2月5~9日(教養講座:類語ニュアンス辞典)
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***デイ・ウォッチ(2~4日)
◎米、親イラン武装組織に報復 シリア・イラクの拠点空爆―民間人含む34人死亡:時事ドットコム (jiji.com) イラン、報復攻撃を非難 反米勢力の支援継続へ:時事ドットコム (jiji.com) →危うい事態になってきた。アメリカはヨルダンで3人殺されたことへの報復としているが、34人も死亡した。イランも巻き込んだ戦いへのエスカレートも予想される。米国内には大統領選を控えて弱腰を批判する声もあり、慎重なバイデン政権も強硬化する可能性もある。世界を巻き込む戦いにはならないという保証はない。
◎前橋市長選挙2024 野党側新人の小川晶氏が初めての当選 与党推す現職破る | NHK | 選挙 次期衆院選で政権交代 泉氏、野党政権構想も提唱―立民党大会:時事ドットコム (jiji.com) →41歳の女性候補が無党派・野党系の票を集めた。4戦を目指して自民党と公明党が推薦した現職(64)は敗退。小渕恵三氏の秘書から県議、前橋市長に就任した人物だった。東京の武蔵野市や八王子市の市長選では与党系が勝ったが、今回は違った。裏金問題を引き金とした地殻変動を示しているのかどうか。京都市長選は与野党相乗りで非共産の松井氏が初当選した。
◎日鉄のUSスチール買収 “バイデン氏が反対姿勢後押し” 米労組 | NHK | アメリカ →日本製鉄のUSスチール買収は、日本企業で久々の海外企業の大型買収だ。トランプ前大統領に続いて、バイデン大統領も反対の意向を示したという。選挙戦という事情を割り引く必要はあるが、「経済安全保障」というあいまいな大義が幅を効かせ始めている。
◎アップル MRゴーグル型端末「ビジョンプロ」米で販売開始 MRやVR分野の市場拡大につながるか | NHK | IT・ネット →アップルの大型新商品。目や手の動き、声などで操作する。ゲームや映画など娯楽用が中心のようだが、利用者が使ってみないと、どこまで伸びるかわからない。本当に便利かどうかで決まりそうだ。
◎サッカーアジア杯 準々決勝イランに敗れ日本はベスト4ならず | NHK | サッカー →世界ランキング過去最高の17位で臨んだ森保ジャパンだが、苦い結果に終わった。期待が大きかっただけに落胆も大きい。性被害を受けたとして告訴された伊東選手が離脱したが、その影響もあったか。本番はワールドカップ。アジア予選を前にピッチ内外で貴重な教訓を得たと考えたい。
*** 「今日の名言」
◎カレン・カーペンター(米国の歌手。1983年2月4日死去、32歳)
「ハードロック全盛の時代に、私たちは出てきた。どこに行っても、ハードロックでした。でも、私たちは音楽を作る準備はできていました。それがとても上手くいったので、みんながびっくりしたと思う」 「私たちの最初のシングル『チケット・トゥー・ライド』は、中途半端なヒットだった。ある地域ではナンバーワンになったけど、ほかの地域ではくず扱いだった」 「私たちはむしろ普通の人になりたい」 「私はほかの何もコントロールできるわけじゃないけど、自分自身の体はコントロールしている」 「私たちのイメージは、ミッキーマウスのように変わらず維持することはできない。私たちは、ただの普通の人」 「私はすべて見逃してしまうのではないかと心配。結婚と母親になることよ」 「雨の日と月曜日はいつも私を憂うつにさせる」 「孤独と空しい日々が、私の唯一の友だち」
*** きょうの教養 (類語ニュアンス辞典①)
今週は「類語ニュアンス辞典」(中村明編著、三省堂)から、5つの言葉を選んで紹介する。日本語の豊かさについて、文学作品を交えながら解説する辞典だ。私の近著「本気の文章上達法を教えます」(セルバ出版)の178~179ページでも取り上げた。自分の名刺の肩書を考える時、迷った結果、「文筆家」にした。この辞典で「作家」の類語を調べ、「文筆家」の意味を確認した逸話だ。初回は「雪」。新沼謙治の「津軽恋女」では、「津軽には七つの雪が降る」(こな雪、つぶ雪、わた雪、ざらめ雪、みず雪、かた雪、春待つ氷雪)と歌われている。
◎【雪】 日本の代表的な冬景色となれば、「雪景色」だろう。「雪」と題する三好達治の詩は「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ」と始まる。雪には驚くほど多様な日本語が使われてきた。気温の低い時に降る乾いた感じの雪を「粉雪」、気温が高めの時に降る大きく膨らんだ雪は形の似た花に例えて「牡丹雪」(ぼたんゆき)、湿ってべとつく感じの雪を「べと雪」と呼びならわしている。泡のようにすぐ溶けてしまう雪が「泡雪」(あわゆき)。同音の「淡雪」は春先にうっすらと積もる雪を指し、春の季語となっている。「小諸なる古城のほとり」で始まる島崎藤村の詩で千曲川の旅情を詠んだ一節に「しろがねの衾(ふすま=布団)の岡辺、日に溶けて淡雪流る」とあるが、早春の感覚的な発見である。
降り積もった雪が春まで残るのが「根雪」、その上にふり被さったばかりの軽い雪を「新雪」と呼び分ける。細かに降る雪が「細雪」で、谷崎潤一郎の長編小説の題名ともなった。ごく細かな場合は、「粉米雪」(こごめゆき)と呼ぶこともある。
降る量に注目すると、大量に積もると「大雪」と呼び、一度に大量に降り積もると「どか雪」という。降り方に関係なく、大量に雪が降ると「豪雪」という漢語で呼び、「豪雪地帯」などと使う。反対に少しだけ降るのが「小雪」で、小雪が「ちらつく」とか「舞う」と使われる。中原中也の詩に「汚れちまった悲しみに/今日も小雪の降りかかる」とある。空が晴れているのに風が吹き始め、桜の花びらが散りかかるように見えるところから「風花」と呼ぶこともある。その冬になってまたは新年になって初めて降る雪が「初雪」で、物珍しい感じが漂う。小林一茶に「闇の世の初雪らしきぼんのくぼ」という句がある。うなじの真ん中の首にひんやりとしたものを感じ、触覚で雪をみるのである。
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HPにアップしました→ 輪島塗の底力 天声こども語紀行⑩ – 長谷川キャリア文章塾 (hasegawa-cwa.com)
***デイ・ウォッチ(5日)
◎東京23区全域に大雪警報 気象庁 交通への影響に警戒呼びかけ | NHK | 東京都 →東京に大雪警報で、NHKはじめテレビ各局は5日夕方から大々的に報道している。注意喚起は必要だが、被害も出ていないのに都内各地から中継までする必要があるのだろうか。冬は北日本を中心に全国各地で雪は降る。メディアの東京一極集中の弊害を感じる。
◎野党4党 国対委員長ら “自民党の提出資料は内容不十分” | NHK | 国会 自民 全所属議員にアンケート 来週早々に結果とりまとめへ | NHK | 政治資金 →野党が国会で久々に攻勢に出ている。調査は3年分、対象はすでに公表された98人、設問はたった2問だった。自民党の自浄能力はいかにも弱い。与野党のスタンスの差は大きく、どんなに調べても野党は納得しないだろう。自民党は引き伸ばして得意のうやむや戦略か。
◎ホンダ16年ぶり最高益 4〜12月1兆円規模、自動車回復 – 日本経済新聞 (nikkei.com) →二輪車頼りだったホンダで、四輪車が復活している。大胆なEVシフトを掲げ、ソニーとも協業して新時代のクルマ作りに邁進しているが、基盤固めに成功しているようだ。トヨタ自動車はグループ不正で低迷しており、明暗を分けている。
◎米CDC 東京に事務所を開設 “世界の安全保障にとって重要” | NHK | 医療・健康 →アメリカの疾病対策センター(CDC)が東京に事務所を開設した。感染の多いアジア全域をにらむ。アメリカの覇権が衰退しているとはいえ、感染症対策はなお先進的だ。日本はワクチン開発で遅れがち。拠点開設は心強い。
◎フーシ派拠点空爆で戦争激化の懸念、中東に必要な希望 BBC国際編集長が報告 – BBCニュース →中東での戦火拡大に英BBCの国際編集長が戦争拡大の懸念を動画で報告している。
*** 「今日の名言」
◎トーマス・カーライル(英国の歴史家。1881年2月5日死去、85歳)
「すべての大偉業は、最初は不可能といわれた」 「逆境とは、天が自分という宝石を磨くときに使用する、ダイヤの粉塵である」 「人間にとって最優先の課題は、この世で自分がなすべきことを見出すことだ」 「天才とは、無限に努力できる能力のことだ」 「圧力がなければ、ダイヤモンドは生まれない」 「この国民にして、この政府あり」 「優れた人を称賛できる心。それが、人間が持ちうる最も素晴らしい心である」 「信念は、行動に移さなければ価値がない」 「人生の目的は行為にして、思想にあらず」 「人を説得して動かそうとする者は、自らがまず感動し、自らを説得することから始めなければならぬ」 「経験は最良の教師である。ただし授業料が高くつく」 「自分より立場の弱い人に対する接し方に、人の偉大さは現れる」 「沈黙は口論よりも雄弁である」 「価値ある人間だけが、他人の持つ価値を理解できる」 「羞恥心は、あらゆる徳の源泉である」 「恋愛は発狂とは異なるが、両者は共通点が多い」 「一度でも心から全身全霊をもって笑ったことのある人間は、救いがたいほどの悪人にはなれない」
*** きょうの教養 (類語ニュアンス辞典②)
◎【風】 日本人は風の音や感触に季節感や様々な情緒を味わってきた。まず思い出すのは「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」という藤原敏行の一首だろう。良寛は「風は清し月はさやけしいざ共に踊り明かさむ老の名残に」と詠んでいる。風が肌に爽やかに吹きわたり、月は澄み切って明るい。
「軟風」(なんぷう)は風力3の旧称(以下同じ)で、旗がはたはたとはためく程度の風を意味する。強く吹く激しい風は一般に和語の「大風」(おおかぜ)で総称し、漢語で「烈風」と呼ぶこともある。気象学ではいくつかの段階に分ける。まず急に激しく吹く「疾風」(しっぷう)は風力5で、池や沼に波頭が立つ程度の風を指す。和語の「はやて」がこれにあたる。強い風と認識されている「強風」は風力7で、風に向かって歩きにくい程度の風を指す。さらに強くなると風力11の「暴風」があり、風速毎秒30m前後に相当する。風力12の最も強い段階が颶風(ぐふう)だが、今では古めかしい響きがあるようだ。
渦巻くように吹く強い風を「旋風」(せんぷう)と呼び、和語で「つむじ風」と読む。風速30m以上になると「竜巻」と呼ばれる。人間の進行方向に向かって背中を押すように吹く風を「追い風」、逆に吹く風を「向かい風」と呼び、漢語ではそれぞれ「順風」「逆風」という。吹く時間帯によって、「朝風」「夕風」「夜風」と呼び分ける。なぜか「昼風」は意識されないらしい。風が止んで海が穏やかになるのが「凪」(なぎ)で、時間帯によって「朝凪」「夕凪」と呼び分ける。元日に吹く風が「初風」、止めば「初凪」と特別に読んで新年の気分を味わう。
立春が過ぎた頃に吹く強い南風が「春一番」で、春先に吹く強い南風を「春荒れ」「春嵐」、桜の花が満開のころに吹く強い風を「花嵐」、春に吹く暖かい穏やかな風を広く「春風」(しゅんぷう、はるかぜ)と呼ぶ。春に「風光る」と視覚的にとらえた日本人は、夏には「風薫る」と嗅覚的にとらえ、初夏に若葉の香りを漂わせて吹く風を「薫風」(くんぷう)と名付ける。強い場合は「あおあらし」と呼び、改まった場合には漢語で「青嵐」(せいらん)ということもある。青葉を吹き渡る爽やかな初夏の風を「緑風」(りょくふう)と呼ぶ。
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***デイ・ウォッチ(6日)
◎盛山文科相、教団の選挙支援「依頼せず」 岸田首相、閣僚に関係断絶再確認へ:時事ドットコム (jiji.com) →盛山文科相が旧統一教会から選挙支援を受けた、と朝日新聞が6日の朝刊で特報した。盛山氏は「依頼した事実はない」と否定した。「選挙運動をした」と証言する協会関係者もいるが、「勝手に支援した」と言いたいのだろう。朝日新聞は7日朝刊で「政務協定」を結んでいた特報している。進退問題に発展しそうだ → 盛山文科相、旧統一教会側と「政策協定」 21年衆院選、関係者証言:朝日新聞デジタル (asahi.com)
◎KDDIがローソン株を公開買い付け 三菱商事とともに共同経営へ | NHK →商社とコンビニの組み合わせはあったが、通信会社が加わった。これまでにない形態で、新しい価値を創造できれば面白い。いずれも顧客基盤が厚く、独自の経済圏を形成できるかどうか。船頭が多くなるリスクもはらむ。
◎23年実質賃金、2.5%減 9年ぶり下げ幅、物価高影響:時事ドットコム (jiji.com) →昨年の春闘は30年ぶりの大幅賃上げと沸いた。しかし、物価上昇を考えれば、何のことはない2.5%のマイナスだ。日本はますます貧しくなっている。今年の春闘で大幅な賃上げをしない限り、再び実質賃金が目減りする恐れもある。情けなさが募る。
◎国民 玉木代表 「トリガー条項」めぐる与党との協議 離脱意向 | NHK | 税制改正 →自民党は最初からトリガー条項を凍結解除する気はなかった。玉木国民民主党代表は弄ばれただけ。個人の栄達を願って与党にすり寄った結果がこれ。野党は野党らしく対決しない限り、活路は開けないという教訓だ。
◎「輪島朝市」3月に金沢で「出張輪島朝市」として営業再開へ | NHK | 令和6年能登半島地震 →金沢で開く輪島朝市だが、復興に向けた確かな一歩だ。市場関係者に元気が出る。観光客や消費者はとにかく買って、支援の輪を広げたい。
*** 「今日の名言」
◎エミリオ・アギナルド(フィリピンの革命家・初代大統領。1964年2月6日死去、94歳)
「一つの願いで団結して前に進まなければ、我々は自由になれない」 「フィリピンの人々よ!我々の自由を獲得するために血を流す時が来た。革命の旗を結集してそれに従おう。それは自由、平等、博愛を示している」 「血が流れるのを止めよ。涙と荒廃を終わらせよ!」 「アメリカ帝国主義が現在模倣し、いくつかの点でそれを超えてしまったスペインの専制的な残虐さは、我々がかつて享受していた自由の多くを否定した」 「我々が自由で独立した国家として認められるために欠けているものなど、何もない」 「フィリピン人は、独自の慣習を損ない、新たな宗教や社会構造を強制したスペイン人の下で苦しんできた」 「彼らは我々が降伏することを期待しているのでしょうか。我々が譲ることのできない権利、我々の家族、我々の財産、我々の生活、我々の将来の運命を米国の絶対的な支配に委ねることを期待しているのですか?」
*** きょうの教養 (類語ニュアンス辞典③)
◎【妻】 妻という言葉は、夫から配偶者を指す最も一般的な基本的和語である。「女房」という古風な和語も同じ意味で用いられた。「家内のやつ」とよく使われた「家内」は、へりくだって自分の妻をさしたが、今ではやや古風な感じになりつつある。島崎藤村の小説「破戒」にも「家内はまた家内で心配して」という例が出てくるが、字面からいかにも家庭の中に閉じこもっているような連想があるところから、近年は女性に敬遠される傾向がある。
「細君に頭が上がらない」と使う「細君」(さいくん)という語は、他人に向かって自分の妻をへりくだって言う言葉だが、かなり古風な感じを与える。「細」は肥満の度合いとは無関係で、取るに足りない存在の意の謙称である。「妻」を「サイ」と音読みし、「サイが申しております」と自分の妻を他人に対して少し改まって言う例も昔はあったが、現在ではほとんど見聞きしなくなったようだ。「かみさん」という言葉は、元商人や職人の妻を指した語で、永井荷風の「ふらんす物語」にも「巴里で宿屋のかみさんがくれた」という例が見える。自分の妻を、親しみと照れをもっていう俗っぽい表現としてよく使われた。適用範囲を広げて、「うちのやつ」「うちの者」とぼかす言い方にも発言者の照れが感じられる。
小津映画の「一人息子」に、大久保先生が自分の妻を「愚妻です」と紹介する場面が出てくる。夫からバカ呼ばわりされたくない世の奥様達の不評を買い、今では使うのに相当の勇気を要する。「荊妻」(けいさい)という言葉も自分の妻をさす謙称となっている。「荊」は「いばら」という意味で、中国の故事から出たという。「嫁」という和語は、息子の妻をさすのが普通だが、関西方面の出身者の中には、自分の「妻」をさす用法もあるように身受けられる。
「かかあ天下」と使う「かかあ」という言い方もある。時により親しみ・軽蔑・謙遜などさまざまな気持ちを込めて、自分の妻を呼ぶ古風な俗語である。「ワイフが里帰りしている」と重要な日本語を意味するためにわざわざ英語を借りて「ワイフ」と呼んだ時代もある。一見崇拝しているように見える「山の神」という言葉もある。実は尊敬しているように見せかけ、口うるさい女房を亭主がからかい半分に親しんでいう俗語である。
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***デイ・ウォッチ(7日)
◎盛山文科相 旧統一教会側との「推薦確認書」“サインしたかもしれない 軽率だった” | NHK | 旧統一教会 →盛山文科相が旧統一教会との確認書を認めた。岸田首相は更迭しない方針だ。何でも辞めればいいというわけではないが、担当大臣が居座るのも釈然としない。最初はとぼけ、証拠が出たら渋々認める自民党独自の対応も誠意を欠く。野党はさらに攻める構え。
◎USスチール買収、変更なし 反発「想定内」―政治的思惑で阻止できず・日鉄副社長:時事ドットコム (jiji.com) →日本製鉄がUSスチール買収で早期決着の方針を表明した。3月末の株主総会前に全米鉄鋼労組を合意したい考えだ。「反発は想定内。一致点を見つけることは可能」としている。
◎首都高速道路 通行止めすべて解除 雪取り除く作業終わり安全確認 | NHK | 気象 →東名高速など一般の高速道路は7日朝までに開通したが、首都高は朝の予定が同日午後4時半に。高架で地熱が伝わらず雪が解けない、路肩が狭いなどの事情があるという。早めに通行止めにしたこともあり、物流に大きな影響を与えた。検証が必要だろう。
◎“トランプ前大統領の免責特権適用されず” 2審も訴え退ける | NHK | アメリカ →トランプ氏の法廷闘争はうまくいっていない。最高裁でも訴えが認められず、本命の議会乱入事件の公判が始まれば、大統領選の候補者選びにも影響が出そうだ。大統領選挙の大きな焦点だ。
◎「領土は確定済み」「将来訪れる」露、北方領土巡り次々と強硬発言 日露対立の長期化必至 – 産経ニュース (sankei.com) →2月7日は北方領土の日。1855年のこの日、伊豆の下田で日露通好条約が調印され、北方領土が日本領と確定されたことを記念している。しかし、ロシア側からは「係争地ではない」という発言が相次いだ。ウクライナと戦う現状では交渉も絶望的だ。
*** 「今日の名言」
◎堺屋太一(作家、通産官僚。2019年2月8日死去、83歳)
「好きなことを見つけることこそ、人生で一番の仕事である」 「人間にとっても、組織にとっても、理想を知ることこそが理想を実現する第一歩である」 「組織に嫌われるのが嫌なようでは、大したことはできません」 「職業は有利よりも好きで選ぶべきだ。秀才といわれた人ほど会社人間になりやすいのは、有利な職業を選ぶからだ」 「戦後の日本ほど経営者が重んじられた国は、人類の歴史上でも珍しいだろう」 「腐敗よりもはるかに恐ろしいのは倫理の逸脱」 「個性のある人は癖のある人といわれ、独創的であることは我流だといわれる。先生に教えられることをそのまま覚える人がいい点を取り、いい点を取った人が官僚や政治家になる。個性のない人に改革は無理だろう」 「日本人の人生は、東京一極集中で画一的な型にはめる規格化が進みました。外国の教育は個性を伸ばすことに力を入れるが、日本では欠点を直すことに力を入れている。規制やルールで何でも縛る無菌社会では面白くない」 「日本は創業者を大切にしない社会になった」 「平成は、『夢ない、欲ない、やる気ない』の三ない社会」
*** きょうの教養 (類語ニュアンス辞典④)
◎【健康】「健康」という漢語は、心身ともに元気な意味で広く現れる。「健勝」という漢語は主に手紙文の中で挨拶として用いられる。「健全」という漢語は、「健全な考え方」や「健全財政」のように抽象的な意味の拡大用法として盛んに使われる。「健やか」(すこやか)という形容動詞も心身ともに健康な状態を表す。日常会話より文章に用いられ、感触が柔らかく、詩的な雰囲気が漂う。
小津安二郎の映画「秋日和」に「お前また元気が出てきたな」というセリフが出てくるが、「元気」というのは体調がよく活力に満ちている状態をさす。日常の基本的な漢語で、健康状態よりも精神的な活力に中心があるように思われる。「丈夫」という漢語は意味が広く、「丈夫な生地」のように物品が頑丈な場合にも使われる。人間に用いた場合、健康で体がしっかりしている状態を指すが、いくらか古風な響きがあるかもしれない。「ピンピン」という語は元気以上に元気そうだが、文体的に属っぽいレベルにある。
「壮健」という漢語は、もっぱら体が元気で丈夫な意味を表し、改まった手紙や文章に用いられ、精神的な意味合いではあまり使われない。「無病息災」などと使われる「息災」という言葉も、無事で健康だという意味合いの古めかしい漢語で、古井由吉の小説の題材ともなった。恙虫(つつがむし)の害に合わない意味から出たらしい「つつがない」というやや古風な漢語は、病気や事故など格別の異常がないという場合に用いられ、健康状態だけではない。
「矍鑠」(かくしゃく)という漢語は、年齢の割に元気に活動している状態を指し、改まった会話や文章に用いられる。「達者」も体が丈夫だという意味で使われる。夏目漱石の「坊っちゃん」に「読み書きが達者でない」という例があるように健康とは無関係に優れているという意味合いでも使われる。「体調」という漢語は体の調子という意味で、「調子」は広く物事の進み具合や機械などの動きの滑らかさについて用いる。塩と梅酢による味加減を意味した「塩梅」は古風な漢語だが、健康状態について「どうも体の塩梅がよろしくない」と言うこともある。戦後は「按配」とも書く。
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***デイ・ウォッチ(8日)
◎ゼレンスキー大統領 ウクライナ軍の総司令官交代を発表 | NHK | ゼレンスキー大統領 →ザルジニー総司令官は国民の人気が高い。戦況の悪化を背景にゼレンスキー大統領と意見が食い違っていたといわれる。どんな影響があるだろうか。
◎ロシア大統領選 立候補表明の元下院議員の立候補認めず | NHK | ロシア →ウクライナ侵攻に反対したロシア元下院議員が大統領選に出馬できない。必要な10万人の署名に不備があったという。真相は不明だが、「ロシアは民主主義国ではない」と思わざるを得ない。異論を認めないことは弱さの証明で、ロシアと中国の共通点だ。
◎政策協定への署名「覚えていない」 盛山文科相が修正、推薦状は破棄―衆院予算委:時事ドットコム (jiji.com) →ころころ変わる盛山文科相の発言。こんなことで大丈夫だろうかという別の疑念が湧いてくる。
◎パリオリンピック パラリンピック メダルデザイン発表 エッフェル塔の一部を使用 | NHK | パリ五輪 →エッフェル塔の金属を使い、高級ブランド「ショーメ」がデザインした。フランスらしさ満載のようだが、3年前の東京オリンピックはどうだっただろうか。調べたら、プロアマ問わない412人参加のコンペでプロのデザインが選ばれ、リサイクル金属を使ったという。忘れていた。
◎福島第一原発 汚染水浄化装置から水漏れ 弁閉め忘れた可能性 | NHK | 福島第一原発 処理水 →福島第一原発の放射性物質を含んだ水漏れは、弁の締め忘れという人為的ミスの可能性が浮上した。どんな施設や装置でも失敗はあるが、原発の特徴は「ミスが大惨事につながる」可能性のあることだ。原発の宿命でもある。
◎藤井竜王、タイトル戦20連覇は「あまり意識していなかった」…羽生善治九段「大棋士への道のり期待」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →連続タイトル獲得を20連勝に伸ばし、大山康晴15世名人を超えた。今年も話題は藤井聡太と大谷翔平のようだ。
*** 「今日の名言」
◎手塚治虫(漫画家。1989年2月9日死去、60歳)
「漫画に必要なのは、風刺と告発の精神である」 「終始一貫して僕が自分の漫画の中で描こうとしてきたのは、命を大事にしよう!」 「世界中の子どもが正義だといって殺しを教えられたら、人間は全滅するだろう」 「自然への畏怖をなくし、傲慢になった人類には必ずしっぺ返しが来る」 「人間は何万年も、明日生きるために今日を生きてきた」 「最後まで努力をするってのが、本当の生き甲斐ではないでしょうか」 「数えきれないほど悔しい思いをしてきたけれど、その度にお袋の『我慢しなさい』って言葉を思い浮かべて、なんとか笑ってきたんです」 「睡眠は3日間で3時間。こんなつらい仕事を40年続けるなんて、馬鹿じゃないとできないですよ」 「一流の映画をみろ、一流の音楽を聞け、一流の芝居を見ろ、一流の本を読め。そして、それから自分の世界を作れ」 「ダメな子とか、わるい子なんて一人だっていないのです。その子たちをそんなふうに見ることしかできない大人たちの精神が貧しいのだ」「反戦だの平和だのの政治的なお題目では、子どもはついてこない。率先して生命の尊厳から教えていく姿勢が大事」
*** きょうの教養 (類語ニュアンス辞典⑤)
◎【粋】 織田作之助の「夫婦善哉」に「白い料理着に高下駄という粋な恰好(かっこう)」という例が出てくる。人の容姿、身なり、態度、身のこなし、あるいは建物、街並みなどが、さっぱりしていて洗練され、すっきりとした中にも、人の情に訴える品のいい色気が感じられる様子をさす。人情の機微に通じ、さばけているという意味にもなり、その逆の垢抜けないのは「野暮」である。
粋は漢語の「意気」から転じた和語らしい。「粋(すい)なお方やおまへんか」という上方の「すい」に対抗して、江戸の心意気を誇るため、同じ漢字を「意気」に通わせて使ったものだというのである。そこから出た「粋筋」という語は、それとなく男女の情事を意味する用法もある。「小粋」といえば、「ちょっと粋な」という意味合いになるが、粋な程度が小さいというより、どことなくあか抜けしていて、どの点か特定しがたい場合に使う傾向がありそうだ。
威勢が良く、強きを挫き弱きを助けそうな侠気が見え、身のこなしが洗練されている。そんな粋な男の様子を「いなせ」と呼ぶ。江戸日本橋の魚河岸の若者が鯔(ボラ)の幼魚であるイナの背に似たまげを結ったところから出たともいい、漢字で「鯔背」(いなせ)と書くこともある。「乙」という語もちょっとしゃれていて気が利いている様子をさし、「味」という語も、物事の味わい、趣について用いる。
「枯淡」(こたん)という語も、俗を離れ、あっさりしている中にも趣があり、深い味わいが感じられる様子をさす。「洒脱」という古風な漢語も、飾りや気取りがなく俗を離れた趣をさす。「洒落た」という表現は、気が利いて、洗練され、垢抜けた様子を意味する。近年「こじゃれた」という俗っぽい言葉をしばしば耳にする。「粋」から「小粋」が出たように「洒落た」に「小」をつけてちょっと洒落た感じの意味を表そうとしたように思われる。
これら類語の底あるのは、「垢抜けた」感じ、「洗練された」趣だろう。「垢抜ける」は、容姿や態度や身のこなしや行為や技芸などがスマートで都会風であり、泥臭さや素人らしさが感じられない域に達することを意味する。一方の「洗練」は、動作や趣味や技芸や作品などを、高尚で優雅な感じになるまで磨き上げることをさす。似たような意味だが、「洗練」が磨き上げて身につけた感じが強いのに対し、「垢抜けた」は持って生まれたセンスの場合もありそうな雰囲気がある。