10月7~11日(教養講座:アート・スピリット)

2024.10.11メルマガ

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***デイ・ウォッチ(4~6日)

石破首相 不記載で「党員資格停止」の議員など非公認の方針 | NHK | 衆議院選挙 →変節したと批判を受ける石破首相だが、裏金議員の公認問題では踏み込んだ。現時点で非公認は6人、比例区との重複立候補を認めない議員は30~40人規模。旧安倍派などの反発は必至だが、「厳しく対処しないと選挙に不利になる」という冷徹な計算もある。首相の言動のブレは当面の大きな焦点だ。

ノーベル賞 あすから発表 日本人3年ぶりの受賞なるか 注目は? | NHK | ノーベル賞2024 →きょうから恒例のノーベル賞ウィーク。夕方の発表でメディアはいつもドタバタだ。7日生理学・医学賞、8日物理学賞、9日化学賞、10日文学賞、11日平和賞、14日経済学賞と続く。自然科学系で注目される日本人としてNHKは14人を紹介しているが・・・。

ガザ地区の戦闘 あすで1年 沈静化に向けた道筋見えず | NHK | イスラエル・パレスチナ →ガザの戦闘からきょうで1年。戦火は果てしなく拡大している。ネタニヤフ政権の狙いは人質救出ではなく、ハマス・ヒズボラせん滅に名を借りた自己の延命ではないか。個人の欲望で数万人の死者が生まれ、世界は戦闘を止められない。現代の悲劇、不条理がまだ続く。

カスハラ防止条例が成立 全国初、来年4月施行―東京都:時事ドットコム (jiji.com) →東京都が全国に先駆ける例は多く、カスハラ条例もすぐに広がりそうだ。SNSの誹謗中傷のように不機嫌で他人を攻撃しがちな風潮がある。度の過ぎたハラスメントは許容できないが、過剰なコンプライアンスで事業者側の対応が杓子定規になり、現場の裁量がなくなって顧客が怒る傾向はないだろうか。

大谷が3ラン ドジャース先勝―米大リーグ:時事ドットコム (jiji.com) →大谷が初体験のポストシーズンで、同点に追いつく3点本塁打。初回に先発の山本が3点を失ったが、2回に同点に追いつく貴重な一打。ドジャースも7対5で勝ち、あと2勝でリーグ優勝決定戦に進出する。大谷の優勝は、2016年の日ハム時代に日本一、昨年のWBCで世界一。今回は全米一を目指す。

*** 「今日の名言」

◎イザベラ・バード(英国の旅行家。1904年10月7日死去、72歳

「日本では、太陽が照ると、森におおわれた山、庭園のような野は天国と化す。日の光を浴びて美しくならない土地はほとんどなかった」 「会津の山々の雪景色はすばらしい。群集にわずらわされることなく自由に散歩できる。この地方は見たところ美しくもあり、繁栄しているようである」 「私は日本を1200マイルに渡って旅をしたが、まったく安全でしかも心配もなかった。世界中で日本ほど婦人が危険にも無作法な目にもあわず、まったく安全に旅行できる国はないと信じている」 「ヨーロッパの多くの国々では、地方によっては外国の服装をした女性の一人旅は、無礼や侮辱の仕打ちにあったり、お金をゆすりとられたりする。私は日本で一度も失礼な目にあったこともなければ、過当な料金をとられた例もない。群衆にとり囲まれても、失礼なことをされることはない。彼らはお互いに親切であり、礼儀正しい。見ていても大変気持ちがよい」 

*** 今週の教養 (アート・スピリット①)

今週は、芸術家を目指す若者の教科書とされる「アート・スピリット」(原書は1923年。国書刊行会が野中郁子訳で2011年出版)を取り上げる。著者は米国の油絵画家で美術学校の教師・ロバート・ヘンライ(1865~1929)。初日は概説で、マーケティング戦略コンサルタント永井孝尚氏の書評を紹介する。2日目以降は原書の「最初に――芸術の魂とは」を掲載する。

◎概説 私たちの人生には様々な決定的瞬間がある。早朝の静寂な空気の中で燃えるように真っ赤に染まる夜明け前の空を見たとき。仲間との熱い絆を感じたとき。そんな瞬間を体験した人は「この瞬間を、何らかの形で再現したい」と強く思い始めて、絵画や彫刻、あるいはダンスや劇、音楽などで再現する。これが芸術なのだ。しかしこの「決定的瞬間の再現欲」は芸術にとどまらない。

ヘンラインはこう述べている。「問題は、その人間にどうしても言うべきことがあるかどうか、である。表現したいことが芸術かそうでないか、絵かそれとも別のものかは、その人間にとってどうでもよいことだ。普遍的な表現にする価値があるかどうかだけを気にかけるべきなのだ」「芸術を、絵画や彫刻、音楽や詩だけに限定する考え方には共感できない。素材として何を用いるかはまったくの偶然であり、あらゆる人間の中に芸術家がいるという考え方が広まって欲しいと思う」。

芸術もビジネスも「これを表現したい」「実現したい」という強烈な衝動が原動力だ。展覧会用にとりあえず作りましたという作品や、仕事なのでとりあえずやりましたというビジネスは、人の心に響かず、たいしたものにはならない。何が心地よいと感じるかを知ることが出発点だ。そして自分が夢中になることを見つけ、自分の能力を使い倒す。その先に、流行に左右されない自分だけのオリジナリティーが確立できる。これまでやってきた、あるいはこれからやろうとしている仕事の意味や、人生のさまざまな活動を改めて整理する上で、本書は必ず役に立つだろう。自分の最高の教師は自分である。自分自身に問いかけよ。

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***デイ・ウォッチ(7日)

石破首相 党員資格停止議員など非公認の方針 強い反発も | NHK | 衆議院選挙 収支報告書不記載 自民 越智氏 衆院選立候補しない意向 | NHK | 衆議院選挙 →自民党の公認問題はとりあえず、石破首相に軍配が上がったようだ。旧安倍派内では「安倍派つぶしだ」「倒閣だ」という反発もくすぶるが、公然と抗議する動きはない。旧安倍派の越智氏は立候補断念を表明した。石破首相は世論寄りで活路を開くしかない。自民党は権力闘争を底流にはらみながら総選挙に突入する。

衆院本会議 石破首相 初の代表質問 公認方針などで論戦 | NHK | 衆議院  党首討論 9日午後1時からで正式決定 時間は1時間20分に延長 | NHK | 国会 →解散を控えて与野党の対決色が強まっている。7日の代表質問で野党側は「自民の政治と金問題への対応は鈍い」「早期解散は言行不一致」と批判した。9日の党首討論の出来も総選挙に影響しそうだ。

ノーベル生理学・医学賞に米2氏…マイクロRNA発見で「遺伝子制御の新たな一面が解き明かされた」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →ノーベル生理学・医学賞は、遺伝子の活動を制御する「マイクロRNA」を発見した米国人2人が受賞した。複雑な生命体にとって欠かせない遺伝子制御で、がん発症の原因研究や血液からがんを診断する手法の確立につながったという。

メラニア夫人、中絶規制に反対 トランプ氏と異なる立場―米大統領選:時事ドットコム (jiji.com) →メラニア夫人が中絶規制に反対を表明した。選挙対策という見方もあるが、「政府が個人の私的なことに介入すべきではない」と言っているから、本音とみるのが自然だろう。なぜ、今かという疑問は残るが、トランプ氏が家庭内野党を抱えていることがわかった。

大手食品メーカー9社 人手不足で共同配送などを協議へ | NHK | 働き方改革 →大手食品メーカー9社が、物流で共同歩調を協議する。企業の競争する局面は時代によって変わる。物流業界の人手不足は業界共通の大問題で、他の業界でも同じような動きが出そうだ。消費者も適正な品質やサービスを求める時代になった。

*** 「今日の名言」

◎諸葛孔明(中国三国時代の軍師。234年10月8日死去、53歳?

「人生とは、困難との戦いの連続である」 「無欲でなければ志は立たず、穏やかでなければ道は遠い」 「優れた人は静かに身を修め、徳を養う」 「才能におごって人を馬鹿にせず、可愛がれていることを後ろ盾に偉そうにしてはならない」 「立派な人間の友情は、温かいからといって花を増やすこともなければ、寒いからといって葉を落とすこともない」 「どんな時でも衰えず、順境と逆境を経験して、友情はいよいよ堅固なものになっていく」 「自分の心は秤のようなものである。人の都合で上下したりはしない」 「学ぶことで才能は開花する。志がなければ、学問の完成はない」 「治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず」 「人の心をつかめる人は、敵を消滅できる」 「古来、兵は戦を好まない。内部の守りを固めずに、外部を攻めるのは愚策である」 「用兵の道は、人の和にあり」

*** 今週の教養 (アート・スピリット②)

芸術は、その本質が理解された時、人類全体のものになる。それがなんであれ、物事がうまくなされているかどうか、というシンプルな問題だ――それはどこかよそにある特別なことではない。

ある人の内部に芸術家の魂が息づいている時、創作のジャンルに関わらず、その人はおのずと創意にあふれ、探究心を持ち、大胆に自己表現しようとするはずだ。そして他人に興味を持つだろう。周囲に混乱をもたらし、悩ませ、啓蒙し、より理解に向かって道を切り開く。芸術家の魂を持たない人々はこの本を閉じるだろうが、芸術家の魂を持つ人なら、この本を開き、もっと書くべき事があると身をもって示すだろう。そのような人がいなければこの世はよどみ、そのような人がいれば世界は美しくなる。なぜなら、その人は自分に興味を持つだけでなく、ほかの人々にも興味を向けるからだ。芸術家であるには、画家や彫刻家になる必要もない。どんな素材でも作品はできる。外の世界ではなく、作品そのものの中に価値を見出せばよいのだ。

美術館のある国が、すなわち素敵な国というわけではない。だが、芸術家の魂(アート・スピリット)があれば、美術館には貴重な作品があふれるだろう。さらに良いのは、創作の喜びが生まれることだ。芸術は均衡、秩序、相対的な価値観、成長の法則、簡潔な生活に向かおうとする――それは関係するすべての人々にとって幸せなことである。

芸術を学ぼうとする人々の苦労は並大抵のものではない。それに向き合う勇気とスタミナを持つ人は滅多にいない。いろいろな意味で、孤立することを覚悟しなければいけない。人は共感を求め、仲間を欲しがるものである。一人でいるよりも、仲間といる方がずっと楽だ。だが、一人になって初めて、人は自分をよく知り、成長できる。大勢に囲まれていたら、成長が止まってしまう。これには犠牲が伴う。成功を手に入れたとしても、人は生涯その成功を楽しむと同時に、何かを失わなければならないのかもしれない。

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***デイ・ウォッチ(8日)

袴田巌さん無罪確定へ 事件から58年 検察が控訴しない方針【詳しく】姉 ひで子さん 弁護士の談話なども | NHK | 事件 【全文掲載】検事総長 談話 袴田巌さん無罪確定へ | NHK | 事件 →懲りない検察のせいで、遅すぎた無罪確定となった。姉で91歳の袴田秀子さんは、若い頃に経理のスキルを身につけて自立し、弟の裁判を支えた。60歳で銀行からカネを借りてマンションを建て、不動産経営をしながら裁判闘争を続け、今は弟と住む。袴田さんの生まれた遠州は、トヨタやホンダの創業者を生み、「何でもやってやろう」という「やらまいか精神」があると言われる。秀子さんも「やらまいか人生」だと感じる。次は再審法制の整備だ。

東京五輪汚職、「KADOKAWA」前会長・角川歴彦被告が無罪主張「全く身に覚えがない」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →角川元会長が「令和の袴田さんになりたくない」と激しく争う構えだ。2.2億円の損害賠償訴訟も起こしている。贈収賄事件は、カネの流れが確認され、収賄側に職務権限があれば、立件される。角川元会長には見返りを求める賄賂の意図が本当にないようだ。人質司法の是非も関係する注目の裁判だ。

AIの基礎を開発、2氏にノーベル物理学賞 「機械学習を可能に」:朝日新聞デジタル (asahi.com) →ノーベル物理学賞は、AIの機械学習に贈られた。画期的な開発だが、果たして物理学賞の領域なのだろうか、応用技術にノーベル賞はふさわしいのか、という見方も出ている。ノーベル賞も時代とともに変化するということか。

相次ぐ「闇バイト」強盗“1都3県の捜査状況など共有を”警察庁 | NHK | 事件 →闇バイト強盗で、1都3県の警察が連携する。少なくとも7件の事件が発生している。ネットで実行犯を集め、あまり悪意のない若者が犯罪に加担している。「匿名・流動型犯罪グループ」と言われている。「匿流」は今年のキーワードになりそうだ。

解散本会議、9日午後3時半:時事ドットコム (jiji.com) →衆議院がきょう解散する。自民党の公認問題はぎりぎりまで調整が続きそうだ。非公認、比例区への重複立候補を認めない人数が確定する。対象者にとっての最大の痛手は、公明党の推薦がないため1~2万票減ることだ。野党共闘は進んでいないが、選挙結果が日本の政治を決定する。

*** 「今日の名言」

◎チェ・ゲバラ(キューバの革命家。1967年10月9日死去、39歳

「世界のどこかで誰かが被っている不正を、心の底から深く悲しむことのできる人間になりなさい」 「人間はダイヤモンドだ。ダイヤモンドを磨くことができるのはダイヤモンドしかない」 「一生懸命、成長する必要があるが、優しさを失ってはいけない」 「目的のためには死をもいとわないと思えた時、私たちは生きがいを確信することができる」 「あらゆる不正に対して怒りに震えるならば、あなたは私の同志だ」 「革命は熟せば落ちるリンゴではない。自分で落とさなければならない」 「沈黙も、一つの論争である」 「友達がいないのは悲しい。だが、敵がいないのはもっと悲しい」 「列強諸国の生活水準は、極度の貧困の上に成り立っている」 「私は解放者ではないし、そんなものは存在しない。人は自らを解放するのだ」 「革命家にとっての第一の義務は、教育を受けることだ」 「ゲリラ戦とは、圧制者に対する民衆全体の戦争である」

*** 今週の教養 (アート・スピリット③)

自分の正直な感情を大切にし、見過ごさないこと。我々がここにいるのは、誰かが成し遂げたことをなぞるためではない。私は自分の知識を君たちに伝授しようとは思わない。むしろ、君たちが知っていることを、ぜひ私に話したいという気持ちになってほしい。私の仕事場で心がけるのは、環境をなるべく改善することだけだ。

ルネサンスの巨匠たちの技術を学びなさい。彼らの絵がどのようにしてできているのかを知ることだ。ただし、彼らが築いた伝統にとらわれてはいけない。それらの慣習は、彼らにとっては正しかったし、巨匠たちは確かに素晴らしい。彼らは自分なりの表現法を生み出した。君たちにも自分だけの表現がある。巨匠たちは手助けしてくれる。過去の全てが手がかりになるだろう。芸術を学ぶものは最初から巨匠であるべきだ。つまり、自分らしくあるという点で誰よりも抜きん出ていなければならない。今現在、自分らしさを保っていられれば、将来必ず巨匠になれるだろう。

我々を刺激する芸術作品は、ごまかしや不安を抱いた人間からは生まれない。芸術は大きな喜びにあふれた楽観的な人間性の表れであり、その瞬間にこそ作品が生まれる。作品を作る前に偉大なことを考えるだけでは十分ではない。絵筆が画面に触れた瞬間、作品に取り組んだ芸術家の状態がありのままに現れてしまう。そのような記号を捉えることができる人々は、はっきりとそれを見てとり、意味を理解する。やがては芸術家自身もそれを読み取るだろう。自分自身が明らかになって、驚くかもしれない。

見る者の興味を引き付ける芸術家は、自分自身にも興味を持つべきである。芸術家は強い感情を持ち、深い生活ができなければいけない。深い省察ができ、自分自身と向き合う人は、主題の表面だけを見るのではなく、真実を見抜くことができる。自然は目の前で本当の姿を表す。じっくりと眺め、ひしひしと感じながら、芸術家は絵を描く。その意図があろうとなかろうと、絵筆の運びの一つ一つが、その瞬間の記録になる。作品は絵筆をふるう画家の状態をありありと映し出しているのだ。

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***デイ・ウォッチ(9日)

衆議院解散 総選挙へ 15日公示 27日投開票 石破総理 就任8日後の戦後最短解散 事実上の選挙戦に【詳しく】 | NHK | 衆議院選挙 【一覧】自民党 旧安倍派など不記載議員12人を衆議院選挙で非公認 執行部に不服も | NHK | 衆議院選挙 →石破首相が質問しないので一方通行になった党首討論が終わり、衆議院が解散した。自民党の非公認は12人になった。メルマガで何回も書いているが、自民党と日本の政治は長期の再編過程にある。結果次第では何が起こるかわからない。選挙権のある人は投票に行きましょう。投票をしない「お任せ民主主義」で意見・文句を言っても始まりません。

衆議院解散 これで引退の議員たち 政治家人生を振り返る | NHK | 衆議院選挙 →総選挙では静かに引退する議員もいる。自民党の二階俊博氏、立憲民主党の菅直人氏、中川正春氏、公明党の北側一雄氏、共産党の穀田恵二氏、無所属の塩谷立氏の6氏が登場して、政治活動を振り返っている。ゆく年くる年のようなニュースだ。

ノーベル化学賞、グーグル・ディープマインド社のAI研究者ら3人へ:朝日新聞デジタル (asahi.com)  【ノーベル文学賞】村上春樹さんだけじゃない!多和田葉子さんに注目…柳美里さん、小川洋子さん、川上未映子さんら女性作家の海外評価高まる : 読売新聞 (yomiuri.co.jp) →化学賞は物理学賞に続いて、人工知能(AI)がテーマだった。具体的な業績は「計算によるたんぱく質設計と構造予測」。自然科学3賞で日本人の受賞はなかった。文学賞は難しいとみられ、ノーベル賞ウィークは早くも幕の様相だが、読売新聞が望みのある日本の女性作家を特集している。

買収再提案、7兆円に カナダ大手、額引き上げ―セブン&アイ、社名変更も検討:時事ドットコム (jiji.com) →セブン&アイの買収を仕掛けたカナダのアリマンタシォン・クシュタール。買収金額を1兆円ほど引き上げて7兆円を再提案した。かなり本気だ。イトーヨーカ堂の売却を検討しているセブンは、「アイ」をはずす社名変更を検討している。大手も簡単に買収されかねない時代に入った。

千葉 船橋 高齢夫婦の住宅で強盗被害か 警察が2人組の行方捜査 | NHK | 事件 →闇バイト強盗が頻発しているが、千葉県船橋市で現金900万円が奪われた。高齢夫婦が強盗とはち合わせになったが、けがはなかった。高齢家族の不安が高まっている。警察の頑張りが期待される。

*** 「今日の名言」

◎佐々淳行(警察官僚、初代内閣安全保障室長。2018年10月10日死去、87歳

「悪い情報ほど早く報告せよ」 「危機管理は、悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」 「大きく構えて、小さく収めよ」 「火事は、火花のうちに消せ」 「大地震が発生した時、生き延びるための万能策はない。3日間は自力でなんとかサバイバルする工夫をしてほしい」 「国防の基本的な底力は、俺がやらずに誰がやるという、心の内なる力に駆り立てられたボランティア・スピリットである」 「国防力の根源は、愛国心、犠牲的精神、使命感、主権意識、情報力、指揮統率力、戦略眼、継戦・補給能力、法律力、制度危機感と、危機管理能力」 「言葉は戦いの武器でもあり、また逆に平和を回復する手段にもなる」 「第二次安保闘争で1万2千人の機動隊員に重軽傷を負わせてしまった。当時、俺がやらずに誰がやるという合言葉をつくって、挫けそうになる隊員たちの士気高揚に努めた。合言葉は墨で半紙に書かれ、すべての機動隊員宿舎に貼られていた。彼らが自発的にそうしたのである」

*** 今週の教養 (アート・スピリット④)

スケッチが好きな画家たちは、都会のあちこちに出かけ、人々の間を歩きまわって愉快な日々を送って来た。どこでも好きな場所に行って、好きなだけ足を止めていられる――どこへ到着する義務もなく、興味の赴くまま好きな方角へ進んでいく。好奇心に駆られてあちこち歩き回り、気に入ったものがあれば止まってしげしげと眺め、手にしたスケッチブックにざっとスケッチしたり、ポケットに収まる小さなパネルやイラストボードに油絵の具で素早く描いたりする。腕のよい猟師のように、狙った獲物は逃さない。画家は自分の愛するものを探し求め、それを捕まえようとする。それはどこにでも、いたるところにある。だが、猟師の目をもたなければ、それを見ることはできない。猟師は見ること理解することを学び――そして味わう。

そのような日々、群衆から遠く離れたかと思うとまた戻り、対象を見つめ、思いにふけったことは記憶として残る。描いたはずのスケッチはどうなった? いくつかはほこりにまみれ、よくできたいくつかは額に入れられ、いくつかはもっと大きな作品のモチーフになる。それらの大作は、スケッチより良いものになることもあれば、失敗に終わることもあるだろう。だが、それらのスケッチは、というより、それを手がけた時点での自分たちのあり方や理解の度合いは、常に変化し続け、我々の作品と人生全体に大きな足跡を残す。

拒絶を恐れるな。優れたものを持つ人間はみな拒絶を通過してきた。作品がすぐに「歓迎」されなくても気にしないことだ。作品がすぐれているほど、あるいは個性的なほど、世間には受け入れられないものである。ただし、このことは覚えておいて欲しい。絵を描く目的は、展覧会に出すことだけではない。作品が展覧会場に並ぶのは歓迎すべき事ではあるが、絵を描くのは自分自身のためであって審査員のためではない。私は何年も拒絶され続けた。

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***デイ・ウォッチ(10日)

韓国の作家ハン・ガンさんがノーベル文学賞 アジア女性で初の受賞:朝日新聞デジタル (asahi.com) →アジア女性のノーベル文学賞は初。父も小説家の53歳で、詩人としてスタート。代表作は2007年の小説「菜食主義者」。弱い人から目を背けず、深い悲しみを描く作風だ。2016年には権威ある英国のブッカー国際賞をアジア人で初めて受賞していた。アジア文学界の画期となる。

覇権主義的行動を批判 ASEANと海洋安保で連携―石破首相:時事ドットコム (jiji.com)  日中首相「戦略的互恵」確認 邦人安全、水産物輸入で協議:時事ドットコム (jiji.com) →石破外交がデビュー。外相は未経験で、外交力も未知数。ASEAN首脳会議ではさすがにアジア版NATOは封印した。中国の李首相とも会談。安全運転のようで、伝えられる情報は予定調和的。結果の詳細はこれからだ。

参院岩手補選が告示 27日投開票、自民は不戦敗:時事ドットコム (jiji.com) →一足早く参議院の岩手補選が告示された。不倫や秘書給与詐欺で話題になった自民党・広瀬めぐみ氏の辞任に伴う選挙で、自民党は立候補を見送った。政治とカネの問題を先取りしたような補選だが、投開票は総選挙と同じ27日。

セブン&アイHD グループ再編計画発表 イトーヨーカ堂などコンビニ以外の事業分離し中間持ち株会社の傘下に | NHK | 小売業 →セブン&アイホールディングスが、コンビニ重視の再編計画を発表した。スーパー事業から撤退し、コンビニ以外も整理する。カナダ企業から買収提案を受けているが、コンビニ集中で株価を上げ、買収防衛策も狙う。駆け引きが激しくなりそうだ。

テニス ウィンブルドン 線審を廃止 来年の大会から複数カメラ使った機械判定を全面導入へ | NHK | #テニス →テニスのウィンブルドン大会で線審がいなくなる。テニス界では一部で導入されているが、一気に広まりそうだ。機械判定の出来そうな競技は他にもあり、影響するだろう。審判コストが減るが、誤審の面白さもなくなるか。

*** 「今日の名言」

◎三浦綾子(小説家。1999年10月12日死去、77歳

「なぜ私たちは不満を後回しにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう」 「苦難の中でこそ、人は豊かになれる」 「つまずくのは恥ずかしいことじゃない。立ち上がらないことが恥ずかしい」 「私たちは、毎日生きています。誰かの人生を生きているわけではないのです。自分の人生を生きているのです」 「秀れた人間というのは、他の人間が愚かには見えぬ人間のことだろう」 「やれるかも知れないと思った時、自分でも気づかなかった力が出てくるものだ。初めから、できないと言えば、できずに終わる」 「人間は弱い者である。たとえ幾多の才があっても、大きな意欲があっても、ダメな奴と言われれば、たちまちしぼんでしまう」 「相手の一言によって生きる力を与えられる」 「少なくとも、人間たる者は、医者になるとか、政治家になるとかいう目標よりも、どんな生き方の医者になりたいとか、どんな生きかたの政治家になりたいかを問題にすべきではないだろうか」

*** 今週の教養 (アート・スピリット⑤)

大傑作を目指せ! よく出来た風景画を描いたりするな。君自身が興味をひかれた風景をキャンバスに描き出せ――それを目にした時の自分の快感を描くのだ。頭を使え。きれいな色彩、快い色調、バランスのとれた形態で風景を描ける人々は大勢いる。そのすべてが、大胆かつ知的な筆先で表現されている。

クールベの作品はどれも、彼の人間性を表している。彼がどんな頭脳とどんな心を持っていたかが読み取れる。画学生ならば、形態であれ何であれ、自分が発見したものを描き出すべきだ。人として生まれて望むのは、この世界全体にささやかなりとも自分の断片を付け加えることである。誰も最後の1人にはなれないが、自分の進歩記録することができる。どんな記録であれ、とことんまでやれば全体をしのぐこともある。画学生は孤立した存在ではない。大勢の仲間の一人であり、同じ志を持つ人々と緊密につながっている。彼らは人から与えられ、また人に与える。受け取ることは自分にとっての利益となり、他者に与えることもまた利益となる。

芸術を介して、人々の間に神秘的な理解と叡智の絆が生じる。それは兄弟の絆と同じように堅い。兄弟の絆を結んだ者たちはお互いを深く理解しあい、時間や空間さえも彼らを隔てない。この絆は強力だ。この絆を証明するのは表面的な形ではない。この地球上で、様々な組織が生まれ、権威を持ち、互いに張り合おうとするかもしれない。政治家たちは現状維持を図って、何度となく修復を試みるだろう。表面上でどんなことが起ころうとも、兄弟の絆は揺るがない。それは人類の進歩である。

内面に芸術家の魂が息づいている人にとっては、どんな身近な人々よりもエルグレコの方に親しみを感じるだろう。プラトンでも、シェークスピアでも、古代ギリシャ人でもいい。書物の中には、最初のいくつかの文章を読んだだけで、そこに兄弟がいると感じられるものがある。通りで大勢の人とすれ違う。君のために存在する人もいれば、無縁の人々もいる。ここにレオナルド・ダ・ヴィンチの素描がある。私はその素描の中に入り込み、描きながら難問に取り組むレオナルドを眺め、そこで彼と出会う。