1月27~31日(教養講座:アメリカ大統領の演説)

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***デイ・ウォッチ(24~26日)

長野駅前3人殺傷事件 46歳容疑者逮捕  警察が早朝に突入 | NHK  →雪の早朝、警察の特殊部隊が自宅アパートに突入した。NHKの映像は緊迫感が漂う。10都県の警察の応援を得た220人体制の逮捕劇。防犯カメラのリレー捜査と市民からの情報提供で解決し、街は平穏を取り戻した。犯人は黙秘し、動機は不明だ。悪評はなく、将来不安や社会への怨念があったのか。

尹大統領を内乱罪で起訴 現職で初、拘束継続―韓国:時事ドットコム →逮捕したのは、ユン氏の拘束期間延長が不許可となったため。検察はユン氏を直接聴取できておらず、公判維持に危うさが残る。内乱事件で金龍顕前国防相ら10人を拘束したまま起訴しており、ユン氏を釈放すれば世論が反発する事情もあった。トランプ大統領就任で世界は大揺れだが、韓国の混迷は深刻だ。

大相撲初場所 豊昇龍が優勝「ともえ戦」制す横綱昇進に向け臨時理事会開催へ | NHK | #大相撲 →豊昇龍が逆転優勝をし、横綱に昇進する見通しになった。取りこぼしもあるが、相撲は力強い。元横綱・朝青龍のおいで、風貌も振る舞いも似ている。可愛さもあるヒール役になりそうなキャラだ。期待外れだったのは綱取りを目指した大関琴櫻。5勝10敗と撃沈し、来場所はカド番だ。

フジテレビ、27日に臨時取締役会 港浩一社長の進退議論 – 日本経済新聞 →フジテレビがきょう午後4時から記者会見をやり直す。その前に臨時取締役会が開かれ、港社長らの責任が議論されるが、総退陣しかないだろう。「天皇」といわれる日枝久氏の進退が社会的関心事になっている。日枝氏ら経営陣は総退陣して大幅に若返りさせるインパクトがなければ、スポンサーは戻ってこない。

野中郁次郎氏が死去 知識経営の権威、「失敗の本質」 – 日本経済新聞 →富士電機を経て学究の道に進んだ異色の経営学者。個人が持つ暗黙知を軸に組織が対話によって新しい知を生み出す知識創造経営を提唱。国内外の経営者や学者に影響を与え、知識経営の世界的権威とされた。日本軍の敗因を分析した「失敗の本質」でも著名。89歳だが、最近まで旺盛な活動を続けていた。

*** 「今日の名言」

藤沢周平小説家。997年1月2日死去、69

「いつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れない」 「謝るときは、素直に非を認めて潔く謝る」 「派手なことは嫌い、目立つことはしない」 「自慢はしない」 「普通が一番。挨拶は基本」 「普通の生活を続けていくことの方が、よっぽど難しいことなんだよ」 「この世の中に、自分のような人間を頼りにしている人がいるということは、すばらしいことではないのだろうか」 「飯の糧にならないことが、心の糧になる」 「昔は群れの中の1匹の羊であるより、孤独なオオカミでありたいとひそかに思った男たちが、やたらにいたような気がする」 「1人の平凡な人間もドラマを持っている。こういう人に興味を惹かれる」 「8月15日の終戦のラジオ放送を、私は役場の控え室で聞いた。喜びも悲しみもなく、私はだだっ広い空虚感に包まれていた。しばらくして、これからどうなるのだろうと思ったが、それに答える人は誰もいないこともわかっていた」

*** 今週の教養 (アメリカ大統領の演説①)

 第47代のドナルド・トランプ大統領は、1月20日の就任演説で「アメリカ第一主義」を訴え、「性別は男と女しかない」と述べた。国内外の分裂を促しかねない内容だが、アメリカ大統領の演説としては、かなり異質である。移民国家のアメリカには、当初から分断の傾向があった。歴代大統領は、分断を乗り越え、結束するように訴えてきた。歴代大統領の著名な演説をまとめた。

◎ジョージ・ワシントン「告別演説」(1796年) 1796年、初代大統領ジョージ・ワシントンは2期目の任期終了に際し、国民に「告別演説」を公表した。当時、新生アメリカ合衆国は政党対立や外国との関係をめぐって不安定要素を多く抱えていた。ワシントンは、政治的派閥が国家の分断を招く危険性を指摘し、欧州列強との過度な同盟関係を結ぶことを慎むよう警告した。国家存続のためには秩序ある政府と道徳心が不可欠だと強調し、国民が結束して合衆国の理念を守り抜くことを訴えた。自らが権力に固執せず、円滑に次代へと政権を引き渡したことは、若い共和国に民主的な政治文化を根付かせる大きな一歩となったとされる。

◎トーマス・ジェファーソン「第1回就任演説」(1801年) 1801年に行われたジェファーソンの第1回就任演説は、米国史上初の本格的な政権交代を象徴する場となった。連邦党から共和党へ政権が移り、国内は政党間の緊張が高まっていたが、演説の中でジェファーソンは「われわれは皆、連邦党員であり、われわれは皆、共和党員である」と述べ、国民としての統一を呼びかけた。また、政府の権限を限定し、個人の自由と権利を尊重する姿勢を明確に打ち出し、強権的ではない合衆国の姿を示唆した。その穏健な口調や包摂的なメッセージは国民の不安を和らげ、共和政体の安定に寄与したと評価されている。

◎エイブラハム・リンカーン「ゲティスバーグ演説」(1863年) 南北戦争の激戦地ゲティスバーグでの戦没者追悼式典で、リンカーンはわずか2分ほどの短いスピーチを行った。そこでは「人民の、人民による、人民のための政府」という民主政治の核心が簡潔に語られ、合衆国の建国理念を再確認する場ともなった。演説当時、戦争の行方は依然不透明だったが、リンカーンは自由と平等の理念に基づく国家の再生を強調し、南北の対立を乗り越えて合衆国が一致団結する必要性を説いた。その簡潔かつ力強い言葉は後世まで語り継がれ、アメリカが理想とする民主主義の象徴として世界的にも高く評価されている。

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***デイ・ウォッチ(27日)

フジテレビ記者会見 異例の10時間超 日枝氏の進退含めた対応焦点に 港社長と嘉納会長は辞任 | NHK | テレビ局 →フジテレビは会長と社長の辞任を発表したが、会見では実力者である日枝氏の進退を問う質問が相次いだ。日枝氏に関する話になると、社長らの発言はあいまいになった。日枝氏が退陣して経営陣を一新し、企業改革の道筋が見えない限り、スポンサーの復帰はないだろう。午後4時から始まった会見は翌日午前2時24分まで10時間半近く続き、フジはCMなしで中継した。フジは解説のテロップを盛んに出し、現場の怒りが伝わってきた。テレビ史にも残る1日になった。

生島ヒロシ氏 “重大コンプラ違反で番組降板” TBSラジオ発表 | NHK | テレビ局 →ベテランフリーアナウンサーの生島ヒロシ氏がTBSラジオを降板した。ラジオのスタッフに厳しい言動や不適切な画像を送信するなどの行為があったという。本人は「私の言動によりつらい思いをされた方に心からおわびを申し上げます」とコメントを発表したが、懲りない芸能界界隈の感。

米、コロンビアへの関税発動を撤回 移民送還で合意 – CNN.co.jp →これを「トランプ流ディール」と言うのだろうか。移民送還を拒否したコロンビアに対し、トランプ大統領は25%の関税をかけると発表。送還に合意すると、すぐに撤回した。移民の命がかかる事態も取引材料にする異常さ。これからどんなことが起きるのだろうか。

中国DeepSeekのAIアプリ、アメリカで首位に 市場に警戒感 – 日本経済新聞 →中国企業が開発した生成AIアプリ「ディープ・シーク」が、米国のアプリストアで一時首位に立ち、シリコンバレーに衝撃を与えている。これまでの生成AIは兆円規模の開発費をかけているが、中国製は数億円単位、2ヶ月で開発したという。詳細は明らかにされていないが、ゲームチェンジが起きる可能性もある。

左右エンジンに鳥衝突の痕跡 179人死亡の旅客機事故―韓国:時事ドットコム →昨年12月のチェジュ航空機事故で、鳥が衝突するバードストライクの痕跡が左右のエンジンにあったことがわかった。鳥は冬に大群で飛来する渡り鳥のトモエガモと判明。事故直前に旅客機と鳥の群れが接近する様子も監視カメラで確認された。大きな教訓だが、決定的に有効な対策はないのだろうか。

*** 「今日の名言」

◎J.Dサリンジャー(米国の小説家。2010年1月27日死去、91歳

「ライ麦畑の捕まえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってる。でも、本当になりたいものといったら、それしかないね」 「大して興味のないようなことを話し出して初めて、何に一番興味があるかわかる」 「いろんなことを覚えて鞭のように鋭い切れ者になったって、それで幸せになれなかったとしたら、一体何の甲斐があるんだろう」 「私だってほかのみんなだって、何かで大当たりしたいと思ってるでしょ? そこがいやなんだ」 「何でもそうなんだけど、あまり上手くなると、よほど気をつけないと、すぐこれ見よがしになってしまうものだ。そうなったら、上手いもへったくれもなくなる」 「会いに来る女の子がすてきな子なら、時間に遅れたからって文句をいう男がいるもんか。絶対にいやしないよ」 「おかしなもんだけど、誰にも分からないようなことを言ってさえいれば、相手は大抵、こちらがやってもらいたいことをやってくれるものだよ」

*** 今週の教養 (アメリカ大統領の演説②)

◎エイブラハム・リンカーン「第2回就任演説」(1865年) 1865年、リンカーンが2度目の大統領就任を迎えた際の演説は、南北戦争の終結が見えてきたなかで行われた。ここでは勝者としてのごう慢を排し、「悪意を抱くことなく、慈悲の心をもって」国を一つにまとめようと呼びかける。リンカーンは戦争の悲惨さを認めつつも、対立した南部を厳しく責め立てるのではなく、和解と復興を重視した。結果として、奴隷解放を含む新たな合衆国のあり方が模索されることとなり、演説そのものは「寛容の精神」の典型として多くの人々に感銘を与えた。しかし直後にリンカーンは暗殺され、彼が示した再統合のビジョンは、後を継いだ政治家たちに託されることとなる。

◎フランクリン・D・ルーズベルト「最初の就任演説」(1933年) 世界恐慌の最中、深刻な経済危機にあえぐアメリカで大統領に就任したルーズベルトは、1933年3月4日の演説で「われわれが恐れるべき唯一のものは、恐怖そのものである」と語り、国民に自信と希望を取り戻すよう訴えかけた。失業率の高さや金融不安が広がる中、ニューディール政策の始動を宣言し、政府が積極的に経済と社会を救済する方針を示したのである。この言葉は閉塞感に包まれた国民を鼓舞し、国全体が協力して危機を乗り越える雰囲気を醸成した。以来、ルーズベルトのリーダーシップは「ラジオの炉辺談話」なども活用しながら支持を集め、合衆国政府が社会保障や雇用対策に直接介入する流れを加速させた。

◎フランクリン・D・ルーズベルト「4つの自由演説」(1941年) 第二次世界大戦への参戦を控える1941年1月の一般教書演説で、「言論と表現の自由」「信教の自由」「欠乏からの自由」「恐怖からの自由」の4つを人類が守るべき基本的権利として掲げた。これは単なる国内政策の指針にとどまらず、世界における民主主義と人権の理想をアメリカが主導していくことを宣言する内容であった。当時、欧州ではナチス・ドイツが勢力を広げており、全体主義と戦うための大義名分として「4つの自由」が世界的に注目を集める。後にアメリカが国際舞台でリーダーシップを発揮する原動力ともなり、戦後の国連憲章や世界人権宣言にも通じる理念の礎石となった。

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***デイ・ウォッチ(28日)

“京アニ”放火殺人事件 青葉被告が控訴取り下げ 死刑確定 | NHK | 事件 →36人が殺害された京アニ事件。青葉被告が控訴を取り下げ、死刑が確定した。理由は明らかにされていない。物事の善悪を判断する責任能力の有無が争われていたが、裁判所は責任能力を認めていた。死刑判決では弁護士が取り下げ無効を申し入れることがあり、弁護士の対応が焦点だ。

埼玉 八潮 道路陥没 トラックつり上げ 道路の陥没範囲広がりガス管損傷のおそれ 住民に避難呼びかけ | NHK | 埼玉県 →埼玉県八潮市で道路が陥没し、転落したトラックの運転手の救助が難航している。下水道管が腐食して穴があき、土砂が流れ込んで空洞ができていた可能性があるという。水道管の老朽化は全国的な問題。現地は軟弱地盤だが、同様の地域は多そうで総点検が必要になってくる。

公明、参考人招致に賛成 自民は反対―旧安倍派会計責任者:時事ドットコム →通常国会が始まり、与野党の駆け引きが激しくなっている。旧安倍派会計責任者の参考人招致をめぐり、自民と公明で意見の違いが表面化した。参院選に向けて公明は、政治とカネ問題で積極的な姿勢を取りたい。自民が反対に固執すれば、亀裂が深まる。予算委員会の開会ともからんで前半の焦点だ。

デンマーク、防衛費3000億円増額 グリーンランドなど安保強化:時事ドットコム →トランプ大統領のグリーンランド領有発言で、デンマークが防衛費を増額した。トランプ流ディールで、軍需産業が喜ぶ結果になっている。安全保障環境の悪化を歓迎するのは、軍産複合体だ。

週刊文春が中居正広さん報道で訂正…事件当日の会食、女性誘ったのはフジ社員ではなく中居さん : 読売新聞 →週刊文春の報道で、中居氏と女性のトラブルにフジ社員が関与した前提で話は進んでいたが、訂正を出した。トラブルになった日は関与していないが、それ以前に関係していたので、実質は変わらないと文春側は主張している。第三者委員会調査の大きなテーマになる。

*** 「今日の名言」

◎ウィリアム・バトラー・イェィツ(アイルランドの詩人、劇作家。1939年1月28日死去、73歳

「賢明な人のように思考したとしても、みんなが使っている言葉でコミュニケーションすること」 「教育とはバケツを満たすことではなく、火を灯すことである」 「愛するという気持ちの底には、言うに言われぬ憐憫の情がある」 「人は理解できないもの、恐れるものを破壊する傾向にある」 「責任というものは、夢の中で始まる」 「我々は他人との争いで巧言をつくりだすが、自らとの争いから詩をつくりだす」 「芸術の優劣については、人間の良心に任せて構わないものと思っている」 「説明し得るものは、詩ではない」 「広い心をもってさえ、抱え込むにはあまりに多くのことが起こっている」 「論理や哲学、合理的な説明に頼る者たちは、精神の最上の部分を飢えさせる結果に終わる」 「世界は魅惑に満ちている。我らの気づきがまた研ぎ澄まされるのをじっと待ちながら」 「すべてが存在し、すべてが真実である。そして地球とは、足元の一抹の塵に過ぎぬ」

*** 今週の教養 (アメリカ大統領の演説③)

◎ハリー・S・トルーマン「トルーマン・ドクトリン演説」(1947年) 第二次大戦後の東西冷戦が始まる中、トルーマンは1947年にギリシャ・トルコへの支援を表明する演説を行い、いわゆる「トルーマン・ドクトリン」を打ち出した。共産主義の影響力拡大を封じ込めるため、自由主義陣営としてのアメリカが援助を惜しまず行うという方針を明確化したのである。これはマーシャル・プランと並び、戦後ヨーロッパの復興を助ける重要な政策転換点となった。演説では「民主主義か全体主義か」という二項対立が強調され、アメリカは共産陣営と対峙する「自由世界の守護者」としての役割を自覚していく。冷戦の激化を象徴する出来事の一つとしても知られている。

◎ジョン・F・ケネディ「就任演説」(1961年) 1961年1月、冷戦下の不安と期待が入り交じる中、ジョン・F・ケネディは史上最年少で選出された大統領として登場した。就任演説では「国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何をできるかを問うてほしい」という名フレーズがとりわけ有名である。若い指導者としてのエネルギーにあふれ、宇宙開発や平和部隊などの積極的なプロジェクトを推進する姿勢を示したが、その実現には冷戦構造や国内の差別問題など多くの障壁があった。それでも、この演説は国民に希望と協力の精神を呼び起こし、アメリカの理想主義的な側面を再び強く打ち出す象徴的な瞬間となった。

◎リンドン・B・ジョンソン「We Shall Overcome 演説」(1965年) 公民権運動の最中、南部のセルマで起きた黒人デモ隊への暴力などを受け、テレビ中継を通じて演説を行った。「We Shall Overcome」という当時の公民権運動のスローガンを大統領自らが口にし、人種差別撤廃への強い意志を示した。演説後、投票権法が成立し、南部を中心に長年続いてきた黒人差別的な選挙制度が大きく変革される契機となった。演説では、民主主義の基本たる投票権を奪う行為を厳しく糾弾し、真の自由を実現するためには法制度の改革が必要であることを国民に訴えた。結果として、アメリカの公民権拡大が大きく前進した歴史的瞬間と評価されている。

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***デイ・ウォッチ(29日)

DeepSeekがデータ不正利用か OpenAIとMicrosoft調査 – 日本経済新聞 中国「ディープシーク」、米NSCが安全保障上の影響を調査 : 読売新聞 ディープシークへのサイバー攻撃 中国メディア“米との見方” | NHK | 生成AI・人工知能 →米中の大型知的財産戦争に発展しそうだ。低開発費で生成AIを実用化した中国の「ディープシーク」に対し、チャットGPT陣営が「違法行為の疑い」があると調査を始めた。先発モデルを参考にすることを「蒸留」というが、米国側は禁じていた。ディープシークが普及すれば、米国主導のAI秩序を根底から覆す可能性がある。反中国のトランプ政権も対決姿勢で調査に着手。真実不明のまま対立が激化する可能性がある。ディープシーク社はサイバー攻撃を受け、中国メディアは「米国側の攻撃」と伝えている。

埼玉・八潮 道路陥没 トラック転落 救助活動難航 全国各地でこれまでも頻発 | NHK | 埼玉県 →埼玉県八潮市の道路陥没は、救助が難航しているが、陥没は全国で起きている。生ゴミなどから発生する硫化水素で下水道管が腐食し、地中空洞化を招いている。水中で使えるドローンで調べているが、管の更新には巨額の費用がかかる。インフラ更新は人口減少が進む日本の大きな課題だ。

安倍派関係者の招致、30日議決 予算案、31日に実質審議入り:時事ドットコム →安倍派会計責任者が国会に参考人招致されることになった。全会一致が慣例だったが、立憲の安住予算委員長が30日に採決することを決めた。同委は野党多数なので可決は確実。少数与党を象徴する出来事で、国会では同様の場面が多くなる。ただ、参考人の出席は任意なので、出ない可能性が高い。

横綱豊昇龍、誕生 相撲協会が正式決定―「気魄一閃」と口上・大相撲:時事ドットコム →横綱豊昇龍が誕生した。口上は「気魄一閃」。大関昇進時と同じだが、モンゴル出身でも日本人以上に考えている。おじの朝青龍と比べられるが、本人は最近、「自分は自分」と割り切っているようだ。強い横綱が待望される。

24年の自殺、小中高生は最多 全体は減少、過去2番目の少なさ―厚労省:時事ドットコム →昨年の自殺者は2万268人で、2019年の2万169人に次ぐ少なさだった。しかし、小中高生は統計がある1980年以降で最多の527人となった。何が小中学生を自殺に追い込んでいるのか。希望がないのか、不安が大きいのか。大人の自殺は対策を実行して減った。子どもへの手当てが必要だ。

*** 「今日の名言」

◎石ノ森章太郎(漫画家。1998年1月28日死去、60歳

「劣等感が人をつくる。劣等感に押しつぶされまいという頑張りが、その人の成長につながる。劣等感の皆無な人間などあるはずがないが、もしあったとしたら、味気ない人間に違いない」 「才能の八割は体力である」 「人から見て幼稚だろうと何だろうと、自分が面白いと思うことをやれれば、人生はそれで十分なんだな、と。他人に褒められるように生きる必要なんて、まったくない.それが世の中に受け入れられるかどうかは、あくまで結果でしかない」 「レオナルド・ダヴィンチになりたかった」 「僕らがいくらヒットを生んだとしても、しょせん手塚治虫にはかなわないんだよ。あの人は雲の上の人なんだから。天才というのは、どこかいびつでしょう。僕らは凡庸だから、妙にバランスがとれてしまっている。そういう性格が作品にもあらわれてしまっている。物足りない。手塚さんのように突き詰めたところがない。それは自分でもわかっている」

*** 今週の教養 (アメリカ大統領の演説④)

◎ロナルド・レーガン「ベルリンの壁を取り壊せ演説」(1987年) 1987年、冷戦末期にベルリンのブランデンブルク門を前にしたレーガンの演説は、「ミスター・ゴルバチョフ、この壁を壊しなさい!」という呼びかけで知られる。東西ドイツを隔てる壁の象徴性と、ソ連の改革者ゴルバチョフへの直接的なメッセージが組み合わさったフレーズは、世界中のメディアを通じて瞬く間に拡散した。ソ連内部ではペレストロイカとグラスノスチの改革が進んでおり、東西緊張の緩和に対する期待も高まる時期だった。この演説から2年後にベルリンの壁が崩壊し、その後のドイツ統一や冷戦終結へと大きく道が開かれた。アメリカが冷戦の最後まで「自由と民主主義」を掲げ続けた象徴的な場面として、歴史に残るスピーチとなった。

◎ビル・クリントン「第1回就任演説」(1993年) 冷戦終結後、世界秩序が大きく変わりつつあった1993年1月20日、クリントンはジェネレーションXの支持を得て当選した若き民主党大統領として就任演説を行った。演説では「変化」をキーワードに、保守とリベラルの対立を乗り越え、新しい時代の課題(経済改革や医療制度改革など)に取り組む必要性を訴える。特に、困難を国民全体で共有しながら前進するという姿勢を強調し、個人の自由と社会的責任の両立を目指す「新民主党」的理念を表明した。対立よりも協力を重視するメッセージは、米国民に新鮮な印象を与え、当時の転機を象徴するものとなった。

◎ジョージ・W・ブッシュ「グラウンド・ゼロのスピーチ」(2001年) 2001年9月14日、同時多発テロ発生から3日後のニューヨーク・グラウンド・ゼロで、瓦礫の山を背にして消防士らへ語りかける「ブルホーン(拡声機)スピーチ」を行った。周囲の騒音にも負けず「世界中があなたたちの声を聞いている」と述べ、米国民の団結を強く訴えた。テロリストに対しては「正義が下される」と断言し、悲しみに暮れる人々を励ましつつ、新たな困難に立ち向かう決意を示した。演説は長いものではなかったが、アメリカが大きな喪失感から立ち上がり、テロとの戦いへと踏み出す瞬間になったとされる。

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***デイ・ウォッチ(30日)

米ワシントン近郊 64人乗せた旅客機と米軍ヘリ ブラックホークが衝突 ポトマック川に墜落 | NHK | アメリカ →ホワイトハウスに近いワシントンの空港で、旅客機と米軍ヘリが衝突した。トランプ大統領は、ヘリ側の過失を示唆し、「防げた事故だ。バイデン政権が安全性より管制官の多様性を重視した」と明言する前代未聞の事故。乗客の救出作業が続いているが、生存者はいない見込みという。旅客機には米国とロシアのフィギュアスケートのコーチや選手らも乗っていた。

森友学園めぐる文書の不開示の決定を取り消す判決 大阪高裁 | NHK | 森友学園問題 →当然の判決が出た。1審は捜査への影響を理由に訴えを退けたが、2審は「捜査は終結しており、影響はない」と不開示の決定を取り消した。三権分立なのであってはならないことだが、石破政権の誕生で司法の空気が変わったのだろうか。これまでの自民党や司法の姿勢は、赤木さんに冷たすぎた。

フジ親会社、通期純利益190億円減 中居さん問題で下方修正―経営刷新小委を設置:時事ドットコム →フジテレビ不祥事で巨額の影響が判明した。経営刷新小委員会の設置を決めたが、フジの一連の対応は、スピード感もインパクトも乏しい。これでは世間もスポンサーも納得できない。改革のブレーキ役になっている日枝氏の退陣は、フジ再生の不可欠な一歩だろう。

埼玉 八潮 道路陥没 転落した男性救助のためスロープ作る工事 周辺への影響は 道路崩落の瞬間も【動画】 | NHK | 埼玉県 →埼玉県八潮市の道路陥没は、穴が大きくなり、救助作業が難航している。周辺では停電や水を使う量を減らすなど影響は大きい。徹夜の作業が続き、現場の疲弊感も強まっている。数日かけてスロープを作り、救出を急ぐ。

トランプ氏、不法移民をグアンタナモに送ると発表 3万人収容施設の建設を指示 – BBCニュース →グアンタナモはキューバにある米軍基地。これまでも不法移民の収容施設があり、人権団体が批判している。新たな施設を作って3万人を収容するという。オバマ氏ら民主党の大統領が廃止を目指していた施設で、トランプ大統領が強行すれば、分断を加速することになる。

*** 「今日の名言」

◎マハトマ・ガンディー(インドの政治指導者。1948年1月30日死去、78歳

「あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい」 「自分や自分の所属する小社会のみの福利を願う人は利己的であって、それは決してその人のためにはならない」 「尊厳を保つために、金は必ずしも必要ではない」 「我々の信念は、常に燃え続ける灯火でなければならない。それは我々に光明を与えるだけでなく、周囲をも照らす」 「友の幸福のためにどれだけ尽くしているか、そこに人間の偉大さを測る物差しがある」 「人間性への信頼を失ってはならない。人間性とは大海のようなものである。ほんの少し汚れても、海全体が汚れることはない」 「自分が行動したことすべては取るに足らないことかもしれない。行動したことが重要なのである」 「世界に変革を求めるなら、自分自身を変えることだ」 「握り拳と握手は同時にできない」

*** 今週の教養 (アメリカ大統領の演説⑤)

◎バラク・オバマ「第1回就任演説」(2009年) 2009年1月20日、アメリカ史上初のアフリカ系大統領として就任したオバマは、ワシントンに集まった大勢の聴衆を前に歴史的な演説を行った。演説では金融危機やイラク戦争などの難題を抱える中、「希望と変化」のスローガンを現実化するための決意が示され、国民の多様性や団結の価値を繰り返し強調する。先人たちが築いてきた合衆国の理想を受け継ぎ、困難な時代だからこそ共に力を合わせて解決策を探っていくべきだというメッセージは、国民に感動を与えた。人種を越えた融和と国際協調の必要性も語られ、新しい時代のリーダー像を印象づけた。

◎ドナルド・トランプ「就任演説」(2017年) 2017年1月20日、トランプは米国の第45代大統領として就任式を迎え、「アメリカ・ファースト」を掲げる演説を行った。既得権益層が政治を牛耳ってきたと糾弾し、自らを「人民の代弁者」と位置づけてワシントンの政治構造を変革する意志を示した。インフラ整備や雇用創出による国内産業の再生を強調し、国外への軍事関与より内政優先の姿勢を見せた点が特徴である。一方で、排他的な表現もあり、アメリカの新しいリーダー像に対して国民や国際社会の間で評価が分かれる結果となった。この演説は「保護主義的」「ポピュリスト的」と評されることも多い。

◎ジョー・バイデン「就任演説」(2021年) 2021年1月20日、深刻な社会分断や新型コロナウイルス感染拡大を抱える米国で、第46代大統領としてバイデンが就任し、演説を行った。「団結(Unity)」をキーワードに掲げ、政治や人種、思想の対立に陥る国民をもう一度ひとつにまとめる意志を表明。過去の過ちを認めつつ多様性を尊重し、コロナ対策や気候変動などの難題へ全力で取り組むことを誓った。また、民主主義の脆さと同時にその強さを説き、どんな危機も乗り越えるためには市民が互いに手を取り合う必要があると主張。安定と協調を重視するリーダー像を示す演説となった。

◎ドナルド・トランプ「第2回就任演説」(2025年) 「国民の皆さん、米国の黄金時代がいま始まる。この日からわが国は繁栄し、世界中で再び尊敬されるだろう。全ての国の羨望の的となる。米国がこれ以上つけ込まれることを許さない。私は非常に明快に米国を第一に据える。われわれの主権と安全は回復される。正義の均衡は取り戻される。悪意があり、暴力的かつ不公正な司法省と政府の武器化は終わる。最優先事項は、誇り高く、繁栄し、自由な国をつくることだ。まもなく米国はかつてなく偉大で強く、はるかに例外的になる。国家的成功のわくわくするような新時代の幕開けにいるという確信と楽観と共に大統領職に復帰する」