2月3~7日(教養講座:漢詩を味わう)

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***デイ・ウォッチ(1月31日~2月2日)

アメリカ トランプ大統領 カナダ メキシコ 中国からの輸入品に関税課す大統領令に署名 報復措置や反発も | NHK | トランプ大統領 →トランプ大統領がついに関税引き上げを決定した。対象国は、カナダ、メキシコ、中国で、4日発動する。不法移民や麻薬を理由にしているが、WTOの国際ルールでは違反になる可能性が高い。何を狙っているのか、何をディールしようとしているのか。報復合戦になりそうだが、関税戦争は誰も得をしない。頭を冷やそう。

立民、中旬に予算修正案提示 ―自民「必要なら応じる」:時事ドットコム 予算修正、熱帯びる与野党攻防 衆院予算委、初の省庁別審査も:時事ドットコム →かつてない国会の与野党攻防が本格化する。与党は予算案を通すために野党の要求を柔軟に受け入れる方針だ。野党側は存在感を示そうとしのぎを削るが、昔のようなパフォーマンスは通用しない。どの政党が国民のためか。吟味したい。

日米首脳、7日会談 トランプ氏「日本に敬意、楽しみ」:時事ドットコム →7日に日米首脳会談が行われる見通しだ。安倍元首相は相性が良かったが、「アンチ安倍」だった石破首相はどうか。今のところトランプ大統領は日本に好意的なようだが・・・。関税戦争がこれからヒートアップする時期、火中の栗を拾うことになるのか。トランプ大統領に年内来日を要請するという。

ホンダ、ガソリン車・EV・HVを同じラインで生産する「混流生産」…25年後半からアメリカ工場で : 読売新聞 →ホンダが年末から、米国の工場で、ガソリン車、EV、HVを同じラインで生産する。政策が不透明なトランプ政権に対応する柔軟戦略でもある。「EV1本化」の旗を真っ先に上げたホンダだけにEVの売れ行きが注目される。日産との経営統合は難航気味という情報が出ている。

離脱5年、過半数「間違い」 英、EUと関係再構築:時事ドットコム →熱狂は恐ろしい。英国がEUから離脱する時、「損をするのは英国なのに」という意見が日本では多かったが、国民は今になって「間違いだった」が多数派になった。熱狂は常にある。移民がいなくなれば、生活が豊かになるわけではない。関税を高くすれば、経済がうまく回るわけではない。世の中がよくなる魔法はない。。

*** 「今日の名言」

◎森永卓郎(経済アナリスト。1月28日死去、67歳

「思い立ったらすぐにやる。夢を持つのはやめなさい」 「所得は少なくても好きな仕事や好きなことをしていくこと」 「これまでのようなこの道一筋という考え方はリスクが大きすぎる。いろんな可能性を残しておく。いろんな種を撒いておくことが大切になる」 「小ロットでマニアをターゲットにする。これからのモノ作りは爆発的なヒットではなく、少数のファンに支えてもらうコンセプトが必要」 「こんな時代だからこそ、変人でいるべきだ。偉人や名起業家も変わり者であることがほとんど。個性的であることを恐れないでください」 「仕事は苦行だと感じている人も多いのですが、仕事は遊びと思ったほうがいい。人間は本来的に楽しさを求めるからです」 「メディアでは触れてはいけないタブーが3つ存在した。ジャニーズの性加害、財務省のカルト的財政緊縮主義、日本航空123便の墜落事件。本当のことを言ったら、瞬時にメディアに出られなくなる掟が存在する」

*** 今週の教養 (漢詩を味わう①)

今週は漢詩を味わってみたい。参考文献は「中国名言・名詞」(河田聡美著、幻冬舎、2006)。著者によると、「漢詩には『世界の中心で正義を叫ぶ』といった感じの、日本文学にはない小気味よさがある」という。第2章「好きなように生きてみたい」から5つ選ぶ。どれもおおらかな気分になれる。原文、読み方、意味、解説を紹介する。

◎李白「将進酒」より

原文: 「天生我材必有用 千金散尽環復来」

読み方:「天 我が材を生ず 必ず用有り 千金散じ尽くすも 環た復た来たらん」(てん、わがざいをしょうず、かならずようあり、せんきんさんじつくしも、またまたきたらん)

意味:「天が私を必要としたから、私はこの世に生まれたのだ。だから金など、使いたいだけ使ってしまえばよいのだ。どうせいずれは私のもとへ戻ってくるのだから」「自信を持って生きていこう!金など後からついてくる」

解説:どうせ短い人生ならば、お金のことなど気にせず、好きな酒でも飲みながらパーッと楽しくやろうじゃないかと、唐代一の酒飲み詩人、李白は誘います。「天 我が材を生ず 必ず用有り」などと人前で言えば、普通は、鼻持ちならない自信家として敬遠されますが、李白がいうと、そうしたいや味が少しも感じられないばかりか、むしろ「よく言った」と快哉を叫びたくなるから不思議です。

お金がなくて困るのは、お金で武装しなければ怖くて外にも出られない臆病者だけのこと。李白の様に、自分がこの世に生まれた意味を、何のてらいもなくストンと素直に受け止められる健康な精神をもっていれば、お金などなくとも案外、楽しく暮らせるものなのかもしれません。事実、李白はお金のあるときは思いっきり使い、お金のないときは友人に酒をご馳走になりながら、いかなる時も李白らしく、自由闊達に生きて、その生涯を閉じました。なんともうらやましい生き方です。

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***デイ・ウォッチ(3日)

ソフトバンクグループ オープンAIと合弁会社設立を発表 | NHK  →オープンAI社のアルトマン社長が来日し、孫社長と合弁会社設立を発表。日本企業に「AIエージェント」と呼ばれるサービスを提供する。オープンAIはマイクロソフトとの関係が深かったが、AI投資に力を入れるソフトバンクが急速に影響力を拡大している。2人はトランプ大統領との会談を控えた石破首相とも面会。世界でビジネスと政治が急接近している。いいことなのかどうか。

株価1000円以上値下がり トランプ大統領関税強化でほぼ全面安 | NHK  NYダウ 一時600ドル超値下がり 輸入関税でインフレ加速懸念 | NHK  →経済合理性も説明責任も不十分なトランプ関税。日本やアジア株が急落、米国株も一時大幅に下落した。関税戦争はまだ序の口だ。世界の市場はこれから何回も動揺しそうだが、経営者のトランプ大統領は市場の混乱をどこまで許容するのだろうか。

トランプ大統領 メキシコへの25%関税措置 1か月停止で合意 | NHK | トランプ大統領  トランプ関税、批判相次ぐ 物価高、供給混乱招く―米経済界:時事ドットコム 関税、「しっぺ返し」の恐れ 米国民、物価高に不満根強く:時事ドットコム →トランプ大統領はメキシコ大統領と電話会談し、関税引き上げを1ヶ月延期した。メキシコが移民や麻薬の流入を防ぐため、1万人の兵隊を国境に派遣すると決めたからだ。しかし、関税には米国の経済界や国民からも批判が相次いでいる。当然だろう。危なくて恣意的なディールは国際政治にふさわしくない。

今季一番の寒気 寒波 北~西日本 あすから日本海側中心に雪や風が強まる 大雪や暴風雪 高波に警戒 | NHK | 気象 →今季最大の寒波が全国的に襲来する。最近は災害の事前警告が盛んになり、政府やNHKを中心に発信を強化している。2日の日曜日は関東・東京で雪が降ると大騒ぎだったが、空振りだった。「備えあれば憂いなし」と考えるのが今風だろう。

有力野党が「極右と協力」 強硬姿勢に批判、選挙戦に転機―ドイツ:時事ドットコム →ドイツの保守系野党で、メルケル元首相も所属した政党が、移民対策法案を極右と協力して可決した。有力政党は極右と距離をおいていたが、今回は「政界のタブーを破った」と批判され、メルケル元首相も「誤りだ」という異例の声明を出した。欧州極右の動向は注目だ。

*** 「今日の名言」

◎石原慎太郎(作家、政治家。2022年2月1日死去、89歳

「人間の価値は人と違うことだと思う。好きなことさせてやりゃいいんですよ」 「角さん(田中角栄)は天才だったと思いますね。あれだけの存在感ある政治家って日本にいなかったんじゃないですか。彼だけは鋭い文明史観を持っていた」 「日本は確かに過去の戦争でアジアの国々に迷惑もかけただろう。しかし、いつまでもそのことだけにとらわれ、形式的に頭を下げ続けるだけの姿勢では、何の関係の発展も望めない」 「戦争のない世の中は本当にありがたいと思うが、平和に慣れてしまうことは危険だ」 「逆境に陥った人間がどんな対応を見せるかによって、その人の真価がわかる。一生が順風満帆のままで終わるなら、君は自分の人生に何も得られず、何も残すことができない」 「侮蔑軽蔑されたらリカバリーショットがきかないね。馬鹿にされたら、もうダメだね」 「もし、君が年老いて、過去を振り返るときが来たなら、危機は自分の人生を充実させた最も幸福な瞬間であったことに気づくだろう」

*** 今週の教養 (漢詩を味わう②)

◎杜甫 「曲江 二首」より

原文:「酒債尋常行処有 人生七十古来稀」

読み方:「酒債 尋常 行く処に有り 人生 七十 古来稀なり」(しゅさい、じんじょう、ゆくところにあり、じんせい、しちじゅう、こらいまれなり)

意味:「飲み屋のツケはいつも、私の行く先々にあるが、昔から70歳まで長生きした人などめったにいないから、借金など気にならない。借金が何だ」

解説:杜甫は46歳の時、苦労の末に「左拾遣」(さしゅうい)という、皇帝の誤りを正す官に就きましたが、張り切りすぎたのか、着任早々出過ぎた発言をして皇帝ににらまれ、朝廷内で孤立してしまいました。鬱屈した杜甫は、朝廷での仕事を終えると、服を質に入れて金を借り、湖の岸辺で酒を飲んでは酔っぱらって家に帰るという日々を送っていました。孔子は「70にして心の欲するところに従い、のりをこえず」(私は70歳でようやく、心のままに行動しても道を踏み外さなくなった)と語っていますが、杜甫は70歳まで長生きできる人間などほとんどいないと反論します。

そして、どうせ人間的に未熟なまま死ぬ運命なら、借金など気にせず酒でも飲んで人生を楽しもうと決意しました。生真面目な杜甫にしては珍しい自棄的な言葉ですが、この数ヶ月後には左遷される運命が待ち受けていたことを思えば、さすがの杜甫も酒に逃げずにはいられなかったのでしょう。ちなみに、70歳を指す「古希」はこの詩句から生まれた言葉です。(注:酒債は酒の借金。尋常は普通、当たり前)

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***デイ・ウォッチ(4日)

トランプ関税・対中国「10%」発動、税率引き上げも示唆…中国は最大15%の報復関税発表 : 読売新聞 →関税引き上げは対メキシコに続いてカナダも延期したが、中国には発動した。中国はさっそく米国から輸入する石炭や液化天然ガス(LNG)に15%、原油や農業機械、大型自動車などに10%の報復関税を発表した。ヘビー級同士が激突する大型ディール。周辺国に火の粉が飛びそうだ。

大雪の影響 交通機関は? 通行止めの可能性も 空港滑走路閉鎖で飛行機欠航 コンビニは配送遅れ | NHK →日本各地で大雪が降っている。特に帯広市を中心に北海道が深刻で、北陸でも高速道路が通行止めになった。九州や四国でも雪が降った。寒波はまだ続き、しばらく警戒が必要だ。

ホンダ 日産の株式取得し子会社化する案を打診 強い反発の声も | NHK | 自動車 →ホンダと日産の経営統合が難航している。1月末までに一定の方向性を出す予定だったが、まとまっていない。日産のリストラが焦点で、ホンダは大ナタをふるいたいが、日産のプライドや社内の抵抗もからむ。最初から予想された事態だ。13日の決算発表日が一つの節目になる。

フジ日枝氏の辞任要求 「独裁者」と非難―米ファンド:時事ドットコム →フジテレビの日枝氏に辞任の意向はないようだが、米国の株主ファンドは強硬だ。「なぜ1人の独裁者が40年近くも支配することが許されてきたのか。信じ難いことだ!」と激烈。日枝氏は「自分は悪いことをしていない」という意識だろうが、株主の意向は無視できない。晩節をどう生きるかの問題になっている。

木村被告、殺意否認 岸田前首相襲撃で初公判・和歌山地裁:時事 木村被告、被選挙権巡り強い不満か 取り調べ検事の暴言も:時事ドットコム →和歌山県で起きた岸田首相襲撃事件の初公判があった。殺意は否認したが、動機をこれからどう話すか。2023年4月の事件で初公判まで2年近くかかったが、22年7月に起きた安倍首相襲撃犯の初公判はまだ開かれていない。なぜだろう。

プロ野球 阪神元監督 吉田義男さん死去 91歳 初の日本一に導く | NHK | 訃報 →牛若丸と呼ばれた阪神の名ショート。監督として阪神を1985年に初の日本一に導いた。ライバルの巨人は9連覇を成し遂げるなど華々しい戦績を誇るが、阪神の日本一は吉田監督と2年前の岡田監督のたった2回だけに価値がある。野球が盛んではないフランス代表の監督を務めたことも特筆される。

*** 「今日の名言」

◎バートランド・ラッセル(英国の哲学者。1970年2月2日死去、97歳

「私たちは愛する人々の幸福を願うべきではあるが、それが自らの不幸と引き換えであってはならない」 「妬みとは、道徳的または知的な悪行の一つの形である。その本質は決して物事をそれ自体として見ずに、他者との関係において見ることである」 「他人と比較してものを考える習慣は、致命的な習慣である」 「最良のタイプの人間を作り出すためには、幼年期に幸福であることが必須である」 「我々はいつも、変化は必要だと口癖のように言うが、そのことを頭のなかでは分かっていても現実における変化に耐えられない」 「人は自らが関心を寄せるものが多ければ多いほど、幸福になる機会が多くなり、運命に翻弄されることが少なくなる」 「一人を殺せば殺人罪、敵を百万人殺せば英雄になる」 「広島と長崎の市民を原爆によって大量虐殺したことは、無法極まる犯罪行為であった。西洋人一人一人に責任があり、関係がある」

*** 今週の教養 (漢詩を味わう③)

◎李白 「春日酔より起きて志を言う」より

原文:「処世若大夢 胡為労其生 所以終日酔 頽善臥前楹」

読み方:「世に処るは大夢の若し 胡為ぞ其の生を労する 所以に終日酔い 頽然として前楹に臥す」(よにおるはたいむのごとし、なんすれぞそのせいをろうする、ゆえにしゅうじつよい、たいぜんとしてぜんえいにふす)

意味:「私は今、夢の中で李白という人間の人生を生きているのかもしれない。もしこの人生が夢なら、何も苦労して日々を生きる必要などないではないか。そう思った私は、夢の中の人生を大いに楽しむために、一日中酔っ払い、日当たりのいい家の南側で寝転んでいることにした。人生は夢のようなものだ。苦労からはいち抜けた」

解説:中国には紀元前4世紀頃からすでに、人生を夢だととらえる考え方がありました。ある日、蝶となって楽しく暮らす夢を見た荘子は、夢からさめた後、「人間である自分が蝶になった夢を見たのか、それとも蝶である自分が今、荘子として生きている夢を見ているのか、一体どちらが真実なんだろう」と考えました。俗に「胡蝶の夢」と呼ばれるこの考え方が、この時、李白の脳裏をよぎったのでしょう。

日々もがき苦しみながら生きているこの人生が、もしも誰かの見ている夢にすぎないのだとしたら。そう考えると、歯を食いしばって生きているのが、なんだか馬鹿らしくなってきます。そこで李白は「いち抜けた!」と宣言し、好きな酒をたらふく飲み、日向ぼっこでもしながら、この壮大な夢の中の人生を思いっきり楽しもうと決意しました。人生を夢だと思い定めた時、もしも今と違った生き方をしたいと思ったなら、あるいはそれが、自分の最も望む生き方なのかもしれません。(注:前楹は、家屋の南側にある柱)

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***デイ・ウォッチ(5日)

トランプ大統領 “アメリカがガザ地区を所有・再建” 主張  パレスチナやアラブ諸国から反発 | NHK  →トランプ大統領の爆弾発言が出た。アメリカがガザを所有し、必要なら米軍を派遣し、住民は別の場所に移す。当然ながら、アラブ世界は一斉に猛反発した。トンデモ提案には違いないが、長い対立を終わらせたい意図は推測できる。2国家共存が正論だが、過去に過剰にこだわらず、柔軟に考える価値はあるかもしれない。カーター米大統領の仲介した1978年のキャンプデービット合意を経て、エジプトのサダト大統領が単独でイスラエルと国交を回復した時、アラブ世界から「裏切り者」と非難された。しかし、中東の大規模な対立は収束した。未来の平和に向けた英断は政治リーダーにしかできない。

日産、ホンダの「子会社化」へ反発強く統合協議を白紙に : 読売新聞 →難航するホンダと日産の経営統合。破談が決定的になった。協議打ち切りの報道を受けて、ホンダ株は急騰した。市場は正直だ。振り返ってみれば、ホンダ主導の「博打」だったようだ。情報をリークして華々しく協議を進めたが、企業文化が違いすぎた。日産は鴻海(ホンハイ)の傘下に入るのだろうか。

フジテレビ副会長 民放連の遠藤会長が会長職辞任の意向 | NHK フジ・メディアHD 3月期通期決算 最終利益 前期比73%減見通し | NHK  →フジテレビのニュースは連日満載。小説家遠藤周作の長男である遠藤副会長が日枝氏退任のキーマンになるのだろうか。副会長辞任をいち早く表明し、民放連会長も辞める。社長在任はわずか2年で、副会長に棚上げされた。複雑な思いと再生への期待があるのだろう。

衆院予算委、初の省庁別審査 立民、過剰基金・医療費見直し追及:時事ドットコム →少数与党の国会で、初めての試みとなる省庁別審査が始まった。野党が省庁ごとに予算案の内容をただす。予算委員会はスキャンダル追及に傾きがちだが、省庁別審査が国民生活にプラスになるなら大いに意義がある。防衛本能の強い役所の壁を突き崩せるか。官僚も発想の転換が必要だ。

「特定技能」で全国初 外国人が観光バス運転手に | NHK | 外国人材 →アメリカのタクシーは移民が運転手をしているが、日本でも外国人の観光バス運転手が誕生した。日本人運転手でないと不安になるのは日本特有かもしれない。いったんトラブルがあると、社会全体が慎重になってしまう。人手不足時代、エッセンシャルワーカーに外国人を登用するのも日本の選択ではないだろうか。

*** 「今日の名言」

◎東野圭吾(小説家。2月4日は67歳の誕生日

「名刺のない時に自分はどんなことができるか、名刺のない自分は何なのか。それを見極めていくことが大事」 「生き抜こうとしない者には奇跡なんか起きないと思え」 「失敗を教訓にしていれば、いつか夢はかなう」 「幸運を得たいのならば、まず自分のできる最大限の努力をしろということだ。そのうえで俺は結果を受け入れる」 「人は時に、健気に生きているだけで誰かを救っていることがある」 「負け戦なら負け戦でいい。自分の足跡ってものを残してこい」 「ここで辞めたら、これからの人生、いやなことがある度に逃げちゃうような気がして、続けてきた」 「科学には限界はない。だけどそれを理解する人間の能力に限界がある」 「苦労はしたけど結構楽しかった。世界観を作っていく作業がいい」 「最大のピンチの後には、必ず最高のチャンスが来る」

*** 今週の教養 (漢詩を味わう④)

◎白居易 「放言 五首」より

原文:「松樹千年終是朽 槿花一日自為栄」

読み方:「松樹は千年なるも 終に是れ朽ち 槿花は一日なるも 自ら栄を為す」(しょうじゅはせんねんなるも ついにこれくち きんかはいちじつなるも みずからえいをなす)

意味:「松は千年の長寿だが、必ず枯れる時が来る。ムクゲの花の命は1日だけだが、美しさという栄光がある。人と比べるなんて愚かなことさ」

解説:松の木には千年の寿命がありますが、それでもいつかは枯れる時が来ます。ムクゲの花には、朝開いて夜にはしぼむ、1日だけの命しかありませんが、人々に美しいと愛でられる栄光の瞬間があります。松には、地味だけど長寿であるという短所と長所があり、ムクゲの花には、美しいけれども短命であるという長所と短所があるように、誰の人生も喜びと悲しみは同じだけあり、人と比べて、どちらが幸せかなどと考えるのは、愚かなことだと白居易は言います。

長安で政界の重鎮を狙った凶悪事件が起きた時、正義感に燃える白居易は、犯人の早期逮捕を皇帝に進言しました。しかし、白居易の行為は越権行為であるとの非難の声が上がり、彼は地方へ左遷されてしまいました。この詩には、左遷の憂き目にあった44歳の白居易が、苦悶の末にたどり着いた人生の真実がつまっています。(注:槿花は、ムクゲの花。朝開いて、夜しぼむ)

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***デイ・ウォッチ(6日)

森友学園に関する決裁文書改ざん 加藤財務相 上告しない方針“開示・不開示は今後検討” | NHK | 森友学園問題 →森友学園の改ざん文書をめぐる訴訟で、政府は上告しないことを決めた。大阪高裁は存否を明らかにしなかったことを違法としたので、開示するかどうかは別判断という解釈も成り立つ。石破首相は「赤木さんが強い使命感と責任感を持って仕事にあたってこられたと聞いており、みずから命を絶たれたことは重く受け止めなければいけない」とわざわざコメントしており、常識的には開示するはずだ。公文書は国民の共有財産でもあり、全面公開は当然だ。安倍首相が存命ならどうなっていただろうか。

昨年衆院選は「合憲」 1票の格差巡り、初判決―広島高裁支部:時事ドットコム →昨年の衆院選で最大2.6倍だった1票の格差をめぐり、弁護士グループが全国で16件の訴訟を起こしており、その第一弾。判決は人口比を正確に反映できるアダムス方式を初めて取り入れたと指摘し、「合憲」と判断した。3月7日までに全判決が言い渡され、最高裁が年内にも統一判断を示す見通し。

ガザ移住計画の準備指示 受け入れ先に欧州3カ国名指し―イスラエル国防相:時事ドットコム →トランプ大統領のガザ所有発言は、イスラエル以外の世界から猛反発を受けており、実現の可能性はゼロに近い。それでもイスラエル国防省は「ガザでの戦闘でイスラエルを非難してきたスペイン、アイルランド、ノルウェーなどが受け入れる法的義務がある」と主張している。

野村証券元社員を逮捕 うその投資話で顧客から1000万円詐取か | NHK | 事件 →また野村証券関係者が逮捕された。社員だった30歳の男が70代の女性に「野村証券の社員が加入できる積立金制度があり、年2%の利息をつけて返せる」といって1000万円をだまし取った疑い。同社は不祥事が相次いでおり、昨年12月に社長が謝罪会見をしたばかり。イケイケの企業風土が問われている。

JAL機、米空港でトラブル、主翼がデルタ機の尾翼に食い込む : 読売新聞 →米国シアトルの空港で、JAL機の主翼がデルタ機の尾翼に食い込むトラブルがあった。走行中だったJAL機に責任がありそうだ。米国では最近、飛行機事故が相次ぎ、JALも小さな不祥事が頻発している。大きな事態が起きなければいいが。

*** 「今日の名言」

◎トーマス・カーライル(英国の歴史家。1881年2月5日死去、85歳

「自分より立場の弱い人に対する接し方に人の偉大さは現れる」 「羞恥心は、あらゆる徳の源泉である」 「すべてのことにおいて、人間は苦悩をくぐり抜けて完成されるのである」 「すべての大偉業は、最初は不可能といわれた」 「人間にとって最優先の課題は、この世で自分がなすべきことを見出すことだ」 「圧力がなければ、ダイヤモンドは生まれない」 「この国民にして、この政府あり」 「誠実さ、深く偉大で純粋の誠実さ、それこそが英雄の第一の特色である」 「自分よりも優れた人を称賛できる心。それが、人間が持ちうる最も素晴らしい心である」 「信念は、行動に移さなければ価値がない」 「人生の目的は行為にして、思想にあらず」 「人を説得して動かそうとする者は、自らがまず感動し、自らを説得することから始めなければならぬ」 「経験は最良の教師である。ただし授業料が高くつく」 「沈黙は口論よりも雄弁である」 「価値ある人間だけが、他人の持つ価値を理解できる」

*** 今週の教養 (漢詩を味わう⑤)

◎孟浩然 「春暁」より

原文:「春眠不覚暁 処処聞啼鳥 夜来風雨声 花落知多少」

読み方:「春眠 暁を覚えず 処処に啼鳥を聞く 夜来 風雨の声 花落つること知る多少」(しゅんみん あかつきをおぼえず しょしょにていちょうをきく やらい ふううのこえ はなおつることしるたしょう)

意味:「春の眠りは気持ちがよすぎて、夜が明けたのにも気づかなかった。あちこちから小鳥のさえずりが聞こえてくる。昨夜は風雨の音がしていたが、庭の花はどのくらい散っただろう。負け組もまた楽し」

解説:春の暖かな日差しを浴びていると、ついうとうとしてしまい、なかなか目が覚めない。そんな気持ちでいたのは、1200年前の中国人も同じでした。ぽかぽかとした春の眠りがあまりに心地よかったので、つい寝過ごしてしまった孟浩然は、窓の外から聞こえて来る鳥たちの声で目を覚ましました。庭の小鳥たちは、雨上がりの空のもと、ピーピーと可憐な声で鳴き交わしながら、朝のあいさつをしています。

「そういえば、昨夜は雨や風の音がしていたけれど、庭の満開の花々はどのくらい散っただろうか」と温かなふとんにくるまったまま、のんきに花の心配をする孟浩然でした。40歳で科挙受験に失敗し、故郷へ帰って隠遁生活を送りました。眠りたい時に眠り、起きたい時に起きる生活は、孟浩然が官界での出世という男子一生の夢と引き換えに手に入れた、貴重な自由でした。(注:処処はあちこち。多少は、どのくらい。数量を尋ねる疑問詞)