2026年10月13~16日(教養講座:AI時代の文章術~谷崎・三島を参考に)

2026.10.13メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年10月13日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(9~12日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)

◎サウジアラビア 首都の国際空港に攻撃相次ぐ 緊張の高まり懸念 | NHKニュース  →フーシ派の攻撃が続き、サウジアラビアの首都リヤドの国際空港で10日は12人、11日も1人死亡する異常事態。イラン情勢への対応でサウジの迎撃ミサイルが足りなくなっているという見方がある。アメリカが参戦する可能性もあり、戦火拡大が止まらない。ロシアがウクライナに侵攻した時、第三次世界大戦に向かっているという見方もあった。今がその過程かもしれないという気もしてくる。

◎ノーベル平和賞にナビ・ピレイ氏 国連人権高等弁務官やICC=国際刑事裁判所の裁判官を歴任 | NHKニュース  →ノーベル平和賞は元ICC裁判官のナビ・ピレイ氏が受賞した。選考の狙いは明らかで、トランプ大統領ら国際法を軽視する大国へのけん制だ。選考委員長は「国際法とその制度は世界がより平和になるための要だ。平和賞が彼女だけでなく国際法に関わる機関や個人を力づけることを願う。国際的な制度やルールを攻撃し、弱体化させる人たちへの明確なメッセージだ」と述べた。

◎アメリカ トランプ政権 ICC=国際刑事裁判所を制裁対象に | NHKニュース  米のICC制裁、即時撤回を 日本含む21カ国の議長団:時事ドットコム →ノーベル賞発表直後、トランプ政権はICCを制裁対象にすると発表した。180日間の猶予を設けているが、他国はあきれ気味だ。日本を含む21か国が即時撤回を求める声明を発表した。国際法は弱者を守るルールだ。及び腰だった高市政権もこの点では米国批判を強めている。ミドルパワーは結束すべきだろう。

◎トランプ大統領“ロシアから軽油供給 プーチン大統領に感謝” | NHKニュース | トランプ大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領 →トランプ大統領がロシア制裁を解除し、軽油の輸入に踏み切る。中間選挙を控え、国内の軽油不足に対応するためだが、あまりに節操がない。ゼレンスキー大統領は「ロシアに戦争継続能力を与える」と批判するが、トランプ大統領はゼレンスキー大統領の退陣にも言及する。大国の横暴が目立っている。

◎プロ野球 パ・リーグCS 日本ハムがファイナルステージ進出 | NHKニュース  CS セ・リーグはDeNAがファイナルステージ進出 巨人に2連勝 | NHKニュース →CSシリーズファーストステージは、パが日ハム、セは横浜が勝ち残った。パは3年連続でソフトバンクと日ハム。日ハムは今季、ソフトバンクに勝てない。「新庄劇場」なるか。横浜は2024年以来の下剋上日本一を狙う。巨人の橋上監督代行は交代か。こちらは早くもストーブリーグ。

◎将棋の西山朋佳女流四冠 女性初のプロ棋士権利獲得 | NHKニュース  →また「女性初」が生まれた。西山朋佳女流四冠(31)が女性としては初めてプロ棋士の権利を獲得した。大阪狭山市出身。制度は去年導入されたようで、プロ棋士と女流棋士は制度上の区分が異なり、素人にはややこしい。権利を行使するかどうかはこれから考えるという。いずれにしても初めての出来事だ。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎三浦綾子(小説家。1999年10月12日死去、77歳)

「なぜ私たちは不満を後回しにし、感謝すべきことを先に言わないのだろう」 「苦難の中でこそ、人は豊かになれる」 「つまずくのは恥ずかしいことじゃない。立ち上がらないことが恥ずかしい」 「私たちは、毎日生きています。誰かの人生を生きているわけではないのです。自分の人生を生きているのです」 「秀れた人間というのは、他の人間が愚かには見えぬ人間のことだろう」 「やれるかも知れないと思った時、自分でも気づかなかった力が出てくるものだ。初めから、できないと言えば、できずに終わる」 「人間は弱い者である。たとえ幾多の才があっても、大きな意欲があっても、ダメな奴と言われれば、たちまちしぼんでしまう」 「相手の一言によって生きる力を与えられる」 「少なくとも、人間たる者は、医者になるとか、政治家になるとかいう目標よりも、どんな生き方の医者になりたいとか、どんな生きかたの政治家になりたいかを問題にすべきではないだろうか」

*** 今週の教養講座(生成AI時代の文章術①)

学びの秋です。今週は社会人向けに「生成AI時代の文章術」を考えてみます。AIの登場で文章を取り巻く環境は激変しています。長谷川キャリア文章塾の独自テキスト「文章の極意」と拙著「本気の文章上達法を教えます」(セルバ出版)を中心として、谷崎潤一郎と三島由紀夫の「文章読本」を参考に解説します。2人はこの教養講座でも取り上げたことがあります。

◎「書くことは考えること」

文章がうまくなりたいという社会人は多い。しかし、文章を書く技術だけを身につけても十分ではない。文章を書く最大の意味は、自分の頭で考えることにある。長谷川キャリア文章塾の基本方針は「書くことは考えること」。社会人は毎日、さまざまな判断を求められる。上司への報告、顧客への提案、会議での発言、部下への指示など、仕事の多くは「考え、それを相手に伝える」ことで成り立っている。文章を書く力は、その土台になる。

文章を書こうとすると、自分がいかにあいまいに考えていたかに気づく。「わが社は人材育成を強化すべきだ」と頭では思っていても、なぜ必要なのか、何が問題なのか、具体的に何をすべきなのかと問われると、意外に答えられない。文章は、頭の中のあいまいさを容赦なく映し出す。

長谷川塾では、正確性、論理性、簡潔性、独自性、構成力の5つを文章評価の柱としている。事実を正しく捉え、筋道を立て、重要なことを絞り、自分なりの考えを持ち、それを読み手が理解できる順番に並べる。この作業そのものが思考訓練なのである。

例えば「職場のコミュニケーションが大切だ」と書くだけなら簡単である。しかし、「自分の職場では何が起きているのか」「原因は何か」「自分はどう行動するのか」と掘り下げれば、一般論では済まなくなる。自分の経験を掘り下げ、事実を観察し、原因を考え、解決策を選ばなければならない。そこに社会人が文章を書く意味がある。

長谷川塾では1文は60字以内、1段落を100~200字程度を基本ルールとしている。名文を書くためではなく、複雑なことを複雑なまま書かず、いったん整理して相手に伝える訓練である。短く書くには、何が重要かを選ばなければならない。

削ることは、考えることでもある。生成AIの登場によって、整った文章を作ることは容易になった。しかし、何を問題と考えるか、なぜそれが重要なのか、どんな経験からそう考えたのかまでAIに任せてしまうのは自分自身を否定することに等しい。本末転倒である。

社会人に必要なのは小説家のような文章ではない。仕事や社会や自分自身について深く考え、それを他者に伝えることである。文章力とは、言葉を飾る力ではなく、考えを形にする力である。だからこそ、文章を書くことは社会人にとって、最も身近で実践的な思考訓練となる。

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