12月9~13日(教養講座:発達障害グレーゾーンの部下たち)
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***デイ・ウォッチ(6~8日)
◎シリア アサド政権が崩壊 “大統領はロシアに亡命” | NHK | シリア →独裁アサド政権が倒れたのはいいが、反政府派はアルカイダ系過激派というから喜べない。アサド政権を支えたロシアがウクライナとの戦争で弱体化した背景がある。1939年、独ソ不可侵条約の際、平沼騏一郎首相は「欧州は複雑怪奇」と言って退陣したが、今も世界が絡み合って「複雑怪奇」になっている。
◎韓国ユン大統領の弾劾は廃案 与党が「大統領は国政に関与しない」と談話 | NHK 検察が内乱と職権乱用で捜査 | NHK →弾劾は廃案になったが、大統領は政治的に失脚同然。検察も捜査を始めた。大統領選になれば、野党が有力だが、野党代表は北朝鮮への不正送金などで1審有罪の判決が出ているから、複雑怪奇だ。一方、抗議行動に動く韓国国民のパワーは目を見張る。日本とは大違いだ。
◎ルーマニア大統領選第1回投票、 無名候補の1位に憲法裁判所が無効判断 SNSの影響 を考慮| NHK →11月に1回目の投票があり、TikTokを駆使した無名候補が1位になった。8日に決選投票が行われる予定だったが、裁判所が待ったをかけた。「SNSで公正な選挙ができなかった」というが、候補側は「民主主義が停止された」と反発する。「SNSと選挙」は世界的テーマだ。
◎J1神戸が連覇&2冠、武藤嘉紀「全てをサッカーにささげた結果」…磐田はJ2降格 : 読売新聞 →三つ巴の優勝争いとなった異例のJ1最終日。首位神戸が3対0で圧巻の優勝を遂げた。2連覇、天皇杯との2冠で黄金時代を迎えつつある。初シーズンの町田が3位と大健闘。年間3回優勝のかつての名門磐田は、再びJ2に降格する。
◎JR東日本 運賃値上げを申請 値上げ幅平均7.1% 2026年3月から | NHK | 鉄道 →1987年の民営化以降、初めての本格的値上げ。国鉄時代をよく知る世代から見れば、「よくぞこれまで運賃を維持できた」という感が強い。民営化の大きな成果だが、それまでの国鉄がいかに非効率だったかの証明でもある。JRの北海道と九州は来年4月から値上げの予定。東は2026年3月から。
◎中山美穂さん急死、事務所「入浴中に起きた不慮の事故と判明」…警視庁が遺体を解剖 : 読売新聞 →54歳の若すぎる急死。世代や性別を超えて幅広い人気を誇っていただけに大きな衝撃が走った。自宅は所属事務所の関連会社が入る渋谷区の商業ビル6階。パリに親子3人で10年住んだが、最近10年はここに1人で住んでいたという。
*** 「今日の名言」
◎夏目漱石(小説家。1916年12月9日死去、49歳)
「焦ってはいけません。ただ牛のように、図々しく進んでいくのが大事です」 「君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである」 「運命は神の考えることだ。人間は人間らしく働けば、それで結構である」 「何か素晴らしいことを達成するための努力というものは、決して無駄にはならないということを覚えていなさい」 「のんきと見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする」 「自分の弱点をさらけ出さずに人から利益を受けられない。自分の弱点をさらけ出さずに人に利益を与えられない」 「自分が幸福でないのに、他を幸福にする力があるはずがありません」 「自らを尊しと思わぬ者は、奴隷なり」 「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」 「愛嬌というのはね、自分より強いものを倒す柔らかい武器だよ」 「人間の目的は、生まれた本人が本人自身のためにつくったものでなければならない」
*** 今週の教養 (発達障害グレーゾーンの部下たち①)
どの職場で困った部下や上司はいるだろう。今週は「発達障害のグレーゾーンの部下たち」(舟木彩乃著、SB新書、2024)から紹介する。著者はストレスマネジメントの専門家で、1万人以上をカウンセリングしてきた。発達障害にはグレーゾーンがあり、特性や環境を見極めながら対処し、個性や能力を活かすべきだと説いている。「はじめに」などから一部を抜粋する。
◎近年、発達障害に関する情報が増えていますが、職場にいる発達障害の人と仕事をすることについて、必ずしも正確な理解が広がっているとは言えません。グレーゾーンは、発達障害の傾向がありながら、その診断がついていない人たちです。正確な情報はあまり伝わっていないのではないでしょうか。職場にいる発達障害のグレーゾーンと呼ばれる人たちと、どのように関わっていけばよいのかについて考えました。
カウンセラーとしてこれまで、行政機関、民間企業、病院などで約1万人の悩みを聞いてきました。その中には、グレーゾーンの人たち、さらにその上司や部下にあたる人たちもたくさんいました。発達障害には、コミュニケーションやイマジネーションが難しい、空気が読めない、整理整頓が苦手など、生きづらさにつながる特性があります。発達障害はいくつかに分類され、基本的に違う診断名がつき、診断名ごとに出現する特性に違いがあります。しかし、違う診断名でありながら、同じような特性が出現したり、個人や環境によって出現の強度に違いがあったりして、少々ややこしいものでもあります。
発達障害というのは、明確に診断できないものなのか、と思う人がいるかもしれません。精神疾患一般に該当することですが、発達障害は健康診断のように数値や画像で判断するのではなく、症状を診断基準に当てはめて判断します。そのため、発達障害に限らず精神疾患は診断が難しいと言われています。
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***デイ・ウォッチ(9日)
◎自民 政治資金規正法の再改正法案を提出 | NHK 立民など 企業・団体献金禁止を盛り込んだ法案提出 | NHK →政治改革法案が各党から複数出され、国会で審議される。大きな焦点は企業団体献金の是非。法案は本来、国会でオープンに議論するはずだが、これまでは与党一強で、国会は追認機関だった。収入の壁など税制改革法案も同様で、国会が真に議論の場に脱皮できるかどうか問われる。
◎シリアのアサド政権、自国民に圧政、一族は麻薬密輸で利益追求…父子2代の恐怖政治終焉 : 読売新聞 →50年以上にわたるアサド父子の独裁が終わった。様々な暴露があるだろう。これまでロシアやイランが後ろ盾だったが、トルコ、アメリカの影響力が強まりそうだという。帝国主義時代のような大国の暗躍ぶりだ。他国に介入しない平和国家・日本の価値が高まっていると言えないだろうか。
◎JERA、洋上風力事業を英BPと統合 25年9月に新会社 – 日本経済新聞 →JERAは東京電力と中部電力の合弁会社。国内火力発電とガス事業が中心だが、英国のスーパーメジャーBP(ブリティッシュ・ペトロリアム)と風力事業を統合する。日本の電力会社は原発に大量の社内資源を投入し、再エネ事業は二の次。風力など再エネにもっと力を入れればエネルギー事情は変わってくる。
◎韓国・尹大統領の出国禁止 内乱容疑で史上初の捜査:時事ドットコム 尹氏ら母校、制服着用を免除 前国防相も同窓、生徒に嫌がらせ―韓国:時事ドットコム →韓国の政治的混乱は長期化しそうだ。ユン大統領は出国停止、内乱容疑で捜査と完全な死に体。大統領と国防相が卒業した高校では嫌がらせを恐れて制服着用を免除した。戒厳令騒動は、韓国社会を深く揺さぶっている。
◎踏切に同僚入らせ殺害疑い、自殺に見せかけた佐々木学・塗装会社社長ら4人を容疑で逮捕 : 読売新聞 →奇妙な事件が起きた。自殺に見せかけて踏切で殺したという。陰湿ないじめが塗装会社であったようだが、なぜそんなことが起きるのか。動機がまだわからず、謎が多い。被害者は北海道出身の56歳で、おとなしかったという。社会の闇を映す事件に関心が集まる。
*** 「今日の名言」
◎ノーム・チョムスキー(米の哲学者、言語学者。1928年12月7日が誕生日)
「学校とは、教化のための服従を強要するための機関です」 「国家は、必ず市民に嘘をつき、自分たちを守ろうとする。これを克服できるのは市民の力しかない」 「民衆を受け身で従順にしておく賢い方法は、議論の枠組みを厳しく制限し、その枠組みの中で活発な議論を奨励することだ」 「言論の自由を支持するなら、それはあなたが軽蔑する意見に対してこそ言論の自由を支持するのだということを意味するのである」 「人間は言語によって、有限の脳の中に無限の力を獲得することができるようになった」 「言語は、人間が5~10万年前のある時点で突如、一瞬の間に獲得した生物学的機能だということが判明した」 「言葉はハンマーのようなものだ。構築にも使えるし、破壊にも使える」 「忘れてならないのは、米国自身がテロ国家の親玉だということである」 「メディアは支配者(資本)の広報係として重視され、管理されている。決して大衆側の味方ではない。大衆の痴呆化には役立っているが、大衆の智恵袋にはなっていない」
*** 今週の教養 (発達障害グレーゾーンの部下たち②)
グレーゾーンという言葉は、まだそれほど浸透していないように思います。グレーゾーンは発達障害の傾向があることで、グレーゾーンという診断名が存在するわけではありません。自分は発達障害かもしれないと思って医療機関を受診した場合、その傾向はあるものの診断名がつくほどではない時に、医師から「発達障害の傾向があります」などと告げられます。グレーゾーンは、発達障害以上に、正確に定義することが難しいといえるのです。
さらにグレーゾーンの場合、発達障害よりも特性の凹凸が少ない傾向があります。そのため、本人なりに何とか環境に適応しようと無理をし続けて、努力次第でどうにか適用できたりもします。しかし、それゆえに心身ともに疲弊してしまうというグレーゾーンと特有の大変さがあると言えます。一方で、上司もグレーゾーンの部下に対し、例えば次のような特有の悩みや疑問を考えています。締め切りに毎回少し遅れるだけ(ほんの少し時間を意識すればいいのでは?)。些細なことなのに、自分の主張を曲げない部下に疲弊している(どうでもいいポイントなのに・・・)。毎回、同じミスをするためにメモをするよう指示し、後ほどメモしたのを見るように言うと、「どこにメモしたか忘れました」などと平気で答える(あんまりやる気がないのか・・・)。
グレーゾーンの部下を持った場合の特有の苦労とは、小さな「困りごと」が連続することといえるかもしれません。多くの企業でカウンセリングをしていると、「部下の困った言動」に振り回され、疲れ果てて相談に来る上司は少なくありません。注意や叱責がパワーハラスメントにならないよう、細心の注意を払ってフォローしているうちに、自分の仕事が回らなくなる上司もいます。自分には管理能力が欠けているのではないかと悩み、うつ状態になってしまう上司もいます。
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***デイ・ウォッチ(10日)
◎ノーベル平和賞 授賞式 日本被団協 田中熙巳さんが被爆者たちの思い世界に訴え | NHK →「ノーモア・ヒロシマ! ノーモア・ナガサキ! 人類が核で自滅しないように」と世界にメッセージを発信した。かつて脱原発の取材でスウェーデンを訪れた時、現地の通訳が「ノーベル賞を出していることは、スウェーデンの安全保障なのです」と話していた。平和賞の授賞式はノルウェーだが、権威ある賞を守ることは小国の知恵でもある。被団協は日本的な安全保障を象徴する存在と言えないか。力の現実に流されるのではなく、平和の尊さを発信する日本こそが、危うさを増す今の世界で存在感を持つのではないか。
◎大統領退陣、来年2~3月案検討 14日弾劾採決、投票参加の雰囲気も―韓国与党:時事ドットコム →ユン大統領の退陣時期が浮上した。来年2~3月で、大統領選は4~5月という日程を与党が提案した。野党は14日に弾劾法案を再提出する予定だが、与党からの造反も予想される。野党ペースが強まっており、大統領の退陣日程はさらに早まるだろう。前国防相が逮捕された。
◎石破首相、企業献金禁止「憲法21条の表現の自由に抵触」:時事ドットコム 規正法で攻防スタート 9本乱立、成立不透明:時事ドットコム →「企業献金禁止は憲法21条の表現の自由に抵触」と石破首相が発言した。かなり無理がある。昔の石破氏なら言わないだろう。21条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は保障する」だ。政治献金はどう考えても入りそうもない。
◎日本生命、1.2兆円で米系生保買収 保険業界で最高額 – 日本経済新聞 →1.2兆円にのぼる日本生命の買収額は、日本の金融界で過去最高だ。海外事業の出遅れを指摘されていたが、大勝負に出る。既存の保険契約を買い取るという特殊な事業だ。ニッセイは6月に介護最大手のニチイHDを買収するなど、遅ればせながら積極的に動いている。
◎元大阪地検検事正が無罪主張、性的暴行の被害訴えた女性検事「どこまで愚弄すれば気が済むのか」 : 読売新聞 →初公判では起訴事実を認めたのに、一転して争うという。弁護士も交代した。初公判で認めたのは検察組織に迷惑をかけたくなかったというが、迷惑をかけても個人の名誉を優先するのだろうか。被害者の女性検事は怒っている。最近の検察の体質はやはり変だ。
*** 「今日の名言」
◎千葉周作(江戸時代の剣術家。1855年12月10日死去、62歳?)
「極意というものは自分のまつ毛のように、身近にあるが見つけるのがむずかしいものだ」 「剣術の上達には二通りの道がある。前者は理屈から覚えようとする。後者は体で覚えようとする。どちらから入っても良いが、前者の方が後者より上達が早い」 「相手には必ず得意、不得意の技がある。試合中に相手の得意技を見つけたら、逆にこちらからその技を仕掛けてやる。そうすると、先手を取られた相手はすくんでしまい、その技を繰り出すことができなくなる」 「初心者の間は、練習方法についてあれこれ正否を論じても仕方ない。ただ一心不乱に師匠の教えに従って稽古すれば、自然と上達の域に達するものだ」 「真剣勝負の時、何も考えず、立ち合ったらすぐ相手の懐に飛び込み、そのまま腹をめがけて突けば、勝利は疑いない。心得ておくべきである」 「切り結ぶ 刃の下ぞ 地獄なる 身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ(真剣勝負するときは、捨て身の覚悟で取り組めば、危機を脱し活路を見出せる)」
*** 今週の教養 (発達障害グレーゾーンの部下たち③)
最近では「上司がグレーゾーンかもしれない」という相談も増えてきました。その多くは、パワーハラスメントが疑われる上司が、実は発達障害やグレーゾーンではないかという相談です。例えば、急ぎで資料を作っているのに上司から独特のマイルール(見出しは特定のフォントを使うなど)を押しつけられ、違うと何度でもやり直しを命じられる。いつの間にか予定や考えが変わっていて、上司の指示でやっている仕事を「もうそれはいいから」などと平気で言われて、無駄にさせられる。
このような相談は、2024年に入ってから急増した印象があります。首長や議員など公職にある権力者のパワーハラスメントがマスコミの取り上げるところとなり、もしかしたら自分の上司もそうかもしれないと思う部下が増えてきたのでしょう。報道と類似する案件が、行政・民間を問わず表面化し、相談が増えているようです。そのため本書では、グレーゾーンの上司を持った部下の対応方法についても取り上げています。
上司と部下、どちらがグレーゾーンであったとしても、職場環境に上手く適合できていなければ「困りごと」が発生します。それを放置すると、本人はもちろん、上司や部下にとってもストレスが大きく、働きにくい職場になってしまいます。究極的には、誰もが安心して働ける職場づくりについて、具体的に考えて欲しいと思っています。グレーゾーンの人が独特の言動にいたる理由を知り、どのような対応法を取り入れればよいか理解しておくことは、当事者の周囲の人々の心を守ることにもつながります。
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***デイ・ウォッチ(11日)
◎年収103万円の壁、25年から引き上げ 自公国が一気に合意 補正予算成立へ- 日本経済新聞 →自公が国民民主の主張を幹事長会談で突然受け入れ、補正予算成立が固まった。「103万円の壁」は「178万円を目指す」とし、ガソリン税の暫定税率廃止も合意した。大枠を決めただけとも言えるが、少数与党が大幅に譲歩した。立憲の修正案ものみ、新しい政治の片鱗が見えた。
◎防衛増税 法人税2026年4月から 所得税2027年1月から実施検討案 | NHK | 税制改正 →宙ぶらりんになっていた防衛増税案が明らかになった。法人税は2026年4月から納税額に4%の付加税、所得税は2027年1月から同1%の付加税を課す。たばこも増税する。これを出発点に議論するが、安全保障環境が好転すれば、見送りもあるだろう。
◎USスチール買収を阻止 バイデン米政権、日鉄は提訴も―報道:時事ドットコム →現大統領と次期大統領が買収阻止を決めた以上、まず不可能だろう。日本製鉄は「アメリカの正義と公正さ、法制度を信じており、公正な結論を得るためにUSスチールとも協働してあらゆる手段を検討し、講じていく」とコメントを発表。日米間のディールの材料になる可能性がある。
◎“斎藤知事 パワハラがあったとの確証までは得られず” 兵庫県が調査結果と通報窓口設置など是正措置を公表 | NHK | 兵庫県 →何となく腰砕け気味の兵庫県調査。それとも盛り上がったパワハラ疑惑が行き過ぎだったのか。県議会の百条委員会と弁護士による第三者委員会の調査もあるが、どうなるか。知事再選でなし崩し調査になるとしたら、トランプ再選で起訴を取り下げた米国を笑えない。
◎ホンダ GMと共同で計画 自動運転タクシーサービス 中止へ | NHK | 自動車 →夢を持たせた自動運転タクシーは、あえなく断念。米国のIT大手アルファベット傘下の「ウェイモ」や、中国のIT大手「百度」が実用化している。ホンダとGMは日米を代表する自動車会社だが、オールドメーカーに画期的新サービスは無理なのだろうか。
◎悠仁さま 筑波大学の推薦入試に合格 | NHK | 皇室 →筑波大学付属高校在学なので、落ち着くべきところに落ち着いた。一時は紀子さま主導の東大進学説が流れ、「公正な試験ができるのか」「皇族が東大で学ぶ必要はない」といった意見が沸騰していた。「皇族も生身の人間」と言ったのはお父さんの秋篠宮さま。じっくり生物の勉強をするようだが、茨城県のキャンパスまで何で通うのか、寮生活になるのだろうか。
*** 「今日の名言」
◎大山巌(元帥陸軍大将。1916年12月10日死去、74歳)
「大山はボンヤリしているから総司令官に任命する、というふうにも聞こえますが…(日露戦争の満州軍司令官に選ばれた際、明治天皇に尋ね、天皇は「そんなところだ」と答えたという)」 「勝ち戦の間は児玉さんにすべて任せるが、負け戦となったら自分が指揮をとる(日露戦争の陸軍参謀総長として、参謀本部次長である児玉源太郎の才能を見込んですべてを任せ、結果責任はすべて大山自らが負うという姿勢をとり続けた)」 「児玉どん、どげんしたにゃ、今日は早くから大砲の音がやかましかが、なにごとでごわすか。今日もどこかで戦(ゆっさ)でごわすか(日露戦争の戦地で危機的状況の際、寝ぼけた顔でこの台詞を言いながら殺気立った作戦室に入ってきて、雰囲気をガラッと和ませたという)」 「敵国民であろうとも、仁愛をもって接すべし(大山は負けたロシア軍将校を丁重に遇した。大山の葬儀にはロシア軍から花が贈られた)」
*** 今週の教養 (発達障害グレーゾーンの部下たち④)
多くの企業が経営理念に取り入れ、広がりを見せているDE&I(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)という概念があります。企業の理念や経営方針に多様性、公平性、包摂性といった価値観を取り入れることで、多様な人材を受け入れて公平な機会を提供し、互いに成長できる環境を目指そうというものです。
グレーゾーンの人が持つ特性もまた、会社の課題として受け止めクリアしていることが、組織全体の成長のチャンスとなります。当事者やその上司、部下だけで悩むのではなく、そのように捉えて対応していく組織であることが重要ではないでしょうか。
第1章で、グレーゾーンについての定義、第2章でグレーゾーンの主な特徴や生きづらさ、第3章では職場で起こりうること、第4章ではコミュニケーションについて、第5章では具体的なサポート方法、第6章では組織としてできることやサポート側の心を守ることについて、事例を用いて説明します。こだわった点は、多くの事例(相談者のプライバシーを保護するため実際のカウンセリング事例に適宜改変を加えています)を入れたことです。様々なケースに触れることで、グレーゾーンとはどういうものなのか把握し、働きやすい環境づくりの参考になればと思います。
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◎韓国大統領、弾劾・捜査に徹底抗戦 「非常戒厳」の正当性主張―訴追案可決の可能性高まる:時事ドットコム →徹底抗戦のユン大統領。不祥事を起こした社長が辞めないような構図で、泥沼化の様相だ。社長なら会社だけの問題だが、大統領となれば国内のみならず世界に影響が及ぶ。14日に弾劾の再採決があるが、与党からも賛成者が出て、可決の見通しだ。出口はまだ見えない。
◎トランプ次期大統領“中国の習近平主席を就任式に招待”米報道 | NHK →早速のディールか、ど真ん中の超スローボールの趣だ。国務省に残る1874年以降の記録では、外国首脳の出席はないというから、習近平主席がのこのこ出ていくことはないだろう。しかし、米中ともトップダウン型指導者なので、可能性はゼロではない。出席すれば面白い。
◎今年の漢字は「金」 五輪、裏金問題など反映―京都・清水寺:時事ドットコム →「金」が選ばれたのは5回目。いずれも五輪の年で、シドニーの2000年、ロンドンの2012年、リオデジャネイロの2016年、東京の2021年、そしてパリの今年。公募で決めているが、何となくマンネリ感もある。清水寺貫主の独断と蘊蓄で選ぶ手もあるのではないか。
◎三菱UFJ、定年再雇用の賃金最大4割上げ 年収1000万円も – 日本経済新聞 →シニア活用に向けた当然で歓迎すべき動き。再雇用の給与では、4割程度の減額が慣例化しているが、機械的な減額を認めなかった最高裁判例がある。人手不足の時代に経験豊富なシニアを積極的に活用するのは、法律以前に合理的な経済行為だ。他企業も追随すべきだが、どうなるか。
◎“紀州のドン・ファン”殺害事件 元妻に無罪判決 和歌山地裁 4つの争点の判断のポイントは? | NHK | 和歌山県 →ドン・ファンはスペインの架空のキャラクターで、好色家の代名詞。この異名のおかげでワイドショーの格好のネタとなった。袴田事件のあった時代なら簡単に有罪だったとみられるが、最近は検察に対する裁判所の目が厳しい。裁判はまだ続きそうだ。
*** 「今日の名言」
◎安岡正篤(儒学者、思想家。1983年12月13日死去、85歳)
「一つのことを何十年と継続していけば、必ずものになる。偉い人になる必要はない。社会のどこにあっても、なくてはならない人になる。そういう生き方を考えなければならない」 「活力、気迫を旺盛にする。これが一番大事であります」 「人は生まれながらに人間ではなく、努力して学ぶから人間になれる」 「凡と非凡のわかれるところは能力のいかんではない。精神であり感激の問題だ」 「何にしびれるかによって、その人は決まる。中江藤樹は『論語』と王陽明にしびれていた。人間は本物にしびれなければならない」 「人を見る時は肩書きや経歴を全部取り払って、その人自身がどういう人間なのかを見ないといけない」 「本当のいい酒とは、よき仲間と、人生や世界を語りながら飲む酒です」 「よく一隅を照らす者にして初めて、よく照国することもできるのである。冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、また閑にも耐えて、激せず、躁がず、競わず、随わず、自強してゆこう」
*** 今週の教養 (発達障害グレーゾーンの部下たち⑤)
職場での発達障害やグレーゾーンの問題を考える時、「事例性」が大切になります。診断がつく、つかないという「疾病性」もさることながら、その人の「特性」ゆえに何らかの困りごとがあるのかどうか、何か不都合なことが起きているのかどうかが重要です。特性が問題にならず、本人の個性や能力を発揮できる環境にいるならば、あえて発達障害という疾病にカテゴライズする必要はありません。発達障害という診断がつくことによって、その人が異質な存在になってしまい、「差別」が生まれることもあります。
もし、その人の特性からくる困りごとや不都合を、本人や周りの工夫や努力でうまくカバーできるのならば、その人の才能や能力を活かすことを考える方が、個人にとっても全体にとっても生産的です。発達障害やグレーゾーンであるかどうかは、環境によって決まる部分も大きくなっています。自分に発達障害の傾向があると思ったら、自分の能力を活かせる環境に調整できるかどうか、考えてみるとよいでしょう。上司にあたる方もまた、部下に発達障害の傾向があると思ったら、「困りごと」を回避できるか、本人の能力を活かせる環境づくりができるのかを考えてみることをおすすめします。
グレーゾーンの部下の接し方に困っても、自分に管理能力がないからだなどと悩まずに、彼らを「活かす」という発想の転換ができればと思います。発達障害やグレーゾーンなど「異質」と思われる可能性のある人たちが、組織の一員として能力や持ち味を発揮できるような方向に、企業を含めた社会全体が変わっていくことを願っています。発達障害やグレーゾーンに関する理解が深まり、レッテルを貼ったり、特別視したりするのではなく、特殊な個性や能力があればそれに着目して、生かせるような社会になることを祈っています。