2026年8月31日から9月4日(教養講座:国際機関とアメリカ)

2026.08.31メルマガ

~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年8月31日号(転送禁止)~~~

***デイ・ウォッチ(28~30日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

【被害まとめ】福井県内 道路冠水や住宅浸水の情報相次ぐ | NHKニュース 【大雨被害 動画】福井県内の上空からの映像 | NHKニュース →今度は福井県内でレベル5の記録的大雨があり、住宅の浸水や道路の冠水などの被害が出ている。福井市、勝山市、大野市などが中心で、全容はまだよくわからない。NHKの空からの映像では浸水地域は広範囲に及んでいる。先週大雨被害のあった石川、富山の被災地では復旧作業が続いているが、31日の北陸地方は猛暑日が予想されている。

ネパール土石流 768人死亡 3000人以上不明 6歳女児をがれきの下から救出 | NHKニュース  →ネパールの土石流被害は拡大し、死者768人、行方不明3000人以上にのぼっている。多くの映像が流れているが、すさまじい光景だ。被害はさらに拡大しそうだ。氷河崩壊が原因との見方が強まっており、地球温暖化が関係していそうだ。日本では大雨被害が顕著だが、被害は世界各地で拡大している。人類は戦争や対立をしている場合ではない。結束して気候変動問題に取り組まないと・・・。

立憲民主党 中道改革連合 公明党 3党が党首会談 立憲民主党が合流しない方針を伝達 | NHKニュース  →政治でも経済でも競争が望ましいが、野党がさらにバラバラになる。喜ぶのは自民党という構図が続く。急ごしらえの中道改革連合は、今年2月の総選挙で惨敗したといえ、比例区で1043万票、18.2%の得票を獲得した。自民党の半分で、議席数ほどの差はない。この票の受け皿がなくなる。野党は細かな差異にこだわりすぎだ。

国民民主党 代表選挙 討論会で党運営や組織のあり方めぐり論戦 | NHKニュース  →注目度は低いが、国民民主党の代表選挙が続いている。投票は9月6日。玉木代表の続投は確実視されているが、当選2回・30歳・元航空自衛官の橋本氏が論戦を挑んでいる。玉木代表は自民党とも近いが、橋本氏はもっと対峙するように訴えている。健全な競争だ。

横浜市の山中市長が辞職届 各党が選挙準備加速へ | NHKニュース  →パワハラを指摘された横浜市の山中市長が辞表を提出した。改心したとしても職員は忘れておらず、さすがに続投は無理だった。10月までに市長選があるが、出馬については「まったく未定」としている。ということは、立候補の可能性はゼロではない。市長を選ぶのは職員ではなく市民で、福祉を向上させたそれなりの実績もある。横浜市はどうなるのだろうか。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎ダグラス・マッカーサー(連合国軍最高司令官。1945年8月30日、厚木基地に降り立った)

「日本人は戦争以来、現代史上で最も偉大な改心を経験した」 「科学、美術、宗教、文化などの発展の観点からみて、アングロサクソン民族が45歳の壮年に達しているとすれば、ドイツ人はそれとほぼ同年齢である。しかし、日本人はまだ児童の時代で、12歳の少年である。ドイツ人が現代の道徳や国際道義を守るのを怠けたのは、それを意図的にやったのであり、無知のためではない。ドイツが犯した失敗は、日本人の失敗とは趣を異にする。日本人はドイツ人と違う。日本人は新しいモデル、新しい考え方を受け入れることができる。日本に基本的概念を植え付けることは可能である」 「(朝鮮戦争で)30発から50発の原子爆弾を満州の頚状部に投下すれば、10日以内に勝利できる。そうすれば、少なくとも60年間は北から朝鮮を侵攻する余地がなくなる」(マッカーサーは原爆を使いそうだという印象をトルーマン大統領に抱かせたため、ソ連による原爆投下の報復を恐れ解任されたといわれている)。

*** 今週の教養講座(国際機関とアメリカ①)

 筆者は今年7月、「10歳からの図解でわかる国際機関」(メイツ出版、1720円)を出版した。小中学生向けだが、執筆して改めて感じたことは、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領の登場で、国際協調主義が大きく揺らいでいることだ。国際機関の多くは、第二次世界大戦の反省で設立された。そこには「戦争はごめんだ。世界各国は仲良く協力しよう」という合意があった。戦後80年が過ぎ、国際協調をリードしてきたアメリカは、なぜ変質したのだろうか。国際機関の現状と課題を5分野に分けて解説する。初回は赤根所長に対する経済制裁が大きなニュースになっている国際司法分野のICC(国際刑事裁判所)を取り上げる。

【1】ICC=国際刑事司法――力ではなく法による国際社会へ

国際刑事裁判所(ICC)は、戦争犯罪や人道に対する罪、集団殺害など、国際社会全体に関わる重大犯罪をした個人を裁くための裁判所である。2002年に設立され、本部はオランダのハーグにある。国家間の争いを扱う国際司法裁判所(ICJ)とは異なり、大統領や軍人など「個人」の刑事責任を追及するところに特徴がある。

ICCが生まれた背景には、第二次世界大戦やその後の地域紛争への反省がある。国家の指導者であっても、重大な犯罪をすれば責任を問われるべきだという考え方である。「勝った国なら何をしてもよい」「大国の指導者は裁かれない」という世界から、国際法に基づく世界へ一歩進もうとする試みだった。

ただしICCには大きな弱点がある。米国、ロシア、中国などの大国が加盟していないことである。ICCには独自の警察もなく、容疑者の逮捕などは加盟国の協力に頼らざるを得ない。それでも国際社会が重大犯罪を放置しないという意思を示す点で重要な役割を持っている。

トランプ政権はICCに極めて批判的である。米国はそもそもICC加盟国ではなく、自国民が米国の同意なしに国際的な裁判所の捜査や裁判の対象になることは国家主権を侵害すると考えている。さらにICCの捜査には政治的な偏りがあるとして、関係者への制裁も行ってきた。ICCはプーチン大統領やネタニヤフ首相に逮捕状を出し注目されたが、米国はこのほど赤根智子所長を経済制裁の対象にした。

国際裁判所には公正さが求められるが、自国に不都合な判断をする国際司法機関に経済制裁を加えることが常態化すれば、より大きな問題が生じる。国際法より国家の力が上位に置かれてしまうからである。とりわけ重要なのは、すべての国に同じルールを適用することである。弱い国の指導者だけが裁かれ、強い国やその同盟国は責任を問われないのであれば、国際司法への信頼は生まれない。強国が国際司法そのものを拒絶すれば、「力のある国は例外」という考え方を固定することになる。

ICCには制度上の限界があり、改革も必要といえるが、目指している理念は重要だ。戦争や大量虐殺を最終的に「力」で決着させるのではなく、「法」によって責任を問う。その仕組みを育てられるかどうかは、人類が戦争の時代からどこまで前進できるかという問題でもある。ICCをめぐる米国との対立は、国家主権を優先する世界と、国家を超える法を育てようとする世界とのせめぎ合いといえる。赤根所長への制裁に対しては、欧州各国をはじめ中小規模の国々は一斉に非難している。「法の支配」を強調してきた日本政府にとっても大きな試金石である。

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