9月23~27日(教養講座:学習する組織)
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***デイ・ウォッチ(20~22日)
◎石川 大雨被害 死者6人に 輪島 珠洲 能登町で孤立115集落 行方不明2人 安否不明8人 能登半島地震復興さなか | NHK | 石川県 →地震で大きな被害を受けた能登半島で、記録的な大雨被害が発生する不条理。ニュース映像を見ると、倒壊家屋がまだ多く残り、復興は進んでいない印象だ。もともと保守的な地域で、怒りや不満があまり表面化していないようだが、心が折れそうな追い打ちだ。見ているだけで疲れてくる。
◎大谷翔平 ドジャース 大リーグ史上初「50-50」達成 51本塁打 51盗塁まで記録伸ばす 日本選手最多打点も | NHK | #大谷翔平 →大谷が6打数6安打、3本塁打、10打点で「50-50」を達成した。「すごい」以外の言葉が見つからない。チャットGPTに「すごいを上回るすごい言葉は?」と聞いたところ、「圧巻」「驚嘆」「超絶」「神業」「絶妙」「壮絶」と返ってきた。どの表現がいいだろうか。
◎政府、長崎「被爆体験者」の医療費助成 年内開始へ – 日本経済新聞 (nikkei.com) →政府は、医療費助成を打ち出す一方で、控訴を決めた。「実を与えて、名を求める」対応だが、原告は反発している。助成は被爆者と完全に同等ではないし、控訴は原告に対して挑戦的だ。政府は「最高裁判決との整合性が取れない」というが、いかにも官僚的、法匪的ではないか。
◎大の里、大関昇進へ 昭和以降最速、25日に正式決定―大相撲秋場所:時事ドットコム (jiji.com) 貴景勝「燃え尽きた」 28歳での引退に誇り―大相撲:時事ドットコム (jiji.com) →被災地石川県出身の大の里が大関に。初土俵から9場所目の最速だが、24歳。引退した元大関貴景勝は、阪神大震災の翌年に兵庫県芦屋市で生まれ、まだ28歳。栄枯盛衰、新陳代謝は世の常だ。
◎ヒズボラ、対イスラエル攻撃激化 一斉爆発で「最初の報復」:時事ドットコム (jiji.com) →ポケベル・トランシーバー殺害事件の報復で、ヒズボラの攻撃が激しくなっている。攻撃の連鎖はどんどん激しくなっている。
◎中国 日本産水産物の輸入再開で合意も再開時期は見通せず | NHK | 中国 →中国が突然のように譲歩した。真意や今後の見通しはまだはっきりしないが、外交の取引材料にしてくるだろう。深圳での男児殺人事件でもそうだが、説明責任や透明性のなさは習近平政権の致命的な欠陥だ。
*** 「今日の名言」
◎ジークムント・フロイト(オーストリアの心理学者。1939年9月23日死去、83歳)
「大人になるということは、曖昧さを受け入れる能力を持つということだ」 「偉大なるレオナルド・ダヴィンチは、生涯を通じて、子どものままでいたようだ。大人になっても、遊ぶことをやめなかった」 「子どもが遊ぶ動機は大人になりたいからである。この願望は子どもを教育する上で重要である」 「ほとんどの人間は実のところ自由など求めていない。なぜなら自由には責任が伴うからである。みんな責任を負うことを恐れている」 「猫と過ごす時間は、決して無駄にはならない」 「夢は現実の投影であり、現実は夢の投影である」 「人が忘れるのは、忘れたいからだ」 「人生の目的が何かという疑問は、無限といってよいほど、繰り返し呈されてきた。しかし、ついぞ満足できる答えが得られたことはない。そのような答えを得ることは、許されないものなのだろう」 「いつの日か過去を振り返った時、苦労して過ごした年月こそが、もっとも美しいことに気づくだろう」 「あらゆる生あるものの目指すところは、死である」
*** 今週の教養 (学習する組織①)
今週は、アメリカの経営学者ピーター・M・センゲ氏(1940~)の著書「学習する組織」(英治出版、2011)を取り上げる。変化の時代には学ぶ組織が求められているとして、5つのディシプリンを提唱している。第1章からその5つである「システム思考」「自己マスタリー」「メンタル・モデル」「共有ビジョン」「チーム学習」を順に紹介する。
◎システム思考 私たちは幼い頃から、問題を細かく分けよ、世界を断片化せよと教えられる。分けることで、複雑な課題や対象が扱いやすくなるのは明らかだが、私達は目に見えない莫大な代償を払うことになる。自分の行動の結果がどうなっているかが見えなくなるし、本来私たちに備わっているより大きな全体とつながっている感覚が失われてしまう。全体像を見ようとする時には、断片を頭の中で再び組み立て、すべての要素を並べて一つにまとめようとする。だが物理学者のデビッド・ボーンが言うようにこれは「無駄な作業」だ。割れたガラスの鏡の破片をつなぎ合わせて真の姿を映そうとするようなものだ。しばらくすると私たちは全体を見ようとすることをすっかりあきらめてしまう。
雲が立ち込め、空が暗くなり、木の葉が風に舞い上げられると、もうすぐ雨が降ると分かる。ビジネスや人間による企ても同様であり、システムである。それらは相互に関連する行動が織り成す、目に見えない構造でつながっている。互いへの影響が完全にあらわれるまでには何年もかかる場合も多い。私たち自身がその一部として織り込まれているため、変化のパターンの全体を見ることは難しいのだ。
そこで部分に焦点を当てるが、深刻な問題が解決しそうにないのは、なぜなのだろうか。システム思考はパターンの全体を明らかにし、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的枠組みである。過去50年間にわたって開発されてきた一連の知識とツールである。根底にある世界観は極めて直感的なものである。実験によれば、幼い子どもたちはシステム思考を非常に素早く学習することが明らかになっている。
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***デイ・ウォッチ(23日)
◎立憲民主党 代表選挙結果 野田佳彦元首相 新代表に 決選投票で 党役員骨格人事 刷新感重要 | NHK | 立憲民主党代表選 →立憲民主党の代表に野田氏が選出された。焦点は自民党総裁選への影響だが、石破氏に有利に働きそうだ。首相経験者の就任で、小泉氏では経験が乏しく、若すぎる。野田氏は中道票を集めそうで、保守色の強い高市氏では総選挙に勝てない。実績のある石破氏でがっぷり四つに組むしかない、となりそうだ。そうなれば日本の政治は中道に寄り、安倍氏の死後も影響力のあった裏金系保守派の影響力は削がれるだろう。27日の総裁選が注目だ。
◎石川 記録的大雨 能登地方で7人死亡2人行方不明 4人の安否不明 | NHK | 石川県 →被災地の天気がよくなり、たくさんの映像が流れたが、予想以上にひどい。土砂崩れで山肌は削られ、仮設住宅も浸水。新調した家具や家電が使えなくなった。半島なので移動が容易ではなく、復旧は震災同様に手間取りそうだ。
◎ロシア軍機 3回領空侵犯 自衛隊機 警告にフレア初使用 北海道 | NHK | ロシア →ロシア軍機が礼文島付近で3回にわたって領空侵犯をした。中国軍機に続く侵犯だが、光と熱で警告する「フレア」と呼ばれる装置を初めて使った。反米包囲網が以心伝心で連携した揺さぶりと見た方がいいだろう。アメリカ大統領選までいろいろな動きがありそうだ。ロシア機の侵犯は44回目。
◎柘植外務副大臣、邦人の安全確保要請 反日投稿取り締まりも―深セン男児襲撃事件:時事ドットコム (jiji.com) →中国では反日的な投稿が目立っている。経済が悪化して不満が高まっているが、共産党を批判できないから日本にはけ口を求める。共産党も容認し、場合によってはあおる構図だ。周恩来や鄧小平なら「哀悼の意を表明する。再発防止に全力を尽くす。日中の人民同士は友人であるべきだ」と声明を出すだろう。
◎ソフトバンクが4年ぶり20度目のリーグ優勝 プロ野球:朝日新聞デジタル (asahi.com) →つまらないほどの圧勝だった。4月4日に首位に立ち、そのまま優勝した。1年目の小久保監督が分厚い選手層の世代交代をうまく進めた。パCSの焦点は新庄日本ハムとの対決か。最近のペナントレースでは、日本ハムがソフトバンクに連勝している。楽勝シリーズの経験がどう影響するか。
*** 「今日の名言」
◎西郷隆盛(幕末・明治の政治家。1877年9月24日死去、49歳)
「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、自分の誠を尽くし、人をとがめたりせず、自分の真心が不足していることを認識すべきだ」 「命もいらぬ、名もいらぬ、官位も金もいらぬというような人物は処理に困るものである。このような手に負えない人物でなければ、困難を共にして、国家の大業を成し遂げることはできない」 「何度も何度もつらく苦しい経験をしてこそ、人の志は初めて堅くなる。真の男は、玉となって砕けることを本懐とし、志を曲げて瓦となって生き長らえることを恥とせよ。人を言いくるめて、陰でこそこそ事を企てる者は、たとえそれがうまくいったとしても、物事を見抜く力のある者から見れば醜いことこの上もない」 「人に提言するときは、公平かつ誠実でなければならない。公平でなければ、すぐれた人の心をつかむことはできないものだ」 「今の人は、才能や知識があれば、事業というのは思いのままにできると思っているが、才能にまかせて行うことは、危なっかしくて見ておられない」
*** 今週の教養 (学習する組織②)
◎自己マスタリー マスタリーというと、人や物事に対する優位性を得ることを想起するかもしれない。だがマスタリーには、特別なレベルの熟達という意味もある。高いレベルの自己マスタリーを得た人たちは、自分たちにとって最も重要な結果を常に実現することができる。要するに、芸術家が作品に取り組むがごとくに人生に向かい合う。自身の生涯を通じて学習に身を投じることによって、それを実現するのである。
自己マスタリーというディシプリンは、継続的に個人のビジョンを明確にし、深めることである。エネルギーを集中させ、忍耐力を身につけ、現実を客観的に見る事である。自己マスタリーは、学習する組織に欠かせない要であり、精神的基盤である。組織がどのくらい学習に対してしっかり取り組めるかは、構成メンバーの能力より高くはなりえない。このディシプリンの起源は、東洋と西洋双方の宗教的伝統、非宗教的な伝統にある。
だが、このようにして人々の成長を促す組織はほとんどない。このため莫大な数の人材が未開発のままになっているのだ。ハノーバー・インシュアランスのオブライエンは「初めて仕事に就くとき、人々は頭脳明晰で、高い教育を受け、世の中を良くしようというエネルギーと願望に満ちている。30歳になる頃には、ごく一部の人たちは出世街道をひた走るが、残りの人たちは週末に自分にとって大事なことをやるために時間を費やしている。意欲をなくし、使命感も胸躍る気持ちも失っている。エネルギーはほとんど感じられないし、全く気迫がない」と言っている。
自己マスタリーを確立するために努力する大人はほとんどいない。人生に何を求めるかと尋ねると、たいていの大人はまず、何から逃れたいかを語る。「義母に出て行ってもらいたい」とか「背中の痛みが治って欲しい」と言う。自己マスタリーのディシプリンはまず、私たちにとって本当に大切なことを明確にし、自分の最高の志に仕える人生を生きることである。私が最も関心があるのは、個人の学習と組織の学習と関係であり、個人と組織との相互献身や、学習者からなる企業の特別な熱意である。
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***デイ・ウォッチ(24日)
◎気象庁3か月予報 10月はじめに真夏日も “秋感じる時期短い” | NHK | 気象 →24日、本州は一気に涼しくなった。初秋を通り越して晩秋の感さえ漂った。3ヶ月予報によると、10月は暑い日が多く、12月は平年並みだという。秋は本当になくなっている。地球温暖化に関心を持ち続け、体調管理に注意したい。
◎立憲民主党 党執行部人事 幹事長に小川淳也氏 政調会長に重徳和彦氏など【詳しいプロフィールも】 | NHK | 立憲民主党代表選 →野田立憲の幹部が決まった。幹事長の小川氏ら野田氏に近い議員が抜擢された。枝野氏は棚上げのような最高顧問の方向で、同氏を支持したリベラル系議員から不満が出ている。しかし、最初の人事で党内が不安定になるようでは、政権交代はおろか、野党共闘も成功しないだろう。ノーサイドの精神は自民党に学べ。
◎【石川 大雨被害】輪島 珠洲 能登で死亡7人 行方不明2人 安否不明5人 連絡とれない住民の捜索活動続く | NHK | 気象 →能登の豪雨被害が広がっている。死者・安否不明者らは14人、孤立地区は12地区46か所で367人。孤立集落の様子は外部からわからない。相当な不便を強いられ、被害がさらに広がる可能性がある。
◎イスラエル、ヒズボラと全面的な紛争に発展の恐れ…米大統領報道官「リスクは現実的」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) 「中国はアラブ側に立つ」 王毅氏、レバノン外相と会談:時事ドットコム (jiji.com) →レバノンが「もう一つのガザ」と言われ始めた。中国はアラブ支援を強調し、第三次世界大戦のピースが埋まりつつある。当面の注目は欧米との協調を模索するイランのペゼシュキアン新大統領の言動。イランが憎悪の連鎖を断てば、国際的に高く評価されるだろう。
◎バスケBリーグ 10月の開幕を前に選手らが意気込み | NHK | #バスケットボールBリーグ →プロ野球、Jリーグに次ぐプロリーグとして人気急上昇中のバスケBリーグ。昨シーズンの観客数は前シーズン比120万人以上増えて429万人に上った。開幕を前にイベントを打ち、ファンサービスにも力を入れる。地域密着が強み。どんなシーズンになるか。
*** 「今日の名言」
◎小泉八雲(ラフカディオ・カーン、ギリシャ生まれの作家。1904年9月26日死去、54歳)
「文章は、あなたの話、あなたの言葉、あなたの考えでなければいけません」 「日本人ほど、お互い楽しく生きていく秘訣を心得ている国民は、ほかにちょっと見当たらない」 「日本人の微笑は、念入りに仕上げられ、長年育まれてきた作法なのである。沈黙の言語でもある」 「自然と人生を楽しみ、愛すという点で、日本人の魂は、古代ギリシャ人の精神と不思議に似ているところがある」 「外国人の旅行者にとっては、古いものだけが新しいのであって、それだけがその人の心をひきつけるのである」 「日本のものなら、なんでもかんでも繊細で、巧緻で、驚嘆すべきものに見えてくる。しかし、日本の急激な欧米化によって、その微笑が失われようとしていることを危惧する」 「日本には危険がある。古くからの質素で健全な、自然で節度ある誠実な生活様式を捨て去る危険である」 「諸君が困難に遭い、どうしてよいかまったくわからないときは、いつでも机に向かって何かを書きつけるのがよい」
*** 今週の教養 (学習する組織③)
◎メンタル・モデル メンタルモデルとは、私たちがどのように世界を理解し、どのように行動するかに影響を及ぼす前提である。一般概念であり、想像やイメージでもある。私たちは自己のメンタルモデルや、それが自分の行動に及ぼす影響について、気づいていない場合が多い。例えば、ある同僚が上品な服装をしていると感じると、「彼女は上流階級の出身だ」と思うかもしれない。みすぼらしい服装の人のことは「彼は他人からどう思われるか気にしない」と思うかもしれない。様々な経営環境で、何ができ、何ができないかについて、メンタル・モデルが深く刻み込まれている。新しい市場や時代遅れの組織慣行について洞察を持っていても、多くが実践に移されないのは、強力な潜在的メンタルモデルと対立するからである。
世界の石油ビジネスにおける前例のない変化があった1970年代から80年代、ロイヤル・ダッチ・シェルが成功を収めた。7大石油会社の中で最も弱小な企業からエクソンに並ぶ最大手へと登り詰めた。変化の準備をするためのディシプリンとして、マネージャーのメンタルモデルを浮かび上がらせ、立ち向かう方法を学習したことに負うところが大きい。80年代にシェル幹部だったアーリー・デ・グースは、変化し続けるビジネス環境において継続的に成長できるかは、組織としての学習にかかっているという。「組織としての学習とは、経営陣が会社や市場、競合企業について自分たちが共有するメンタル・モデルを変えるプロセスである。私たちは計画を学習と考え、企業計画を組織としての学習と考える」と話している。
メンタル・モデルに働きかける第一歩は、鏡を内面に向けることである。内面の世界観を掘り起こし、浮かび上がらせ、厳しく精査できるようにするのだ。探求と主張のバランスが取れ、学習に満ちた会話を続ける能力も含まれる。そのような会話では、人々は自分自身の考えを効果的に表現し、その考えが他の人の影響を受け入れるようにする。
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***デイ・ウォッチ(25日)
◎中国 “模擬弾頭搭載のICBM 1発を発射 太平洋公海上に着弾” | NHK | 中国 →中国が海上にICBMを発射するのは1980年以来、44年ぶり。東アジアはますます物騒になっている。狙いについて、防衛関係者は「明らかに米国に対するけん制」という。日米韓やフィリピン、オーストラリアの同盟ネットワークへの対抗だ。第三次世界大戦の陣営がだんだん固まってきているようにもみえる。
◎石川 輪島 大雨被害 一時200人以上が孤立の七浦地区 行き来可能に 依然7地区が孤立 5069戸で断水も | NHK | 石川県 「電気や水、早く復旧を」 孤立地区、住民ため息―能登大雨:時事ドットコム (jiji.com) →孤立集落は減ったが、それでもなお、輪島市、珠洲市、能登町の7地区16か所と行き来ができず、合計157人が孤立している。断水は5069戸。地獄のような日々に思える。
◎野村証券に課徴金勧告 2176万円、国債先物で相場操縦―監視委:時事ドットコム (jiji.com) →野村証券が久々にニュースになったと思ったら、国債取引で相場操縦をしていた。見せ玉と呼ばれる手口で、利益は140万円、課徴金は2100万円というから、利益は小さく、利益と課徴金の額は見合っていない。他にも不正があるのだろうか。業界リーダーの自覚はないのだろうか。
◎台湾、日本産全食品の輸入容認 規制を追加緩和:時事ドットコム (jiji.com) →台湾が輸入規制をしていたことはよく知らなかった。中国が規制を緩和する動きをみせているが、何らかの関係はあるのだろうか。ともあれ日本には朗報だが。
◎サンマの水揚げ好調 5年ぶり1日1000トン近くの見通し 根室 | NHK | 水産業 →サンマが庶民のサカナに戻ってきたか。根室で5年ぶりの豊漁という。今年限りか、来年以降も続くのか。とりあえず、今年は久しぶりに味わえそうだ。
*** 「今日の名言」
◎安田善次郎(安田財閥の祖。1921年9月28日死去、82歳)
「才能や経験も必要だが、それは枝葉にすぎない。要は熱心さと誠実さ、それに事業とともに倒れる覚悟で取り組む人がいれば成功する」 「十分に良いと信じた事業には必要なだけ投資してやり、経営を完成せしめ得るよう努力してやるのが銀行家の本分である」 「人物を見分けて貸すのだから、担保を取る必要はない。人物が当を得ていれば、万難を排して貸すものである」 「日常の細事を大切に処理しないで、どうして物事が成功するだろうか」 「何を志すにしろ、順序正しく進むことが一番である。これを無視すると、いわゆる豪傑肌に陥り、大言壮語し、日常の些事をかえりみなくなる」 「この世に運は確かにあると信じている。しかしその運は、先方から自分の方へ来てくれるものか、または自分からその運を取りに行くものか、この2つの判断の仕方によって、人生の成功と失敗がおのずから分かれる」 「財産はいくら積んだとて、あの世へ持って行けるものでもない」
*** 今週の教養 (学習する組織④)
◎共有ビジョン リーダーシップの分野で長期にわたって組織に刺激を与え続ける考えがあるとしたら、それは私たちが作り出そうとする未来の共通像を掲げる力である。組織全体で深く共有される目標や価値観や使命なくして、偉大さを維持し続けている組織は思い当たらない。IBMには「サービス」があったし、ポラロイドには「インスタント写真」、フォードには「大衆のための交通機関」、アップルには「取り残された人たちのためのコンピューター」があった。
内容は全く異なるが、こういった組織はどれも共通のアイデンティティや使命感を中心にして人々をまとめることを成し遂げてきた。真のビジョンがあると、人々は卓越し、学習する。言われるからではなく、そうしたいと思うから学習する。しかし、多くのリーダーは組織を活性化する共有ビジョンにはつなげられないままに終わる。個人のビジョンしか持っていないからだ。たいていの場合、企業の共有ビジョンはリーダーのカリスマ性や、一時的に全員を活性化する危機に基づいている。
だが選べるものなら、大部分の人は、危機の時だけでなく、どんな時でも高い目標を追求することを選択する。これまで欠けていたのは、個人のビジョンを共有ビジョンにつなげるためのディシプリン、つまり一連の原則や基本理念だ。共有ビジョンの実践には、追従よりも、真のコミットメントと参画を育む共通の「将来像」を掘り起こすスキルも含まれる。このディシプリンを習得する時、リーダーは、ビジョンについて指図することは逆効果であると学ぶ。たとえそれが心からの行為であったとしても、だ。
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***デイ・ウォッチ(26日)
◎袴田巌さん無罪判決 今後の焦点は検察が控訴するか | NHK | 事件 →予想通り、無罪判決が出た。検察はさすがに控訴しないと思われるが、「3点の証拠は捏造」という判決に反発するかもしれない。組織は時間を超えて責任を負うのが原則だが、事件のあった1966年、現在の畝本検事総長はわずか3歳。「今と当時では人権感覚も捜査も異なっている」と考えれば、控訴の必要もない。
◎兵庫 斎藤知事 失職して出直し選挙に臨む意向 選挙は11月か | NHK | 兵庫県 →最近のニュースの顔となった斎藤知事。議会解散はしなかったが、失職して出直し選挙に出馬するという。「知事を辞めるほどひどいことはしてない」という思いが強いようだ。出馬は自由だが、当選は困難だろう。兵庫県政の正常化が急がれる。
◎自民総裁選、決選投票へ 石破・高市・小泉氏、三つどもえ―27日選出:時事ドットコム (jiji.com) →誰が決戦投票に残り、最終的に誰が勝つか。政界スズメをにぎわした自民党総裁選挙がきょう投開票される。石破、高市、小泉の3氏中心の見方は一致しているが、それ以上は細かい解説がたくさんあって、はっきりしない。選挙後、いろいろな物語が聞かれるだろう。
◎中国国防省「挑発行為に断固反対」海自護衛艦の台湾海峡通過に | NHK | 中国 →海上自衛隊の護衛艦が初めて台湾海峡を通過し、中国が怒っている。「相手になめられるな」とお互い突っ張った先に何があるのだろうか。強く出れば、相手が従うと思っているのだろうか。領空侵犯が相次ぎ、ICBMが飛び交っているが、火遊びが大火事になることもある。外交の姿が見えないのが危うい。
◎使用済み核燃料の中間貯蔵開始 柏崎刈羽原発から初搬入―最長50年保管・青森県むつ市:時事ドットコム (jiji.com) →原発敷地外での使用済み核燃料の保管は初めてとなる。最大50年の中間貯蔵の位置づけで、最終貯蔵地・処分方法は未定だ。「トイレなきマンション」の状態はなお続く。
*** 「今日の名言」
◎山崎豊子(小説家。2013年9月29日死去、89歳)
「不条理に立ち向かい、虐げられた側の心を書き残すのが作家の使命」 「先の戦争で、大学生だった私は軍需工場へ動員されました。そのときの辛さ、悲しさが私の作家としての原点でもあります」 「私には、若くして死んでいった人間たちへの責任があります。だから半世紀も作家を続けてこられたのです」 「私には青春を奪った横暴な国家というものを許さん、という思いがしみこんでいます。泣き虫ですが、気が強いんです」 「『大地の子』だけは、私は命をかけて書いてきました。自分の血で描いているという思いがあります」 「取材で得た事実を羅列しただけでは小説にはなりません。テーマをどう構成し、人間ドラマを形作って行くか。考えに考え抜き、ディテールにもこだわります」 「四六時中、小説のことだけを考えています。大きな構想のもとに、出来る限りの取材をし、事実を掘り下げる」 「人によってお辞儀の角度を変えてはいけません」 「原稿用紙と万年筆を持ったまま、棺に入る覚悟でいます」
*** 今週の教養 (学習する組織⑤)
◎チーム学習 個々の知能指数(IQ)が120を超える献身的なマネージャーの集まるチームが、全体としてIQ 63になってしまうことがどうして起こるのだろうか。チーム学習のディシプリンは、この矛盾に向き合う。チームが学習できることを私たちは知っている。スポーツや芸能、科学、時にはビジネスでも、チームの英知がチーム内の個人の英知に勝ることがある。チームによって協調的行動の驚くべき能力が生み出されることを示す例も存在する。チームが真に学習する時、チームとして驚くべき結果を生み出すだけでなく、個々のメンバーもチーム学習がなかったら起こりえないような急激な成長を見せる。
チーム学習のディシプリンは、「ダイアログ」で始まる。チームのメンバーが、「ともに考える能力」である。ギリシャ人にとって「ディアロゴス」は、「個人で得ることができない洞察をグループとして発見することを可能にする自由に広がる」を意味した。興味深いことにダイアログという習慣は、アメリカインディアンの文化のように多くの原始的な文化で守られてきた。しかし、現代社会ではほぼ完全に失われている。ダイアログは、より一般的な言葉である「ディスカッション」とは異なる。ディスカッションは、「叩打」(パーカッション)や衝突(コンカッション)を語源としていて、勝者がすべてを得る競争の中で、考えをお互いにぶつけあう事である。
ダイアログのディシプリンには、学習を阻害するチーム内の相互作用のパターンに気づく方法を学ぶことも含まれる。防御パターンが、チームの中にしばしば深く根付いている。それに気付かないでいると、学習が阻害される。それに気づき、創造的に浮かび上がらせれば、学習を加速することができる。チーム学習は極めて重要である。なぜなら、現在の組織における学習の基本単位は個人ではなく、チームであるからだ。肝心なのはここである。チームが学習できなければ、組織は学習しえない。