2026年9月7~11日(教養講座:志賀直哉の随筆)

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年9月7日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(4~6日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎関東 東海 東北 線状降水帯発生の可能性 安全最優先に行動を | NHKニュース →全国各地で大雨が続いているが、7日は朝から東海、関東、東北で線状降水帯が予想されている。在来線は始発から運転取りやめや本数を減らし、臨時休校する学校もある。東日本は厳戒態勢だ。8月に大きな被害の出た千葉県では自動車を高台に避難させている。新島村でレベル4、首都圏各地でレベル4が発令されている。
◎国民民主党 代表選挙 玉木代表が再選 | NHKニュース →予想通り玉木代表が再選された。得票は合計159ポイントのうち、玉木氏127ポイント、橋本氏32ポイント。批判票は全体の2割だった。玉木氏は「これまで通り、対決より解決でいく」と話しているが、中道改革が解体し、野党内で国民民主の存在感は高まっている。玉木私党的な現状から脱皮し、政権交代を目指す大きな塊を作ろうとするかどうか。
◎茂木外相・片山財務相の続投調整 継続性重視、小泉氏も有力―高市政権:時事ドットコム →自民党・内閣人事は骨格維持で、今後の焦点は高市首相が敬遠する参議院・石井幹事長の処遇というややプロ的な政局になっている。高市首相は、微妙な関係の麻生副総裁と手を握り、来年秋の総裁再選を狙う、と解説されている。見方を変えれば、麻生氏を切って独自色出すほどの政治的エネルギーが乏しいとも言える。
◎ニデック 品質不正で調査委員会が報告書 会社が会見 | NHKニュース →ニデックの不適切行為は840件にのぼった。架空の部品強度を顧客に示したり、廃棄すべき部品の一部を使ったりしていた。背景について「永守氏への権限集中とマイクロマネジメントを基礎とする経営体制が続いた。短期的な業績目標の達成やコスト低減を強く求め続けた」と指摘している。永守氏はアニマルスピリットあふれる経営者と称賛されたが、退任会見もしていない。人々の記憶から消えていくようだ。
◎「米国は有害」、豪印で高く 対中不信で日本突出―クアッド各国調査:時事ドットコム →オーストラリアの大学によるクワッド4か国調査で、日本の「親米嫌中」が際立った。「米国はアジアで有益か有害か」との問いに「有害」と答えた人は、インド37%、豪州36%で、「有益」はいずれも2割台だった。一方、日本では「有益」42%、「有害」12%と米国に寛容だった。中国を「有害」と答えた人は、日本が57%と最も高く、豪州42%、インド38%、米国35%と続いた。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎エリザベス女王(英国の女王。2022年9月8日死去、96歳)
「命ある限り、私はこの身を捧げてあなた方の信頼に応えられるよう努めます」 「憎むことや壊すことはたやすいこと。築いていくことや慈しむことがはるかに困難なのです」 「平和が訪れたら、明日の世界をより良く、より幸せな場所にするのは、今日の子どもたちであることを忘れないでください」 「すべての素晴らしい家族がそうであるように、我が家にだって衝動的で言うことを聞かない若者や、家族間の意見の不一致といった変なところはあります」 「仕事とはこの地球上に存在するための家賃のようなもの」 「本当の愛国心とは他者の愛国心への理解を排除しない」 「差別は未だに存在する。自分の信仰が脅威にさらされていると感じる人もいれば、見知らぬ文化に対して不満を持つ人もいます。そんな人が知らなければならないことは、他者に歩み寄ることで得られるものがたくさんあるということ、そして多様性とは脅威でなく、確かな強さであるということです」
*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆①)
NHKは8月24日に放送した「映像の世紀 バタフライエフェクト/特攻 若者たちの絶望と祈り」で、志賀直哉(1883~1971)の随筆を紹介した。志賀は「小説の神様」と呼ばれるが、随筆も多く残している。志賀直哉全集第7巻(岩波書店)から紹介する。初回は番組で紹介された随筆で、当時の様子が実感として伝わってくる。旧字は現代字にし、一部はわかりやすくした。短くするため略した文もある。
◎「特攻隊再教育」(昭和20=1945年) 特攻隊として特殊な精神教育を受けてきた青年たちを、そのまま復員してしまったことは、政府として、無責任極まる措置であったと思う。「死を見ること帰するが如く」という死に対する淡々たる心境は特攻隊がその任務に服するには最もふさわしいであろうが、まったく変わった今日の社会に、そのままの心境でいることは、誠に気の毒である。彼らが新しい生活を自身の力で見出せれば申し分ないが、思想そのものが今のように混乱していると、なかなか困難だろうと思う。おそらく彼等は今日の世相を軽佻浮薄、無節操なものと考え、白眼視しているのではないかと思う。
一方、終戦間際の彼らの飛行基地での生活は、例外もあると思うが、初めの頃の特攻隊の生活とは大分変わってきたような話も聞いた。彼らが戦争以外のこと、例えば人生とか故郷とか戦争に関係ない事柄に一切頭を向けないように、飲酒と女遊びを隊長達は勧めていたという話を聞いた。事実とすれば、悪い習慣を身につけて復員した青年たちが、今後どういうことになるか。復員の際のカネもいつまであるはずはなく、悪い習慣だけが残り、死ぬことが何でもないとすると、どういうことをしでかすか。まことに寒心に堪えぬものがある。今でも「特攻隊崩れ」という言葉が出てきているが、かつて特攻隊に対し何ともいいようのない悲壮な感情をもった国民が今さら、平気でそういう言葉を口にし、また口にしないではいられないようなことにはなりたくない。
青年たちの心境を健全なものに還す特別な教育をもう一度やる責任が政府にはあると思う。文部省と復員省は速やかにそういう学校を設け、彼らの頭を完全に切り替える工夫をすべきだ。もちろん自身でその切り替えのできた人々に対しては、そんな必要はないが。この戦争で日本が殺した青年の数は実に大変なものだ。中には日本の誇りともなるような人々がいたに違いない。そういう卵を日本は戦争でむなしく失った。今後わが国にとり、恐るべき人物の空白となる場合を考えると、今いる青年たちの中からひとりでも多く有為の人物を作り出すことに努力する責任がある。特攻隊のごとき変態的な教育を施し、終戦とともに復員し、何ら前後措置を取らないのは無責任極まることで、社会にいかなる悪影響を及ぼすか深く考えるべきだと思う。
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~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年9月8日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(7日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎円相場 値上がり 一時1ドル=154円台に ことし2月以来 | NHKニュース →円が一時1ドル=154円台になった。最近の金融市場は動きが激しい。金利が上昇(国債が下落)し、為替は円安是正に傾き、株価は半導体・ITブームがヤマを越えつつある。各国の金融財政政策もからみ、複雑な要因で動いている。マネーは新たな均衡点を求めてさまよい始めたようだ。金融市場の動向は高市政権の行方にも影響する。
◎【大雨被害】福島 いわき アンダーパスで水没した車の女性死亡 千葉県内ではがけ崩れや土砂崩れなどの被害 | NHKニュース →東日本の大雨で犠牲者が出た。福島県いわき市のアンダーパスで、水没した車に乗っていた女性が死亡した。各地でレベル5や4の警報が発令され、交通機関が乱れた。雨は数日間続く見通しで、影響が心配されている。
◎岐阜 洋菓子店3人死亡の放火疑い事件 “死亡役員が関与”証言 | NHKニュース →岐阜県本巣市で不可解な事件が起きた。66歳の10人がケーキ店2階で開いていた中学校の同級会に70歳の会社役員が加わり、放火と殺人が起き、3人が死亡、2人がけがをした。問題は犯人と動機。70歳の社長と同級生らの間にトラブルがあった可能性がある。強い恨みが推測される。
◎独州議会選挙で強硬右派「AfD」圧勝、州首相輩出なら戦後初「極右」州政権誕生…移民排斥や愛国主義訴え : 読売新聞 →ドイツ東部の州議会で強硬右派の「AfD」が43%を獲得し、第1党になった。連立政権に向けて協議を始める。州当局はナチスに近い思想を持っているとして「極右団体」に指定している。極右の州首相が誕生すれば、戦後ドイツで初めて。既存勢力をやり玉に挙げる極右は世界各地で伸びているが、不寛容な政策で社会がよくなるとは思えない。
◎「推定有罪」の風潮を問題視 米大学研究員として再起―新浪前同友会代表幹事:時事ドットコム →ちょうど1年前、違法サプリメント疑惑が浮上して経済同友会やサントリーのトップを辞任した新浪氏。5月に不起訴処分になり、時事通信とのインタビューで「『推定有罪』になる社会は世界に通じない」と語った。確かにあの疑惑は何だったのか、辞める必要があったのか、という疑問は沸く。もてあまし気味だったサントリーは渡りに船だったという見方もある。現在は留学先だったスタンフォード大の客員研究員という。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎湯川秀樹(物理学者、ノーベル賞受賞者。1981年9月8日死去、74歳)
「独創的なものは、初めは少数派である。多数は独創ではない」 「未来を過去のごとくに考えよ。科学は絶えず進歩している。常に明日の飛躍が約束されている」 「未知の世界を探求する人々は、地図を持たない旅行者である」 「メルヘンといいますか、子供の世界というんですか、そういうところへ戻りたいという気持ちがいつもある」 「現実のほかにどこに真実があるかと問うことなかれ。真実はやがて現実となるのである」 「理論物理学は本来、哲学に近い学問だ」 「新しい真理の発見は常に少数派である。正しければ多数派になる」 「アイデアの秘訣は執念である」 「今日はあれをやり、明日はこれというように、あまり気が散ると結局どれもものにならない」 「自分の能力は、自分で使ってみなければわからない」 「君たち全員に優の成績をあげるけれども、勉強は自分でしなさいよ」 「ただ流行を追っているというのは、つまらない生き方です」 「地に空に平和を」
*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆②)
◎天皇制(昭和21=1946年)
今度の戦争で天子様(天皇)に責任があるとは思われない。しかし天皇制には責任があると思う。天子様のご意志を無視し、少数の馬鹿者がこんな戦争を起こすことのできる天皇制、しかも最大限に悪用し得る脆弱性を持った天皇制は、国と国民とに災いとなった。
天子様と国民との古い関係をこの際捨て去ってしまうことは寂しい。今度の憲法が国民のそういう色々な不安を一掃してくれるものだと一番うれしいことである。しかし世界各国の君主が、老人の歯が抜け落ちるように落ちてゆくのを見ると、天皇制というものは今がそういうことになったのだというふうにも感じられる。天子様と天使様のご遺族がご不幸になられることは実に嫌だ。この問題が穏やかに落ち着くところに落ち着いてくれるといいと思っている。
◎甲子園(昭和11=1936年)
甲子園の野球は毎年朝日新聞社から入場券をもらうので一度は見に行くが、暑い盛りに一日炎天下は体にこえる。昨年は11になる男の子も一緒だったし、終わりまで見ずに浜甲子園の動物園や水族館を見に行った。先年、中京商業と明石中学との試合は18回で9回の倍だけ見たのだから、もうよかろうとこの時も男の子連れであったが、大阪に帰り、料理屋で食事をしながらその続きをラジオで聞き、そして食事が進んでもいまだ勝負はつかず、往来へ出てしばらくして勝負表でようやく結果を知ったことがある。(注:延長25回で終了)
私は十年以上奈良に住んでいるが、奈良県の学校は隣県の和歌山が強い関係で、その間多分一度しか出場したことがなかった。東京の出身校はいつも予選で負けてしまうので、私にとって甲子園でのひいきはないと言っていい。ただ初めて台湾の嘉義農林が出てきた時は、陰ながら何となしに大いに力こぶを入れた。そして決勝戦まで行ってついに負けてしまった。
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***デイ・ウォッチ(8日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎維新、閣僚1人で調整 内閣改造16日にも:時事ドットコム 中道改革連合 立憲と公明に分かれたうえ衆院統一会派結成で調整 | NHKニュース →政界は人事の秋。内閣改造と自民党人事は16日にも実行する。小林政調会長も留任の方向だが、石破氏に近い赤沢経産相の情報が出てこない。中道は立憲と公明に分かれ、統一会派を結成する。民主主義に対抗勢力・監視勢力は不可欠だが・・・。
◎米軍、嘉手納と普天間のPFAS汚染源認める 日本政府は公表せず [PFAS問題]:朝日新聞 →沖縄タイムズの特ダネ。米軍が沖縄にある基地のPFAS汚染を認めていたが、日本政府は公表していなかった。地元の大きな懸念事項であり、事実を伏せるまで配慮する必要はないだろう。13日投開票の知事選では、保守系新人の優勢が伝えられるが、どう影響するか。
◎円、一時152円台後半に上昇 7カ月ぶり水準、利上げ加速観測:時事ドットコム 株価 円高などで1100円超下落 | NHKニュース→円が1ドル152円まで上昇した。市場関係者の間では「円安基調はいったん終わった」と新段階に入ったという見方が出ている。株価は、円高を嫌って輸出銘柄中心に売られ、1100円下落した。金融市場の動揺はしばらく続きそうだ。
◎愛知 岐阜 庄内川に「レベル5氾濫特別警報」 | NHKニュース 【動画】名古屋 道路が冠水 | NHKニュース →大雨は8日に中部地方を襲い、庄内川でレベル5の氾濫警報が出た。名古屋市の繁華街が冠水し、車や人が水につかりながら移動した。9日も広い範囲で線状降水帯が発生する可能性がある。長雨で体調を崩す「多雨疲労」という言葉もあるようだ。
◎日本の15歳学力は上位維持… でも読解力後退 低いAI利用頻度:朝日新聞 →OECDによる科学、読解、数学の3分野の恒例テスト。日本は加盟38か国で初めて3分野でトップになった。しかし、加盟国以外も含めると、中国(北京など)、シンガポールなどの後塵を排し、4~5位に落ちる。健闘しているのか、もっと頑張るべきなのか。日本では約6500人の高校1年生が受けた。
◎ドジャース大谷翔平 5試合ぶり復帰 無安打もチームは5連勝 | NHKニュース →大谷は右腕や首の違和感で欠場していたが、5試合ぶりに先発で復帰。4打席無安打だった。投手としての今シーズンの登板はない見込み。一時的な体調不良か、年齢からくる宿命か。ここ数年が選手としてのピークとみられるが、まだまだ勇姿を見たい。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎水上勉(小説家。2004年9月8日死去、85歳)
「貧しさが、私にいい球根を与えてくれた」 「動物はみな弱いものを食って生きる以上、だれかの生まれかわりだ」 「人間の平和というものは、足もとの小石一つで崩れるはかないものだ」 「ぼくらの命は大勢の命の一つだ。だから、誰でも尊いんだ」 「何かで挫折したとしても、できるだけ早く頭を切り替えて、再出発しよう。全く問題のない平坦で安定した状態が永遠に続くことはなく、誰にでも挫折はある。挫折と希望を繰り返すことで前進できるのだから、立ち止まらずに早く頭を切り替えよう」 「仏と同じ悟りをひらく、そんな境地に達するためにも、この食物をいただくのである」 「ミミズも虫も、ちゃんと石の下にいますねん。リーンリーンリーンリーン、鳴いている音がありますねん。その石の下に、“禅のわびさびの石”が、もう一つ虫を包んでいるということを書いた文学がどこにあるんだ。私はそういうものを書いていきたいと、実は思っているのですよ」
*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆③)
◎柳宗悦の遺産(昭和36=1961年)
昭和36年5月3日午前4時、柳宗悦は脳溢血で亡くなった。柳は4年半ほど前、脳血栓で倒れ、一時は絶望かと思ったが、頑張り通して左の半身不随で食い止めた。まもなく、書き物などほとんど不自由なくするようになった。脳を侵されながら、頭脳明晰になったようなところがあって、毎日民芸館に朝から出かけ、人々に会い、民芸館の買い物などもしていた。そして、立派な本を2、3冊出版している。柳は生来の勉強家で、仕事に対する意欲はむしろ異常といってもよく、そのため健康を害した点もあると思うが、己を捨て、仕事のためなら健康も捧げていいというような心境になっていたと思う。最近出版した「法と美」という本に挟んであった「御挨拶」という文章を写してみる。
御挨拶 目下の私の病状で、私に許されている唯一の可能な仕事は、私が今までめぐりあえた美の世界について、考えることと書くことでありました。それも当分は誰も考えてくれず、また書きそうもない本を残すことでありました。長い病気中に私は多くの方々から、浅からぬ志を受けましたので、その御返礼にもと存じ、春彼岸の日にこの小冊子をお届けいたすことになりました。まだ病弱な身体の私は、皆さんにお会いできる自由がなく、代わりにこの一冊でお会いできればと念じ、感謝の思いを込めて、これをご送付する次第であります。 昭和36年3月吉日 柳宗悦
柳は私よりも6つ年下で、柳が中等科の2、3年の頃、私の集めていた浮世絵を見に訪ねてきたのが最初で、以来55年ほどの交わりであるが、不思議に一度も喧嘩をしたことがない。我孫子では5、6年ほとんど毎日会っていたし、その後、親類となり、いま、共通の孫が3人ある。私は柳の民芸運動はたいしたものになるとよく言っていたが、案外早く実現し、柳がある程度、その成果を見て安心して亡くなったのは、せめてものことであった。柳の仕事に対する意欲は脳血栓という病気でさえもそれを妨げることはできなかった。柳の他力本願の思想は人間運動の背骨として一貫していた。柳宗悦の残した民芸運動は日本ばかりでなく、外国にまで及んで、実にたいした遺産となった。
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~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年9月10日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(9日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎沖縄県知事選挙 候補者のフェイク相次ぐ 生成AIの偽動画も | NHKニュース →13日投開票の沖縄県知事選が荒れている。現職の玉城氏と対抗する新人の古謝氏の2候補について、生成AIで作られた動画や画像が拡散している。国の基地政策と対立する玉城氏に対しては「中国ベッタリ」などと投稿されている。事実かどうかわからないことを強い言葉で発信し、すぐに否定しにくい情報が特徴という。出所不明の情報を信じない姿勢が大切だ。
◎米国ラスカー賞、日本から4人ダブル受賞 睡眠研究の柳沢正史さんら:朝日新聞 →アメリカで最も権威のある医学賞「ラスカー賞」に日本人4人がダブル受賞した。基礎医学部門で睡眠障害を研究する筑波大教授の柳沢正史さん(66)で、テレビにもよく出演している。臨床医学部門では血友病の治療薬を開発した中外製薬の服部有宏さん(66)ら3人が選ばれた。受賞者の3.6人に1人がノーベル賞にも選ばれている。期待が膨らむ。
◎アメリカ 共和党が初めて中間選挙前に党大会開催へ トランプ大統領前面に | NHKニュース →共和党が中間選挙の前に初めて党大会を開く。トランプ大統領主導で、過去最低の支持率への焦りが背景にあるようだ。自分の実績をアピールして共和党議員を支援する狙いとみられるが、逆効果になることはないだろうか。中間選挙の行方は世界に影響する。
◎丸亀製麺など展開の会社に取適法違反で勧告 公取委 | NHKニュース →公取委が、丸亀製麺などを展開するトリドールホールディングスに勧告した。2026年7月までの約2年間、うどんのだしやカット野菜、加工肉などの製造を委託していた37の事業者に対し、納入代金から1%余りを不当に差し引いた額を支払っていた。合計1.4億円にのぼるという。実るほどこうべをたれないと・・・。
◎サカナAIを10万社に、住友商事が支援 中小にも導入で国産の普及期へ – 日本経済新聞 →住友商事が国産AIのサカナAI社と提携した。住商グループの10万社の顧客網を生かし、支援する。サカナAIは海外の先端モデルに匹敵する高性能AIを開発する技術力が強み。問題は販売で、住商グループが支援する。日本はAI開発で、米国や中国勢に大きく引き離されている。国産AIを育成するならこうした大企業との販売提携が必要だ。
◎NHKの20代記者が同意なく性的身体接触、懲戒処分…性別や具体的行為は明らかにせず : 読売新聞 →懲戒免職というから相当悪質だろう。NHKは被害者が特定されるとして具体的な行為については明らかにしていない。被害者保護は重要だが、最近は安易な判断が優先されていないだろうか。「被害者保護」ではなく、「組織防衛」が本音ではないだろうか。週刊文春の報道を待つしかないのか。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎石橋正二郎(ブリジストンタイヤ創業者。1976年9月11日死去、87歳)
「禍は口からと言う。言葉をつつしみ、自分の偉さを表そうとはせず、気取られなければ人に尊敬され、親しまれ、自分も楽しみが多い」 「威張り、虚勢をはる人は他からも嫌われ、孤立し、人望を失う」 「気は長く持つが、行うときは気短でなければならぬ」 「一個人として如何に優秀でも、他人と仲良く働くことのできない人は、集団生活においていちばん厄介な人である」 「時の短縮は、私の信条である。もし他人の3分の1の時間で仕事をすれば、結局3倍の仕事ができる。一生涯の活動時間を、かりに40年とすれば、120年分の仕事量となる」 「生活向上に役立ち、人の幸福を増す製品をつくることが成功の基である」 「ゴムに手を染めた以上、将来に大きくなるのは何だろうかと頭を痛めた。自動車は将来100万台にはなるだろう。大変なものだ。アジアに目を向けても大きな市場がある。自動車タイヤだと結論が出るようになった」 「逆境こそ事業革新のとき」
*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆④)
◎太宰治の死(昭和23=1948年)
太宰君の小説は8年ほど前にひとつ読んだが、題も内容も忘れてしまった。読後の印象はよくなかった。作家のとぼけたポーズが嫌だった。図々しさから来る人を食ったものだと一種の面白みを感じられる場合もあるが、弱さの意識から、その弱さを隠そうとするポーズなので、若い人として好ましい傾向ではないと思った。去年の秋、座談会で太宰君の小説をどう思うかと尋ねられ、とぼけたようなポーズが嫌いだと答えたのであるが、太宰君はそれを読んで不快に感じたらしく、雑誌で「ある老大家」という間接的な言い方で、私に反感を示したという。
太宰君の心中を知った時、私は嫌な気持ちになった。私の言ったことが多少ともその原因に含まれているのではないかと考え、憂鬱になった。この憂鬱は4、5日続いたが、一方ではこれはどうも仕方のないことだと思った。あまり大きく感じることは自分に危険なことだとも思った。それゆえ、死後発表される「如是我聞」で、私に悪意を示しているという噂を聞いた時、嫌な気もしたが、それくらいのことは私も言われた方がいいという一種の気安さも一緒に感じた。しかし、私は太宰君の心中にはどうしても同情はできなかった。死ぬならなぜ、一人で死ななかったろうと思った。
私の言ったことが心身ともに弱っていた太宰君には何倍かになって響いたらしい。太宰君にはまことに気の毒なことで、太宰君にとっても、私にとっても不幸なことであった。井伏鱒二君が2行でもいいから褒めてもらえばよかったと言っていたということを聞き、私の心は痛んだ。その後に読んだ「人間失格」の第2回目では私は少しも悪いとも思わなかったのだから、もっとたくさん読んでいれば太宰君のいいところも見出したかもしれないと思った。
太宰君でも織田作之助君でも、初めの頃は私にある好意を持っていてくれたような噂を聞くと、個人的に知り合う機会のなかったことは残念な気がする。知っていれば私はおそらく病気の徹底的な療養を2人に勧めたろうと思う。私は太宰君の死については書かぬつもりでいたが、「文藝」8月号の中野好夫君の「志賀と太宰」という文章を見て、書く気になった。中野君の文章には非情な誇張がある。面白づくで、この誇張がそのまま、伝説になられたら困るのでこれを書くことにした。
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~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年9月11日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(10日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎張本勲さん死去 86歳 プロ野球最多3085本安打 解説者としては「喝!」 | NHKニュース →「安打製造機」と言われ、3085安打はプロ最多、首位打者7回はイチローと並ぶ天才打者だった。TBSの番組で球界のご意見番として「喝!」と叫ぶ姿で親しまれた。大谷の二刀流を当初批判し、大リーグに流れる風潮を嘆いた。是非は別にしてまっすぐな硬骨漢だった。在日韓国人2世として広島で生まれ、5歳の時に被爆し、姉を亡くした。重い歴史を背負った人でもあった。
◎トランプ氏、民主党批判「共産主義を打倒」 勝利なら成人米国民に77万円―共和党、中間選挙へ結束:時事ドットコム →トランプ大統領が共和党大会でトンでも発言。共和党が上下両院で勝利すれば、成人の国民に5000ドル(77万円)を支給すると語った。どこまで信ぴょう性があるかわからないが、あからさまなバラマキ選挙買収に開いた口がふさがらない。国民は支持し、信じるのだろうか。
◎AI業界去る研究者、「AIが人類滅ぼす可能性」を警告:時事ドットコム →オープンAI社からアンソロピック社に転職したAI研究者のコクソン氏(27)が「AIが人類を滅ぼす可能性がある」とAI業界から去る決断を公表した。過去3年間、AIの事前学習に携わったが、「両社とも責任ある行動を取っていない。人類の命運を賭けた危険な賭けをしている」と主張している。AIは急速に普及しているが、最先端では深刻な懸念が消えていない。
◎アップル 初の折りたたみ式スマホ発表 販売価格36万円余から | NHKニュース →アップルも折りたたみ式スマホを売り出す。サムスンなどが販売しているが、アップルはパスポートサイズで、開くと最も大きくなる。ゲームでの使用も想定している。日本での販売価格は36万4800円で、10月16日から予約を受け付ける。業界標準になるかどうか。
◎中部電、電気料金を過大徴収 対象500万件、影響額12億円:時事ドットコム →踏んだり蹴ったりの中部電力。今回は500万件、総額12億円の電気料金を過大に徴収していたことがわかった。半分は一般家庭向け。原価計算で誤りがあり、当時の役職者は気づいていたが、2年以上も対応しなかったという。誤りを認めると過剰に追及される社内風土があったのだろうか。原発のデータ不正と通底していそうだ。
◎高野山の宿坊で申告漏れ 宗教法人の半数、計1億円超―訪日客が好調・大阪国税局:時事ドットコム →和歌山・高野山の宿坊を運営する複数の宗教法人が申告漏れをしていた。半分以上はインバウンド客。ある宗教法人は収入の一部を私的な目的で支出し、申告漏れは9000万円。重加算税を含め追徴税額は4000万円にのぼった。全国各地の宿坊は大丈夫だろうか。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎乃木希典(陸軍大将。1912年9月13日、明治天皇の後を追って殉死、62歳)
「口を結べ。口を開いているような人間は、心にも締まりがない」 「勉強忍耐は、才力智徳の種子なり」 「恥を知れ。道に外れたことをして、恥を知らないものは、禽獣(きんじゅう)に劣る」 「決して贅沢するな。贅沢ほど、人を馬鹿にするものはない」 「武士道とは、身を殺して、仁をなすものである」 「武士道は、言葉ではない」 「社会主義は平等を愛するというが、武士道は自分を犠牲にして人を助けるものであるから、社会主義より上である」 「(日露戦争で敗れたロシア軍総指揮官ステッセルと会見する模様を米国人が映画に撮りたいと願い出た時)武士道の精神からいって、ステッセル将軍の恥が残るような写真は撮らせてはならない」 「(日露戦争後、時間が許せば戦死者遺族を訪問して言いたいとして)乃木があなた方の子弟を殺したにほかならず、その罪は割腹してでも謝罪すべきですが、今はまだ死すべき時ではないので、他日、私が一命を国に捧げるときもあるでしょうから、そのとき乃木が謝罪したものと思ってください」
*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆⑤)
◎「若き世代に訴える ペンクラブ講演会挨拶」(昭和22=1947年)
言論を圧迫し、無謀の戦争を起こし、敗れて、今日の日本となりました。一等国から三等、四等の国に下落し、今は文化国家として立つよりほかはないことになりました。戦争中、文化人は日陰者扱いを受けていましたが、戦後は急に活気を呈し、いろいろなことが文化人によって始められました。ペンクラブもその一つで、これが健全に発達し、数々の成果を収めてくれることを私は望んでおります。
日本が文化的に栄えるためには、外国から栄養を取る必要があります。翻訳が重要で、ペンクラブは当面の仕事として、外国のいい書物を自由に翻訳できるよう努力してもらいたいと思います。翻訳書を公正に評価し、いいものには会として折り紙をつけるようなことも仕事となるのではないでしょうか。日露戦争の後、国力の増進とともにその潮に乗って日本の文化は急速に進歩したと思います。ところが今日はちょうど反対の位置に置かれたわけで、文化の進展に大きなハンディキャップになります。今は文化人が文化国家建設ということで急に表面に活躍することになりましたが、重い荷物を背負わされたことになります。三等、四等の文化は意味のないことです。是が非でも一流のものを打ち立てなければなりません。
日本は昔から文化的に外国に誇ってもいい優れた人をたくさん出しています。私はよく俵屋宗達を考えます。宗達の作品は世界的に全くオリジナルで、一流です。文学の分野では井原西鶴もその一人です。日本にそういう人はたくさんいます。芸術の分野だけで考えても、日本人は一等国の国民としての素質を持った民族だという事ができます。人生は必ずしも人間の思考通りになるものではありません。禍が福になる場合もいくらもありますが、自然に福となるのではなく、意志を持つことによって初めて福となるのだと思います。今の若い人たちがそういう決心で闇から闇へ消えた人々の分までも背を背負って立つ覚悟で、気位は高く、希望を大きく持って、文化国家建設のために非常の精進をされることを望む次第であります。
