2026年3月30日~4月3日(教養講座:企業不祥事史)

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年3月30日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(27~29日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

アメリカ軍がイランへの圧力強化 イランでは犠牲者増加 仲介役のパキスタンが外交の動きを活発化 | NHKニュース  →米軍の地上戦の準備が着々と進んでいる。長崎・佐世保基地配備の強襲揚陸艦「トリポリ」が中東海域に到着。空母や空挺部隊も配備されており、あとはトランプ大統領の判断にかかっているはずだが、本人はすでに関心を失い、バンス副大統領に任せたという見方もある。地上戦なら狙いは石油基地で、カーグ島を奪取して終結するという報道もある。これまでの対応をみれば、思惑通りにいかないだろう。

センバツ決勝は智弁学園-大阪桐蔭 近畿対決は4年ぶり | 毎日新聞 →球春が日米で満開だ。高校野球はあす31日、智弁学園(奈良)と大阪桐蔭の近畿決戦。プロ野球が27日に開幕し、セでは広島とヤクルト、パではソフトバンクが3連勝で、スタートダッシュに成功した。大リーグも開幕。村上と岡本が早くも4番にすわって活躍している。大谷の本塁打が待ち遠しい。

4月電気料金、全社値上がり 393円以上、補助金終了で―10社:時事ドットコム →4月から電気・ガス料金が全国で値上がりする。補助金の打ち切りが理由で、電気料金は前月比393~463円、都市ガス大手4社の料金も148~195円上昇する。原油高はまだ反映されておらず、先行きはさらに厳しくなっている。

円安、為替介入警戒水準に 原油急騰で加速、160円台に:時事ドットコム →原油高騰もあって円安が進み、160円台になった。2024年に政府・日銀が介入を繰り返したラインを超えた。円安が進めば物価高がさらに進むことになる。週明けの為替市場は介入警戒感が高まりそうだ。30日の東京株は暴落の見通しで、イラン戦闘の長期化で金融市場の混乱が続く。

しずおかFGと名古屋銀が統合合意 28年めど、総資産22兆円で地銀4位:時事ドットコム →静岡銀行を傘下に持つ静岡FGと名古屋銀行が経営統合をする。名古屋銀行が完全子会社になり、「東海道銀行」といえる存在になる。総資産は22兆円で地銀4位。地銀を取り巻く環境は厳しさを増しており、規模で「20兆円クラブ」が業界標準になりそうだ。

陸自えびの駐屯地を家宅捜索 中国大使館敷地に侵入容疑―警視庁:時事ドットコム →自衛隊員の中国大使館侵入事件で、警視庁が陸上自衛隊えびの駐屯地を家宅捜索した。大使館の敷地は受入国でも勝手に立ち入れない不可侵性がウィーン条約で認められている。刃物を持った自衛隊員の侵入はそれだけ違法性が強い。高市政権は「遺憾の意」を表明しているが、謝罪はしておらず、批判する声が出ている。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎坂本龍一(作曲家、ピアニスト。2023年3月28日死去、71歳)

「良いメロディーは、気がついたら目の前にあることが多い」 「一生かかっても会うことがないだろうルーマニアの小さな村のおばちゃんが、僕の音楽を耳にして、『ああ!』と思ってくれる音楽を作ることができるのか。そこが僕の基準です」 「100年後にも人々に聴かれている音楽をつくること。自分を漱石と比較する気はないけれど、漱石が死んだ年をとっくに過ぎてしまったことに忸怩たる思いがある」 「日本は個人のオピニオンを求められない社会。むしろ言わないことが是とされる。はっきりしたことを言うと煙たがられる。西洋社会はまったく反対で、曖昧だと、『こいつバカなんじゃないか?』って思われる社会ですよね」 「息苦しい社会に対しては、引きこもるか、アウトローになるか、外国に出るかが有効な手段だ」 「声を上げる。上げ続ける。あきらめないで、がっかりしないで、根気よく。社会を変えるにはそれしかないのだと思います」 「自分の思い通りに生きたがどうかが大事。長さではない。どう生きるか、どう死ぬかっていうのは個人が責任を持って選んで下さい」

*** 今週の教養講座(企業不祥事史①)

カリスマ経営者・永守重信氏に率いられたニデック(旧日本電産)の不正会計が問題になっている。永守氏は世間に説明することなく引退した。企業経営でコンプライアンスが脚光を浴びて久しいが、主に社員向けの教育が中心だ。しかし、トップこそが法令順守を問われ、倫理観や道徳観も厳しく試されている。トップの不祥事は企業の存廃に直結する。過去の企業不祥事を振り返り、トップの不祥事の教訓や社員としてどうすべきかをまとめてみた。

◎東芝の不正会計問題と経営混乱

東芝は1875年創業、日本の近代化とともに歩んできた総合電機メーカーだ。白物家電から発電設備、半導体、原子力まで幅広い事業を展開し、日本を代表する名門企業と見なされてきた。しかし2015年、不正会計問題が発覚し、長年積み上げてきた信頼は大きく揺らいだ。

問題の核心は、2008年度以降の複数事業で利益が過大に計上されていたことだった。第三者委員会の調査によれば、約1500億円規模の利益水増しが確認された。直接的な粉飾というよりも、「チャレンジ」と呼ばれる高い利益目標が上層部から繰り返し求められ、現場がそれに応える形で原価計上の先送りや見積もり操作を行った構図が浮かび上がった。

ここで注目すべきは、特定の部署の不正というより、組織文化の問題である。歴代経営陣は短期的な業績改善を強く迫り、達成できない場合の説明は許されにくかった。中間管理職は板挟みとなり、最終的に数字を合わせる方向へと傾いた。目標が現実から乖離しても修正されず、「できない」と言いにくい空気が固定化していた。

2017年には、米原子力子会社ウェスチングハウスの巨額損失が発覚する。原子力事業の拡大戦略が裏目に出て、数千億円規模の減損を計上。債務超過に陥り、主力の半導体メモリ事業(後のキオクシア)を売却せざるを得なくなった。成長分野への大型投資が、リスク管理の甘さと相まって経営を圧迫したのである。

その後も経営体制を巡る混乱が続いた。海外ファンドとの対立、株主総会運営を巡る問題、社長交代の連続。2023年には投資ファンド主導で非公開化され、上場企業としての歴史に幕を下ろした。名門企業が統治構造の不全によって揺らいだ事例として、国内外に大きな影響を与えた。

東芝の教訓は3つありそうだ。第1に、過度な数値目標は不正を誘発するということ。目標は挑戦的であっても、現実的な修正機能を持たなければならない。第2に、心理的安全性の欠如は組織リスクであること。異論や懸念を安心して表明できる環境がなければ、問題は地下に潜る。第3に、大型M&Aや新規事業投資には、最悪シナリオを想定した厳格なリスク評価が不可欠である。

社員にとって重要な教訓は「自分の現場で無理な目標が出たとき、どう対応するか」という視点だ。数字は結果であって目的ではない。短期的な達成のために信頼を損なえば、組織の存続そのものが危うくなる。東芝の事例は、優れた技術や長い歴史があっても、ガバナンスと文化を誤れば企業は揺らぐことを示している。歴史を学ぶ意味は、過去の失敗を他人事にしないことにある。

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