2026年3月16~20日(教養講座:イランの基礎知識)

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年3月16日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(13~15日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

トランプ氏 ホルムズ海峡安全確保へ 日本などの艦船派遣に期待 | NHKニュース →19日からの日米首脳会談の重要性がさらに高まった。トランプ大統領は、日本などに対してホルムズ海峡への艦船派遣に期待を表明した。日本として、戦後最大の決断を迫られるかもしれない。根源的にどう考えるか、法律的にどう判断するか、予測不能のトランプ政権にどう対応するか。まずは高市首相の振る舞いが焦点だが、日本人全体も問われる可能性がある。

自民・小林鷹之氏、艦船派遣「慎重に判断」 野党から懸念相次ぐ:時事ドットコム →トランプ大統領の艦船派遣への期待を受けて、NHKの日曜討論は白熱した。自民党の小林政調会長は「自衛隊法82条に基づく海上警備行動を発令するかどうかは、法理上、可能性は排除しないが、いまの紛争が続いている状況では慎重に判断すべきだ。艦船派遣は、非常にハードルは高いと考えているが、政府は冷静に見極めて適切な対応をしてほしい。事態の早期沈静化こそが本質的に重要だ」と述べた。野党側からは「高市首相には無理なことを請け負うのだけは絶対にやめてもらいたい。安請け合いだけはしてもらいたくない」「トランプ大統領の要請を断れないなら訪米は中止すべきだ」と会談を懸念する声が出た。政治家・国会の本質的な役割が問われる。

WBC2026 日本 侍ジャパンはベネズエラに逆転負け 大会連覇ならず | NHKニュース →大統領が拉致されたベネズエラに負けた。WBCで日本は準々決勝で敗退した。大谷が初回でソロホームランを打ち、3回には森下の3ランで逆転したが、山本ら投手陣が3本のホームランを浴び、5対8で敗れた。ネットフリックスの独占中継で地上波では見られず、結果ともども欲求不満の大会となった。

新年度予算案 衆院本会議で可決 自民・維新両党など賛成多数で | NHKニュース  →高市政権の年度内予算成立の方針で、衆院を駆け足で通過した。参院は少数与党なので、相当なすったもんだが予想される。政権はどこまで年度内にこだわるのか。野党は結束して押し返すことができるか。イラン情勢への対応にも影響しそうだ。

ミラノ・コルティナ パラリンピック閉会式  | NHKニュース  →パラリンピックが閉幕した。日本は銀メダル3個、銅メダル1個。オリンピックと比べて地味な成績だった。活躍ストーリーもあまり報道されず、静かな大会となった。とはいえ、参加者はじめ関係者の努力は成績とは関係ない。健闘を称えたい。

4.2億円強奪容疑で7人逮捕 東京・上野、複数の暴力団幹部関与か:時事ドットコム →東京・上野の路上で1月末に起きた4.2億円強奪事件は、山口組など暴力団員の犯行だった。警視庁が7人を逮捕した。犯行日の午後8時ごろ、板橋区内の公園で集合し、現場に向かったという。羽田と香港でも関連した事件が起きている。全容解明はこれからだ。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

カール・マルクス(独の哲学者、経済学者。1883年3月14日死去、64歳)

「自らの道を歩め。他人には好きに語らせよ」 「我々は他人を解放する前にまず自分を解放しなければならない」 「人間にとって最大の幸福は、自分を生かせる仕事に巡り合うこと」 「思想が現実に迫るのみでは十分ではない。現実が自ら思想に迫るのでなければならない」 「すべてを疑え」 「社会から切り離された自我など有り得ないし、社会と無関係に生きることなど何人たりともできない」 「歴史は繰り返す、1度目は悲劇として、2度目は茶番劇として」 「人間とは、自分の運命を支配する自由な者のことである」 「豊かな人間とは、自身が富であるような人間のことであって、富を持つ人間のことではない」 「何をするにも最初が肝心、という格言はどんな学問にもあてはまる」 「人間が宗教の中で彼自身の頭の作り物に支配されるように、資本主義的生産の中では、彼自身の手による作り物に支配される」 「万国の労働者よ、団結せよ!」

*** 今週の教養講座(イランの基礎知識①)

 アメリカの攻撃でニュースの焦点となったイラン。日本から遠く、イスラム教なので「アラブの一角」という印象も強い国です。しかし、言語はアラビア語ではなくペルシャ語で、ペルシャ人に分類され、独自の文明を持っている大国です。基礎知識をまとめました。

【1】ペルシャ文明とイランの歴史――古代帝国から現代国家まで

イランという国を理解するうえで最も重要なのは、まず「ペルシャ文明」の長い歴史である。イランは単なる中東の1国家ではなく、3000年近い歴史を持つ文明国家である。その起源は紀元前6世紀、アケメネス朝ペルシャ帝国にさかのぼる。王ダレイオス1世の時代、この帝国は、西はエジプトから東はインド近くまで広がり、当時の世界最大級の帝国となった。広大な領土を統治するため、道路網や郵便制度、地方統治制度が整備された。こうした制度は後の国家運営のモデルともなった。

当時の宗教はゾロアスター教である。善と悪の対立という思想は、後のユダヤ教、キリスト教、イスラム教にも影響を与えたと指摘されることも多い。ペルシャ文明は宗教思想の面でも世界史に大きな足跡を残している。

しかし7世紀、アラブ人によるイスラム征服によって状況は大きく変わる。ペルシャはイスラム世界に組み込まれたが、ペルシャ文化そのものは消えなかった。むしろイスラム文明の中で重要な役割を果たし、文学や学問で多くの成果を生み出した。16世紀にはサファヴィー朝が成立し、ここで決定的な出来事が起こる。国家の宗教として「シーア派イスラム」が採用されたのである。この決定は現在まで続くイランの宗教的特徴を形づくった。

近代になると欧米列強の影響が強まり、国内では近代化をめぐる混乱が続いた。1925年にはパーレビー王朝が成立し、西欧型の近代化政策が進められたが、急激な改革は宗教勢力や民衆の反発を招いた。そして1979年、イラン革命が起こる。国王は追放され、宗教指導者ホメイニを中心とする「イスラム共和国」が誕生した。これによってイランは、近代国家でありながら宗教が政治の中心にあるという独特の体制を持つ国となった。

イランの歴史は「ペルシャ文明」「イスラム化」「近代化」「革命」という大きな転換を経て現在に至っていることが分かる。

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