2026年7月6~10日(教養講座:太宰治の『津軽』)

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***デイ・ウォッチ(3~5日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

長期金利 約29年ぶり一時2.81%に上昇 インフレ加速観測などで | NHKニュース  →長期金利が3日、はね上がった。一時2.81%になり、1997年5月以来の水準。「骨太の方針」が日銀の利上げをけん制したと受け止められ、インフレ加速の見方が広がった。今後、消費減税や積極財政の動きが続きそうで、金利高・円安の加速は必至。高市政権の経済政策は市場とのあつれきを強めている。

トランプ大統領演説 アメリカ建国250年を誇る 対立勢力批判も | NHKニュース  →アメリカ建国250周年イベントで、トランプ大統領が演説をした。通常なら国の団結を訴えるはずだが、民主党左派を念頭に「共産主義の国にはならない」と党派色の強い演説で分断をあおった。歴史への敬意も格調も良識もない。イランはハメネイ師の葬儀をぶつけた→イラン ハメネイ師葬儀続く アメリカと“一連の行事が終わるまで協議中断で合意”報道も | NHKニュース

米民主党急進左派が躍進「米国民は現状維持の政治にうんざり」:時事ドットコム →トランプ大統領が「共産主義者」と呼ぶのが、民主党の急進左派。中間選挙に向けた民主党予備選挙で伸びている。民主党指導部に対し「慎重すぎる。大企業寄りでワシントン体制に染まりすぎている」と批判している。中間選挙や次期大統領選に向けて注目の潮流だ。

はやぶさ2が小惑星「トリフネ」に接近 無事通過 JAXA | NHKニュース | 宇宙  →はやぶさがまた頑張っている。小惑星「トリフネ」に接近し、無事通過した。「フライバイ」と呼ばれ、地球に衝突する惑星から地球を防衛する技術に応用できるという。はやぶさは2031年到達予定の小惑星に向けて飛行を続ける。いつもご苦労さんという気持ちになる。

京大、「国際卓越大」第3号に 今夏正式認定、200億円助成へ:時事ドットコム →京都大学が、東北、東京科学大に次いで3番目の「国際卓越大」に認定された。初年度だけで200億円規模の助成がある。政府から見れば、大学は自ら改革できないのでエサで変革を迫る。大学から見れば、政府の関与が強まる。京大特有の自由さの喪失を心配する声がある。効果検証が重要だが、いつ何を指標にするのか、検証するころには決定責任者もいない、といった問題がある。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎大谷翔平(プロ野球選手。7月5日は32歳の誕生日)

「期待は応えるものじゃなくて超えるもの」 「やりたいことは全部やる。失敗してもやらないよりはマシ」 「小さなことの積み重ねが、大きな結果を生む」 「誰かのために頑張れる人は強い」 「夢は口に出したほうがいい。周りに言うことで、自分も覚悟が決まる」 「目標があるから、人は頑張れる」 「自分がどうなりたいかを、具体的に考える」 「目の前のことを、一つずつ丁寧にやる」 「結果が出ないときこそ、自分を信じる」 「プレッシャーは、成長のチャンス」 「失敗してもいい。そこから何を学ぶかが大切」 「努力は裏切らない。裏切るとすれば、自分自身」 「記録より記憶に残る選手でありたい」 「人と比べるより、昨日の自分と比べる」 「運も実力のうち。運を引き寄せる努力をする」 「自分がやったことは、必ず自分に返ってくる」 「理想の自分に近づくために、逆算して考える」 「成功しても調子に乗らない。失敗しても落ち込まない」 「勝っても反省、負けても前向きに」

*** 今週の教養講座(太宰治の「津軽」①)

 今週は太宰治の自伝的小説「津軽」のクライマックス場面を紹介します。太宰は青森県金木町の素封家の家に生まれましたが、左翼運動や薬物中毒で乱れた私生活を送り、実家では疎まれた存在でした。幼少期は越野タケという女性に子守をしてもらって育ち、母よりも心を寄せていました。小説家として名を成し、津軽半島を巡る旅に出て、小泊村に住むタケを探そうとします。村の運動会でやっとタケに出会うと・・・。小説は戦時中の1944年11月に出版され、太宰の最高傑作と評価する人もいます。太宰は1948年6月に自殺しました。再会した場所には記念館と銅像(写真を添付=現中泊町)があります。

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お昼すこし前に、私は小泊港に着いた。「越野たけ、という人を知りませんか」私はバスから降りて、その辺を歩いている人をつかまえ、すぐに聞いた。「こしの、たけ、ですか」。国民服を着た、役場の人か何かではなかろうかと思われるような中年の男が、首をかしげ、「この村には、越野という苗字の家がたくさんあるので」「前に金木にいた事があるんです。そうして、いまは、五十くらいのひとなんです」私は懸命である。「ああ、わかりました。その人なら居ります」「いますか。どこにいます。家はどの辺です」

私は教えられたとおりに歩いて、たけの家を見つけた。間口三間くらいの小ぢんまりした金物屋である。東京の私の草屋よりも十倍も立派だ。店先にカーテンがおろされてある。いけない、と思って入口のガラス戸に走り寄ったら、果して、その戸に小さい南京錠が、ぴちりとかかっているのである。他のガラス戸にも手をかけてみたが、いずれも固くしまっている。留守だ。私は途方にくれて、汗を拭った。引っ越した、なんて事は無かろう。どこかへ、ちょっと外出したのか。いや、東京と違って、田舎ではちょっとの外出に、店にカーテンをおろし、戸じまりをするなどという事はない。二、三日あるいはもっと長い外出か。こいつあ、だめだ。たけは、どこか他の部落へ出かけたのだ。あり得る事だ。

家さえわかったら、もう大丈夫と思っていた僕は馬鹿であった。私は、ガラス戸をたたき、越野さん、越野さん、と呼んでみたが、もとより返事のあるはずは無かった。溜息をついてその家から離れ、少し歩いて筋向いの煙草屋に入り、越野さんの家には誰もいないようですが、行先をご存じないかと尋ねた。そこのやせこけたおばあさんは、運動会へ行ったんだろう、と事もなげに答えた。私は勢い込んで、「それで、その運動会は、どこでやっているのです。この近くですか、それとも」。すぐそこだという。この路をまっすぐに行くと田圃に出て、それから学校があって、運動会はその学校の裏でやっているという。「けさ、重箱をさげて、子供と一緒に行きましたよ」「そうですか。ありがとう」

教えられたとおりに行くと、なるほど田圃があって、その畦道を伝って行くと砂丘があり、その砂丘の上に国民学校が立っている。その学校の裏に廻ってみて、私は、呆然とした。こんな気持をこそ、夢見るような気持というのであろう。本州の北端の漁村で、昔と少しも変らぬ悲しいほど美しく賑やかな祭礼が、いま目の前で行われているのだ。まず、万国旗。着飾った娘たち。あちこちに白昼の酔っぱらい。そうして運動場の周囲には、百に近い掛小屋がぎっしりと立ちならび、いや、運動場の周囲だけでは場所が足りなくなったと見えて、運動場を見下せる小高い丘の上にまでむしろで一つ一つきちんとかこんだ小屋を立て、そうしていまはお昼の休憩時間らしく、その百軒の小さい家のお座敷に、それぞれの家族が重箱をひろげ、大人は酒を飲み、子供と女は、ごはん食べながら、大陽気で語り笑っているのである。日本は、ありがたい国だと、つくづく思った。

たしかに、日出ずる国だと思った。国運を賭しての大戦争の最中でも、本州の北端の寒村で、このように明るい不思議な大宴会が催されて居る。古代の神々の豪放な笑いと闊達な舞踏をこの本州のへき地において直接に見聞する思いであった。海を越え山を越え、母を捜して三千里歩いて、行き着いた国の果の砂丘の上に、華麗なお神楽が催されていたというようなおとぎ話の主人公に私はなったような気がした。さて、私は、この陽気なお神楽の群集の中から、私の育ての親を捜し出さなければならない。わかれてから、もはや三十年近くなるのである。眼の大きい頬っぺたの赤いひとであった。右か、左のまぶたの上に、小さい赤いほくろがあった。私はそれだけしか覚えていないのである。会えば、わかる。その自信はあったが、この群集の中から捜し出す事は、むずかしいなあ、と私は運動場を見廻してべそをかいた。どうにも、手の下しようがないのである。私はただ、運動場のまわりを、うろうろ歩くばかりである。

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***デイ・ウォッチ(6日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

FIFAレッドカード退場のアメリカ代表 バログン出場停止猶予 トランプ氏が要請 | NHKニュース  →こんなことがあっていいのだろうか。FIFAの自殺行為であり、歴史的汚点だ。トランプ大統領は国際法違反を繰り返しているが、スポーツにも介入し、FIFAも受け入れた。「トランプはん、お主も悪よのう。そりゃー、できまへんで」と断ればいいのに・・・。この調子なら「アメリカを優勝させろ」と言い出すのではないか。一方、ブラジルが敗退し、日本敗戦の価値も下がったか→ノルウェーがブラジル破る 初の準々決勝進出 | NHKニュース

参議院 法案審議再開へ 衆議院では与野党対立続く | NHKニュース  →高市首相が中傷動画の陳述書問題で、「国会審議を重視する」と釈明し、参院で審議が再開する。中傷動画は本当に動画が流れたのかという疑惑が浮上し、週刊文春も撤退の模様。情報提供をした人物の言動に疑念が出ている。今後の焦点は、維新が固執する法案と国会延長の行方に移りつつある。高市首相は答弁で、今の天皇を指す「今上(きんじょう)」を「こんじょう」と発音していた。保守派を自認する政治家として、皇室典範改正案を提出した責任者として、見識が問われる。間違いは2回目だが、周りで注意する人はいないのだろうか。

中国軍が太平洋の公海上へ潜水艦発射型戦略ミサイルの発射実験 | NHKニュース  →中国脅威論が高まりそうだが、経済成長をすれば軍事費が増えるのは常識。日本が対抗しようとしても、国力の差は歴然で意味はない。日本が台湾に過剰に関与しない限り、中国が日本を攻撃することはない。日本が中国に対抗して軍事費を増強しようとすれば、増税しかないが、日本にそんな余裕はない。脅威を強調するより友好を追求するのが国民の利益だ。

円相場 162円台前半に値下がり 日米金利差意識され円安進む | NHKニュース    長期金利、2.830%に上昇 「骨太ショック」で29年ぶり高水準:時事ドットコム →円安と債券安(金利高)が進んでいる。高市政権が威勢よく経済を吹かそうとすればするほど、市場は日本売りへと反応するだろう。厳しことだが、日本はいまの実力を冷徹に見つめ、賢明な自画像を描かなければならない。

4.6万アカウントを勝手に退会処理、高1男子逮捕 「チャットGPT」で不正プログラム自作―警視庁:時事ドットコム →所沢市の高校1年生が、不正プログラムでバンダイナムコの業務を妨害したとして逮捕された。動画サービスの4.6万の会員アカウントを勝手に退会処理した。小学校4年からプログラミングを学び、これまでも不正行為を繰り返していたという。誰もが社会に混乱を起こせる時代になった。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎栄西(臨済宗の開祖。1215年7月5日死去、74歳)

「人間の心は広大だ。天空の高さには圧倒されるが、心はその高さをも超えることができる。大地の厚さはとてつもないが、心はその厚さをも超えることができる。太陽や月の光は厳かで秀麗だが、心の輝きはその光をも凌駕することができる。この宇宙は果てしないが、心は宇宙を越えて無限である」 「仏などいない。いるのは、ただ狸と狐ばかりである」 「1日絶食して餓死するとしても、苦しがってはならない」 「あまねくすべての人々を救おうとして、自分1人の小果を求め、満足してはならない」 「(仏像を造るためにせっかく蓄えた銅を、救いを求める飢えた人々に分け与えたことを批判されて)私はこの罪によってたとえ地獄に墜ちるとしても、衆生の飢えを救いたい」

*** 今週の教養講座(太宰治の「津軽」②)

「越野たけというひと、どこにいるか、ご存じありませんか」。私は勇気を出して、ひとりの青年にたずねた。「五十くらいのひとで、金物屋の越野ですが」。それが私のたけについての知識の全部なのだ。「金物屋の越野・・・」。青年は考えて、「あ、向こうのあのへんの小屋にいたような気がするな」「そうですか。あのへんですか?」「さあ、はっきりは、わからない。何だか、見かけたような気がするんだが、まあ、捜してごらん」

その捜すのが大仕事なのだ。まさか、三十年振りで云々と、青年にきざったらしく打ち明け話をするわけにも行かぬ。私は青年にお礼を言い、その漠然と指差された方角へ行ってまごまごしてみたが、そんな事でわかるはずはなかった。とうとう私は、昼食最中の団欒の掛小屋の中に、ぬっと顔を突き入れ、「おそれいります。あの、失礼ですが、越野たけ、あの、金物屋の越野さんは、こちらじゃございませんか」。「ちがいますよ」。ふとったおかみさんは不機嫌そうに眉をひそめて言う。「そうですか。失礼しました。どこか、この辺で見かけなかったでしょうか」。「さあ、わかりませんねえ。何せ、大勢の人ですから」

私はさらにまた別の小屋をのぞいて聞いた。わからない。さらにまた別の小屋。まるで何かにつかれたみたいに、たけはいませんか、金物屋のたけはいませんか、と尋ね歩いて、運動場を二度もまわったが、わからなかった。二日酔い気味なので、のどがかわいてたまらなくなり、学校の井戸へ行って水を飲み、それからまた運動場へ引返して、砂の上に腰をおろし、ジャンパーを脱いで汗を拭き、老若男女の幸福そうな賑わいを、ぼんやり眺めた。

この中に、いるのだ。たしかに、いるのだ。いまごろは、私のこんな苦労も何も知らず、重箱をひろげて子供たちに食べさせているのであろう。いっそ、学校の先生にたのんで、メガホンで「越野たけさん、御面会」とでも叫んでもらおうかしら、とも思ったが、そんな暴力的な手段は何としてもイヤだった。そんな大袈裟な悪ふざけみたいな事までして無理に自分の喜びをでっち上げるのはイヤだった。縁が無いのだ。神様が逢うなとおっしゃっているのだ。帰ろう。

私は、ジャンパーを着て立ち上った。また畦道を伝って歩き、村へ出た。運動会のすむのは四時頃か。もう四時間、その辺の宿屋で寝ころんで、たけの帰宅を待っていたっていいじゃないか。そうも思ったが、その四時間、宿屋の汚い一室でしょんぼり待っているうちに、もう、たけなんかどうでもいいような、腹立たしい気持になりやしないだろうか。私は、いまのこの気持のままでたけに逢いたいのだ。しかし、どうしても逢う事が出来ない。つまり、縁が無いのだ。

はるばるここまでたずねて来て、すぐそこに、いまいるという事がちゃんとわかっていながら、逢えずに帰るというのも、私のこれまでの要領の悪かった生涯にふさわしい出来事なのかも知れない。私が有頂天で立てた計画は、いつでもこのように、かならず、ちぐはぐな結果になるのだ。私には、そんな具合のわるい宿命があるのだ。帰ろう。

考えてみると、いかに育ての親とはいっても、露骨に言えば使用人だ。女中じゃないか。お前は、女中の子か。男が、いいとしをして、昔の女中を慕って、ひとめ逢いたいだのなんだの、それだからお前はだめだというのだ。兄たちがお前を、下品なめめしい奴と情無く思うのも無理がないのだ。お前は兄弟中でも、ひとり違って、どうしてこんなにだらしなく、きたならしく、いやしいのだろう。しっかりせんかい。

私はバスの発着所へ行き、バスの出発する時間を聞いた。一時三十分に中里行きが出る。もう、それっきりで、あとはないという事であった。一時三十分のバスで帰る事にきめた。もう三十分くらいあいだがある。少しおなかもすいて来ている。私は発着所の近くの薄暗い宿屋へ入って、「大急ぎでひるめしを食べたいのですが」と言い、また内心は、やっぱり未練のようなものがあって、もしこの宿が感じがよかったら、ここで四時頃まで休ませてもらって、などと考えてもいたのであるが、断られた。きょうはうちの者がみな運動会へ行っているので、何も出来ませんと病人らしいおかみさんが、奥の方からちらと顔をのぞかせて冷たい返事をしたのである。

いよいよ帰ることにきめて、バスの発着所のベンチに腰をおろし、十分くらい休んでまた立ち上り、ぶらぶらその辺を歩いて、それじゃあ、もういちど、たけの留守宅の前まで行って、ひと知れず今生(こんじょう)のいとま乞いでもして来ようと苦笑しながら、金物屋の前まで行き、ふと見ると、入口の南京錠がはずれている。そうして戸が二、三寸あいている。

天のたすけ! と勇気百倍、グワラリという品の悪い形容でも使わなければ間に合わないほど勢い込んでガラス戸を押しあげ、「ごめん下さい、ごめん下さい」。「はい」と奥から返事があって、十四、五の水兵服を着た女の子が顔を出した。私は、その子の顔によって、たけの顔をはっきり思い出した。もはや遠慮をせず、土間の奥のその子のそばまで寄って行って、「金木の津島です」と名乗った。

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***デイ・ウォッチ(7日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう

自民・維新が定数削減法案成立見送り確認 皇室典範改正案の審議優先 [高市早苗首相]:朝日新聞 →維新はやはり「踏まれてもついていきます下駄の雪」か。与党の党首会談は定数削減法案の今国会成立を見送ることで合意した。維新寄りの高市首相も自民主流派の意向を無視できない。皇室典範改正案の成立を優先させるが、天皇や国民の間で養子案の評判がよくない。与党は強行するのだろうか。何らかの修正がありそうだ。

リニア中央新幹線 静岡県知事 県内の着工容認を表明 | NHKニュース →強烈な個性の川勝前静岡県知事が政治問題化させたリニア問題。それまでJR東海に邪険にされてきた地元首長が応援したが、後任に松下政経塾出身の鈴木知事が就任し、実務的に処理した。静岡県は、新幹線の静岡空港駅など大きな見返りを得られなかったことになる。難工事が予想され、開業時期ははっきりしない。

サッカーW杯 ベルギーがアメリカに勝利  | NHKニュース トランプ氏、FIFAに米選手の出場停止見直し求めたと認める - BBCニュース →「神の声」でレッドカードが猶予された米国だが、ベルギーに4対1で敗れた。「ざまあみろ」と思ったファンも多いだろう。FIFAの決定には批判が渦巻いている。うやむやにしないで、プロセスを検証して公表することが、最低限必要だろう。子どもたちに顔向けできない。

租特見直し、廃止相当は1件 片山財務相「満足いかず」―省庁の自己点検:時事ドットコム →租税特別措置は、消費減税の財源と見込まれ、与党が見直しの方針を打ち出していた。企業向けの優遇措置が中心だが、点検対象120件のうち「終了相当」とされたのはわずか1件。既得権の壁は厚い。改革は必要だが、与党は簡単に財源になり得ないことをしっかり受け止める必要がある。

ヒューリック、東大受験「鉄緑会」買収 トップ進学塾の拡大支援 – 日本経済新聞  →不動産のヒューリックが、ベネッセ傘下で東大受験に強い進学塾「鉄緑会」を買収する。ヒューリックは個別指導塾「トーマス」を2024年に買収しており、教育業界で再編が起きている。塾は大手企業傘下で生き残る時代になっているようだ。

*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)

◎安倍晋三(元首相。2022年7月8日暗殺、67歳)

「自分の命は大切なものです。しかし、時にはそれを投げうって守るべき価値が存在するのだ、ということを考えたことがあるでしょうか。私たちは、いま自由で平和な国に暮らしています。しかし、この自由や民主主義を私たちの手で守らなければならない」 「だれが何と言おうと、どんなに批判を受けようと、自分の信念を持ち続けることが重要です」 「日本を、取り戻す」 「憲法改正に向けて頑張っていく。これが私の歴史的な使命だ」 「自分の信念も哲学も政策もない人たちを中道の政治家という。堕落した精神、ひたすら大衆に迎合しようとする醜い姿がそこにある。つまり自分達の考え方がない」 「もし私が批判されることを恐れて自説を引っ込め、戦うことをやめていたら、今の私はなかったでしょう」 「日本銀行の金融緩和政策は当然続けないといけない。米国のように金融を引き締めれば景気がガンと悪くなる。日銀の黒田東彦総裁がやっていることは間違いない」

*** 今週の教養講座(太宰治の「津軽」③)

少女は、あ、と言って笑った。津島の子供を育てたという事を、たけは、自分の子供たちにもかねがね言って聞かせていたのかも知れない。もうそれだけで、私とその少女の間に、一切の他人行儀がなくなった。ありがたいものだと思った。私は、たけの子だ。女中の子だって何だってかまわない。私は大声で言える。私は、たけの子だ。兄たちに軽蔑されたっていい。私は、この少女ときょうだいだ。

「ああ、よかった」。私は思わずそう口走って、「たけは? まだ、運動会?」。「そう」。少女も私に対しては毫末の警戒も含羞もなく、落ちついてうなずき、「私は腹がいたくて、いま、薬をとりに帰ったの」。気の毒だが、その腹いたが、よかったのだ。腹いたに感謝だ。この子をつかまえたからには、もう安心。大丈夫、たけに逢える。もう何が何でもこの子から離れなければいいのだ。

「ずいぶん運動場を捜し廻ったんだが、見つからなかった」。「そう」と言ってかすかにうなずき、おなかをおさえた。「まだ痛いか」。「すこし」と言った。「薬を飲んだか」。黙ってうなずく。「ひどく痛いか」。笑って、かぶりを振った。「それじゃあ、たのむ。僕を、これから、たけのところへ連れて行ってくれよ。お前もおなかが痛いだろうが、僕だって、遠くから来たんだ。歩けるか」。「うん」と大きくうなずいた。「偉い、偉い。じゃあひとつたのむよ」。うん、うんと二度続けてうなずき、すぐ土間へ降りて下駄をつっかけ、おなかをおさえて、からだをくの字に曲げながら家を出た。

「運動会で走ったか」。「走った」。「賞品をもらったか」。「もらわない」。おなかをおさえながら、とっとと私の先に立って歩く。また畦道をとおり、砂丘に出て、学校の裏へまわり、運動場のまんなかを横切って、それから少女は小走りになり、一つの掛小屋へ入り、すぐそれと入れ違いに、たけが出て来た。たけは、うつろな眼をして私を見た。

「修治だ」。私は笑って帽子をとった。「あらあ」。それだけだった。笑いもしない。まじめな表情である。でも、すぐにその硬直の姿勢を崩して、さりげないような、へんに、あきらめたような弱い口調で、「さ、入って運動会を」と言って、たけの小屋に連れて行き、「ここさお坐りになりせえ」とたけのかたわらに坐らせ、たけはそれきり何も言わず、きちんと正座してそのモンペの丸い膝にちゃんと両手を置き、子供たちの走るのを熱心に見ている。

けれども、私には何の不満もない。まるで、もう、安心してしまっている。足を投げ出して、ぼんやり運動会を見て、胸中に、一つも思う事がなかった。もう、何がどうなってもいいんだ、というような全く無憂無風の情態である。平和とは、こんな気持の事を言うのであろうか。もし、そうなら、私はこの時、生れてはじめて心の平和を体験したと言ってもよい。

先年なくなった私の生みの母は、気品高くおだやかな立派な母であったが、このような不思議な安堵感を私に与えてはくれなかった。世の中の母というものは、皆、その子にこのような甘い放心の憩いを与えてやっているものなのだろうか。そうだったら、これは、何を置いても親孝行をしたくなるにきまっている。そんな有難い母というものがありながら、病気になったり、なまけたりしているやつの気が知れない。親孝行は自然の情だ。倫理ではなかった。

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