11月11~15日(教養講座:アイヌ神謡集)
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***デイ・ウォッチ(8~10日)
◎きょう特別国会召集 首相指名選挙経て 第2次石破内閣発足へ | NHK | 国会 →10月29日のメルマガで「立憲は国民民主・玉木氏を首相に担ぐくらいの大技が必要だろう」と書いたが、小技もなく石破首相が続投する。野党は共闘すれば政権交代できたのに、みすみす「大魚」を逃した。本格的な連立政権時代に向けた熟議が始まるか、単なる混乱に陥るか。もうすぐ見えてきそうだ。
◎(政界変動)年収の壁、動き出す 譲らぬ国民民主、税収減恐れる自民:朝日新聞デジタル →「103万円の壁」が関心を呼んでいるが、「壁」はいくつもある。103万円は所得税発生だが、106万円は厚生年金と健康保険の支払いが発生(企業規模による)、130万円は国民年金・国民健康保険の支払いが発生する。100万、150万、201万もある。これから焦点になるので基礎知識を整理しておきたい。
◎トランプ政権2期目へ 要職に誰を起用か 人事絞り込み進む | NHK | トランプ前大統領 →アメリカではトランプ次期政権が始動している。首席補佐官に女性のワイルズ氏を指名。イーロン・マスク氏を重要ポストで起用することも有力視されている。1期目政権のヘイリー国連大使、ポンペイオ国務長官らは「政権に招くつもりはない」と明言している。トランプ大統領を嫌ってカナダなどへの移住希望者が急増している。アメリカはダイナミックだ →国外移住希望者が急増 トランプ氏勝利「耐えられない」―米:時事ドットコム
◎松本人志さん 文春との裁判 訴え取り下げ 双方が合意 コメント発表 吉本興業「活動再開は関係各所と相談」 | NHK →注目の裁判は松本人志さんの完敗で終わった。記事が出た直後、被害者が詳細を訴えているのに「事実無根」という反論には違和感があった。「同意があった認識だった」なら裁判で争えるが、全面否定で袋小路に陥った。謝るべきは早く謝罪すべき。テレビ復帰は見通せない。
◎佐々木の大リーグ移籍容認 ポスティングの手続きへ―プロ野球・ロッテ:時事ドットコム →注目の佐々木朗希選手が大リーグに羽ばたく。大谷選手と同じ岩手県出身で、父親を東日本大震災で亡くした。完全試合を達成し、投手の潜在力では大谷より上かもしれないが、メンタルと体力はまだ発展途上だろう。どんな大リーガーになるか。
*** 「今日の名言」
◎佐藤愛子(作家。11月5日は101歳の誕生日)
「長生きしたいとは思っていませんでした。わがままですから。人にどう思われるかなどと考えているとだめですね」 「どんな育ちをしたって、100歳になれば独りぼっちですよ。受け入れるしかないですね」 「孤独と折り合うということはできません。できないから、踏ん張って受け止めている」 「いまの世の中を一言で言えば『いちいちうるせえな』。これに尽きますよ」 「私だって特別才能があったから作家になったのではありません。書くこと以外できなかったのです。まあ、おかげでわがままに生きられたのはよかったですけどね」 「好きに生きればいい。才能があるかないかなんて熱心に考えなくてもいいのです。人生なんてなるようにしかならないのだから」 「損得勘定に長けていることが賢い生き方のように思われているようですが、お金がたくさんあれば強いかといったら、そんなことはありません。むしろ強いのは、お金やモノに執着しない人のほうでしょうね」
*** 今週の教養 (アイヌ神謡集・概説)
神謡(しんよう)は、アイヌ文学のジャンルのひとつである。「カムイ」と呼ばれる動物・植物・自然現象などが主人公となり、カムイの国や人間の国での体験をまとめた物語の総称だ。同じ言葉を何度も挿入しながら、メロディにのせて口演する。今回は知里幸惠編訳『アイヌ神謡集』(岩波文庫、1978)を紹介する。
◎概説 アイヌ人は、自然と共生する世界観を持ち、物を所有する観念が薄いと言われる。今風に言えば、SDGs(持続可能な開発)を先取りしたような思想だ。日本は単一文化圏と思いがちだが、アイヌ人の存在は、日本の多様性を示唆している。
知里幸惠(ちり・ゆきえ=1903~22)は、アイヌ人の女性で、北海道の現登別市に生まれた。父は地元のアイヌ豪族の子孫で進歩的な考えを持ち、母はキリスト教者だった。そうした家庭で伝来の信仰深い情操を育んだ。幸惠はアイヌの言葉だけでなく、標準語にも堪能で、優れた文章も書いた。地元に伝わる口伝の神謡をローマ字で書き取り、それに日本語の口語訳をつけて公刊した。
言語学者の金田一京助が幸惠の祖母たちから神謡を聞き取るために現地を訪れ、その後、幸惠は東京の金田一宅で翻訳作業を続けた。しかし、患っていた心臓病のため19歳で亡くなった。金田一は「知里幸恵さんのこと」という一文を書き、岩波文庫版に収録している。「か弱い一生を捧げて過去幾百千万の同族を育んだ言葉と伝説を筆に伝え残し、種族の存在を永遠に記念しようと決心した乙女心こそ美しくも健気なものではありませんか」と書いている。
アイヌ文学は、韻文と散文の物語に分けることができる。韻文の物語は、「歌われる抒情詩」で、「ユーカラ」(詞曲)と呼ばれている。それはさらに神のユーカラと人間のユーカラに分かれる。神のユーカラは、神々が主人公となって自分の体験を語る形式で、比較的短編の物語である。主人公はさらに動物と植物に分けられるが、今週紹介するのはフクロウの物語である。
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***デイ・ウォッチ(11日)
◎【独占スクープ】玉木雄一郎氏「高松観光大使」元グラドルと隠密不倫デート&地元ホテルで逢瀬…取材には「家族との話し合いが終わっていない」 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌] →玉木代表の不倫が、特別国会の首相指名日の朝に発覚した。「事実は小説より寄なり」「好事魔多し」「小人閑居して不善をなす」・・・。いろいろな言葉が浮かんでくるが、政界はやはり「一寸先は闇」。玉木株は急落し、政策協議への影響が焦点だ。
◎103代首相に石破茂氏指名 衆議院の決選投票で野田佳彦氏上回る – 日本経済新聞 →石破氏が決選投票で221票を獲得して首相になった。しかし、半数の233票には届かず、完全な少数与党。政治とカネ、年収の壁、総合経済対策、予算や税制と年末に向けて課題は山積みだ。細かな議論や党利党略では追いつかない。与野党は思想を整理して制度設計を急ぎ、大胆な妥協も必要だろう。
◎COP29開幕 米協力に不透明感 主要議題で一致した対応示せるか | NHK | COP →気候変動対策を話し合うCOP29が開幕した。最大の不安要因は、パリ協定離脱を表明しているトランプ大統領の誕生。温室効果ガスの排出量で世界2位のアメリカが不在なら、COPは漂流する。新大統領が世界に及ぼす最大の悪影響はこのテーマだろう。人類はやはり愚かなのだろうか。
◎ポケベル爆発、関与認める レバノン停戦、米と協議へ―イスラエル首相:時事ドットコム イスラエル首相、トランプ氏と数日で3回会話 ガザ、レバノン停戦協議か:時事ドットコム →ネタニヤフ首相がポケベル爆発の関与を認めた。国防相解任の背景には作戦実行をめぐる対立があった。一方、停戦を目指すトランプ氏と頻繁に協議している。アメリカの政権交代で中東情勢も激変しそうだ。
◎大規模停電 四国電力送配電に原因究明と再発防止策の検討を指示 武藤経産相 | NHK | 経済産業省 →9日夜、四国電力管内で38万戸が停電した。理由は本州に向けた電力供給量が急増したため。本州とつなぐルートは2つあり、片方が故障して復旧した際に停電したという。電力会社を超えた融通は盛んになっているが、危機管理に関わる事態で、原因究明と再発防止は急務だ。
*** 「今日の名言」
◎アーサー・ネヴィル・チェンバレン(英国の首相、ヒトラーに対して宥和外交と批判された。1940年11月10日死去、71歳)
「(独によるチェコスロバキア併合をめぐり)私はドイツ首相に会いに行きます。私たち2人の会談によって、有益な結果が生まれると思われるからです。私の政策は常に平和の確保が第一です」 「私の目的は、欧州の平和です。この旅でそれを達成できることでしょう」 「チェコスロバキアの問題は無事に解決しましたが、それは大きな問題の解決に至る序曲にすぎません。全欧州の平和への序曲です」 「ヒトラーは、私が出会った中でもっとも凡庸な子犬だ」 「(第二次世界大戦開戦の全国民に向けたラジオ演説で)今朝ベルリンで、英国大使がドイツに最後通牒を渡しました。11時までにポーランドからドイツ軍を撤退させない場合、交戦状態に入ると通告しました。ドイツの要求は受け入れがたいものです。わが国はドイツと戦うことになりました。長年の平和への尽力が水泡に帰し、痛恨の極みであります」
*** 今週の教養 (アイヌ神謡集)
◎「ふくろうの神の自ら歌った謡」① 「銀の滴(しずく)降る降るまわりに、金の雫降る降るまわりに」という歌を歌いながら、私は流れに沿って下り、人間の村の上を通りながら下を眺めました。すると、昔の貧乏人が今お金持ちになっていて、昔のお金持ちが貧乏になっているようです。
海辺に人間の子どもたちが、おもちゃの弓におもちゃの小さい矢を持って遊んでいます。「銀の滴降る降るまわりに、金の雫降る降るまわりに」と歌いながら、子どもたちの上を通りました。子どもたちは私の下を走りながら「美しい鳥!神様の鳥!さあ、矢を射て。あの鳥、神様の鳥を射当てたものは、一番先に取ったものは、本当の勇者、本当の強者だぞ」と言いました。昔貧乏人で今お金持ちになっている者の子ども達は、金の弓と金の矢で私を射ました。私は金の矢を下に通したり、上に通したりしました。
子どもたちの中に一人、ただの木製の弓にただの矢を持って仲間に入っている子がいます。貧乏人の子らしく、着物でそれが分かります。けれどもその眼色をよく見ると、えらい人の子孫らしく、ひとり変わり者になって仲間入りをしています。ただの弓とただの矢で私を狙います。すると、昔貧乏人で今お金持ちの子ども達は、大笑いをして「あらおかしや貧乏の子。あの鳥、神様の鳥は、私たちの金の矢でも取れないのに、お前のような貧乏な子の腐った矢で、あの鳥、神様の鳥が取れるだろうか」と言って、貧しい子を足蹴にしたり、叩いたりします。
けれども貧乏な子はちっとも構わず、私をねらっています。私はその様を見ると、たいそう不憫に思いました。「銀の滴降る降るまわりに、金の雫降る降るまわり」にという歌を歌いながら、ゆっくりと大空に私は輪を描いていました。貧乏な子は片足を遠く立て、片足を近く立てて、下唇をぐっとかみしめて狙っています。ひょうと矢を放つと、小さい矢が美しく飛んで私の方へ来ました。私は手を差し伸べて、その小さい矢を取りました。くるくるまわりながら私は、風を切って舞い降りました。
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***デイ・ウォッチ(12日)
◎石破首相 AI 半導体産業に7年間で10兆円以上の公的支援の方針 | NHK | 生成AI・人工知能 →AIと半導体産業育成のため、2030年度までの7年間に10兆円を投入する。国が特定産業に資金を出して成功した前例はあるだろうか。近くまとめる経済対策の一環だが、物価高対策や103万円の壁などとあわせて国会で議論される。
◎維新 代表選に吉村共同代表が立候補の意向表明 | NHK | 選挙 →維新の顔が交代する。コロナ対策で有名になった吉村大阪府知事。代表選挙をするというが、もう決まりだろう。馬場代表よりソフトイメージで、弁護士と税理士の資格を持っているので実務能力も高そうだ。衆議院議員を10ヶ月あまり務めたが、中央政界での手腕は未知数。政局には強いのか。知事と両立できるのかどうか。
◎米安保補佐官に対中タカ派ウォルツ氏 国務長官にルビオ氏観測―トランプ政権人事で報道:時事ドットコム →海の向こうのアメリカでも政権構築が加速している。安全保障補佐官、国務長官などの候補者の名前にあまり馴染みがないが、全員がタカ派、強硬派という。世界の対立は激しくなるのだろうか、それとも強硬に出るディールの一環か。
◎宝塚音楽学校 応募資格「容姿端麗」来年度の募集要項から削除 | NHK | 舞台芸術 →宝塚の応募資格が「容姿端麗」から「心身ともに健康」に変わった。「時代や環境の変化を踏まえ常に検討してきた」という。入学希望者は減少傾向にあり、劇団員が死亡した問題が起きて初試験となった今年の倍率は12倍で2000年以降最も低くなっていた。東のジャニーズ、西の宝塚。ともに曲がり角だ。
◎KADOKAWAに勧告 買いたたき、3割超減額も―下請法違反・公取委:時事ドットコム →KADOKAWAがフリーライターらの料金を買い叩いたとして公正取引委員会から勧告を受けた。コストダウンだったのだろうが、弱い立場の人に一方的に不利益を押し付けるのは許されない。東京五輪汚職事件、サイバー攻撃など同社には大逆風が続いている。
*** 「今日の名言」
◎亀井勝一郎(文芸評論家。1966年11月14日死去、59歳)
「すべての欠点は長所に結びついている」 「強い精神ほど、孤立する」 「幸福というものはささやかで、ささやかなものを愛する人が、本当の幸福をつかむ」 「理想の夫、理想の妻を得ようとするから失望するのだ。凡夫と凡婦が結婚するのである」 「教養の真の表れは、その人の『はにかみ』にある」 「愛の敵は、慣れるということである」 「多忙であることによって、自分は何か仕事をしたという錯覚を抱くことができる」 「人間の心は、眼や表情にも表れるが、後姿にはっきり表れることを忘れてはならぬ」 「徒党というものは、一面からいえば、孤独に耐え得ざる精神の休憩所だ」 「未完成の自覚を持って、絶えず努力してゆくところに青春がある。たとえ若くても、自己満足に陥っているなら、その人は老人に等しい」 「人は後姿についてまったく無意識だ。そして何げなく、そこに全自己を表す。後姿は悲しいものだ」 「今日の若い男性は教養程度が低くなったので、目立つものにしか心をひかれない。発見する能力を失ったのだ」
*** 今週の教養 (アイヌ神謡集)
◎「ふくろうの神の自ら歌った謡」② 私が舞い降りると、子どもたちは走って砂吹雪を立てながら競争しました。土の上に私が落ちると、最初に貧乏な子が駆け付けて私を取りました。すると昔貧乏人で今は金持ちになっている者の子どもたちは、後から走って来て、たくさん悪口をついて、貧乏な子を押したり叩いたりしました。「憎らしい子、貧乏人の子。私たちが先にしようとすることをしやがって」と言いました。貧乏な子は私の上に覆いかぶさって、自分の腹にしっかりと抱えていましたが、やっとのこと人の隙間から飛び出しました。昔は貧乏人で今は金持ちの子ども達が、石や木片を投げつけました。
貧乏な子は構わず砂吹雪を立てながらかけて行き、一軒の小屋に着きました。子どもは窓から私を入れました。家の中から老夫婦が目の上に手をかざしながらやって来ました。みると大変な貧乏人ではあるけれども、紳士らしい淑女らしい品を備えています。私を見ると腰をかがめてびっくりしました。老人はきちんと帯を締め直し、私を拝し、「ふくろうの神様、王神様。貧しい私たちの粗末な家へおいでくださいまして、ありがとうございます。昔は大金もちに数えられるほどの者でございましたが、今はこのようにつまらない貧乏になりました。国の神様、大神さまをお泊め申すも恐れ多いことです。もう日も暮れましたから、今夜は大神様もお泊め申し上げ、明日はただイナウ(祭具の一つ)だけでも大神様お送り申し上げましょう」と言い、何回も礼拝を重ねました。
老婦人は東の窓の下に敷物を敷いて、私をそこへ置きました。みんな寝るとすぐに高いびきで寝入ってしまいました。私は真夜中に起き上がりました。「銀の雫降る降るまわりに、金の雫降る降るまわり」にという歌を静かに歌いながら、この家の中を左へ右へと美しい音を立てて飛びました。私が羽ばたきをすると、私の周りに美しい宝物が音をたてて落ち散りました。
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***デイ・ウォッチ(13日)
◎敦賀原発2号機 再稼働の前提となる審査で不合格 原子力規制委発足以降初めて | NHK | 各地の原発 →原子力規制委員会が初めて「ノー」を突きつけた。引くに引けない日本原電は再申請を狙うというから面倒だ。原子力村・電力会社の辞書に「再稼働断念」の文字はないようだ。
◎浜岡原発の防波壁 高さ22メートルから28メートルにかさ上げへ | NHK | 静岡県 →東日本大震災の際、民主党政権から停止を要請された浜岡原発。再び防波壁をかさ上げするという。南海トラフ地震の震源域で、地震前の合格は困難とみられているが、中部電力はなお突っ走る。13年以上も稼働していないが、その間と今後のコスト、防波壁の建設費は電気料金に上乗せされる。「再稼働断念」が賢明な経営判断だと思うが。
◎「裏金」議員の起用見送り 副大臣・政務官人事を決定―第2次石破内閣:時事ドットコム 衆議院の委員長決まる 予算委員長には立民の安住淳氏 | NHK | 衆議院 →石破政権下の人事が進んでいる。副大臣・政務官に「裏金議員」の起用は見送った。女性は副大臣26人中1人、政務官28人中5人。国会の委員長は、立憲が要の予算委員長、選択的夫婦別姓の法務委員長などを獲得した。安住予算委員長の手腕は注目だ。
◎トランプ氏、着々と陣容固め マスク氏ら起用、「忠誠」重視―1期目より早く、少ない反発・次期米政権:時事ドットコム →イーロン・マスク氏がトランプ政権で「政府効率省」のトップに就任する。「闇の政府」と批判していた組織にメスを入れる方針で、閣僚や官僚をすべて忠誠心の高い「イエスマン」で固めるようだ。政府は機能するのだろうか、やり過ぎではないか、と他国ながら心配になる。下院も共和党の多数が決定し、トリプルレッドになった。やりたい放題だ。
◎電気・ガス料金への補助 来年1月~3月実施で検討 住民税非課税世帯に1世帯3万円目安に給付検討 政府 | NHK | 物価高騰 →電気・ガス代の補助を来年1~3月に再開する。バラマキ批判が強かったが、参院選挙も考慮しての再開だろう。同時に実施する住民税非課税世帯への給付金のように、ターゲットを絞った賢い支出を考えるべきだ。
◎セブン&アイ ホールディングス 創業家からの提案受け非上場化を検討 カナダ コンビニ大手からの買収提案で | NHK | 小売業 →カナダ社から買収提案を受けているセブン&アイが、MBOによる非上場を検討している。創業家からの提案だが、6兆円の資金が必要。メガバンクなどの強力な支援が不可欠という。買収は新たな段階に入るか。
*** 「今日の名言」
◎坂本龍馬(幕末の志士。1867年11月15日暗殺、31歳)
「人の世に失敗ちゅうことは、ありゃせんぞ」 「人として生まれたからには、太平洋のように、でっかい夢を持つべきだ」 「おれは落胆するよりも、次の策を考える人間だ」 「わずかに他人より優れているというだけの知恵や知識が、この時勢に何になるか」 「事をなさんとすれば、智と勇と仁を蓄えねばならぬ」 「万事、見にゃわからん」 「金よりも大事なものに評判というものがある。世間で大仕事をなすのにこれほど大事なものはない」 「議論に勝っても、人の生き方は変えられぬ」 「慎重もええが、思いきったところがなきゃいかん。慎重は下僚の美徳。大胆は大将の美徳」 「時勢に応じて自分を変革しろ」 「偏見を持つな。相手が幕臣であろうと乞食であろうと、教えを受けるべき人間なら俺は受ける」 「我、初めて西郷を見る。その人物、茫漠としてとらえどころなし。ちょうど大鐘のごとし。小さく叩けば小さく鳴り、大きく叩けば大きく鳴る」 「時勢は利によって動く。議論によっては動かぬ」 「日本を今一度、せんたくいたし申候」 「世の人は 我を何とも 言わば言え 我が成す事は 我のみぞ知る」
*** 今週の教養 (アイヌ神謡集)
◎「ふくろうの神の自ら歌った謡」③ ちょっとの間に小さい家を立派な宝物でいっぱいにしました。「銀の滴降る降るまわりに、金の雫降る降るまわりに」という歌を歌いながら、小さい家を金の大きな家に作り変えてしまいました。立派な宝物の置き場を作り、立派な美しい着物を早作りして、家の中を飾り付けました。富豪の家よりも立派に家の中を飾り付けました。
アイヌの主人が運悪く貧乏になって、昔貧乏人で今お金持ちになっている者達に馬鹿にされたり、いじめられたりしている様を見て、不憫に思いました。私は身分の卑しい神ではないのだが、人間の家に泊まって、恵んでやりました。少し経って夜が明けると、家の人々が一緒に起きて目をこすり、家の中を見ると、みんな床の上に腰を抜かしてしまいました。
老婦人は声をあげて泣き、老人は大粒の涙をポロポロこぼしていました。やがて老人が起き上がり、私のところへ来て、何回も礼拝を重ねて言いました。「ただの夢の眠りをしたのだと思ったのに、こんなにしていただきました。つまらない私どもの粗末な家においで下さるだけでもありがたく存じますものを、国の神様、大神様、私たちの不運を憐れんでくださいました。お恵みのうちにも最も大きいお恵みをいただきました」と泣きながら申しました。
それから老人はイナウ(祭具の一つ)の木を切り、立派なイナウを美しく作って、私を飾りました。老婦人は身支度をして、小さい子を手伝わせ、薪を取ったり水を組んだりして、酒を作る仕事をしました。ちょっとの間に六つの酒樽を上座に並べました。私は火の老女、老女神と語り合いました。2日ほど経つと、家の中に酒の香りが漂いました。そこであの小さい子にわざと古い着物を着せて、村中の昔貧乏人で今お金持ちになっている人々を招待するため、お使い出してやりました。子どもは家ごとに入って、使いの口上を述べますと、昔貧乏人で今お金持ちになっている人々は大笑いをしました。
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◎おことわり→マイクロソフト社ウィンドウズの定例アップデートで、ニュースタイトルの日本語表示ができなくなりました。手動で書いているので、やや見にくくなっています。改善の見通しは、今のところ不明です。ご了承下さい。
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***デイ・ウォッチ(14日)
◎臨時国会、28日開会へ (朝日)→政治は日程闘争でもある。これから自公と国民民主の政策協議が本格化し、それを踏まえて臨時国会で本格的に議論する。国会開会中は、野党が与党を攻撃するため内閣支持率は下がりがちだが、少数与党で新しい政治文化が求められている。熟議を重ねて必要な決定を速やかにしないと、政治が空転し、国民の政治不信が高まりかねない。政治不信はファシズムの温床でもある。与野党の責任は重い。
◎トランプ氏とバイデン大統領が会談 (NHK)→日米とも政権の移行期で政治ニュースが多くなっている。トランプ氏のホワイハウス訪問は4年ぶり。「円滑な政権以降についてジョー(バイデン)にとても感謝する」と殊勝に語った。新政権の幹部が次々と発表されているが、個性やクセの強い人物が多く、チームワークよくできるのだろうか。安倍首相の政治手腕は2期目で成長をみせた。トランプ氏もそうなるかどうか。
◎野田代表、参院選で1人区の野党共闘進める (NHK)→選挙の次の焦点は、来夏の参院選の1人区の勝敗。地方が多く、ここで野党共闘が成立すれば、参院でも少数与党に持ち込める。選挙本部長は野田氏だが、副本部長にあの小沢一郎氏が就任した。野党は衆院選で資金を使ったので、参院選では候補者を多く出せない事情もある。参院選をにらんだ駆け引きが始まる。
◎第一生命、1000人の希望退職を募集 NHK →対象は50歳以上で、1000人は全社員の7%にあたる。退職支援金の支払いで150億円の特別損失を計上する。労働力不足でシニア活用が叫ばれているが、実態は理想とかけ離れている。マクロとミクロのギャップと言えば聞こえはいいが、大企業はシニア活用より切り捨てに傾いている。
*** 「今日の名言」
◎三浦徳子(作詞家。2023年11月6日、75歳で死去)
「全部聴かせどころというのはだめ。サビはちょっとあればいい」 「朝起きて、言葉が向こうからやってくるのを待つんです」 「松田聖子さん初めて会った時、オーラは感じなかったけど、スタジオで声を出したとき、すごくいい声なんですよ。声量がすごくあったの」 「あゝ私の恋は南の風に乗って走るわ あゝ青い風切って走れあの島へ『青い珊瑚礁』) 「恋する女は綺麗さ 決してお世辞じゃないぜ ため息混じりの頬に ついこの手のばしたくなる『お嫁サンバ』」 「ああ みずいろの雨 私の肩を抱いてつつんで 降り続くの ああ 崩れてしまえ あとかたもなく流されていく 愛のかたち『みずいろの雨』」 「街はきらめく passion fruit ウインクしてるeverynight グラスの中のpassion beat 一口だけでfall in love『CAT’S EYE』」 「「Stay with me 真夜中のドアをたたき 帰らないでと泣いた あの季節がいま目の前 Stay with me 口ぐせをいいながら 二人の瞬間を抱いて まだ忘れず大事にしていた『真夜中のドア~stay with me』」
*** 今週の教養 (アイヌ神謡集)
◎「ふくろうの神の自ら歌った謡」④完 昔貧乏人で今お金持ちになっている人は「これは不思議。貧乏人どもがどんな酒を作って、どんなごちそうがあって、人を招待するのだろう。行って見物して笑ってやりましょう」と言い合いながら大勢連れてやってきました。ずっと遠くから家を見ただけで驚いて恥ずかしがり、そのまま帰る者もあります。家の前まで来て腰を抜かしている者もあります。すると、家の夫人が外へ出て、来た人の手をとって家に入ります。
家の主人はカッコウのような美しい声で言いました。「貧乏人でお互いに往来もできなかったのだが、王神様が憐れんでくださった。何の悪い考えも私どもは持っていませんでしたので、このようにお恵みをいただきました。今から村中私どもは、一族の者なんですから、仲良くしてお互いに往来をしたいという事を皆さまに望む次第であります」。そう申し述べると、人々は何度も何度も手をすり合わせて家の主人に罪を謝し、これからは仲良くすることを話し合いました。それが済むと、人はみな心が和らいで、盛んな酒宴を開きました。
私は人間たちの舞を舞ったり踊りをしたりする様を眺めて、深く感じ入りました。2、3日たつと、酒宴は終わりました。人間達が仲の良い様を見て、私は安心して別れを告げました。私が自分の家に帰ると、家は美しい御幣や美酒でいっぱいになっていました。それで近い神と遠い神に使者をたてて招待し、酒宴を張りました。私は神様たちへ人間の村を訪問した時の出来事を詳しく話しますと、神様たちはたいそう私をほめました。
かのアイヌ村の方を見ると、今はもう平穏で、人間たちはみんな仲良くなっています。村の子どもはもう成人して、妻や子を持って、父や母に孝行をしています。いつでも酒を作ったときは、酒宴のはじめに、御幣やお酒を私に送ってよこします。私も人間たちの後に坐して、人間の国を護っています、とふくろうの神が物語りました。