2026年9月7~11日(教養講座:志賀直哉の随筆)

2026.09.07メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年9月7日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(4~6日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

関東 東海 東北 線状降水帯発生の可能性 安全最優先に行動を | NHKニュース  →全国各地で大雨が続いているが、7日は朝から東海、関東、東北で線状降水帯が予想されている。在来線は始発から運転取りやめや本数を減らし、臨時休校する学校もある。東日本は厳戒態勢だ。8月に大きな被害の出た千葉県では自動車を高台に避難させている。新島村でレベル4、首都圏各地でレベル4が発令されている。

国民民主党 代表選挙 玉木代表が再選 | NHKニュース →予想通り玉木代表が再選された。得票は合計159ポイントのうち、玉木氏127ポイント、橋本氏32ポイント。批判票は全体の2割だった。玉木氏は「これまで通り、対決より解決でいく」と話しているが、中道改革が解体し、野党内で国民民主の存在感は高まっている。玉木私党的な現状から脱皮し、政権交代を目指す大きな塊を作ろうとするかどうか。

茂木外相・片山財務相の続投調整 継続性重視、小泉氏も有力―高市政権:時事ドットコム →自民党・内閣人事は骨格維持で、今後の焦点は高市首相が敬遠する参議院・石井幹事長の処遇というややプロ的な政局になっている。高市首相は、微妙な関係の麻生副総裁と手を握り、来年秋の総裁再選を狙う、と解説されている。見方を変えれば、麻生氏を切って独自色出すほどの政治的エネルギーが乏しいとも言える。

ニデック 品質不正で調査委員会が報告書 会社が会見 | NHKニュース  →ニデックの不適切行為は840件にのぼった。架空の部品強度を顧客に示したり、廃棄すべき部品の一部を使ったりしていた。背景について「永守氏への権限集中とマイクロマネジメントを基礎とする経営体制が続いた。短期的な業績目標の達成やコスト低減を強く求め続けた」と指摘している。永守氏はアニマルスピリットあふれる経営者と称賛されたが、退任会見もしていない。人々の記憶から消えていくようだ。

「米国は有害」、豪印で高く 対中不信で日本突出―クアッド各国調査:時事ドットコム →オーストラリアの大学によるクワッド4か国調査で、日本の「親米嫌中」が際立った。「米国はアジアで有益か有害か」との問いに「有害」と答えた人は、インド37%、豪州36%で、「有益」はいずれも2割台だった。一方、日本では「有益」42%、「有害」12%と米国に寛容だった。中国を「有害」と答えた人は、日本が57%と最も高く、豪州42%、インド38%、米国35%と続いた。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎エリザベス女王(英国の女王。2022年9月8日死去、96歳)

「命ある限り、私はこの身を捧げてあなた方の信頼に応えられるよう努めます」 「憎むことや壊すことはたやすいこと。築いていくことや慈しむことがはるかに困難なのです」 「平和が訪れたら、明日の世界をより良く、より幸せな場所にするのは、今日の子どもたちであることを忘れないでください」 「すべての素晴らしい家族がそうであるように、我が家にだって衝動的で言うことを聞かない若者や、家族間の意見の不一致といった変なところはあります」 「仕事とはこの地球上に存在するための家賃のようなもの」 「本当の愛国心とは他者の愛国心への理解を排除しない」 「差別は未だに存在する。自分の信仰が脅威にさらされていると感じる人もいれば、見知らぬ文化に対して不満を持つ人もいます。そんな人が知らなければならないことは、他者に歩み寄ることで得られるものがたくさんあるということ、そして多様性とは脅威でなく、確かな強さであるということです」

*** 今週の教養講座(志賀直哉の随筆①)

 NHKは8月24日に放送した「映像の世紀 バタフライエフェクト/特攻 若者たちの絶望と祈り」で、志賀直哉(1883~1971)の随筆を紹介した。志賀は「小説の神様」と呼ばれるが、随筆も多く残している。志賀直哉全集第7巻(岩波書店)から紹介する。初回は番組で紹介された随筆で、当時の様子が実感として伝わってくる。旧字は現代字にし、一部はわかりやすくした。短くするため略した文もある。

◎「特攻隊再教育」(昭和20=1945年)  特攻隊として特殊な精神教育を受けてきた青年たちを、そのまま復員してしまったことは、政府として、無責任極まる措置であったと思う。「死を見ること帰するが如く」という死に対する淡々たる心境は特攻隊がその任務に服するには最もふさわしいであろうが、まったく変わった今日の社会に、そのままの心境でいることは、誠に気の毒である。彼らが新しい生活を自身の力で見出せれば申し分ないが、思想そのものが今のように混乱していると、なかなか困難だろうと思う。おそらく彼等は今日の世相を軽佻浮薄、無節操なものと考え、白眼視しているのではないかと思う。

一方、終戦間際の彼らの飛行基地での生活は、例外もあると思うが、初めの頃の特攻隊の生活とは大分変わってきたような話も聞いた。彼らが戦争以外のこと、例えば人生とか故郷とか戦争に関係ない事柄に一切頭を向けないように、飲酒と女遊びを隊長達は勧めていたという話を聞いた。事実とすれば、悪い習慣を身につけて復員した青年たちが、今後どういうことになるか。復員の際のカネもいつまであるはずはなく、悪い習慣だけが残り、死ぬことが何でもないとすると、どういうことをしでかすか。まことに寒心に堪えぬものがある。今でも「特攻隊崩れ」という言葉が出てきているが、かつて特攻隊に対し何ともいいようのない悲壮な感情をもった国民が今さら、平気でそういう言葉を口にし、また口にしないではいられないようなことにはなりたくない。

青年たちの心境を健全なものに還す特別な教育をもう一度やる責任が政府にはあると思う。文部省と復員省は速やかにそういう学校を設け、彼らの頭を完全に切り替える工夫をすべきだ。もちろん自身でその切り替えのできた人々に対しては、そんな必要はないが。この戦争で日本が殺した青年の数は実に大変なものだ。中には日本の誇りともなるような人々がいたに違いない。そういう卵を日本は戦争でむなしく失った。今後わが国にとり、恐るべき人物の空白となる場合を考えると、今いる青年たちの中からひとりでも多く有為の人物を作り出すことに努力する責任がある。特攻隊のごとき変態的な教育を施し、終戦とともに復員し、何ら前後措置を取らないのは無責任極まることで、社会にいかなる悪影響を及ぼすか深く考えるべきだと思う。

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