2026年10月19~23日(教養講座:千住博の芸術論)
***デイ・ウォッチ(16~18日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎横浜市長選挙 新人の原澤敦美氏 初当選 | NHKニュース →前市長のパワハラ辞任を受けて実施された横浜市長選で、原澤敦美さん(59)が55.2万票を獲得し当選した。自民、維新、国民、公明の地方組織が推薦や支持をしていた。航空会社で整備士として勤務した後、弁護士となり大手海運会社の役員も務めてきた。弁護士としてコンプライアンスの問題に取り組んだ経験を生かし、パワハラ問題で停滞した市政を立て直すと訴えた。辞任して立候補した山中氏は19.9万票の3位で落選した。
◎内閣支持、最低49% 農相更迭「遅過ぎ」57%|47NEWS(よんななニュース) 内閣支持横ばい50% 簗氏めぐる対応「評価せず」52% 朝日世論:朝日新聞 高市内閣の支持率ほぼ横ばいの57%、簗・前農相の事実上更迭で首相の責任「否定派」46%…読売世論調査 : 読売新聞 →内閣支持率は微減か横ばいという結果が出た。「遅すぎる」という簗農水相の辞任問題を受けて動向が注目されていた。通常、閣僚辞任があれば下がるが、底堅いのが高市内閣の特徴といえる。経済政策への期待が下支えしているという見方もある。
◎フランス 物価高対策など訴え大規模デモ 放火など混乱も広がる | NHKニュース →物価高対策を求めるフランスのデモが拡大・過激化している。17日には全国で55万人が参加し、放火や略奪が起きた。140年前に建てられた市役所が破壊された被害もある。警察は1800人を拘束し、警察官ら500人以上がけがをした。フランスの特殊事情もあるだろうが、インフレは世界共通で、各国国民の不満も高まっている。
◎ホワイトハウス新報道官 司法試験合格していないと認める | NHKニュース | アメリカ、トランプ大統領 →ホワイトハウスの報道官がわずか5日で辞任した。弁護士と言っていたが、資格がないことがわかった。本人も本人だが、採用する側もいい加減だ。ウソをつくような人が報道官では何を信じていいのだろうか。やっぱりトランプ政権は変だ。
◎ドジャース対ブルワーズ 大谷翔平ホームランも4連敗 3連覇逃す | NHKニュース DeNAが2年ぶり日本シリーズ進出 CSファイナル 阪神に4連勝 | NHKニュース ソフトバンクが3年連続で日本シリーズ進出 日本ハムに3連勝 | NHKニュース →日米とも野球が大詰め。一方的な決着が目立ち、盛り上がりを欠いた。ドジャースは3連覇を逃した。大谷の不振が大きく響いた。横浜は下剋上。阪神は主力の故障で4連敗と元気がなかった。ソフトバンクはカモの日ハムを圧倒した。残りは横浜対ソフトバンクの日本シリーズのみ。
◎緊急地震速報の過大推定 「過去の対策が機能せず」気象庁 | NHKニュース →16日午後0時40分、緊急地震速報が誤って発表され、東日本が混乱した。千島列島でマグニチュー9.9の地震が起きたとして、北海道から東海、北陸地方まで対象になった。「南海トラフ地震か?」と緊張が走った。震源から700キロを超えるデータは使わないようにしていたが、この機能が正常に働かなかったという。大きな教訓を残した。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎西田敏行(俳優。2024年10月17日死去、76歳)
「演劇にふさわしい才能があるのかと、いつも自問自答していた」 「自分を欺いた芝居をしないというのは、僕が心がけているいちばんのこと」 「少年の頃から持っていた好奇心。楽しい事を考える好奇心だけは旺盛にあって。それが役者人生を支えてくれていると思います」 「釣りバカ日誌のハマちゃんとは22年間一緒に暮らしていて本当に楽しかったです。ハマちゃんを演じている間は、倒れたり病気になったりすることがなかったということを、僕の中で一つの誇りにしています」 「役者という仕事を生業としている以上、自分のいろいろな表現をみんなに見てもらい、感じてもらいたい。それが僕の唯一できる大震災被災者への最大限の応援、支援だと思っている」 「何事でも最初に持っていた熱い思いを忘れずに、きちんと自分の中で実現していくことが大事」 「お金は後からついてくると言ってあげたい。何を言われても夢を捨てないことだ」
*** 今週の教養講座(千住博の芸術論①)
日本画家の千住博さんは、「人間は、イマジネーションをコミュニケーションすることによって生きている」と考えています。人間という複雑で混沌とした存在が、人や自然との関係を良くしようとして生み出したものが「芸術」と言います。代表作は「ウォーターフォール」で、絵の具を上から垂らして滝の様子を描いています。軽井沢の千住博美術館や高野山金剛峰寺、京都・大徳寺、羽田空港などにあります。千住さんの著書「芸術とは何か――千住博が答える147の質問」(祥伝社新書、2014)の「芸術と画家」「芸術と教育」の2章から、10の質問を選び、独自の芸術論を味わいます。
問:芸術家とは才能ですか、技術ですか? 芸術家とは技術です。芸術家とは、イマジネーションを何とかしてコミュニケーションしようとする人たちのことですから、伝えようとするある基礎的な技術が必要です。例えばピアノの前に座っても弾き方がわからなくてはどうにもなりません。映画監督をしたくても何をどうしたらいいかわからなくては話になりません。絵画も然り、文学や料理も同じことです。
技術がなくては自分の意志を伝えようとした時、ある一定の成果が挙げられません。確かに、技術がなくて表現を行う例も存在しますが、それは例外であり、そのまた例外として、優れた作品になる場合が極めて稀にだけ存在していると言っていいでしょう。
つまり、芸術家であることと才能は同列に比較して論じる問題ではないのです。きちんと伝える技術を持つことがまず前提で、加えて才能があるごくわずかの人々が、リーダーとなり歴史をけん引し、多くの芸術家たちを引っ張ってきたということです。
問:芸術家は時代とともに生きるのですか、時代から超越していますか? 芸術家は時代とともに生きて、そして超越的な作品も残すことを目指すのです。時代から超越して生きていると、私の感じでは超越的な作品を生み出すことはどうも難しいようです。芸術家が誰とも変わらない同じ一人の人間として、その時代を普通に生きて、何が美しいか、何に感動するかを、人々を代表して描き、代弁し啓蒙する意識によって、人類の美術史は育ってきたように思います。
人間は1人では生きられません。赤ん坊は物理的条件が完璧に備わっていても、1人にしておくとやがて死んでしまうそうです。人間はコミュニケーションを必要としています。何しろ「人の間」と書いて「人間」なのですから。人と人の間には会話が生まれ、コミュニケーションが生まれ、そして普遍的な人間の心を交換して作品が生まれていくのです。時代や社会から超越してしまうと、この人間という基本が怪しくなるのです。
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***デイ・ウォッチ(19日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎情報漏えい、企業の16%が経験 大企業は3割―帝国データ調査:時事ドットコム →情報漏えいを経験した企業が16%あり、大企業に限れば30%にのぼっていることがわかった。漏えいの有無が「分からない」とした企業は15%近くあり、「攻撃に気付いていないだけかもしれない」との声もあった。データが「現代の石油」から「保有はリスク」の時代に変わりつつある。19日も多くの企業が漏えいを公表した。
◎中国GDP +4.5% 内需停滞で伸び悩む 7ー9月期 | NHKニュース →中国の7~9月期GDPは、前年同期比4.5%の成長にとどまった。中国政府が今年の目標として掲げる「プラス4.5%から5%」の下限で伸び悩んでいる。輸出は好調だが、個人消費など内需が振るわない。習近平政権の企業に対する統制も影響している。外交姿勢も弱気に傾きがちだ。
◎高市首相 秋の例大祭の靖国神社に私費で玉串料奉納 中国は抗議 | NHKニュース →かつて首相になっても靖国神社に行く意向を示していた高市首相。参拝はしないが、例大祭に私費で玉串料を納めた。海外と支持団体の双方に配慮した結果だ。「海外の反応を気にして参拝しないのはおかしい」という声もあるが、A級戦犯合祀以降、天皇がなぜ参拝しないのかを考えたい。
◎トランプ大統領 イスラエル総選挙前にネタニヤフ首相支持表明 | NHKニュース →27日に行われるイスラエル総選挙では、ネタニヤフ首相率いる右派政党「リクード」の大幅議席減が予想されている。これまで態度を表明していなかったトランプ大統領は「偉大な戦士であるネタニヤフ首相は、イランとの戦いでは平和のためのさらに偉大なパートナーであり続けてきた」と投稿し、支持を表明した。ともに選挙を控えて苦境にある。
◎佐藤輝明の米大リーグ挑戦容認 ポスティング申請へ―プロ野球・阪神:時事ドットコム →三冠王の阪神・佐藤選手が大リーグに挑戦する。球団がポスティング申請を容認する考えを示した。今季、ヤクルト・村上、巨人・岡本らが移籍して活躍しており、ハードルは低くなった印象だ。日本プロ野球の二軍化に拍車がかかるようにも見える。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎魯迅(中国の小説家。1936年10月19日死去、55歳)
「後ろをふり向く必要はない。あなたの前にはいくらでも道があるのだから」 「目的はただ1つしかない。前進することだ」 「自己満足しない人間の多くは、永遠に前進し、永遠に希望を持つ」 「天才なんかあるものか。僕は他人がコーヒーを飲んでいる時間に仕事をしただけだ」 「青年時代に悲観していてはいけない。徹底的に戦うのだ」 「君たちは生命の力にみちあふれている。深林に出会えば開いて平地にすることができる。荒野に出会えば樹木を植えることができる。砂漠に出会えば井戸を掘ることができる」 「思うに、希望とはもともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えない。それは地上の道のようなものだ。もともと、地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になる」 「生活がまず一番だ。人は生活しなければならない」 「私は沈黙している時、充実を覚える。口を開こうとすると、たちまち空虚を感じる」
*** 今週の教養講座(千住博の芸術論②)
問:芸術家にとって、保守と革新のどちらが大事ですか? 両方です。保守の意識がなくては、伝統や学問の習得などアカデミックな部分での十分な成果は得られません。保守を徹底的に学ぶことによって、自分が何をしなくてはならないか、どこが問題かという、やらなくてはならないそれぞれの独自色を持った革新の方向が見えてくるものです。
初めから革新だけですと、自分の作品と過去の美術史上の作品のつながりが共通項を失います。保守として物事を学ぶことは、時として面白いことばかりではありません。忍耐が必要な場合も多いものです。しかし芸術にはそのようなことも必要なのです。そうすることによってベースが築かれ、問題点が浮かび上がり、それが個性的で革新的な作品を生んでいます。
何でも好きに自由に描いていいと言われると、何が好きか、自分にとって自由とは何かが理解できず、遊びみたいになり、他人から見ると意外につまらない作品になるものです。
問:芸術家は、弱いが素直な人、強いがひねくれた人のどちらが向いていますか? 芸術家は、強くて素直な人しか務まりません。弱い人は、無理解、苦労、批判を繰り返されるうちに、消えていきます。ひねくれた人は、人がどんなに良いと言っても信じないし、悪いところを指摘されても聞きません。ですから作品はよくならないし、人間的にも結局、人から嫌われてやっていけません。
ひねくれ者だけではだめですが、それを除けば本当に普通でいいのです。時に弱く、時に強く、そして素直なのが人間というもので、このような人が人々から愛され、可愛がられ、慕われます。作品は作者の鏡ですから、そのような人が描いた作品は、とても愛らしく、人間を映し出し、人々から可愛がられる作品だと思います。
逆に作品から人を見ると、ゴッホはそうひねくれた人ではなかったと思います。ただ、不器用な生き方しかできなかっただけなのでしょう。生き方が不自由とひねくれていることは違います。その点、作品を見る限り、ダリなどは相当にひねくれていたと思います。
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***デイ・ウォッチ(20日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎食料品の消費税減税関連法案 衆議院で審議入り 高市首相“法案の早期成立目指す” | NHKニュース →消費税減税法案が審議入りした。最大の焦点である財源がまだはっきりしない。減税法案を先に可決し、どうしようもなくなって赤字国債頼りの予算案を後で可決する思惑はないだろうか。国民民主党が住民税減税などの代案を出した。野党共闘に発展するか→国民民主 消費税減税法案の対案提出 住民税減税などで負担軽減図る内容 | NHKニュース
◎トランプ大統領 習主席・プーチン大統領との3者会談実現に意欲 | NHKニュース →11月に中国で開かれるAPEC首脳会議で、米中ロの首脳会談が浮上している。トランプ大統領が実現に意欲を示している。中間選挙向けのアピールもありそうだが、中ロ首脳は乗ってくるのではないか。世界平和につながるのなら歓迎だが、超大国支配にもなりかねない。ミドルパワー各国は注視する必要がある。
◎不正アクセス、中国系AI悪用か 国内企業に攻撃―GMO子会社調査:時事ドットコム →日本企業を狙った不正アクセスで、中国系AIツール「アルテックス」が悪用されていた可能性が浮上した。GMOグループのセキュリティ会社が調査した。金融や小売りなどに絞っているという。中国やロシアの関与はかねて指摘されている。日本は中ロとの関係が悪化しているので、今後も続きそうだ。岩井コスモ証券では不正売買があった→ 岩井コスモ証券 不正アクセスで顧客が意図しない売買注文 | NHKニュース
◎東大の総長選めぐり 文部科学省が選考経緯の検証を要請 | NHKニュース →批判が収まらない東大の総長選挙。文部科学省が選考経過の検証や説明責任を果たすよう要請した。文科省が国立大学の学長選考の検証を求めるのは初めて。選考会議と教職員の意向調査の2つあるのが、もともと不思議。大ごとになってきた。
◎探査機「MMX」 火星へ向かう軌道に 衛星「フォボス」探査へ | NHKニュース →火星探査機「MMX」を乗せたH3ロケットが打ち上げに成功した。火星の衛星フォボスに着陸して表面の砂を採取し、地球に持ち帰るのが目的。JAXAが553億円で開発した。はやぶさの成功で、今回は米、仏、独の宇宙機関も相乗りしている。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎神風特攻隊に関する海外要人のことば(初出撃は1944年10月21日)
★ヘンリー・スティムソン(米陸軍長官)「(トルーマン大統領に対して)日本上陸計画を準備していますが、特攻が激しくなっており、この調子ではアメリカに数百万人の被害が出ます。天皇制くらい認めて、降伏勧告をすべきです」 ★ダグラス・マッカーサー(連合国軍最高司令官)「カミカゼは連合軍の海軍指揮官たちをかなりの不安に陥れ、艦艇が至るところで撃破された。空母群は搭載機を守るために使わなければならなくなったので、レイテの地上部隊を援護することに手が回らなくなってしまった」 ★アンドレ・マルロー(仏の作家、政治家)「日本は敗れたが、何ものにも代え難いものを得た。世界のどんな国でも真似できない神風特別攻撃隊である。彼らには権勢欲とか名誉欲などはかけらもなかった。祖国を憂える貴い熱情があるだけだった。代償を求めない純粋な行為、そこにこそ真の偉大さがある。人間はいつでも、偉大さへの志向を失ってはならないのだ」 ★ベルナール・ミロー(仏のジャーナリスト)「西洋文明では熟慮された計画的な死は、思いもつかない。我々の生活信条、道徳、思想といったものとまったく正反対で、西欧人にとって受け入れがたいものである」
*** 今週の教養講座(千住博の芸術論③)
◎芸術家は、破天荒、きまじめ、地味な人のどれが向いていますか? 破天荒、火宅、きまじめ、地味というのは、自分は選んでそうなっているわけではなく、仕方なくそうなってしまっているもので、本人もそれを落ち込んだりしながら、抱え込んで生きているものです。
そのような人が芸術家を目指すなら、その人はそのような芸術家となり、才能があれば優れた作品を残すのです。その持って生まれた属性は、個性の一部と考えるしかないでしょう。個性とは後からつけ足すものではなく、
どうしようもなくあるもので、あきらめながら、時として自己嫌悪に陥りながら、つき合っていくしかないものなのです。どうせあるなら、それをうまく利用するしかないですね。
◎芸術家にも、市民感覚、市民的常識は必要ですか? 芸術は人間が人間に対して行う行為ですから、市民的感覚、市民的常識は当然必要となります。問題はその内実です。むしろこれを自ら中心となって創り、指し示していく意識が必要です。芸術とは啓蒙であり、教育でもあります。権力やメディアの趨勢に押し流されるのではなく、より人間的な真実や新しい角度の見方を提言し、未来の人類のためによりよい時代を作っていく意識こそ芸術家の人生です。
市民的感覚、市民的常識の持ち主が、キラリと輝く歯を内側に隠し持つ。これが人々の心にリアリティをもって届き、人々に刺激を与え、作品を通して「目を覚ませ」と同じ側に立って訴える。それが優れた作品を生む心構えなのではないでしょうか。
◎芸術家に向く性格、向かない性格はありますか? 絵描きだったら、何より絵を描くことが好きな人。作家だったら、何より小説を書くのが好きな人。作曲家だったら、何よりも作曲が好きな人。それも諦めずにコツコツ行う。これに尽きると思います。
芸術的行為とは、人間的行為と言い換えてもいいものです。人と人の間のコミュニケーションを行い、何とかして仲良くやろうとする知恵。分かりあえない人たちが、分かり合う知恵。人の辛さや痛みを分かち合い、もちろん喜びも分かち合うことができる。同じ人間としての意識が芸術ですから、芸術家に向かない人とは、人の話も聞かず、人と仲良くしようとも思わず、他人の痛みも分かろうとせず、他人の存在を必要としない。このような人は、あまりいい芸術家にはならないと思います。
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