2026年11月2~6日(教養講座:アメリカ中間選挙の基礎知識)
~~~ 長谷川塾メルマガ 2026年11月2日号(転送禁止)~~~
***デイ・ウォッチ(30~1日/コメントも参考にしながら自分の考えをまとめましょう)
◎1兆円不正流出「北朝鮮が関与」 バイナンス暗号資産が資金洗浄―FBI:時事ドットコム →暗号資産の世界最大手バイナンスの不正流出に北朝鮮が関与していたとFBIが発表した。「トレーダートレーター」というハッカー集団が、盗み出した資産を資金洗浄したという。バイナンスは資産の9割を補填したという。スパイ小説さながらの不正流出。闇は深そうだ。
◎ウクライナ南部の停戦で住民退避が終了 和平進展につながるか | NHKニュース →ウクライナ南部のオレシュキで一時的な停戦が成立し、住民の退避が終了した。トランプ大統領のメラニア夫人がロシアとウクライナを仲介した。両国とも疲弊は甚だしい。全面的な停戦につながる可能性はどうか。メラニア夫人はロシア侵攻で離ればなれになった親子を再会させる取り組みをしていた。全面停戦となれば、メラニア夫人こそノーベル平和賞ではないか。
◎日銀 物価2%到達で定着に軸足移す 利上げどう進めるか焦点 | NHKニュース →日銀が物価上昇の「2%到達」を宣言した。2013年に物価目標を導入して以降、初めて。すでに物価高が定着している生活実感とはややかけ離れているが、理論的には物価の押し上げから安定の段階に移行し、利上げをしやすくなる形になる。利上げに慎重な政府と水面下の攻防が続く。
◎全日本大学駅伝は早稲田大が16年ぶり優勝 今シーズン2冠 | NHKニュース →全日本大学駅伝で、早稲田大学が大会記録を3分以上更新し16年ぶりの優勝を飾った。1~3区の1年生が快走、2区からトップを維持した。出雲駅伝に次ぐ2冠達成。箱根駅伝に力を入れ、3連覇中の青山学院は4位。正月の対決が楽しみになってきた。
◎ジャングリア沖縄“新スポンサー探し半年程度かけて進めたい” | NHKニュース →鳴り物入りで始まった沖縄のリゾート「ジャングリア」。運営する親会社が173億円の赤字を計上したが、9月の株主総会で承認が得られず、10月30日の総会でやっと承認された。立て直しのスポンサーを半年程度かけて探すという。手を上げる企業がいるかどうか。
*** 「今日の名言」(気に入った言葉を探してみましょう)
◎村上龍(小説家。2026年10月17日死去、74歳)
「ファシズムは、絶望から生まれる」 「この国には何でもある。だが、希望だけがない」 「自分が全力で取り組める一生の仕事を持っているかどうか。人生はその一点にかかっている」 「世の中には、好きなことを仕事にしている人とそうでない人の、2通りしかいない」 「努力そのものに喜びを見出せた人は、それだけで成功者と呼べる」 「誰かに何かをしてあげたい、何かをしてあげることができる存在になりたいという思いが、どれだけ普遍的で切実なものなのかを、これから日本人は思い知るようになると思う」 「自立心だ。自分自身を頼りにする気持ちだ。自分以外の物事に必要以上に影響されないことだ」 「芸術家も同じだが、本当の政治的カリスマも最初は嫌悪をもって迎えられる」 「才能とは、危機感に支えられた意志である」 「この国では、無知、あるいは知識や情報が足りないことが場合によって罪悪になるという認識が薄い」 「教養は一種の情報だ。情報がないと人間は残虐になる」
*** 今週の教養講座(アメリカ中間選挙の基礎知識①)
アメリカでは11月3日に中間選挙が実施されます。4年に1度の大統領選挙から2年後に行われるため、中間選挙と呼ばれています。今回は2025年1月に発足した第2次トランプ政権の任期半ばに当たります。大統領の政策や政治姿勢に対する国民の評価が、選挙結果に反映されるため、世界の関心が集まっています。今週は中間選挙を読み解くための基礎知識を紹介します。
第1回 中間選挙とは何か――大統領を監視する民主主義の仕組み
中間選挙は大統領を選び直す選挙ではなく、中心となるのは連邦議会の議員選挙である。アメリカの議会は上院と下院の二院制を採用している。上院の定数は100人で、50州から各2人が選ばれる。人口の多いカリフォルニア州も、人口の少ないワイオミング州も同じ2人である。任期は6年で、2年ごとに約3分の1が改選される。
一方、下院の定数は435人で、州の人口に応じて議席が配分される。任期は2年で、全議員が2年ごとに改選される。今回の選挙では下院の全435議席と、補欠選挙を含む上院35議席が争われる。州知事や州議会議員などの選挙も各地で実施される。
このような仕組みになっている背景には、アメリカ建国以来の権力に対する警戒心がある。1776年に独立を宣言したアメリカは、イギリス国王による統治への反発から生まれた国家だった。建国の指導者たちは、1人の政治家や1つの機関に権力が集中することを恐れた。
そこで、大統領を中心とする行政、議会による立法、裁判所による司法を分離する三権分立を採用した。互いに権力を監視し、抑制する「チェック・アンド・バランス」の仕組みである。大統領は法律の制定を議会に一方的に命令できない。予算や法律を成立させるには、原則として議会の協力が必要になる。議会には行政を調査する権限もある。大統領の所属政党が議会で多数派を失えば、政権運営が難しくなることがある。
ここで注目したいのは、選挙の頻度である。大統領の任期は4年だが、下院議員は2年ごとに有権者の審判を受ける。国民の意見を政治に反映させる機会が、大統領選挙の間にも設けられている。中間選挙は、単に議会の多数派を決める選挙ではなく、国民が大統領の権力を間接的に監視し、政治の方向を修正する機会でもある。権力を誰に、どこまで、どの期間与えるのか。
アメリカの中間選挙には、民主主義の根本的な問いと機能が込められている。
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