ぐ大きなトラブルだ。

野党4党 自民派閥からキックバック議員 役職の辞任要求で一致 | NHK | 政治資金 自民 末松信介 参院予算委員長が辞任意向 政治資金問題で | NHK | 政治資金 →久しぶりの野党共闘。安倍派議員らの「おざなり釈明」を聞けば、当然だろう。審議への影響を恐れて自民党も役職をはずす方向だ。野党がバラバラでは自公の与党を倒せない。「政治改革救国政権」とでも銘打って、団結すべきだろう。旧民主党政権の失敗をしっかり総括し、「今度はしっかりやります」と初心に帰って出直したらどうか。政治の緊張感こそ国民の利益だ。

物価高に負けない賃上げ焦点 経団連会長「企業の責務」―春闘事実上スタート:時事ドットコム (jiji.com) →政府も経団連も支援する労組の春闘。賃上げが今ほど国民経済に恩恵を与えるという局面は前例がない。労組は自ら戦わなければ勝ち取れない。

トランプ氏、連勝で指名近づく ヘイリー氏は撤退否定―共和ニューハンプシャー州・米大統領選:時事ドットコム (jiji.com) →トランプ氏が勝ったが、10ポイントあまりの差をどうみるか。メディアではトランプ氏の独走が固まったとみているが、米国人の良識を信じて、「ヘイリー推し」でもう少し見守りたい。

サッカー アジア杯 日本がインドネシアに3対1で勝利 決勝T進出 | NHK | サッカー日本代表 →これからの決勝トーナメントが正念場だ。

NHK、青井実アナを厳重注意 許可を得ずに親族企業から役員報酬:朝日新聞デジタル (asahi.com) →「ウオッチ9」アナウンサーの青井氏が、あいさつもなく突然降板した。フリーになってフジテレビのニュース番組に転身することに加え、無許可で親族企業から報酬を得て処分されていた事情もあった。小売業のマルイ創業者一族で、ビジネスマインドが旺盛だったか。

*** 「今日の名言」

◎ウィンストン・チャーチル(英国の首相。1965年1月24日死去、90歳)

「悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見いだす。楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見いだす。私は楽観主義者だ」 「民主主義は最悪の政治形態のようだ。ただし、これまで試されたすべての形態を別にすれば」 「日々正直に行動することが、成功に達する最も確実な道である」 「人を感動させるには、自分が心の底から感動しなければならない」 「金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことはすべてを失う」 「大切なことは、力のない人の言葉が認められることである」 「完全主義では、何もできない」 「先を見すぎてはいけない」 「不利は一方の側にだけあるものではない」 「私が義務感と信念に基づいて行動している限り、いくら悪口を言われようと何ともない」 「あらゆる犠牲を払い、あらゆる辛苦に耐え、いかに長く苦しい道程であろうとも、戦い抜き勝ち抜くこと、これであります」 「愉快なことを理解できない人間に、世の中の深刻な事柄がわかるはずがない」 「過去をより遠くまで振り返ることができれば、未来もそれだけ遠くまで見渡せるだろう」 「復讐ほど高価で不毛なものはない」 「資本主義の欠点は、幸運を不平等に分配してしまうこと。社会主義の長所は、不幸を平等に分配することだ」 

*** きょうの教養 (本気の文章上達法④) 本気の文章上達法を教えます | 長谷川 智 |本 | 通販 | Amazon

◎第4章「読みやすさと引き込まれる文章のつくり方(中級8か条)」

第2章と第3章は、ノウハウ編だった。ノウハウは類書にも載っているが、第4章は知識と教養を意識して引き込まれる文章を作ろうという狙いである。第1章、第5章とともに本書の特徴になっている。文章をレベルアップするには、ルールやノウハウを超えた知識や教養が必要になる。「中級8か条」と名づけたが、大げさに言えばこれも「企業秘密」なので、すべてを紹介することはできない。その一つである「古今東西の視点を大切にしよう」を解説したい。

「古今」は昔と今で、歴史という「時間」になる。「東西」は単純に言えば東洋と西洋だが、世界規模の地理という「空間」である。「時空」を自由に駆けめぐる文章は、それだけでスケールが大きくなる。作家の司馬遼太郎は小学生向けに書いた「21世紀を生きる君たちへ」という文章で、歴史について「これまで生きてきた人たちの人生そのもの」と書いている。人類の集大成が歴史なのだ。「教養とはこれまで生きてきた人が考えてきたことのすべて」という人もいる。こうした要素を文章に取り込むことで、深みや厚みが増す。

具体的な手法の一つとして、偉人や著名人の言葉を引用する書き方がある。自分が地の文で理屈を書くより、誰かの言葉を引用した方が、説得力を増すことが多い。そのためには多くの言葉を知っておく必要がある。知っていなくても調べて引用する書き方を知っておきたい。図書館に行ったり、ネットで調べたりすれば、名言集をたくさん見つけられる。

中級編のノウハウは、個人の内面や精神的な充実に関わる内容が多くなっている。これらは一朝一夕には身につかない。出口治明さんは「本と人と旅」を提案する。日頃から心がける必要があり、それぞれの生き方に関わってくる。

~~~ 長谷川塾メルマガ 2024年1月26日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(25日)

京アニ放火殺人事件 青葉真司被告に死刑判決 京都地裁 | NHK | アニメ会社放火 →予想された死刑判決。弁護側は心神喪失で無罪を主張したが、36人も死亡する事件で適切な判断だったか。裁判での主張は自由だが、父親に虐待された被告の環境で情状を訴えたほうが、事件の教訓を社会に発信することにならなかったか。弁護側は判決後、会見もしていない。

自民 政治刷新本部 中間とりまとめ決定“カネと人事から決別” | NHK | 政治資金 自民 小渕選挙対策委員長が茂木派退会意向「政治姿勢示す」 | NHK | 政治資金 →自民党が中間取りまとめを決めたが、国会議論でのりしろを残すかのように、連座制導入を明記せず、公開基準も5万円超と甘い。やってる感がうまい自民党のお家芸か。野党は国民の批判をバックにした共闘で徹底した改革に圧力をかける。野党も正念場だ。

岸田首相 4月10日にアメリカへ ホワイトハウス発表 国賓待遇で | NHK | アメリカ →訪米を調整していたが、4月10日に決まった。国賓待遇で、2015年の安倍首相以来という。実質より形式を重んじる岸田首相のメンタリティなら「これでいつ辞めてもいい」と考えそうだ。

政府税調会長に日本総研・翁百合氏 物価を上回る賃金に – 日本経済新聞 (nikkei.com) →ジェンダー平等の歯車がまた回った。日銀出身の63歳。経済界では知られた存在だった。自民党税調は利害調整で影響力があり、政府税調は中長期の視点からあるべき姿を発信する意味がかつてあった。しかし、最近は目立たない。あるべき論を忖度せず語るべきだろう。

損保ジャパンに業務改善命令 親会社SOMPOも、「企業文化」是正を―ビッグモーター問題で・金融庁:時事ドットコム (jiji.com) →金融庁は営業成績の重視、悪い情報が報告されない企業文化が歴代社長のもとでつくられたと指摘した。責任をあいまいにしてきた桜田謙悟会長は26日記者会見する。経済同友会代表幹事も努めた人物だが、ぐずぐずしていたので、発言に注目が集まっている。

東京23区の新築マンション価格、初の1億円超 23年平均 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →「億ション」が当たり前になった東京の異常。共稼ぎで、そこそこの給料を稼ぐ「パワーカップル」の存在が大きいという。東京一極集中がさらに進み、地方との格差が広がっている。

*** 「今日の名言」

◎藤沢周平(小説家。1997年1月26日死去、69歳)

「普通が一番」 「謝るときは、素直に非を認めて潔く謝る」 「派手なことは嫌い、目立つことはしない」 「自慢はしない」 「普通の生活を続けていくことの方が、よっぽど難しいことなんだよ」 「どうせ人生の本質はつらく、人間は孤独なぐらい百も承知している」 「飯の糧にならないことが、心の糧になる」 「昔は群れの中の1匹の羊であるより、孤独なオオカミでありたいとひそかに思った男たちが、あちこちやたらにいたような気がする」 「一人の平凡な人間もドラマを持っている。こういう人に興味を惹かれる」 「キラキラ光っているものはきらい」 「わしが精進しろ、はげめと口を酸くして言うのは、怠けていては己が真の才にめぐり合うことができぬからだ」 「8月15日の終戦のラジオ放送を、私は役場の控え室で聞いた。喜びも悲しみもなく、私はだだっ広い空虚感に包まれていた。しばらくして、これからどうなるのだろうと思ったが、それに答える人は誰もいないこともわかっていた」 「人間は後悔するようにできておる」

*** きょうの教養 (本気の文章上達法⑤) 本気の文章上達法を教えます | 長谷川 智 |本 | 通販 | Amazon

◎第5章「文章力の継続的な向上に向けて」

大切な要素は2つある。第1は自分が取り組んでいる分野や仕事に関心を持つこと。第2は文章そのものへの関心を持つことだ。仕事への関心は当然だが、深めていくことでいろいろな世界が見えてくる。さらに頭の2割くらいを別の業界や文化に関心を割けば、広がりが出る。

この章ではまず、谷崎潤一郎と三島由紀夫の文章論を取り上げた。谷崎は日本語の文章には、源氏物語派と非源氏物語派があるという。言い換えれば、和文と漢文である。柔らかい文と硬質な文を比べることで、文章への理解を深めていく。三島は「文章の最高の価値は気品と格調」と論ずる。吉行淳之介が選んだ各氏の文章論も紹介した。文章の正解が一つではない以上、人の数だけ文章論があると言っていい。多くの文章論に触れることで、感度が高まっていく。

識者の文章論ということで、中村明氏ら学者の見解、朝日新聞記者で長く天声人語を書いた辰濃和男氏のアドバイスにも触れた。辰濃氏の岩波新書「文章のみがき方」は、コラムを書こうという人には大変参考になる。「いい文章のいちばんの条件は、これをこそ書きたい、これをこそ伝えたいという書き手の心の、静かな炎のようなもの」としている。書きたいものを心でしっかりつかめば、静かな炎が必要な言葉を贈ってくれるという。こういう心境になるほど深く考えることが大切になる。

文章を書くには時事の知識が必要だが、最適のメディアは新聞だ。新聞の読み方を紹介し、語彙、歴史、制度への着目を提案した。教養の参考書として斎藤孝明治大教授の多くの著書を推薦し、最後は「地球・生命・人類に詳しくなろう」という柱を立てた。池澤夏樹氏の文を紹介し、人類の存在を脅かす問題に関心を持ちたいと呼びかけた。